連結会計におすすめの会計システム10選【2024年最新】
近年、資本市場はますますグローバル化が進み、国内のみならず海外投資家に向けたアプローチが非常に重要なポイントとなっています。そんな中、グローバルな資金調達を行いやすくするためにはどうするべきなのか考えた際、重要となるのがIFRS(=国際財務報告基準)の準拠です。IFRSに基づいて作成された財務諸表があることで、グローバル規模で競合他社と並ぶことができるでしょう。そして、海外の投資家から投資価値を見込まれれば、出資へとつながる可能性があります。
そこで今回は、グローバルに展開する企業におすすめな連結会計システムについて詳しく解説。連結会計システムを導入するメリットや、システムを選ぶ際のポイントを解説していきます。
- 連結会計対応の会計システムとは
- 連結会計対応の会計システムを導入するメリット
- 連結会計対応の会計システムを選ぶポイント
- 連結会計できる会計システムの比較表
- 連結会計に対応した会計システム10選
- まとめ
連結会計対応の会計システムとは
連結会計とは、「親会社と子会社など、支配従属関係にある企業団体を1つの会社ととらえて財務諸表を作成する決算」のことを指します。連結決算を含む連結会計業務を行うには、子会社・グループ会社から会計情報などの必要なデータを収集・選別することが必要。そのうえ、連結会計を行うにあたって制定されている法令を確認・遵守したうえで、連結財務諸表を作成しなければなりません。
連結会計に対応している会計システムは、通常の会計業務を行うための機能に加え、子会社やグループ会社のデータ収集をスムーズに行うための機能や、法令に準拠したシステムが搭載されているのが一般的です。
なかには、子会社は通常通りの会計・決算業務を行うだけでよく、本社での操作のみで連結決算を容易に行えるという、親会社・子会社間の連携が取れるシステムもあります。連結会計に対応した会計システムは、煩雑になりがちな連結会計を大幅に効率化することができる、大変便利なツールだと言えるでしょう。
連結会計対応の会計システムを導入するメリット
ここからは、連結会計に対応している会計システムを導入することのメリットをお伝えします。
- 決算業務の効率化
- データの整合性
- 経営の透明性
- ガバナンスの強化、不正会計の防止
決算業務の効率化
連結会計に対応している会計システムの導入によって、連結決算業務を大幅に効率化できるという点が、最も大きなメリットだと言えるでしょう。連結決算をはじめとした連結会計業務を行うには、子会社やグループ会社などからのデータ収集・連結会計にともなう法令の確認と遵守・連結財務諸表の作成など、さまざまな作業が発生します。これらの複雑な作業を大幅に効率化できることが、連結会計に対応している会計システムを導入する最大のメリットです。
データの整合性
子会社・グループ会社が複数存在する場合は、連結会計に対応している会計システムを導入することで、容易にデータの整合性をとれるようになります。それぞれの会社で異なる会計システムを利用している場合は、会計情報などに相違が発生する場合もあるでしょう。そうなると、ただでさえ煩雑な連結決算の負担がさらに大きくなってしまいます。子会社にアカウントを渡せば、通常通りの会計業務を行うだけで連結会計が可能になる会計システムも少なくありません。データの整合性が取れれば、スムーズな決算会計が可能になります。
経営の透明性
連結会計に対応した会計システムを導入し、親会社・子会社・グループ会社間が使用する会計システムを統一することで、経営の透明性を向上させることができます。子会社が独自の会計システムを利用している場合、本社はアクセス権限を付与されないと詳細な取引・仕訳内容を確認することが困難です。連結決算に必要な資料のみの提出では、内訳に不正が生じていても見抜くことは難しいと言えます。親会社からも子会社・グループ会社の取引・仕訳内容詳細を確認できる会計システムを利用すれば、経営の透明性向上が見込めるでしょう。
ガバナンスの強化、不正会計の防止
連結会計対応の会計システムを導入することによって、ガバナンスの強化、不正会計の防止にもつなげられるのは大きなメリットです。本来上場企業は、決算情報についてすべて開示しなければなりません。そのため、親会社は親会社単体のみならずグループ各社の財政状況も公開する必要があります。しかし、中にはグループ会社の間で黒字や赤字を付け替えるといった不正が行われることもあるでしょう。一方、連結会計対応の会計システムであれば、グループ会社を含めた全体の状況を管理できるため、ガバナンスの強化や不正会計の防止につなげることができます。
連結会計対応の会計システムを選ぶポイント
ここからは、連結会計に対応している会計システムを選ぶ際のポイントをお伝えしていきます。
- 機能の有無
- サポート体制
- 海外拠点に対応できるか
機能の有無
