採用管理システム(ATS)の市場規模は?人気のツールも解説
応募数が伸びない、選考管理に手間がかかるなど、採用活動に悩みを抱える企業も多いでしょう。そこで注目が集まるのが、採用管理システム(ATS)です。導入企業の増加とともに市場は拡大し、ツールも進化を続けています。
本記事では、採用管理システムの市場規模やシェア、人気ツールの特徴をわかりやすく解説します。PRONIアイミツで人気の採用管理システムも紹介しているので、ツールを比較したい方もぜひご覧ください。
- 採用管理システムの市場規模はどのくらい?今後の展望
- 採用管理システムの国内シェアや人気ツールを解説
- 人気の高い採用管理システム6選
- 採用管理システムを導入すべき企業の特徴
- 自社の課題に合わせて採用管理システムを選ぶポイント
- まとめ:人気の採用管理システムで自社を成長させよう
採用管理システムの市場規模はどのくらい?今後の展望
近年、採用の効率化や人材の質向上を目的に、企業の間で「採用管理システム(ATS)」の導入が進んでいます。採用管理システムとは、応募者の管理から選考状況、面接調整や内定通知に至るまでを一元化するツールです。応募者の一括管理機能や面接・選考スケジュールの自動調整機能を具えています。
採用管理システム市場の動向と展望
国内の採用管理システム市場動向
DX(デジタルトランスフォーメーション)の潮流や少子化による採用難も相まって、市場は年々拡大傾向にあります。デロイトトーマツミック経済研究所によると、国内のHRTechクラウド市場全体の規模は2023年度で約1,077億円(前年比134.4%)、2024年度は約1,385億円(前年比128.5%)に達する見込みでした。
対象となっているHRTechクラウド4分野には採用管理システムも含まれており、同様に市場拡大していく予測が建てられています。採用管理システムは、2022年度は200〜300億円規模でしたが、2025年度には500億円規模まで成長する見込みです。また、単一のクラウドサービスのほか、「採用管理×タレントマネジメント」のように複数のHR領域をまたぐソリューションが増えている動向も見られています。
世界の採用管理システム市場との比較
FORTUNE BUSINESS INSIGHTSの調査によると、世界の採用管理システム市場は2017年に1億7,5320万米ドルと評価され、2025年までに3億9,580万米ドルに達する予想です。堅調に市場が成長しており、特に北米での成熟度が高くなっています。
また、SAPやオラクル社などグローバル対応に強い、統合型のシステム提供会社が主要プレイヤーとなっているのも世界市場の特徴です。そのため、大企業から中堅企業を中心に、リモート採用や多国籍採用のニーズに合った採用管理システムのシェアが拡大しています。
日本の採用管理システム市場は世界市場と比較すると、市場規模は小さいものの年平均成長率はかなり高くなっています。また、中小企業で導入が広がっているのも日本市場の特徴と言えそうです。
採用管理システムの導入が進む背景と今後の展望
採用管理システムの導入が進む背景には、以下のような採用活動における構造的な変化や社会的な課題が影響しています。
- 少子化による労働力の不足
- 転職が一般化し人材の流動性が高まった
- リファラル採用など採用経路の多様化
- DXやデジタル化が推進されている
上記のような背景から、応募者管理や面接調整など煩雑な業務を自動化できるツールとして、採用管理システムの導入が進みました。少子化や労働力不足、採用経路の多様化は今後も続くため、2025年以降も採用管理システムの需要は増えていくでしょう。また今後の展望として、HRTech全体と連携できるツール、小規模〜中小企業が使いやすいツールの展開が活発化する予想です。
採用管理システムの国内シェアや人気ツールを解説
国内の採用管理システム市場は、さまざまなクラウドサービスが競合しながら拡大を続けています。国内でシェアが高いツールと特徴について解説します。
採用管理システムのシェアや人気
採用管理システムの国内シェアを解説
国内でシェアが高い採用管理システムについて、明確なシェア率が公表されたデータはありません。ただ、各サービスの導入実績などを参考にすると「ジョブカン採用管理」「ハーモス採用」が高いシェアを保有していると推測されます。以下、導入実績数が多く、シェア率が高いと推察される採用管理システムの一覧です。
| ツール名 | 導入実績数 |
|---|---|
| ジョブカン採用管理 | シリーズ累計25万社以上※1 |
| ハーモス採用 | シリーズ累計10万社以上※2 |
| リクナビHRTech採用管理 | 5万3,000社以上※3 |
| sonar ATS | 2,300社以上※4 |
| i-web | 2,200社以上※5 |
| HERP Hire | 2,000社以上※6 |
