企業研修向けeラーニングシステムおすすめ9選【無料あり】
企業の継続的な成長には、社員一人ひとりのスキル向上が欠かせません。社員の振る舞いや行動は、企業を代表するものとして捉えられるため、多くの企業は資格取得やビジネススキル向上の研修に力を入れています。
しかし、従来の企業研修は時間やコストがかかり、効率的とは言えませんでした。そんな課題を解消する方法として「eラーニング」が注目を集めています。企業向けeラーニングシステムの導入により、オンラインでの効率的な学習が実現します。
本記事では、企業研修に特化したeラーニングを比較しておすすめのシステム9選を紹介します。社員教育にお悩みの担当者はぜひご覧ください。
- eラーニングシステム(LMS)とは
- 社員教育向けeラーニングシステムの種類
- 企業研修向けeラーニングシステムの比較表【無料あり】
- 企業研修向けeラーニングシステムおすすめ9選【2024年最新】
- 企業研修にeラーニングを導入するメリット
- 企業向けeラーニングシステム(LMS)の選び方
- 社員教育に効果的なeラーニングの運用方法
- 企業研修へのLMS導入事例
- まとめ:企業の人材育成の課題解決にeラーニング導入がおすすめ
eラーニングシステム(LMS)とは
eラーニングシステム(LMS)とは、オンライン上で教育や研修を提供、管理するためのシステムです。従来は集合研修が主流で、研修を行う場所・講師を確保して社員のスケジュールを調整する必要がありました。eラーニングはPC・スマホで受講できるため、時間や場所の制約を受けずに企業研修を実施できます。また、一度eラーニング用の教材を用意してしまえば何度でも配信できるため、企業研修コストを抑えることが可能です。
最近ではリモートワークを導入している企業も多く、オンラインで完結するeラーニングシステムの需要が高まっています。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するためeラーニングを活用したリスキリングも注目されています。
株式会社矢野経済研究所の調査によると、2021年度の法人向けeラーニングの市場規模は前年度比112.61%の971億3,000万円に拡大。※
※出典:株式会社矢野経済研究所「eラーニング市場に関する調査(2023年)」(2023年4月11日発表)
今後も「DX人材の育成のため」「従業員のリスキリング推進のため」に、法人向けeラーニングシステムの導入が増加すると考えます。
関連記事:【企業DX】リスキリング向けeラーニングサービス
社員教育向けeラーニングシステムの種類
社員教育の目的で用いるeラーニングシステムは、次の2つの種類に分けられます。より高い教育効果を得るためにも、各種類の特徴を理解しておきましょう。
- システム内の研修教材を受講するタイプ
- 企業オリジナルの研修教材を制作するタイプ
①システム内の研修教材を受講するタイプ
営業研修など汎用的な研修を行いたい場合は、システム内の研修教材を受講するタイプのeラーニングがおすすめです。また、医療業界や介護業界などの業界特化型のeラーニングシステムもあり、自社に必要な教材を取り揃えているものを選ぶことが重要です。
種別 | コンテンツ内容 |
---|---|
汎用的な教材 | ビジネスマナー研修、コンプライアンス研修、営業研修、マネジメント研修など |
業界に特化した教材 | IT、医療、看護、介護に特化した研修 |
②企業オリジナルの研修教材を制作するタイプ
「独自の社内研修を実施したい」「独自のノウハウを社内で共有したい」という場合は、企業オリジナルの研修教材を作成できるタイプのeラーニングがおすすめです。動画マニュアルを作成して社員に共有することで教育コストを削減することができます。また、新サービスの情報やハイパフォーマーのノウハウを迅速に共有することで営業の質を高める、といった活用方法もあるでしょう。
アップロード可能なファイル形式はeラーニングシステムによって違います。スライド教材だけでなく動画をアップロードできるシステムや、テスト・アンケート・レポートを実施できるシステムならより企業研修の効果を高められ、おすすめです。
関連記事:動画教材を活用できるおすすめのeラーニングシステム
企業研修向けeラーニングシステムの比較表【無料あり】
ここでは、企業研修向けeラーニングシステム(LMS)の初期費用、月額料金、無料トライアル期間を比較します。自社の予算や必要な機能と照らし合わせながら、おすすめのeラーニングシステムをご確認ください。
サービス名 | 初期費用 | 月額料金 | 無料トライアル期間 |
---|---|---|---|
AirCourse | 無料 | 200円~/1ユーザー | 30日間 |
manebi eラーニング | 10万円 | 300円~/1ユーザー | あり |
