採用管理システム(ATS)とは?メリットや機能を徹底解説
企業にとって良い人材の採用は未来を左右する重要な問題です。しかし、日々多様化する採用活動において、応募者情報の管理から面接調整、選考状況の把握まで、業務は複雑化し、採用担当者の負担は増えています。
そのような課題を解決するツールとして、注目が集まっているのが採用管理システムです。当記事では、採用管理システムの導入メリットや主な機能、注意点・デメリットを分かりやすく解説しています。採用業務に負担を感じている方はぜひ参考にしてみてください。
採用管理システム(ATS)とは
採用管理システム(ATS)とは、応募者の管理から選考状況、面接調整や内定通知に至るまでを一元化するツールです。ATS(Applicant Tracking System:応募者追跡システム)とも呼ばれ、採用活動の「見える化」や「効率化」を実現する手段として、多くの企業で導入が進んでいます。
採用管理システムの導入が進む背景
採用管理システムの導入が進む背景には、近年の採用活動における業務の複雑化と情報管理の煩雑さが影響しています。求人媒体の多様化や応募経路の増加により、Excelやスプレッドシートでの管理に限界を感じる企業が増えたのです。
日本能率協会総合研究所の調査によると、採用管理システムの国内市場規模は2021年度の160億円から2027年度には350億円へと倍増する見込みです。中小企業でも導入が広がっており、企業規模問わず需要が増加している様子が伺えました。
採用管理システムの主な機能
採用管理システムは単に応募者を管理するだけのツールではありません。ここでは、採用管理システムの主な機能について解説します。
企業が求める採用管理システムの機能
企業が重視する採用管理システムの機能はどのようなものがあるのでしょうか。PRONIアイミツSaaS(当社)で採用管理システムを問い合わせた企業は、連携できる求人媒体の内容や数など「求人媒体連携」を重視する傾向にありました。
ほか「分析レポート機能」「エージェント管理機能」なども必要な機能として挙げられています。また「LINE連携」は必須ではないものの、あればよい機能として多く回答されていました。採用管理システムを探す人事・総務担当者は、上記のような機能についても着目すると探しやすいでしょう。
求人媒体や紹介会社の一元管理
複数の求人媒体や紹介会社を活用している企業にとって、それぞれの応募者を別々に管理するのは大きな負担です。採用管理システムでは、大手総合求人サイトや求人検索エンジン、自社の採用サイトなどと連携し、公開している求人案件をまとめて管理できます。
紹介会社(エージェント)経由の推薦も同じ画面で管理できるため、進捗の抜け漏れや重複応募のチェックも容易になります。求人情報や媒体ごとの募集期間の更新、応募件数や掲載状況の確認も一つの画面で完結するため、求人処理にかかる時間を大きく削減できるでしょう。
応募者情報や選考履歴の管理
採用管理システムは、応募者情報や各自の選考履歴を管理する機能を備えています。応募者の氏名や連絡先、スキルや学歴、職務経歴といった基本情報、各選考ステップでの評価、面接官のコメント、合否判定まで、すべての履歴をまとめて閲覧、管理できます。ツールによっては、新卒や中途の情報管理に長けているものもあり、採用に必要な情報をひとめで確認可能です。AIが搭載され、書類選考やスカウト人材選びを自動化できるツールなどもあります。
面接・選考スケジュールの自動調整と管理
候補者と面接官双方の空き時間を考慮した日程調整や選考スケジュールの管理機能もあります。OutlookやGoogleカレンダーなどと連携して、面接官や会議室の空き状況を管理画面上で確認、日程調整やWeb会議のURL発行が可能です。またカレンダーに合わせて、一次・二次などの選考フェーズごとにスケジュールを設計することもできます。面接日程が確定すると自動的に候補者、面接官のカレンダーに反映するツールもあり、スケジュール調整にかかる手間を大きく削減できます。
求人票や採用サイトの作成・公開
求人票や採用サイトの作成・公開も採用管理システムが持つ魅力的な機能です。多くのツールには、テンプレートを活用して求人票を簡単に作成し、自社採用サイトに直接公開できる機能があります。ツールによっては、専用の採用サイトをノーコードで構築できる製品や、AIを活用して魅力的な求人文面を提案してくれる製品もあります。作成した求人情報は、連携している複数の求人媒体へ一括で掲載できるため、採用活動のリーチを広げながら管理の手間を減らすことが可能です。
連絡ツール・メールの送受信
応募者への合否連絡や面接日程のリマインド、選考状況の通知などをメールで送受信できます。選考ステータスや説明会参加者など、セグメントごとに送信メールを分けたり、時間を開けて結果を知らせたいとき、日時指定して送るなどの使い方が可能です。最近ではLINEなどのSNSツールと連携して、よりカジュアルでスピーディーな連絡を可能にするツールも登場しています。
データ分析・レポート
採用管理システムは、採用活動に関する様々なデータを自動で収集・分析する機能を備えています。応募数や選考ステップごとの通過率、内定承諾率や採用経路別の効果、選考にかかった期間などを分析し、レポートとして出力可能です。カスタマイズ可能なダッシュボードを提供するものや、特定の指標に特化したものもあります。スコアリングなど、応募者の志望度や特性を分析し、点数化できるツールもあり、数値的に採用活動を評価できます。
採用管理システムを導入するメリット
採用管理システムは採用業務の負担を減らし、より効果的な採用活動を実現するための大きな一歩となります。どのような導入メリットをもたらすのか、実務に役立つ視点から解説します。
応募者情報の管理がラクになる
