人事管理システム(HCM)とは?HRMとの違いやツールを紹介
人材不足が各企業の喫緊の課題となる中、重要視されているのが既存の人材の効果的なマネジメントならびに少人数でも高いパフォーマンスを発揮できる組織づくりです。優れたスキルセットを持つ人材の獲得だけでなく、既存の人材が能力を最大限に発揮できる環境を構築することで、負担を最小限に抑えられます。
この記事では、人事管理システム(HCM)の機能や導入で得られるメリットとあわせて、おすすめのシステムを紹介していきます。人事管理システムの導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
デジタルトランスフォーメーションのプロ
犬を飼ってるゴリラ
大手ネット系企業にて10数年に渡りプログラマーからプロダクトマネージャーまでを幅広く経験。新規事業から企業再生に至るまで様々な案件の …続きを見る
大手ネット系企業にて10数年に渡りプログラマーからプロダクトマネージャーまでを幅広く経験。新規事業から企業再生に至るまで様々な案件の開発に携わる。大手信託銀行でDX推進者や起業経験を経て現在はフリーランスの新規事業、DX、デジタルマーケティングのコンサルティングも行う。 大手信託銀行DX関連部所属 / フリーで新規事業、デジタルマーケティングのコンサルティング
※監修者はSaaSの「選び方」についてのみ監修をおこなっており、掲載している企業・サービスは監修者が選定したものではありません。掲載企業・サービスの調査・情報収集・選定はPRONIアイミツ編集部が独自に行っております。
- 人事管理システム(HCM)とは
- HCMとHRMとの違い
- 人事管理システム(HCM)で行うこと
- 人事管理システム(HCM)を導入するメリット
- 人事管理システム(HCM)を導入する際の注意点
- おすすめの人事管理システム(HCM)5選
- 人事管理システム(HCM)を選ぶ際のポイント
- まとめ:人事管理システム(HCM)選びでお悩みならアイミツヘ
人事管理システム(HCM)とは
HCMは「Human Capital Management」の頭文字をとった略称で、組織に属する従業員を資本としてとらえ、情報を一元管理・活用して効果を最大化していく取組みを指すものです。日本では「人的資本」とも呼ばれています。
このHCMの推進をサポートするシステムとしては人事管理システムが該当しますが、人事管理システムのことを「HCMシステム」「HCM」と表現することもあるようです。また、HCMは基本的に人事部門が担う業務領域であり、採用から研修、配属、評価などあらゆる人事業務がHCMに含まれます。
HCMとHRMとの違い
HRMとは「Human Resource Management」の略称で、組織の従業員を「人的資源」としてとらえ、最大限のパフォーマンスを発揮してもらえるように促すマネジメント手法を指すものです。
従業員を会社にとって価値ある存在として扱う点が共通しますが、HRMでは人をガスや石油と同様に限りある「資源」とする一方で、HCMは人を「資本」として扱うという違いがあります。後者の方が人材を育成して利益を拡大させていくという意識が根づいていることがうかがえます。
人事管理システム(HCM)で行うこと
ここからは、HCMを活用すると実現することや機能について解説していきます。人事管理システムを用いて行うことができるのは、主に以下の4つの業務です。
- 組織管理
- 給与管理
- タレントマネジメント
- 就業管理
組織管理
組織管理機能では、役職・職務や報酬、勤怠といった基本的な情報はもちろん、休暇の取得状況や健康状態にいたるまであらゆる情報を1つのデータベースにまとめて保管することができます。人材管理においては、従業員の勤怠やスキルセットだけでなく、周囲の評価やヘルスチェックも重要な項目だといえます。
さまざまな情報を統合管理することで情報取得コストが下げられるため、従業員が長期的かつ最適な形で活躍できるような環境づくりも効率的に進められるでしょう。
給与管理
従業員1人ひとりの給与計算や、予算管理、報酬計画の分析などを行えるのが給与管理機能です。近年採用する企業が増加傾向にある「能力給」の実施においては、従業員を客観的に評価できる仕組みづくりが欠かせません。従業員のモチベーション向上を図るためにも、人事管理システム(HCM)を導入することで、フラットな評価ができる環境づくりが叶うでしょう。
また、既存の勤怠管理システムなどとの連携させれば、より効率的な運用が可能です。
タレントマネジメント
タレントマネジメントとは、従業員1人ひとりの持つスキルセットを最大限に活かせる環境を提供するためのマネジメント手法です。従業員の能力や特性に合わせた人材配置・人材開発を通じて、より有効な人材活用を図ります。
人事管理システムのタレントマネジメント機能では、従業員の経歴や能力などの可視化が可能。適材適所の人材配置の指標として役立てられるのはもちろん、今後採用すべき人材像の明確化にもつながるでしょう。
就業管理
就業管理は、従業員の勤怠管理や残業時間、休暇の取得状況などを可視化するための機能です。就業時間を把握するだけでなく、ルーティンとして発生している業務を可視化することで、より効率的に業務ができる仕組みづくりの足がかりが発見できます。自動化できる業務が見つけられれば、限られたリソースをより重要な業務へあてられるようになるでしょう。
「少人数でも効率的に業務が進められる環境を作りたい」といった場合に、特に役立つ機能といえます。
人事管理システムの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツをご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った人事管理システム(最大6サービス)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
人事管理システム(HCM)を導入するメリット