Schoo for Business | 要問合せ | 1,650円/1ユーザー | 要問合せ |
Smart Boarding | 要問合せ | 980円~/1ユーザー | 14日間 |
Learning Ware | 要問合せ | 20,000円~ | 14日間 |
etudes | 無料 | 500円~/1ユーザー | 要問合せ |
ひかりクラウド スマートスタディ | 5,000円 | 180円/1ユーザー | 14日間 |
e学びばこ | 50,000円 | 3,000円/1ユーザー | あり |
Coursebase | 無料 | 要問合せ | デモあり |
AirCourse、etudes、Coursebaseは初期費用無料、月額料金のみのシンプルな料金体系で運用可能です。また無料トライアルか無料デモで事前に試せるため、事前に受講画面の操作性やeラーニング教材の受講を体験したい方におすすめです。
一方で、初期費用がかかるmanebi eラーニング、e学びばこはサポートが充実しています。manebi eラーニングは、導入前のヒアリングから受講カリキュラム作成をサポート。学びばこは、専用サーバー構築、独自ドメイン・SSL認証取得でセキュリティ対策をサポートしてくれます。専任担当者のサポートを受けながら運用を目指したい方におすすめのeラーニングシステムです。
「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったeラーニングシステムが分かる診断(無料)ができます。ぜひ一度お試しください。
企業研修向けeラーニングシステムおすすめ9選【2024年最新】
「コンテンツの充実度」と「オリジナル教材の制作」の観点で、おすすめの企業向けeラーニングシステム9選を紹介します。各サービスの特徴や他社と比較したおすすめポイントも解説しますので、ぜひご参照ください。
コンテンツが充実しているeラーニングおすすめ4選
- AirCourse
- manebi eラーニング
- Schoo for Business
- Smart Boarding
オリジナル教材の制作におすすめのシステム5選
- Learning Ware
- etudes(エチュード)
- ひかりクラウド スマートスタディ
- e学びばこ
- Coursebase
AirCourse
-
料金
月600円/ユーザー -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
AirCourseは、KIYOラーニング株式会社が提供するeラーニングシステムです。「充実したコンテンツ」「受講者・管理者が使いやすい操作性」が魅力で、充実した教材を用いて企業研修を行いたい企業におすすめです。
AirCourseでは750コース・4500本以上の動画研修コンテンツが受け放題。新入社員から管理職まで、さまざまな階層に対応した企業研修や、ITスキル・コンプライアンス・営業などのテーマ別研修が充実しています。
1つの動画は約5分と短いため、業務の合間や移動中にも学習しやすいです。PCだけでなく、スマホやタブレットからも受講できます。確認テストや実践的なアウトプット学習を通じて知識やスキルをより深く習得可能。さらに、自動リマインド機能で未受講者へ通知が可能で、受講の進捗やテスト結果をレポート形式で確認することができます。
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- ISMS
- 通信の暗号化
- IP制限
- シングルサインオン
- 受講者の基本情報管理機能
- 受講者のグループ管理機能
manebi eラーニング
-
料金
月19,800円 -
初期費用
100,000円
-
最低利用期間
12ヶ月
-
最低利用人数
1名
manebi eラーニング(旧:playse.ラーニング)は、株式会社manebiが提供するeラーニングシステムです。「豊富なコンテンツ」「社員教育の効率化・コスト削減」が魅力で、コストを抑えて効率良く企業研修を行いたい企業におすすめです。
manebi eラーニングでは、5,000以上の多様なレッスンが見放題。階層別研修、職種別研修、コンプライアンス研修、ハラスメント研修、情報セキュリティ研修、IPO研修など、幅広い企業研修に活用することができます。テンプレートを利用して簡単にカリキュラムを作成することが可能なほか、カスタマーサポーターによる教育カリキュラムの選定サポートも提供されています。
料金は、利用した分だけ支払う従量課金制を採用。新入社員研修のようなスポット利用においても無駄な費用が発生せず、コスト効率の良い点がメリットです。
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- ISMS