まず最も大きなメリットとして、応募者情報の管理を一括化しラクにできる点が挙げられます。多くの企業では、複数の求人媒体や人材紹介会社を利用して応募者を集めています。各媒体に散らばった応募者情報を個別に確認したり、手作業で整理したりする手間が発生しがちです。
採用管理システムでは、さまざまな媒体に散らばる履歴書や職務経歴書、選考ステータス、担当者のメモなど、応募者に関するすべての情報をシステム内でひとつに紐づけ可能です。これにより、採用担当者は情報管理にかかる膨大な時間を削減し、より重要な業務に集中できるようになります。
選考状況をリアルタイムで可視化可能
採用活動を進める中で、多数の応募者が同時に選考プロセスを進める場合、それぞれの候補者が今どの段階にいるのか、どこで選考が滞っているのかを把握するのはなかなか難しいでしょう。
採用管理システムでは、応募者一人ひとりの選考ステータスをツール上でリアルタイムに可視化できます。誰が今どこでどのような状態にあるのかがわかるため、選考のボトルネックを早期に発見し、迅速な対応が可能になります。また、特定の選考フェーズでの離脱が多いといった傾向も把握できます。
面接日程の調整業務を削減できる
採用担当者が日々感じる業務の中で、特にストレスが大きいとされるのが面接日程の調整業務です。候補者と複数の面接官の予定の確認、そして会議室やWeb会議ツールの手配など、煩雑な作業が必要になるからです。
採用管理システムを使うと、面接日程の調整業務にかかる時間や手間を削減できます。何度もメールや電話でやり取りしたり、別途会議室やWeb会議ツールを手配する必要がなくなり、採用担当者のストレス軽減にもつながります。採用担当者はより多くの時間を戦略的な業務に割くことができるようになるでしょう。
採用活動をデータ化して改善できる
採用管理システムは、採用活動の中で集まった選考通過率や内定承諾率、採用経路別の効果、選考期間などの情報をかんたんにデータ化できるというメリットもあります。採用活動に関するあらゆるデータを自動で収集し、レポートとして可視化します。
データ分析やレポートを利用することで、どの求人媒体が効果的だったか、選考プロセスのどの段階で応募者の離脱が多いか、といった具体的な課題や改善点を発見できます。データに基づいたPDCAサイクルを回すことで、採用活動全体の効率化と採用成功率の向上につながるでしょう。
採用担当者と現場の連携がスムーズに
採用管理システムを導入することで、採用担当者から面接官への候補者情報共有や評価依頼をシステム経由でスムーズに行えます。選考に関する質問やコメントのやり取りもスムーズになるため、面接評価シートの回収漏れや情報共有の齟齬も防げるでしょう。
中途採用や専門職の採用では、現場のマネージャーやメンバーが面接官を務めることが多く、採用担当者と現場間の密な連携が不可欠です。そのため、採用に関する連携を効率化する採用管理システムの利用は大きなメリットとなります。
採用管理システムの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)をご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った採用管理システム(最大6社)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
採用管理システムのデメリット・注意点
採用管理システムの導入にはさまざまなメリットがありますが、一方でいくつかデメリットや注意点も存在します。以下に事前に理解しておく必要がある注意点についてまとめます。
採用管理システム導入時の注意点
導入と運用には一定の費用が必要
Excelなどでの手動管理と比較すると、採用管理システムの導入には費用が発生します。基本的に月額課金制を採用しており、利用する機能の範囲、アカウント数や応募者数などによって料金が変わってきます。
そのため、自社の採用活動の規模や頻度を考慮した上で、総コストを見積もってツールを比較することが重要です。また、システムの利用料だけでなく、必要に応じたカスタマイズ費用なども事前に確認しておく必要があります。
操作に慣れるまで時間がかかる可能性がある
新しいシステムを導入する際は、少なからず初期設定や既存データの移行に手間がかかり、従業員が使い方を覚えるための学習コストが発生します。採用担当者だけでなく、面接官となる現場従業員など、ツールを利用するすべての人が新しいシステムの使い方を覚える必要があります。
操作や従業員への浸透に不安がある場合、無料トライアルやデモを提供している採用管理システムをいくつか利用し、実際に操作感を確かめてから導入することを勧めます。サポート体制なども確認しておきましょう。
自社の採用フローと合わない場合もある
採用管理システムは設計上、ある程度決まった採用プロセスに沿って運用することが求められます。そのため、企業独自の特別な採用フローや、イレギュラーな対応が多い場合には、システムが柔軟性に対応しきれない可能性もあります。
導入前に自社の採用フローを詳細に洗い出し「フローをシステムがどこまでサポートできるか?」「カスタマイズ性はどの程度あるか?」を確認することが重要です。採用フローをシステムに合わせて最適化することも一つの解決策になりますが、社内での調整が必要になります。
まとめ:求人情報の一元管理はシステムに任せよう
採用管理システムは、煩雑な採用業務の課題を解決し、効率化と品質向上を同時に実現する強力なツールです。特に複数の求人媒体や人材紹介会社からの求人情報や応募者情報を一元管理できる点は、採用担当者の負担を大きく軽減します。
しかし、数ある採用管理システムを比較して自社のニーズに合ったものを選ぶのは大変でしょう。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った採用管理システムが分かる診断(無料)ができます。
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