人事管理システム(HCM)を導入するメリデメとは?【徹底解説】
人事管理システム(HCM)の導入は、既存人材を有効活用するきっかけが得られるだけでなく、新たに優秀な人材を採用する際にも大きな効果が期待できます。 この記事では、人事管理システムの導入にともなうメリットとデメリットについて解説していきます。人事管理システムの導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
- 人事管理システム(HCM)とは
- 人事管理システム(HCM)の機能
- 人事管理システム(HCM)を導入するメリット
- 人事管理システム(HCM)を導入するデメリット
- 人事管理システム(HCM)を導入する時に注意したいポイント
- おすすめの人事管理システム(HCM)3選
- 【まとめ】メリデメを確認してから人事管理システム(HCM)を選ぼう
人事管理システム(HCM)とは
人事管理システム(HCM)とは、人材管理に関する業務の効率化・自動化を通じて、業務パフォーマンスの改善や人事担当者の業務負担軽減をサポートするサービスです。HCMは「Human Capital Management」の略称で、従業員を企業の資本として考え、価値を最大化することで企業としての成長を図る手法のこと。人事管理システムの目的と共通する部分もあるからか、人事管理システムを「HCMシステム」と呼ぶこともあるようです。
人事管理システムを導入によって従業員1人ひとりの経歴やスキルなどを把握すれば、特性に合わせた配置が可能となり、業績の向上や従業員満足度改善による離職率の低下にもつなげられるでしょう。
人事管理システム(HCM)の機能
人事管理システム(HCM)の代表的な機能としてあげられるのは、従業員情報や組織改編の管理です。従業員に関する基本的なデータを一元管理することで、1人ひとりのスキルセットの効率的な把握を促します。採用から退職にいたるまでのデータをしっかりと管理し、最新のスキルセットが可視化されれば、状況に応じて最適な人員配置が行えます。
また、勤怠情報や休暇の取得状況、給与情報などもまとめて管理すれば、評価が適切に反映されているかの確認も可能。業績評価や360度評価といった人事評価も管理できるため、タレントマネジメントの徹底にも役立ちます。
ダッシュボード機能を活用すれば、入社・退職状況の推移や男女比、年齢構成といったデータが視覚的に確認できるため、資料作成の効率化が叶うでしょう。
くわえて、ほかのシステムやツールとの連携機能では、既存システムに蓄積されたデータの活用も可能です。
人事管理システム(HCM)を導入するメリット
人事管理システム(HCM)を導入すると、具体的にはどのような効果が得られるのでしょうか。ここからは、人事システム導入の5つのメリットを解説していきます。
人事業務が効率化できる
人事管理システムを導入するメリットとしてはじめにあげられるのは、人事業務全般の効率化が実現するという点です。人事管理システムには人事担当者の業務負担が大幅に軽減できる機能が多く備わっており、場合によっては業務を自動化することもできます。人事部門の人出が慢性的に不足しているという場合にも大きな効果を発揮するでしょう。
業務効率化によって時間に余裕が生まれれば、採用戦略の立案をはじめとする重要な業務へリソースが活用できます。
適正な人材配置が叶う
人事管理システムの導入によって従業員1人ひとりの能力や経歴、特性が可視化されれば、それぞれのスキルや個性に合わせた人員配置が可能となります。履歴書や職務経歴書だけではわからない情報がデータベースに蓄積できれば、新規事業の立ち上げにともなう採用が不要になることもあるかもしれません。
優秀な人材を確保できる
優秀な人材の確保が推進できるというのも、人事管理システムを導入するメリットの1つです。多くの企業が人材獲得に悩む中で、優秀な人材を獲得するのはさらに難易度が高いもの。高額な報酬が保証される大企業や、海外企業を選ぶ人材も少なくありません。
高い能力を持つ人材は、「適材適所を実現している職場」や「成果が可視化される職場」を好む傾向にあるとされています。従業員に関するさまざまなデータが可視化できる人事管理システムは、そうした環境づくりにも大きく役立てられるでしょう。
従業員のモチベーション向上につながる