人事管理システムでどのようなことができるのかは分かりましたが、導入することによってどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、以下の3つのポイントに絞って導入メリットを紹介していきます。
- 人事関連業務の効率化
- ヒューマンエラーの削減
- 戦略的人事の実現
人事関連業務の効率化
人事管理システムを導入することで、人事関連業務の効率化を叶えることができます。人事関連業務は多岐にわたるため、紙の書類やExcelなどを使って管理していては負担が大きくなってしまうもの。従業員情報の入力や各種集計に多くの手間がかかっているという企業は少なくないでしょう。
しかし、人事管理システムを導入して管理を自動化・システム化することで、大幅な業務効率化につながります。人手不足で常に業務過多の状態であるという場合にもおすすめです。
ヒューマンエラーの削減
人事管理システムを導入することで、ヒューマンエラーを削減することもできます。人事管理システムを導入すれば、これまで手作業で行われてきた定型作業を自動化することができるため、人為的ミスが発生する可能性が低くなるでしょう。
ミスが発生する数を減らすことができれば、修正に割かれていたリソースもより重要な業務に割くことができ、さらに業務効率化やパフォーマンス向上につながります。
戦略的人事の実現
人事管理システムを導入することによって、戦略的人事を実現できるのも大きなメリットです。経営戦略と連動させながら人事戦略を練ることは、競合優位性をキープするために非常に重要なポイント。従業員のスキルやナレッジ、これまでの経験などを正確に把握し、一元管理することで、人材発掘や育成、リソース調整や配分などを適正に行うことへとつながっていきます。
従業員のスキルやナレッジなどのデータを集約して管理するためには、人事管理システムが欠かせないと言えるでしょう。
デジタルトランスフォーメーションのプロ
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さらに、マネージャーや経営層による昇給・昇格や減給・解雇の決定も人事管理システムが支援します。最近の人事管理システムでは、人員の異動後の状況をシミュレーションする機能が搭載されているものもあり、効果的な人員配置が容易になります。
人事管理システム(HCM)を導入する際の注意点
人事管理システム(HCM)には魅力的なメリットがありますが、一方で導入にあたっては注意すべきポイントもあります。規模によって変動はあるものの、人事管理システムの実装までにはある程度の期間とコストが発生する点は留意しておきましょう。システム導入の初期費用も相応の金額となるため、余裕をもって予算を確保しておくことも重要です。
また、新たなシステムの導入後には、担当者が使いこなせるようになるまでの時間を必要とするものです。導入後すぐに最大限のパフォーマンスが発揮できるとは限らないので、事前に社内周知や研修を行うなど、スムーズに定着させるための施策を行いましょう。
おすすめの人事管理システム(HCM)5選
さまざまな会社から人事管理システムが提供されている昨今では、導入するシステムを選ぶのも一苦労です。ここからは、人気の人事管理システムを厳選して紹介していきます。
- HRBrain
- One人事 タレントマネジメント
- COMPANY
- リシテア/人事給与管理
- ORACLE Human Capital Management
HRBrain
HRBrainは、人材データベースや人事評価、組織分析、配置シミュレーションなどの機能を持つ人事管理システムです。規模を問わず幅広い業種の企業への導入実績を誇り、導入先にはサイバーエージェントやリンガーハット、ヤフーといった有名企業も多数名を連ねています。
料金プランは幅広い機能が使える「タレントマネジメント」と、データの統合管理・勝町に特化した「データベース」から選択が可能。離職率や生産性といった課題解決に役立つ「EX Intelligence」がオプションとして用意されている点や、サポート体制が整っている点も大きな魅力といえるでしょう。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- スマホアプリ(iOS)対応
- ISMS
- Pマーク
- 冗長化
One人事[タレントマネジメント]
One人事は、労務管理・勤怠管理・給与計算・人事評価・タレントマネジメントなど、人事領域の業務を一元管理できるクラウドサービスです。これまで中小企業から大企業、官公庁まで、720社以上に導入実績があり、実績数の多い信頼のおけるサービスを選びたい企業にもおすすめできます。
また、One人事シリーズのすべてのツールを導入せず、必要なツールのみを導入して連携させたり、単独サービスだけを導入することも可能です。専任スタッフが導入まで伴走してくれるため、初めてツール導入する企業も安心でしょう。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- スマホアプリ(iOS)対応
- ISMS
- Pマーク
- 冗長化
COMPANY
COMPANYは、Works Human Intelligenceが提供する大手企業向けに特化した統合人事システムです。1,200を超える国内の大手企業グループに導入されており、継続率も98%と高い数字を達成しています。
従業員の入社から退職までを一元管理できるのはもちろん、労務管理が自動化できるというのが大きな特徴。要員分析ではダッシュボードで手軽に最新情報が可視化されるため、データのスムーズな活用が可能です。また、クラウド化によってサーバー管理が不要となるのはもちろん、セキュアな環境下でシステムが利用できるため、セキュリティ対策の厳格化にもつながる人事システムといえるでしょう。
リシテア/人事給与管理は、日立ソリューションズが提供している人事総合ソリューションです。就業管理や工数管理、人事管理、人財戦略など人事・労務管理に関する多彩な機能が用意されており、これまでの導入社数は1430社以上。のべ利用者数は約196万人にものぼります。