まずは、自社の求める機能が備わっているかどうかを確認することが重要でしょう。連結会計に対応している会計システムは、多くの便利な機能を搭載しています。しかし、業種・業態によって必要な機能は異なるはずです。自社にとって必要な機能がしっかり備わっているかどうかを、しっかりと確認することをおすすめします。なかには機能を取捨選択できる会計システムもあるため、必要に応じて導入を検討するとよいでしょう。
サポート体制
サポート体制がしっかりしているかどうかも重要なポイントのひとつです。連結会計に対応しているということは、単純な会計システムよりも複雑な機能が備わっているということになります。作業するうえで困ったことが発生した場合や、操作方法がわからなくなった場合に、頼れるサポート体制があると安心して利用できるでしょう。システムに対する不明点だけでなく、会計業務全般の質問を受け付けているシステムもあります。はじめて連結決算を行う方にはそのような会計システムもおすすめです。
海外拠点に対応できるか
連結会計対応の会計システムを選ぶ際、グローバルに拠点を展開している、あるいは今後海外拠点を増やしていきたい企業の場合には、海外拠点にも対応できるかどうかが非常に重要なポイントです。多言語対応であるのはもちろんのこと、外貨にも対応している、為替レートの自動変換にも対応している点も重要です。また、各国に支社を展開している場合には、どの言語・外貨に対応できるかもしっかり確認しましょう。
IFRSの対応
グローバルにビジネスを展開している、あるいはこれから海外事業を展開していきたいという企業が連結会計対応の会計システムを導入する際には、IFRS(国際会計基準)に対応しているかどうかも重要なポイントです。会計システムで、IFRSに基づいて財務諸表を作成できれば、海外投資家へのアプローチも叶います。本格的に海外事業を展開するならば、IFRSへの対応は必須でしょう。
連結会計できる会計システムの比較表
ここからは連結会計できる会計システムを紹介していきたいと思います。まずはご紹介する会計システムでPRONIアイミツがおすすめのサービスを料金や機能項目、連携サービスで絞り込んで比較表にまとめてみました。各サービスの違いや特徴が一目でわかるのでぜひご覧ください。
各サービスの具体的な特徴は後ほどご紹介しておりますので比較表と合わせて、連結会計できる会計システム選びの参考にしてください。
連結会計に対応した会計システム10選
ここからは、連結会計に対応している会計システムをご紹介していきます。
「DivaSystem LCA」は、連結会計、グループ管理会計、企業価値分析などのノウハウを情報技術として提供しているディーバが手がける、国内シェアNo.1*を誇る連結会計システムです。連結会計・連結決算のスタンダードとして、累計導入実績は1,000社以上。連結会計を必要とする多くの企業から支持を集めています。
データ収集から連結処理、レポーティング、決算開示まで、連結決算において発生する一連の会計業務をしっかりサポート。標準的な業務プロセスをテンプレート化し、タスク管理を行いながら一つひとつ進められるため、連結決算業務がはじめてという方でも安心です。
さらに海外サブとの連結や、子会社などの会計明細データの可視化にも対応。クラウド経由でグループ会社・監査法人とつながることもできるため、リモート決算・リモート監査もスムーズに実施できるでしょう。
*富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2013~2019年版」連結会計ソフト(パッケージ)売上金額2012~2018年度実績
*ITR「IT Market View:予算・経費・就業管理市場2020」連結会計市場:ベンダー別売上金額シェア(2015~2019年度予測)」
- メールサポートあり
- 取引明細の自動取込機能
- 決算書の作成機能
- クラウド(SaaS)
- 日本会計基準
- IFRS(国際会計基準)
- 日本円
- パソコン対応
- 日本語
「OPEN21 SIAS」は、会計システムをはじめとしたバックオフィス向けシステムの開発・販売などを主な事業として展開するICSパートナーズが手がける会計システムシリーズです。基本会計システムはもちろん、ワークフローシステム、債権/債務管理システム、人事情報/給与計算システムなどが用意されています。
連結決算支援ソリューションは、クラウド環境によってシェアード形式での運用が可能です。グループ統一会計システムとして運用することにより、個別・連結決算の早期化を実現します。
各社の担当者は、連結決算を意識せずに、個別決算の延長線上で連結決算のデータを作成することが可能。全社合算前に取引(仕訳)レベルでの内部取引照合を行うこともできるため、合算時のトラブルも防ぐことができます。管理会計要件にも対応しているため、会計情報の戦略的活用も実現できるでしょう。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
- 取引先のCSVインポート機能
- 仕訳帳の作成機能
- 総勘定元帳の作成機能
- 決算書の作成機能
- 固定資産台帳の作成機能
- 取引先など補助科目の登録機能
- 取引先のCSVエクスポート機能