- Pマーク
- IP制限
- シングルサインオン
Schoo for Business
-
料金
月1,650円/ID -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
20ID
Schoo(スクー)は、「オンライン研修と自己啓発学習の掛け算で学び続ける組織を作る」をコンセプトにしたeラーニングシステムです。自発的な学びを促進する幅広いコンテンツ領域が魅力で、社員の自発的学習を促したい企業におすすめです。
Schoo for Businessは、ビジネススキルから政治・経済、金融、デザイン、プログラミング、 DX、AI、さらには哲学まで全21カテゴリに渡る幅広い領域をカバーしており、8,500本以上の動画コンテンツを収録しています。 社員教育から自主学習まで、多岐にわたるニーズに応えることができます。
コンテンツは最新のトレンドや環境に合わせてアップデートされており、年間で約600本の新しいコンテンツが追加されています。また、年間を通じて生放送の授業が行われており、受講者は授業中にリアルタイムでコメントや質問を投稿することが可能。この機能により、自分の疑問だけでなく、他の受講者の質問やコメントを通じて、理解を深めることができるでしょう。
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- ISMS
- シングルサインオン
-
料金
月29,400円/30ID -
初期費用
100,000円
-
最低利用期間
12ヵ月
-
最低利用人数
30名
Smart Boardingは、株式会社FCEトレーニング・カンパニーが提供するeラーニングシステムです。動画を見てインプットして学ぶだけでなく、学んだ内容をアウトプットする機能もあり、能動的な学習機会を創出したい企業におすすめです。
Smart Boardingでは、動画のeラーニングでインプットを行ったのち、ライブ型のオンラインレッスンで実践トレーニングを行います。他企業の参加者と一緒にレッスンに参加することによって自社内では得られない学びや、プロ講師による新鮮なフィードバックが期待できるでしょう。
また、自社オリジナルの研修動画を作成する機能もあり、企業カルチャーやノウハウを共有するためのコンテンツを組み込むことが可能です。
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- 冗長化
- 通信の暗号化
- IP制限
-
料金
月20,000円~ -
初期費用
200,000円~
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
Learning Wareは、株式会社プロシーズが提供するeラーニングシステムです。20年以上の歴史を持つこのシステムは、企業研修・学校教育・オンライン試験など、多岐にわたる分野で利用されています。導入実績は2,800社以上を誇り、大規模な運用と効率的な学習管理のサポート、30以上の多言語対応が特徴です。
他社と比較したおすすめポイントは、機能が豊富でかゆいところまで手が届くこと。LearningWareの開発ポリシーは「3社以上の要望があれば実装する」で、ユーザーフレンドリーなシステムを追求する姿勢で、業界最速クラス・月1回のバージョンアップを実施しています。充実した機能で効果的かつ効率的に社員教育を行いたい企業におすすめのeラーニングシステムです。
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- ISMS
- Pマーク
- 冗長化
- 通信の暗号化
-
料金
月50,000円/100ID -
初期費用
0円
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
アルー株式会社が提供するetudes(エチュード)は、数十人から数十万人規模の運用に対応したeラーニングシステムです。「初期費用ゼロの手軽さ」「強固なセキュリティ」が魅力で、自社ノウハウを詰め込んだ教材を、費用を気にせず安全に活用したい企業におすすめです。
etudes(エチュード)の初期導入費用は無料で、1名からの利用が可能。受講者の人数に応じた追加料金のみで利用できるので、コストを効果的に抑えることができます。さらに、Microsoft Azureを採用しており、高度なセキュリティで情報資産を守ります。
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- Pマーク
- 冗長化
- 通信の暗号化
- IP制限
- シングルサインオン
- 英語
ひかりクラウド スマートスタディ
-
料金
月198円/ID -
初期費用
5,500円
