人事管理システム(HCM)の選び方|おさえるべきポイントを解説!
社員の勤怠管理や人事評価など、人事部門の業務は多岐にわたります。人事業務を効率化するために、人事管理システムの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に人事管理システムを選ぶとなると「各システムの違いがわからない」「何を基準に選べばいいのかわからない」と悩んでしまう方もいるようです。
この記事では、人事管理システムの導入を検討中の方へ向けて、システムの選び方や導入時のポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。
- 人事管理システム(HCM)の選び方|おさえるべきポイントを解説!
- 人事管理システム(HCM)の選び方
- 人事管理システム(HCM)導入時におさえておきたいポイント
- おすすめの人事管理システム(HCM)5選
- 【まとめ】人事管理システム(HCM)の選び方で迷ったらアイミツヘ
人事管理システム(HCM)の選び方|おさえるべきポイントを解説!
人事管理システム(HCM)とは、人的資本管理のサポートを目的とするシステムです。人的資本管理とは、文字どおり社員を会社の資本としてとらえた上で採用や評価などを総合的に管理する手法のこと。近年ではクラウド型の人事管理システムが各社から提供されており、人気を集めています。
人事管理システムの主な機能は以下の4つです。
・人材管理
社員1人ひとりの勤怠や報酬情報のほか、休暇の取得状況や健康にいたるまで幅広い情報が一元的に管理できます。
・報酬管理
給与計算をはじめ、予算編成・管理や報酬計画の分析が行える機能です。
・タレントマネジメント
社員の持つスキルや経歴が可視化できる機能で、適材適所の人員配置や適切な人材開発に役立ちます。
・就業管理
社員の就業時間や定型業務が手軽に把握できる機能です。自動化できる業務が洗い出せれば、生産性向上につながります。
人事管理システム(HCM)の選び方
人事管理システム(HCM)選びで失敗しないためには、導入形態や機能、サポート体制など自社のニーズに適したシステムを選ぶ必要があります。ここからは、人事管理システムの選び方について解説していきます。
導入目的に合ったものを選ぶ
人事管理システム(HCM)に限らず、新たにシステムを導入する際に重要なのが「目的に合ったものを選ぶ」ことです。目的に合わない人事管理システムは導入しても十分に活用されず、コストが無駄になってしまう可能性も。
たとえば、社員の情報を効率的に管理したいのなら「人材管理機能」が充実しているシステム、給与計算の負担を軽減したいのなら報酬管理に強いシステムなど、目的に応じて人事管理シスって無を選ぶことが大切です。導入前に自社の抱える課題を洗い出しておくとよいでしょう。
無理なく継続できる料金のものを選ぶ
人事管理システムを導入する際は、無理なく使い続けられる料金の製品を選びましょう。人事管理システムの利用料は、社員数に応じて変動する重量課金制が採用されているケースが多く、製品によっては段階的な従量制となっていることも。中にはベンチャー企業や中小企業向けのプランが用意されている製品もあるようです。
なお、人事管理システムの料金を比較する際はトータルコストだけではなく、従業員1人あたりの費用も確認しましょう。費用対効果の高い人事管理システムを選ぶことが重要です。
導入形態が自社に合っているものを選ぶ
人事管理システムの導入形態は「クラウド型」と「オンプレミス型」に分けられます。
クラウド型は提供元が管理・運用するサーバーを使用するシステムで、インターネット環境があれば場所やデバイスを問わず操作が可能です。アップデートも自動で行われる上にサーバー管理も不要ですが、セキュリティ対策は提供元に依存するため、どのような対策を行っているのかを確認する必要があります。
一方、オンプレミス型は自社で用意したサーバーやパソコンへシステムをインストールして使用する形態で、大切な人事関連データを社内で管理できるというのが利点です。しかし、サーバーやネットワークの管理・運営も自社で担うこととなります。
双方の特徴やメリット、デメリットを理解した上で導入形態を選びましょう。
機能に過不足がないものを選ぶ
人事管理システムの導入を通じて目的を達成するためには、必要な機能を過不足なく備えた製品を選ぶことが大切です。機能が不足している人事管理システムを導入してしまうと、思うように効果が得られないおそれも。反対に必要以上に多機能なシステムを導入しても、無駄なコストが生まれる可能性があります。システムの操作に不慣れな社員が多い場合は、社内で混乱を招くかもしれません。
ニーズにぴったりな人事管理システムを見極めるためにも、導入前に必要な機能や優先度の高い機能を洗い出しておきましょう。
セキュリティが万全なものを選ぶ
人事管理システムでは、社員の個人情報をはじめとする機密性の高い情報を扱います。万が一情報が流出してしまった場合には、社内外からの信用を大きく損なうこととなるでしょう。