ハーモス採用やsonar ATSのような、新卒・中途双方の採用形態に対応できるツールや、複数の採用媒体や採用方法に対応できるツールの人気が高いです。また、リクナビHRTech採用管理やジョブカン採用管理など無料プランがあるツールも導入実績が多いです。
人気の高い採用管理システムの特徴
導入実績数が多いツールやPRONIアイミツでの問い合わせ状況から、人気の採用管理システムの特徴をまとめました。
- 中小〜中堅企業の導入実績が豊富
- UI/UXがシンプルで使いやすい
- 採用媒体や自社採用ページとの連携が強力
- Slackなどチャットツールと連携できる
- 料金プランが柔軟で規模に合わせやすい
企業規模や現場担当者のITリテラシーに左右されず、さまざまな採用経路を一括化できる柔軟性の高い採用管理システムが人気です。中小企業での導入が広がっている背景から、「導入しやすさ」と「実務を効率化する機能」が決め手になっているようです。
採用管理システムの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)をご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った採用管理システム(最大6社)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
人気の高い採用管理システム6選
導入実績数の様子やPRONIアイミツの問い合わせ状況から、人気の高い採用管理システム6製品を紹介します。各ツールの特徴を比較し、自社に合ったものを見つける参考にしてください。
人気の高い採用管理システム一覧
ジョブカン採用管理
ジョブカン採用管理は、株式会社DONUTSが提供する採用管理システムです。シリーズ累計で25万社以上の導入実績があり、直感的に操作できるシンプルな設計が特徴です。
応募者管理や求人媒体との連携はもちろん、求人ごとの進捗確認や分析レポートの作成など必要な機能は軒並み搭載しています。多様な機能を操作しやすいシンプルな画面で利用できる点が大きな魅力です。
料金は業界最安クラスで、30日間の無料トライアルも用意しています。中途・新卒採用を一括管理できるため、ひとつのシステムでかんたんに運用したい企業におすすめです。スムーズな導入を重視する企業は要チェックです。
主な機能
ハーモス採用
ハーモス採用は、株式会社ビズリーチが提供する採用管理システムです。従業員数1,000名以上の大企業から20人未満の小規模企業まで幅広く導入している実績があります。企業規模問わず利用できる効率化と分析・改善機能が揃っている点が特徴です。
ハーモス採用は、応募者情報の一元管理と評価の共有をシステム内で完結できる機能が揃っています。求人ごとの応募状況や選考データの自動集約機能、採用経路ごとの分析機能を搭載しており、採用活動の改善にも利用できます。
充分な採用機能に加え、専任のカスタマーサクセス担当によるサポートもあるため、初めて導入する企業にも安心しておすすめできます。
主な機能
リクナビHRTech採用管理
リクナビHRTech 採用管理は、株式会社インディードリクルートパートナーズが提供する中途採用向けのクラウド型採用管理システムです。53,000社以上の導入実績があり、複数のエージェント経由での採用活動を効率化し、日程調整や候補者管理を簡単に行えます。
大きな特徴は、初期費用・月額料金が一切かからない完全無料プランを提供している点です。また完全無料ながら、中途採用の求人やエージェント、応募者情報を管理したいユーザーには充分な機能も揃っています。
ほか、グッドデザイン賞の受賞歴もあり、操作性にも定評があります。紹介会社や候補者、ユーザー数も無制限なため、コストを抑えて導入したい企業におすすめのツールです。
主な機能
sonar ATS
sonar ATSは、Thinkings株式会社が提供する2,300を超える企業への導入実績がある採用管理システムです。新卒・中途を問わず、複数の採用プロジェクトをひとつの画面で効率よく管理できます。複雑な採用業務をわかりやすく設計したい企業におすすめです。
大きな特長は、ノーコードで柔軟な採用フローを構築できる点です。ドラッグ&ドロップで項目を並べるだけで、自社独自の選考ステップを簡単に設定可能です。応募受付から合否通知まで一連の流れを自動化し、選考ミスや対応漏れを防ぎます。
評価依頼の自動送信や進捗の可視化にも対応し、現場との連携もスムーズです。採用体制の標準化を図りたい企業にとって、操作性と柔軟性を兼ね備えたおすすめのツールです。初期費用不要で導入しやすいのも魅力でしょう。
主な機能
i-web
i-web(アイウェブ)は、株式会社ヒューマネージが提供する採用管理システムです。応募受付から内定者フォローまで対応し、企業の採用業務全体を一元管理できます。新卒・中途・インターン採用にも柔軟に対応可能です。