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
ひかりクラウド スマートスタディは、NTT東日本が提供するeラーニングシステムです。「安心のオンライン研修をワンストップで実現する」をコンセプトに、コストを抑えて使いやすいeラーニングシステムとなっています。
自社で用意した教材をアップロードするだけで、すぐに企業研修を開始することが可能。また、PowerPoint・Word・Excelで作成した問題集をもとに、システム内でテストを作成することも可能です。
料金は、動画の保存数や配信量に関わらず毎月定額。予算を立てやすい点がメリットです。企業研修サイクルに合わせてユーザーIDを休止することで、コストを節約することもできます。
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- 通信の暗号化
- 中国語
- 英語
- フランス語
- 韓国語
- スペイン語
- タイ語
e学びばこ
-
料金
月8,000円 -
初期費用
0円
-
最低利用期間
2ヶ月
-
最低利用人数
なし
「e学びばこ」は、株式会社テクノカルチャーが提供するeラーニングシステムです。他社と比較したおすすめポイントは、直感的に操作できるUI(ユーザーインターフェース)。アイコンや色合いが分かりやすいため、年齢やITスキルを問わず操作できます。
また、月額料金15,000円(ユーザー数5名の場合)から利用できる価格の安さも魅力で、これまで中小企業から大企業まで総数50万人以上のユーザーが利用しています。使い勝手の良いシステムを導入して早期に社内定着させたいとお考えの企業は、ぜひ「e学びばこ」を検討ください。
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- オンプレミス(パッケージ)
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- ISMS
- 通信の暗号化
- IP制限
- 二要素認証・二段階認証
Coursebase
-
料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
-
最低利用期間
12ヶ月
-
最低利用人数
なし
Coursebaseは、コースベース株式会社が提供するeラーニングシステム。他社と比較したおすすめポイントは、システム運用の安定性です。システムへの同時アクセス数には制限がなく、数万人、数十万人のユーザーが一斉にアクセスした場合でも快適に利用できます。
また、利用できるストレージ容量が無制限となっている点も他社と比較したメリット。クラウド上にアップロードする教材のデータ容量や、動画の配信回数を気にする必要はありません。研修管理者は、研修カリキュラムの設計や学習進捗管理に集中できます。
安定運用のCoursebaseは、中小企業から大企業まで、企業規模に関わらず500社以上に導入実績があります。研修管理がしやすいeラーニングシステムをお探しの企業はぜひ検討ください。
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- 冗長化
- 通信の暗号化
- IP制限
企業研修にeラーニングを導入するメリット
eラーニングは集合型研修につきものの時間や場所の制約を解消し、社員教育の効率を向上させます。以下、企業研修にeラーニング(LMS)を導入するメリットを詳しく解説します。
- オンラインで場所・時間を問わずに学習できる
- 動画やテストを活用した研修教材で、理解度・習熟度を深められる
- 社員ごとの学習進捗を一元管理できる
- 一度、研修教材を制作したら何度でも配信できる
オンラインで場所・時間を問わずに学習できる
eラーニングシステムでは、PC・スマートフォン・タブレットを通じて、場所や時間を問わずにオンラインで学習ができます。社員は、集合型研修のように指定された時間や場所に合わせてスケジュール調整したり、移動したりする必要がありません。テレワーク中・移動中でもスキマ時間を使って自分のペースで企業研修を受講できるため、業務効率化につながります。
動画やテストを活用した研修教材で、理解度・習熟度を深められる
動画を用いた教材は、テキストのみの教材と比較して映像・音声などの情報が多いため、理解が深まりやすい点がメリット。研修前の予習用教材として動画を利用したり、セミナー実施時に動画撮影をしておけば研修後に復習用教材として活用できるため、より効果的な学習が可能になります。
さらに、テスト機能やアンケート機能を活用することで、社員の理解度を確認しつつ、定着スピードに応じた教育が実施できます。これにより、各社員の習熟度に合わせた教育を実施することができ、組織全体のスキルアップを効率よく進められます。
社員ごとの学習進捗を一元管理できる