従業員の定着率や生産性が改善しない要因としてあげられるのが、「評価が報酬や待遇に反映されていると感じられない」というものです。しかし、人事管理システムの導入によって客観性のある評価制度が構築されれば、属人的な要素を排除したフラットな評価につながり、従業員の満足度とともにモチベーション向上が叶うでしょう。
高いモチベーションが維持できる職場なら、離職率の改善も実現するはずです。
人材育成の計画・実施がスムーズに
人事管理システムは長期的な人材育成の計画・実行のサポートができるため、サステナブルな企業文化を育むのにも役立ちます。
これまでは「長期的な人材育成計画を立案しても、離職や配置転換などで思うように進められない」といった背景から、計画どおりに人材育成を進めるのが困難となっていました。しかし、人材の採用段階から情報が管理できる人事管理システムを導入すれば、従業員の動きを追跡しながら状況に合わせたタレントマネジメントが可能となります。
人事管理システム(HCM)を導入するデメリット
人事管理システムは多くのメリットをもたらす反面、デメリットがあるのも事実です。メリットだけでなくデメリットも理解し、トラブルをうまく回避しましょう。
導入工数がかかってしまう
人事管理システムの導入に際しては初期費用が発生するだけでなく、運用開始までに一定の期間が必要という点を留意しておきましょう。運用がはじまれば多くのメリットが期待できますが、そこにいたるまでにはシステムの選定やニーズの洗い出し、必要な機能の把握などさまざまな工程が生まれます。
また、導入には相応の予算が必要となるため、前もって上長の承認を得るなど社内調整も必要です。タイトなスケジュールでの導入・運用はハードルが高いため、時間に余裕をもって導入を進めるようにしましょう。
セキュリティに不安が残る場合もある
人事管理システムを導入する際には、セキュリティ対策にも注意する必要があります。近年主流となっているクラウド型の人事管理システムは、セキュリティ対策に注力しているものが多く、大切なデータを安心して扱うことが可能です。
しかし、自社のオフィスや従業員宅のネットワークのセキュリティが不十分であった場合は、そこからセキュリティホールが生まれる可能性も否定はできません。システムを利用する環境にも十分に注意しましょう。
人事管理システム(HCM)を導入する時に注意したいポイント
ここからは、人事管理システムを導入する際に気を付けたいポイントを解説していきます。より大きな効果を得るためにも、以下のポイントを意識して選定を進めましょう。
自社に適した導入形態を確認する
人事管理システムの導入形態は、インターネット環境があれば利用できる「クラウド型」と、社内のサーバーやPCにシステムをインストールする「オンプレミス型」の2種に分かれます。
クラウド型は比較的短期間で導入ができ、初期費用が抑えられるというのが特徴。一方で、インターネット環境がなければ利用できないという問題も抱えています。
オンプレミス型は社内のサーバーに構築・インストールするため、柔軟性に優れているという特徴があります。反面、オフィスでなければ操作ができないため、外出先や自宅からの利用が不可というデメリットも。両者の特徴やメリデメを理解した上で、自社に合った形態を選びましょう。
予算は将来のこともふまえて検討する
人事管理システムを導入する際には、長期的な運用を前提にトータルコストを意識することも大切なポイントです。初期費用だけでなく、サーバーの維持・管理費用やシステムのオプション追加費用など、運用開始後に費用が発生することも珍しくはありません。組織内の勤怠管理や人事評価など、幅広い情報が統合管理できるシステムであることから、将来的に機能の改善や追加が必要となることも十分に考えられます。
また、従業員の数が増えると管理コストも膨らんでいくため、採用計画もふまえて計画的に予算を管理していきましょう。
社員からの同意をきちんと得る
人事管理システムは、すべての従業員の情報を統合的に管理する仕組みとなっているため、社員の同意を得た上で導入・運用することが大切です。個人情報を問題なく管理できるシステムであることはもちろん、従業員にとってもメリットのあるシステムであるかを説明するようにしましょう。
特に人事部門の従業員はシステムを操作する機会も多くなるため、システムに不慣れであっても使いやすい設計であるかも重要な判断ポイントだといえます。導入前に現場の従業員へヒアリングを行い、「どのような課題を抱えているのか」「優先順位の高いものは何か」を把握しておけば、現場の声が意思決定に反映できるでしょう。
