Web給与明細なら退職後の再発行や保管も簡単?会社の対応方法を解説【2024年最新版】
退職した元従業員から給与明細の再発行を求められた際には、過去のデータを用いれば対応は可能です。手動での作業には負担が生じますが、Web給与明細を導入していれば負担を抑えることができます。
この記事では、Web給与明細による再発行のメリットや、システムの導入時に気をつけるべきポイントについて解説します。Web給与明細に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
- 退職後に給与明細の再発行請求が!対応は義務?
- 会社側が給与明細を保管する必要はあるのか
- Web給与明細の方が退職後の対応もスムーズ
- Web給与明細を活用するメリット
- Web給与明細を活用するデメリット
- Web給与明細の導入で押さえるべき4つのポイント
- まとめ
退職後に給与明細の再発行請求が!対応は義務?
従業員の入れ替わり頻度の高い会社で発生することが多いのが、「退職した元社員の給与明細の再発行」です。基本的に給与明細は現職の社員にのみ発行されるもので、発行後はデータを消去することも。そうした背景から給与明細の再発行は技術的に難しいこともあり、さらに再発行への対応は義務ではありません。
再発行の申請に応じるか否かは企業によって異なるため、過剰に気を遣う必要はないでしょう。しかし、義務ではないとはいえデータベースを参照すれば過去の給与情報は確認できるため、可能な限り給与明細の再発行に対応するのが一般的なようです。
会社側が給与明細を保管する必要はあるのか
退職した元社員に給与明細の再発行を求められた場合は、データが残っていないことから再発行が困難な企業もあります。実は給与明細は保管の義務はなく、発行・配布したあとは処分しても構いません。
ただし、給与明細を保管していないと再発行を求められた際に、再作成の負担が生まれるというのは企業にとって望ましいものではないでしょう。
給与に関連する書類は保管義務があるため要注意
給与明細の保管は義務ではありませんが、給与に関する書類は所定のルールを守って保管する必要があります。賃金台帳やタイムカードの打刻記録、出勤簿などは労働基準法によって適切な管理が求められており、保管期間はいずれも3年間。退職した社員のデータであっても社内で閲覧できる状態にしておかなければなりません。
また、源泉徴収簿や給与所得者の扶養控除申告書などの保管義務は7年間。「3年経過したから」といって、賃金台帳や出勤簿などとまとめて廃棄しないよう管理しましょう。保管に関するルールを守らなかった場合は罰金刑に処される可能性もあるので、「現行の保管ルールに問題がないか」今一度確認してみることをおすすめします。
給与明細もあわせて保管しておくと安心
給与関連の書類に保管義務がある以上、給与明細のみを破棄するメリットは大きいとは言えません。給与に関するほかの書類とあわせて給与明細も保管しておくとよいでしょう。
給与明細は年金保険料の確認や雇用保険の給付、与信審査の証明などさまざまなシーンで必要となるものです。給与明細を発行するごとに処分していては、再発行申請のたびに再作成する手間が生まれ、効率的な業務進行の妨げになるおそれも。
そうした事態を回避するためにも、給与明細はほかの書類と保管しておくようにしましょう。
Web給与明細の方が退職後の対応もスムーズ
給与明細の管理や再発行を効率的にしたいのなら、Web給与明細サービスの利用がおすすめです。Web給与明細を用いた対応方法としては、以下の2つがあげられます。
給与明細を電子化して保管しておく
従来は給与明細を紙で発行するのが一般的でしたが、近年は法改正やサービスの拡充によって電子化して保管する企業が増加しています。紙の明細をスキャンしてデータ化したり、電子データの給与明細をクラウドストレージなどに保管する方法が一般的です。
保管場所もさまざまで、社内のローカルサーバーを利用するケースもあれば、社内PCに直接保存するケースも。ただし、給与明細も個人情報に該当するため、流出リスクの低い方法を選んで運用しなければなりません。
Web給与明細システムを活用する
Web給与明細システムでは、Web上で給与明細の発行や閲覧、管理が可能です。退職者向けの再発行に対応できる機能を備えているシステムも多く、退職予定者には「期日までにシステムにログインして、給与明細をダウンロードするように」と伝えておけば再発行の負担を抑えられます。
また、電子化に適したフォーマットで給与明細を作成できるので、電子化や作成にともなう負担が少ないのも特徴です。給与明細のデジタル化を本格的に検討しているなら、システム導入を進めましょう。
Web給与明細を活用するメリット
Web給与明細を活用すると、企業はさまざまなメリットが期待できます。ここからは、Web給与明細の導入による3つのメリットを解説します。
コストカットにつながる
紙の給与明細は用紙や印刷、郵送などにどうしても費用が発生してしまいます。しかし、Web給与明細システムを導入すれば給与明細の発行・配布、保管をすべてシステム上で行えるため、用紙や印刷の費用は必要ありません。長期的な目線でコストカットを進めていきたいという場合は、Web給与明細を優先的に導入すべきと言えるでしょう。
業務をスムーズに進められる
紙の給与明細は作成・印刷するだけでなく、社員への配布状況も管理しなければなりません。郵送で配布する場合は封筒の手配や給与明細の封入といった作業の手間もかかってしまいます。
Web給与明細ならワンクリックで社員に明細を配布できるため、印刷や封入などの負担を削減しながらスムーズに業務を進められるようになるでしょう。
データ管理が簡単になる