eラーニングの中核になるのはLMS(Learning Management System:学習管理システム)です。これにより、社員ごとの学習進捗を一元管理することができ、リアルタイムで確認可能になります。
集合型研修で同様の管理をする場合、大抵はExceやスプレッドシートを使って行われますが、社員名簿やテスト結果などを関連づけて管理するのは非常に困難です。また、社員の学習状況をリアルタイムで更新するのも難しいでしょう。これに対し、eラーニングは簡単に学習進捗を確認できるうえ、収集データの分析が可能で、次回の企業研修にデータ分析結果を活用できる点がメリットです。
一度、研修教材を制作したら何度でも配信できる
集合型研修では、実施のたびに教材を配布する手間が生じ、内容が変更・修正される際には都度再配布が必要となります。教材の制作は属人化しやすく、効率的な管理も困難です。
一方で、eラーニングのコンテンツはLMS(学習管理システム)上で保存・管理され、すべての社員がこれを学習に活用できます。新入社員向けなどの普遍的な内容の研修教材を一度制作すれば、何度でも配信することが可能。教材内容の変更・修正も簡単です。集合型研修の物理教材と比較して、修正・再利用・管理が容易な点は大きなメリットでしょう。
企業向けeラーニングシステム(LMS)の選び方
では、企業研修・社員教育のためにeラーニングシステム(LMS)を選ぶ際は、どのような点に気を付けて比較検討すればよいのでしょうか。以下、3つの重要な比較ポイントを解説します。
- 自社の目的に合った教材が揃っているか
- LMS(学習管理システム)の機能があるか
- 社内予算に合ったコスト感か
自社の目的に合った教材が揃っているか
eラーニングシステムでは、多岐にわたる研修教材が提供されています。主な教材コンテンツとしては下記のようなものがあります。
- ビジネススキル
- マネジメント
- コンプライアンス
- 階層別(新入社員、中堅社員、管理職向けなど)
- 職種別(営業、人事・労務など)
- Officeスキル(Excel、Word、PowerPointなど)
- ITスキル
一方で、企業独自のコンテンツをアップロードしてeラーニング研修を行いたい場合は、アップロード可能なファイル形式(PowerPoint、Word、Excel、動画など)を確認しておきましょう。アップロードするデータ容量に応じて料金が異なるケースもあるため、注意が必要です。
既製コンテンツと企業オリジナルコンテンツの両方を活用できるeラーニングシステムも。企業研修の目的に応じて、必要な教材が揃っているeラーニングシステムを選ぶことが重要です。
LMS(学習管理システム)の機能があるか
eラーニングシステムには、LMS(学習管理システム)の機能をそなえたものもあります。LMS(学習管理システム)とは、学習者の進捗や成績を管理したり、フィードバックやコミュニケーションを行ったりすることができるシステム。社員のモチベーションを高く維持してeラーニングを実施したい企業におすすめです。LMSの詳細な機能・価格はシステムによって違うため、見積もり時に確認しましょう。
社内予算に合ったコスト感か
eラーニングシステムの利用には、初期費用と月額料金が必要です。現在主流のクラウド型のeラーニングシステムは、サブスクリプションモデル(月額課金制)で、月額料金の相場は数千円~数万円です。初期費用は無料~10万円程となっています。
インストール型の場合、初期費用が高額になることが一般的で、数十万円~数百万円が相場です。なお、初期費用にはセットアップ・初期設定・トレーニングなどの料金が含まれています。
導入形態 | 初期費用 | 月額料金 |
---|---|---|
クラウド型 | 無料~10万円程度 | 数千円~数万円 |
インストール型 | 数十万円~数百万円 | 基本的に発生しない |
eラーニングシステムの料金は、利用者数や教材数、追加機能の有無によって変動します。社内予算と照らし合わせて、予算に合ったコスト感のeラーニングシステムを検討しましょう。
社員教育に効果的なeラーニングの運用方法
eラーニングをはじめとする受講型の学習は、大勢に向けて効率的に教育できる一方で、学習の定着率が低いと言われています。アメリカ国立訓練研究所が提唱した「ラーニングピラミッド」によると、学習定着率は講義の場合に5%、グループ討論の場合に50%、自ら体験した場合に75%と大きく違います。そのため、能動的な学習を組み合わせることが重要です。ここでは、社員教育に効果的なeラーニングの運用方法を2つ紹介します。
対面の講義とeラーニングを組み合わせる
1つ目は、対面の講義とeラーニングを組み合わせる運用方法です。たとえば、数人で議論するグループワークを取り入れることで、自分の頭で考えてアウトプットする能動的な学習ができます。また、目の前で実演する講義はリアリティ・インパクトが大きく記憶に残りやすいです。