おすすめの人事管理システム(HCM)3選
ここからは、多くの企業が活用している人気の人事管理システムを紹介します。それぞれが異なる機能を備えているため、ニーズに合わせて候補を検討するとよいでしょう。
freee人事労務は、「freee会計」で広く知られるfreeeが提供している人事管理システムです。数名規模から1,000名規模まで幅広い企業に利用されており、導入先には成長企業や大手企業も多数。人事労務に関する業務にまとめて対応することで、効率的かつ正確な業務をサポートしています。
規模に応じた複数のプランが用意されており、小規模法人向けの「ミニマムプラン」は1ヵ月あたり2,200円(税抜)から利用可能。他システムとの連携も可能となっているほか、チャットとメール、電話によるサポートも用意されているので、はじめてのシステム導入でも安心です。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- スマホアプリ(iOS)対応
- 通信の暗号化
- IP制限
- 二要素認証・二段階認証
- 以前に利用していたking of timeより使いやすいのと給与明細や源泉徴収票、給与振込先の登録など一括して全てを賄えるので。
- 様々な勤務状態における入力方法が簡易で楽であるために、勤怠管理がやりやすい。また入力画面が見やすい。
jinjer人事は、jinjerが提供しているクラウド型の人事管理システムです。社内に点在する従業員情報を一元管理することで、適材適所の人員配置や書類管理のペーパーレス化などを支援しています。
従業員ごとの研修受講歴や資格の取得状況が管理できるため、効率的なスキル管理・人材育成が可能。ハイパフォーマー分析を活用すれば、優れた人材の評価や異動歴の分析によって人材育成のヒントが得られるかもしれません。ダッシュボードを閲覧すれば、リアルタイムの人事情報が手軽に把握できるというのも大きな魅力でしょう。
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- 閲覧・編集の権限設定
- 社員情報の簡易検索機能
- 勤怠データの自動計算機能
- CSVデータのダウンロード
- 評価のワークフロー作成機能
- 評価データのエクセル出力機能
- 昇格シミュレーション機能

COMPANY
COMPANYは、Works Human Intelligenceが提供している統合人事システムです。大手企業向けに特化しているのが特徴で、1,200を超える大手企業グループが導入済み。98%という継続利用率からも、質の高いシステムであることがうかがえます。
人事管理ソリューションでは、採用から異動・出向、退職、再雇用はもちろん、評価や保有資格、教育履歴といった情報も一元管理が可能。部門やグループ会社の垣根をこえたデータ検索・集計に対応しているのも特徴です。くわえて、給与計算や勤怠管理ソリューションも用意されているので、幅広い業務の効率化が叶うでしょう。
- クラウド(SaaS)
- 閲覧・編集の権限設定
- 社員の発令管理機能
- 社員リスト一覧の管理機能
- 組織ツリー図の表示
- 評価のワークフロー作成機能
- 360度評価対応
- 期ごとの考課フロー管理機能
- 社員の評価分布確認
- 目標設定
【まとめ】メリデメを確認してから人事管理システム(HCM)を選ぼう
この記事では、人事管理システムを導入するメリット・デメリットとあわせて、導入の際に注意すべきポイントやおすすめのシステムを紹介してきました。
人事管理システムは、人事担当者の業務負担軽減に役立つだけでなく、企業の成長への貢献も期待できるものです。一方で、システムの導入には費用が発生する上に、運用開始までには一定期間を要するため、スケジュールに余裕をもって準備を進めていく必要があります。
「アイミツSaaS」では、人事管理システムに関するさまざまな記事を公開しています。「どんなHCMシステムがあるのかもっと知りたい」「複数のシステムを比較したい」という場合には、ぜひ「人事管理システム(HCM)23選を厳選比較」もご覧ください。

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