「OBIC7 会計情報システム」は、システムインテグレーション事業などを展開するオービックが提供している会計システムです。IFRS(国際財務報告基準)適用を視野に入れた会計業務改革や、内部統制強化などを的確にサポートするための機能がそろっています。
「財務会計」「管理会計」「連結会計」「グループ管理会計」の4つのシステムから構成されており、連結会計システムにおいては、グループ各社の会計情報収集、内部取引消去、未実現利益消去などの連結仕訳が可能。資本連結仕訳が発生している際は自動生成を行うため、業務の効率化にも大きく貢献するでしょう。もちろん、制度連結に対応した財務諸表の作成、予算対比などの管理連結にも対応可能です。
さらに連結セグメントオプション、連結情報入力オプションも用意されているため、グループ経営や海外拠点との連携にも活用できます。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
- 仕訳帳の作成機能
- 残高試算表の作成機能
- 決算書の作成機能
- 固定資産台帳の作成機能
- 勘定科目の設定
- クラウド(SaaS)
- ISMS
eCA-DRIVER
出典:株式会社 TKC https://www.tkc.jp/consolidate/eca-driver
「eCA-DRIVER」は、会計事務所・地方公共団体への情報サービス事業を展開しているTKCが提供する会計システムです。クラウド型連結会計システム導入実績No.1(自社調べ)を誇り、連結会計においての「わかりやすさ」「スピード向上」「拡張性」を追求した会計システムになっています。
500社以上の企業・グループへの導入実績があり、高い評価を得ていることが特徴。データ連携や、四半期・月次決算処理の自動化など、会計業務の効率化という面においても優秀な会計システムです。
科目残高の増減分析・明細確認機能で監査にもスムーズに対応できます。拡張機能(オプション)も豊富に用意されており、子会社の業績を確認できる予算連結業績管理システムや、グループ会社の取引詳細を照合するシステムなど、開かれた会計業務を行いたい企業にぴったりの機能がそろっています。
Oracle HFM
出典:日本オラクル株式会社 https://www.oracle.com/jp/middleware/technologies/financial-management.html
「Oracle HFM」(Oracle Hyperion Financial Management)は、アメリカに本社を置くオラクルが提供しています。財務統合、レポート作成、財務分析機能などが搭載された、企業のパフォーマンスを管理するための包括的なwebベースアプリケーションです。
また、財務決済・レポート作成などを効率化できるだけでなく、グローバルな連携が可能な点が大きな特徴でしょう。海外支社がある企業にはとくにおすすめです。情報を一元管理することで、複数会計に対応できるだけでなく、グローバルレベルでの会社・グループ経営管理の基盤を構築することができます。
さらに、プライベートクラウド型での導入も可能。スピーディーな会計システムの拡張・整備や、事業が多角化した際、連結対象子会社の増減が発生した際もスムーズに対応できます。
設立年 | 1985年 |
従業員数 | 1000人以上 |
会社所在地 | 東京都港区北青山2-5-8 オラクル青山センター |
電話番号 | 03-6834-6666 |
STRAVIS
出典:株式会社電通国際情報サービス https://www.isid.co.jp/stravis/
「STRAVIS」は、コンサルティングサービス、受託システム開発などの事業を手がける電通国際情報サービスが提供しています。
連結会計、管理会計、グループデータの収集を中心に、経営の高度化を支え、さまざまな業務の効率化が可能。導入は900社を超えており、実績も豊富です。
連結会計業務においては、最新の会計基準に準拠した制度連結機能を搭載。月次連結・連結予算・連結見込みなどの管理連結業にも対応。もちろん、管理会計業務もあわせて行えるほか、グループ会社から経営データの収集基盤としても活用できます。
サポートが充実している点も特徴で、サポートセンターではシステムの使い方や法制度対応に関する質問に対応しているほか、システムメンテナンスの支援や、システムを利用した連結決算業務のアウトソーシングにも対応可能です。
設立年 | 1975年 |
従業員数 | 1000人以上 |
会社所在地 | 東京都港区港南2-17-1 |
電話番号 | 03-6713-6111 |
BTrex連結会計
出典:株式会社ビジネストラスト https://www.b-trust.co.jp/btrexr/
「BTrex連結会計」は、会計ソフトウェアの開発販売や、会計・経営管理システムの構築およびコンサルティングなどを主な事業としているビジネストラストが提供する会計システムです。導入社数は累計で800グループという実績を誇っています。