おすすめポイントは、リクナビやキャリタス就活などとの自動連携機能です。エントリー情報がリアルタイムで反映され、手作業の負担を軽減します。適性検査や他媒体との連携も豊富で、応募者対応の精度とスピードを両立できます。
多彩な採用フロー設計や分析ツール、マイページ機能も標準的に搭載し、カスタマーサクセスによるサポート体制も整っています。そのため、さまざまなツールと連携しながら採用管理を効率化したい企業におすすめです。
主な機能
HERP Hire
HERP Hire(ハープハイヤー)は、株式会社HERPが運営するデジタル人材の採用に強みを持つ採用管理システムです。候補者情報や進捗状況を一元管理し、現場を巻き込んだ採用体制の構築を支援します。
現場とのコラボレーションを促進する機能が豊富で、各種チャットツールやHRと連携でき、情報共有をスムーズにします。現場メンバーからのコメントやフィードバックを一つのプラットフォームで完結できる点も魅力です。
HERP Hire(ハープハイヤー)は現場参加型の「スクラム採用」をコンセプトに設計しています。現場を巻き込んだ採用を促進できるため、エンジニアやデザイナーなど、専門人材の母集団形成に課題がある企業におすすめです。
主な機能
採用管理システムのランキングを詳しく知りたい方は「採用管理システム(ATS)のランキング74選!」もご参照ください。
採用管理システムを導入すべき企業の特徴
採用管理システムはすべての企業に必要というわけではありません。ここでは、採用管理システムを導入すべき企業の特徴について解説します。
採用管理システムを検討する企業の従業員数
実際に、採用管理システムの導入を検討する企業はどのような特徴があるのでしょうか。PRONIアイミツSaaS(当社)が2025年6月~10月実施した独自調査では、採用管理システムを問い合わせた企業の従業員規模は、100~299人の回答が最も多くなっています。一方で、従業員数49人以下の企業も25%以上います。
従業員数が多く採用人数を増やしたい企業、逆に従業員数が少なく面接日程調整や社内連携に時間を避けない企業などが、採用管理システムを検討しています。そのため、採用管理システムは以下のような課題を抱える企業におすすめです。
採用管理システムの導入がおすすめの企業
採用人数が多い/複数部門で採用を行っている
年間で数十名以上の採用を行う、複数の部署・支店で同時に採用を進める企業には採用管理システムがおすすめです。複数名や部門をまたがる採用では、エクセルやスプレッドシート管理では、情報共有や管理に時間がかかってしまうでしょう。ツールを使えば、部署間での情報共有がスムーズになり、進捗管理にかかる時間を削減できます。
複数の媒体・経路から応募が来る
採用管理システムは、求人媒体やエージェント、自社採用サイトなど、複数の経路から応募がある企業にも役立ちます。ツールを使えば、各経路からの応募者情報をまとめて管理でき、媒体別の歩留まり分析や採用単価の可視化も実現できます。
面接日程調整や社内連携に時間がかかっている
日程調整に何度もメールを往復したり、面接官との社内連絡に時間を取られている企業にも採用管理システムは必要です。応募者と面接官の空き時間を自動で調整したり、Slackなどのツールと連携でき、連絡業務の効率化ができます。
採用活動の属人化が進んでいる
採用情報が一部の人事担当に集中し、進捗や対応履歴が共有されない場合もおすすめです。採用管理システムに、応募者ごとのステータスや評価コメントが蓄積され、メンバー間での引き継ぎや協力体制が構築しやすくなります。
自社の課題に合わせて採用管理システムを選ぶポイント
自社の採用活動に課題があり、採用管理システムを導入したいと思っても、最適なツールを選ぶのは難しいです。まずは以下のポイントを抑えておくことが大切です。
採用管理システムの比較ポイント
- 採用形態(新卒・中途・アルバイト)に合ったツールか
- 自社の課題解決(求人媒体の管理、採用活動の分析等)につながる機能があるか
- 連携ツールを比較する
- 月額料金など費用を比較する
採用管理システムを選ぶ際は、採用形態や自社の採用課題にマッチしているか、必要な機能や他ツールとの連携性、費用のバランスを見極めましょう。
採用管理システムの選び方をより詳しく知りたい方は「採用管理システムの選び方・比較ポイント」をご参照ください。
まとめ:人気の採用管理システムで自社を成長させよう
採用管理システムの国内市場は拡大傾向にあり、今後はHRTech全体との連携やAI活用を軸とした高機能化も進むと見込まれています。採用活動の課題を抱えている企業は、まずは自社の状況を整理したうえで、複数のツールを比較して、自社に最適な採用管理システムを選んでみましょう。
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