人事管理機能では、個人情報管理や組織管理、組織・異動シミュレーションに対応してちるほか、他システムとの連携も可能。人財ビューアを使えば適材適所の配置が叶うほか、必要な人事情報だけを選択してCSVやExcel形式で出力することもできるため、データの活用もスムーズに進められるのではないでしょうか。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- 閲覧・編集の権限設定
- 社員の発令管理
- 社員リスト管理
- 社員情報の簡易検索
- 受講者の履歴属性管理
- 社員情報のソート機能
- 勤怠データの自動計算機能
ORACLE Human Capital Managementは、オラクルが提供しているクラウド型の人事管理システムです。従業員の採用から退職にいたるまでの人事プロセスの一元管理が可能で、質の高い意思決定や将来的なニーズに応えられる体制づくりをサポートしています。
1つの共通データベースで複数の国・地域の人事管理が行えるため、国内だけでなく海外に複数の拠点を持つ会社にもぴったり。さらに、HCM分析機能も備えているので、従業員インサイトにもとづいた調整・行動が可能なほか、顧客のフィードバックを受けてシステムのアップデートに積極的に取り組む姿勢も大きな魅力といえるでしょう。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- 通信の暗号化
- 勤怠データの自動計算機能
- 目標設定
- ダッシュボード機能
- 適性検査の実施機能
人事管理システムの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツをご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った人事管理システム(最大6サービス)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
人事管理システム(HCM)を選ぶ際のポイント
最後に、人事管理システムを選ぶ際のポイントをいくつか紹介していきます。人事管理システムを導入する際に、数あるサービスからどれを選ぶべきか悩んだら、まずは以下の4つのポイントについてチェックしておきましょう。
- 導入目的を明確にする
- セキュリティ面をチェックする
- 既存システムと連携できるか確認する
- 誰にとっても使いやすいものを選ぶ
導入目的を明確にする
人事管理システムを導入する際には、導入する目的を明確にしておかなければなりません。人事管理システムと一口に言ってもさまざまな種類があり、利用できる機能も異なります。
そのため、自分たちがどのような機能を求めているか、導入することでどのような成果を求めているかといった点がクリアになっていなければ、自社にマッチしたシステムを導入することはできないでしょう。
セキュリティ面をチェックする
人事管理システムを選ぶ際には、セキュリティ面に関してもきちんとチェックしておきましょう。従業員の住所やマイナンバーなどといった基本的なデータをはじめ、給与計算や年末調整などで扱うさまざまな情報をまとめて管理しているため、もしも情報漏えいなどがあれば大問題となります。安心して使えるように、IPアドレスによるアクセス制限や権限設定などが細かく行えるものがおすすめです。
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既存システムと連携できるか確認する
人事管理システムを選ぶ際には、既存システムと連携できるのかどうかも重要なポイントとなります。現在使用している給与計算システムや経費精算システムなどとデータを連動させて使いたい場合などには、システム連携が行えなければ非常に不便です。データを出力して、再びシステムにインポートしてするという手間を省くためにも、柔軟にデータ連携やシステム連携ができるものなのかを確認しておくとよいでしょう。
誰にとっても使いやすいものを選ぶ
人事管理システムを選ぶ際には、誰にとっても使いやすいものを選ぶことが重要です。マニュアルを確認しながらでなければ使えないような複雑なシステムでは、なかなか業務の効率化が進みません。
直感的に操作できるような分かりやすいシステムであれば、導入後の定着スピードが速くなるだけでなく、学習コストも抑えることができるでしょう。使いやすいものを選ぶためにも、必ず無料トライアルなどを活用してください。
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まとめ:人事管理システム(HCM)選びでお悩みならアイミツヘ
人材開発・活用を推進していくためには、人事管理システムを見直し、従業員満足度の高い環境づくりに取り組む必要があります。HCMシステムの導入には初期費用(クラウド型の場合は月額費用)が発生しますが、予算や規模に合ったシステムを選ぶことで高い費用対効果が期待できるでしょう。
どんな人事管理システムがあるのか知りたいという方は、ぜひ「人事管理システム(HCM)のランキング」もあわせてご覧になってみてください。
しかし、数ある人事管理システムを比較して自社のニーズに合ったものを選ぶのは大変です。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った人事管理システムが分かる診断(無料)ができます。
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大手信託銀行DX関連部所属 / フリーで新規事業、デジタルマーケティングのコンサルティング
資格
オーストラリアBOND大学 MBA
大手ネット系企業にて10数年に渡りプログラマーからプロダクトマネージャーまでを幅広く経験。新規事業から企業再生に至るまで様々な案件の開発に携わる。大手信託銀行でDX推進者や起業経験を経て現在はフリーランスの新規事業、DX、デジタルマーケティングのコンサルティングも行う。
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