高度な情報処理能力と、連結決算業務のためのシステムを標準搭載。さまざまなシートが複雑に絡み合うExcelなどの表計算ソフトの使用から脱却することができます。入力・処理・出力の自動化により、データの取り込みからアウトプットまでを30秒で連結できるスピードもおすすめのポイントです。
また、国際財務報告基準(IFRS)にも対応しているため、海外拠点を持つ企業でも安心して利用できるでしょう。実務に役たつ機能が豊富に搭載されているため、リーズナブルな価格で幅広く活用できる会計システムをお探しの方にもおすすめです。
会社所在地 | 東京都港区赤坂2-14-27 国際新赤坂ビル東館2階 |
電話番号 | 03-5575-6100 |
BizForecast
出典:プライマル株式会社 https://www.primal-inc.com/product/bizforecast/
「BizForecast」(ビズフォーキャスト)は、経営管理システムの開発・販売、経営管理業務のコンサルティングサービスを提供しているプライマルが手がけるグループ経営管理システムです。連結決算・連結会計ソリューションのほか、予算管理・管理会計、開示・IR支援、ワークフローなど、「BizForecastシリーズ」としてさまざまなサービスが用意されています。
連結決算・連結会計業務に対応した「BizForecast FC」では、多様な連結決算ニーズのための機能を搭載。柔軟で拡張性の高いマスタ構造・システム設計が実現されています。また、制度連結において求められる最新の会計基準に準拠した環境を用意しており、日本基準はもちろんIFRS(国際財務報告基準)・米国基準など複数会計基準での処理にも対応可能です。
会社所在地 | 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー29階 |
電話番号 | 03-5472-7451 |
SUPER COMPACT Pathfinder
出典:富士通株式会社 https://www.fujitsu.com/jp/services/application-services/enterprise-applications/glovia/solution/supcom/
「SUPER COMPACT Pathfinder」は、テクノロジーソリューションなどを提供する富士通が手がける連結会計システムです。ユーザーのニーズを的確に汲んだ仕様で、幅広い業種・業態の連結会計に対応しています。
特徴のひとつとして、柔軟性・拡張性が高いことが挙げられます。制度連結はもちろん、月次連結・連結予算の作成・セグメント管理など、管理連結におけるさまざまな需要に対応可能。グループ経営の会計管理業務に大いに役立つでしょう。
また、システムが3つに別れていること点にも要注目です。連結決算業務を行うシステム、データ収集効率化を強化するシステム、管理用資料の作成を支援するシステムを、運用状況やニーズによって自由に組み合わせることが可能。必要な製品のみを取り入れられるため、システムのコンパクト化・コスト削減につながります。
設立年 | 1935年 |
従業員数 | 1000人以上 |
会社所在地 | 神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1 |
電話番号 | 044-777-1111 |
iCAS
出典:株式会社インプレス https://www.imprex.co.jp/product/icas.html
「iCAS」は、連結会計ソリューションサービス、会計コンサルティングサービスなどを提供しているインプレスが手がける連結会計システムです。充実したデータ収集機能により、子会社の情報を収集・一元管理することが可能。収集されたデータをもとに、個別財務諸表の単純合算から連結精算表作成までの一連の作業をシステム上で容易に行うことができます。また、エラーチェック機能が搭載されているため、正確でスピーディーな連結決算処理を実現することが可能。さらに、収集データを活用した管理連結機能も搭載されています。数値から現状分析・予測シミュレーションができるため、グループ資源を適切に配分したい方にもおすすめです。
もちろん法律に準拠した利用者権限・ログ情報管理を標準装備しているため、セキュリティ面においても安心して利用することができます。
設立年 | 1995年 |
従業員数 | 100-499人 |
会社所在地 | 東京都中央区日本橋人形町2-26-5 日通人形町ビル9F |
電話番号 | 03-6914-8511 |
まとめ
今回は、連結会計対応の会計システムとは何か、導入することによってどのようなメリットがあるのかなどを説明するとともに、実際に連結会計へ対応している会計システムを紹介してきました。
連結会計対応の会計システムは、導入することによって決算業務の効率化やデータ整合性の向上、不正会計防止などの効果が得られます。IFRSにも対応している連結会計対応の会計システムであれば、グローバルにビジネスを展開していきたい企業や、海外投資家に対してアピールしたい企業にとっても非常に役立つでしょう。
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