そうした事態を避けるためにも、人事管理システムを導入する際にはセキュリティ対策も含めて製品選びを進めることが重要です。
たとえば、通信暗号化対応のシステムなら、データ流出が発生したとしても内容の解読はほぼ不可能。アカウントごとに細かに権限設定ができれば、内部からの不正操作リスクの低減にもつながります。
サポート体制が整っているものを選ぶ
サポート体制が整っているか否かも、人事管理システムを選ぶ際のポイントの1つです。人事管理システムは設定が必要な項目も多く、運用開始までには相応の手間が発生します。人事部門の業務効率化・生産性向上を目的にシステムを導入したにもかかわらず、負担が大きくなってしまうこともあるかもしれません。
よりスムーズに導入・運用するためには、提供元によるサポートを活用するのが得策です。しかし、サポート内容や範囲は製品によって異なるので、事前にしっかりと確認しましょう。
誰にとっても使いやすいものを選ぶ
「すべての社員にとって使いやすいシステムであるか」という点も、人事管理システム選びでは重要です。製品によっては人事部門の社員だけでなく、休暇申請などで全社的に使用することとなるため、操作のわかりづらいシステムを導入すると業務効率の低下を招く可能性があります。
システムの導入がはじめての場合や、操作に不慣れな社員が多いという場合には、できる限りシンプルかつ直感的に操作ができる製品を選ぶのがおすすめです。
また、勤務体系や給与体系が多岐にわたる場合は、カスタマイズの可否も確認しておきましょう。無料トライアルで試せる人事管理システムもあるため、本格導入前に操作性や画面の見やすさを体験したい方は必ず確認しておきましょう。
外部システムと連携できるものを選ぶ
人事管理システムの中には、外部システムとの連携が可能な製品もあります。人事管理システムのデータを勤怠管理などに活用できれば、業務の効率化が可能に。基幹システムと連携させれば、多くの業務の自動化に役立てられます。
大幅な業務効率化を目指すのなら、既存システムと連携できる人事管理システムを選ぶのが得策といえるでしょう。
また、将来的にほかの業務システムの導入を予定している場合は、関連製品・シリーズ製品のある人事管理システムを選ぶことをおすすめします。
人事管理システム(HCM)導入時におさえておきたいポイント
ここからは、人事管理システムの導入後のスムーズな運用や社内への浸透を叶えるためのポイントを解説していきます。
事前に従業員の同意を得ておく
人事管理システムの導入にあたっては、社員の同意を得ておくことも重要です。人事管理システムは人事担当者だけではなく、多くの社員が利用します。
システムの導入・運用を成功へ導くためには、社員の協力が不可欠。導入の背景やメリット、扱う個人情報の範囲、システムの必要性などを社員へ説明し、不安や疑問を払拭しながら導入を進めていきましょう。人事管理システムの概要や現状の課題、期待できる具体的な効果を資料にまとめて共有してもいいかもしれません。
運用ルールを設定する
人事管理システムは、社員の個人情報や異動歴、報酬など機密性の高い情報を扱うシステムです。アカウントごとに操作できる項目や閲覧可能なデータを制限するなど、不正な操作が予防できる運用ルールを設定しておく必要があります。運用開始前に、アカウントやデータの取り扱いに関するルールを明確にしておきましょう。
運用ルールが定まっていない状態では、システムを十分に活用できない可能性も。システム運用の担当者を配置するなど、円滑に運用できる体制を整えておきましょう。
具体的な目標を設定する
明確な目的・目標を持たずに人事管理システムを選定・導入すると、選定基準があいまいになるだけでなく、期待していた効果が得られないおそれがあります。時間や手間、費用を無駄にしないためにも、人事管理システムを導入する際は「システムを使用してどのような目標を達成したいのか」「どのような課題を解決したいのか」を明確にすることが大切です。
「人事部の残業時間を50%削減する」「人事評価の期間を40%短縮する」など、具体的な目標を設定すれば、導入すべき製品もおのずと見えてくるでしょう。
おすすめの人事管理システム(HCM)5選
人事管理システムの導入を検討しているものの、どの製品を導入すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。数ある人事管理システムの中から、アイミツがおすすめする人事管理システムを5つご紹介しましょう。
HRBrain
HRBrainは、人材データベースの構築・管理やタレントマネジメント、組織分析などに対応している人事管理システムです。大企業や教育機関を中心に、幅広い業種・業界で活用されています。