対面の講義をした後に、復習としてeラーニングの座学・テストを行います。社員は講義の内容を思い出しながらeラーニングを受けるので、講義のみの場合と比較して学習が定着しやすくなります。
OJTとeラーニングを組み合わせる
2つ目は、OJTとeラーニングを組み合わせる運用方法です。この方法は主に新入社員研修などで用いられます。OJTでは個別具体的な仕事の仕方を学ぶことはできますが、体系的な理解は難しいもの。そこでeラーニングを用いて土台となる基礎知識をインプットすることが重要となります。
社員には、まず動画・スライドのeラーニングによって基礎知識をインプットしてもらいます。その後、実際に配属された部署でOJTを行い、実践的なアウトプットを行います。社員はeラーニングで基礎知識を得たからこそ、現場仕事をより深く・早く理解することができます。
企業研修へのLMS導入事例
集合研修を行ってきた企業が、eラーニングを導入したことでどのような効果を得たのか。企業研修へのeラーニングシステム(LMS)の導入事例3つを紹介します。
大手ゲームコンテンツ企業へのLMS導入事例
業務用・家庭用ゲーム機の開発・生産・販売などを手がける大手ゲームコンテンツ企業へのeラーニング(LMS)導入事例を紹介します。この企業では、内定者に対して入社前までに簿記検定3級を取得することを推奨していました。同社は「テキストやプリントなどの教材を内定者に郵送する」「集合型研修を実施する」「メールで配信する」といった方法で資格取得をサポートしていましたが、どの方法も効果的ではありませんでした。
そこで同社は、スマホを利用したeラーニングシステム「エムスタ」の導入に踏み切りました。簡単に操作できるクラウドサービスの利点を活かし、教育担当者が毎日5問程度の問題を出題し、内定者がシステム上で回答するというeラーニングを実施。その結果、内定者の合格率は向上。内定者同士のコミュニケーションが活性化する効果もありました。
コーヒー製造・販売企業へのLMS導入事例
焙煎コーヒーの製造・販売などを行う企業(従業員4,000人規模)に、eラーニング(LMS)を導入した事例を紹介します。この企業では、年に一度、一泊二日の集合研修を実施していますが、資格取得の社員教育など必要な研修を思うように行えておらず、コストをかけずに社員教育をできる方法を模索していました。そこでeラーニングシステムの検討を始めPro Seeds(プロシーズ)導入することになりました。
同社は、従来の集合型研修とeラーニングを組み合わせたブレンディッドラーニングを実施。同時にこれまで取り組めなかった資格取得のための講座や、管理者向けの人事・労務講座も実施しました。eラーニングを受講した社員からは「研修の質が向上した」というポジティブな反応があったほか、営業の受注率向上という数字にも研修の成果が表れました。
非営利法人へのLMS導入事例
ITコーディネータを育成する特定非営利活動法人に、eラーニングシステム(LMS)を導入した事例を紹介します。この非営利法人では、ITコーディネータの育成を効率化することで、より多くの人材を輩出したいと考えていました。そこで、eラーニングと集合型研修を組み合わせたブレンディッドラーニングのシステムを構築すべく、Net Learning(ネットラーニング)を導入。
自社独自のeラーニング教材を作成して事前学習に利用したり、システム上で課題レポートを提出させる仕組みを構築しました。このようなオンライン学習と、従来のグループワーク・ディスカッションを組み合わせることで、効率的な学習を実現。人材育成期間を15日間から6日間にまで短縮することに成功しました。
まとめ:企業の人材育成の課題解決にeラーニング導入がおすすめ
企業の人材育成は、組織の競争力を高めるための基盤となります。eラーニングシステム(LMS)の導入は、これまでの人材育成の課題を解決し、企業の成長と未来をサポートする有力な手段です。ぜひ本記事で紹介した企業研修・社員教育向けのeラーニングシステムを検討ください。
PRONIアイミツでは、さまざまな条件でeラーニングシステムを比較できます。導入実績のある業界・企業規模・使いたい機能などで絞り込み、あなたの会社に最適なサービスを探してみてください。
導入システムの選定に迷うなら、PRONIアイミツにご相談ください。当社はITツール受発注のプロとして、eラーニングシステム選びの相談を受け付けています。いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったeラーニングシステムが分かる診断(無料)も用意していますので、ぜひ一度お試しください。
探すのに時間がかかる
相場がわからない
複数を比較しづらい
プロが代わりに探して紹介します!