システムを使用しない場合は給与計算や給与明細管理に別個に対応しなければならず、データを煩雑化させる要因となっていました。Web給与明細システムを導入すれば、統合された従業員データベースから明細の発行が可能です。
給与明細のために別個にデータを用意する必要がなく、データが社内に点在することもありません。過去のデータにも簡単にアクセスできるようになり、さらに紛失のリスクも低くなるため手間を低減しながら適切なデータ管理が実現するでしょう。
給与明細をいつでもどこでも確認できる
社員がWebブラウザから時間や場所を問わず給与明細を確認できるのも、Web給与明細のメリットです。紙の給与明細は自宅への郵送や手渡しを待つ必要があるだけでなく、見たい時に現物がそこになければ確認はできません。
Web給与明細システムを導入すれば、Webブラウザから簡単に給与明細を閲覧できるため「明細を確認しようと思ってたのに、手元にない」というストレスがなくなります。すぐに印刷もできるので、急ぎで紙面が必要になった場合にも便利です。
Web給与明細を活用するデメリット
Web給与システムは便利なツールである反面、導入にあたっては注意点もあります。デメリットも理解した上で導入を進めれば「イメージと違った」といった事態を回避できるでしょう。
導入費用や利用料金が発生する
Web給与明細システムの導入には、当然ながら初期費用・月額費用が発生します。金額は利用する製品やプラン、使用人数などによって変動するため、具体的な金額は導入前に確認しましょう。
近年はオンプレミス型と比較すると初期費用を抑えられるクラウド型のサービスが増加傾向にあります。高額な初期費用を用意するのが難しいという場合は、クラウド型に絞って検討してみてもいいかもしれません。
情報漏えいリスクはゼロにできない
デジタルデバイスやインターネットが幅広い業務に用いられる現代では、企業を標的としたサイバー攻撃が多発しています。給与明細に限らず、重要なデータをオンライン上で扱っている以上、どんなにセキュリティ対策に注力してもサイバー攻撃を受けるリスクをゼロにすることはできません。
とはいえ、従来の方法での業務は非効率なので、デジタル化のメリットを享受しつつできる限りのセキュリティ対策に取り組むことが大切です。
システムをリプレイスする際は要注意
Web給与明細システムに限らず、既存のシステムからリプレイスする際に気をつけたいのがデータ消失問題です。システムのリプレイスにあったってはデータサーバーごと移行するッケースも珍しくなく、その際に適切に作業ができなかった場合や、バックアップが取れていなかった場合は情報が丸ごと消滅してしまう可能性があります。
こうした事態にも備え、新たなシステムへ移行する際はデータのバックアップを取っておくようにしましょう。
Web給与明細の導入で押さえるべき4つのポイント
Web給与明細を導入する際には、意識しておくべきポイントがあります。導入後にトラブルを招かないためにも、以下のポイントを踏まえて業務を進めていきましょう。
従業員からの同意を得る
給与明細の電子化は法的に認められているものの、電子化するためには社員の同意が必要です。Web給与明細にはさまざまなメリットがありますが、システムの利用や操作に不慣れな社員にとっては負担となる可能性があります。
スムーズにWeb給与明細の導入・運用を進めるためには、電子化のもたらすメリットを伝え、操作マニュアルを用意するなど同意を得やすい環境づくりに取り組むことが大切です。
誰もが使えるよう情報提供などを行う
システムに不慣れな社員に限らず、新たなシステムの導入は混乱の要因となる可能性があります。Web給与明細の例外ではなく、事前説明もないまま運用を始めてしまえば「操作方法がわからない」とストレスを感じる社員が生まれるでしょう。
そうした事態を避けるためには、社員向けの研修の実施やヘルプデスクの拡充など「全社員が困らずに操作できる環境」づくりに注力する必要があります。自己解決を促せれば、導入効果も早期に得られるでしょう。
外部サービスとの連携も確認する
Web給与明細システムは単体での活用だけでなく、ほかのシステムとの連携によってより大きな効果を発揮するものです。給与計算システムと連携させれば、Web給与明細システムが自動で情報を取得して明細を発行することができます。
しかし、Web給与明細システムによって連携できる外部システムは異なるため注意が必要です。Web給与明細システムを導入する際は、既存の給与計算システムなどとの連携可否も確認しましょう。
セキュリティ対策を万全に行う
セキュリティ対策の充実している製品を選ぶというのも、Web給与明細システムを導入する際のポイントです。個人情報である給与明細の情報流出は、企業としての信頼失墜につながりかねません。多重認証によるログインや、通信の暗号化などに対応している製品を導入することをおすすめします。
また、社内のセキュリティを強化することも重要な要素です。セキュリティシステムの見直しはもちろん、セキュリティルールを確認の上で必要に応じて改定するなど、リスクを最小限に抑える努力をしましょう。
まとめ
この記事では、給与明細の再発行や保管義務の有無やWeb給与明細を活用するメリット、Web給与明細を導入する際のポイントなどを解説してきました。Web給与明細システムによる明細の作成・発行・管理は、コスト削減や業務効率化に大きく貢献するものです。しかし、Web給与明細にはさまざまな種類があり、その中から自社に適した製品を選ぶのは簡単ではありません。
「PRONIアイミツ」では、Web給与明細に関する記事を多数公開しているほか、複数のサービスの比較も可能です。Web給与明細の導入を検討している方はあわせてご確認の上、気になるシステムがあればお気軽にお問い合わせください。
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