要望に合わせて選べる2種のプランが用意されているほか、従業員エクスペリエンスの改善に特化した「EX Intelligene」もオプションとして利用が可能。実際にシステムを導入した利用者からは「シンプルかつ直感的なUIが魅力的」「従業員がキャリアパスを叶えるためのコンパス的な存在」「業務負担が軽減でき、重要な業務に時間があてられるようになった」などの声が寄せられています。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- スマホアプリ(iOS)対応
- ISMS
- Pマーク
- 冗長化
COMPANY
COMPANYは、Works Human Intelligenceが提供する人事管理システムです。大手企業向けに特化しているという特徴を持ち、国内の約1,200もの大手企業グループが導入。人事・給与業務ERPとして、国内トップクラスのシェアを誇ります。
人事管理をはじめ、人材開発や要員分析など10種以上のソリューションが用意されており、ニーズや状況に合わせて必要な機能を選んで利用できるのが大きな特徴。また、料金は定額でありながらも設定変更や機能拡張が可能となっているため、人事制度に変更があってもコストが増える心配がありません。継続利用率98%という数字からも、質の高いシステムであることがうかがえます。
- クラウド(SaaS)
- 閲覧・編集の権限設定
- 社員の発令管理
- 社員リスト一覧
- 組織ツリー図の表示
- 評価ワークフローの作成
- 360度評価対応
- 期ごとの考課フロー管理
- 社員の評価分布確認
- 目標設定
freee人事労務は、freeeが提供している人事管理システムです。規模に合わせて選べるプランが用意されているため、設立から間もないベンチャー企業や中小企業にもおすすめのシステムの1つといえます。
従業員管理をはじめ、勤怠管理や有給・残業管理など、定型業務の効率化を叶えるための機能を豊富に備えているのが特徴で、多数の外部サービスとの連携も可能。チャット・メール・電話によるサポートではシステムの操作はもちろん、給与・労務事務に関する相談にも応じているので、業務を進める上での心強い存在となるはずです。最新のセキュリティ技術が活用されているのも安心できるポイントでしょう。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- スマホアプリ(iOS)対応
- 冗長化
- 通信の暗号化
- IP制限
- 以前に利用していたking of timeより使いやすいのと給与明細や源泉徴収票、給与振込先の登録など一括して全てを賄えるので。
- 様々な勤務状態における入力方法が簡易で楽であるために、勤怠管理がやりやすい。また入力画面が見やすい。
ベネワン・プラットフォーム
ベネワン・プラットフォームは、ベネフィット・ワンが提供する人事管理システムです。人事データや健康データ、従業員アンケートなど幅広いデータの収集・管理が可能となっているほか、わかりやすい設計で可視化された情報の把握も容易。優れた検索機能も備えているため、データを活用した分析にも役立てることができます。
人事部門での情報閲覧だけでなく、従業員が自身の評価や残業時間、スキルなどに関する情報が閲覧可能となっているのも特徴的なポイントの1つ。上長や健康管理室向けの機能の実装にくわえて、「メタワークライフ」や「プロアクティブ」といった外部サービスとの連携にも対応しているのも魅力といえるでしょう。
Workday HCMは、企業向けのクラウドサービスを手がけるワークデイが提供している人事管理システムです。ソニーや富士フイルムといった国内の大手企業にくわえ、Netflixやアストラゼネカ、IBMといった海外企業への導入実績を持ち、顧客満足度も97%と高い数字を達成しています。
機械学習によって従業員の現状スキルが把握できるだけでなく、意思決定をサポートする機能や、従業員のエンゲージメント改善を目的とした機能を豊富に実装。さらに、財務部門やIT部門向けのシステムも提供しているため、各システムを連携させればより多くのデータの統合・活用が可能です。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- スマホアプリ(iOS)対応
- 最適配置シミュレーション機能
【まとめ】人事管理システム(HCM)の選び方で迷ったらアイミツヘ
この記事では、人事管理システムの選び方や導入時のポイントについて解説してきました。
人事管理システムの効果を最大化させるためには、計画的な導入と実態に即したルールの設計が大切です。自社の抱える課題解決にぴったりのシステムを選べば、大きな成果が得られるでしょう。
しかし、人事管理システムの導入を検討する方の中には「製品が多すぎてどう選べばいいのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
「PRONIアイミツ」では、人事管理システムを紹介する記事も公開しています。人事管理システム選びでお悩みの方は、「人事管理システム(HCM)の最新ランキング」もぜひご覧になってみてください。
プロが条件に合ったサービスを選定します!