決済代行サービスとは?メリットや選び方をわかりやすく解説
決済代行サービスの市場規模は、年々増大しています。ネット通販の利用者が増えたことで、購入スタイルや必要とされる決済方法も多様化しました。新たなオンライン決済を導入しようと検討している企業も多いはずです。 今回は、そうした企業の担当者の方へ向けて、決済代行の仕組みやメリット、実際に導入する際の注意点などをわかりやすくご紹介していきます。ぜひ参考になさってください。
- 決済代行サービスとは?
- 決済代行サービスの仕組み
- 決済代行サービスのメリット
- 導入にあたっては利益率に注意
- 決済代行サービスを選ぶ際のポイント
- 決済代行サービスの活用事例
- おすすめの決済代行会社3選
- まとめ
決済代行サービスとは?
決済代行は、ネットショップや通販会社といった事業者と、クレジットカード会社、電子マネー運営会社などの橋渡し役となるサービスです。カード会社との契約をはじめ、決済システムの導入や購入代金の入金処理などをまとめて代行します。
利用にあたっては手数料が必要となるものの、うまく活用すれば事務手続きや経理処理の手間とコストを大幅に削減可能。さらに、顧客満足度の向上や売り上げアップへとつなげることもできます。
決済代行サービスの仕組み
次に、決済代行サービスの仕組みを簡単に整理しておきましょう。
上記のとおり、サービスを提供する決済代行会社はクライアントに代わってカード会社や電子マネー運営会社との契約手続きや決済システムの導入、入金処理などをまとめて引き受けます。
クライアント側はそれと引き換えに、サービス導入時の初期費用、毎月の基本手数料(決済システムの利用料、データの管理費用)、決済手数料(決済1件ごとのマージン)を支払うというのが、決済代行サービスの基本的な仕組みです。
たとえば、消費者がネットショップで商品を購入し、電子マネーで代金を支払った場合、電子マネーの運営会社から決済代行会社へ購入代金が送金されます。決済代行会社はそこから手数料を差し引いた上で、残りの金額をネットショップ運営会社(クライアント)の口座へ売上として入金するという流れです。
ちなみに決済手数料は、クレジットカードが購入代金の3%から10%前後、電子マネーやコンビニ払いが2%から5%前後。クレジットカードの決済手数料にはVISA、MasterCardといったカードブランドのブランドフィーも含まれるため、ほかの決済方法よりも高めに設定されています。
また、エステサロン、教育関連といったサービスでは、サービスに満足できなかった消費者が支払いを渋ることや、リボ払いが遅れてしまうケースがあるため、そうしたリスクを見越して手数料が割高に設定されていることが多いようです。
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決済代行サービスのメリット
ここからは決済代行サービスのメリットについて、より具体的にひも解いていきましょう。
複数の決済方法を導入できる
1つめのメリットは、複数の決済方法をまとめて導入できること。世界的にキャッシュレス化が加速するなか、現金での支払いに煩わしさを感じ、クレジットカードやアプリでしか買い物をしない消費者も増えています。
そうした消費者のニーズに応えることで、購入の取りこぼしや売り上げの機会損失を抑えられることが、決済代行サービスならではの利点と言えるでしょう。
たとえば、GMOイプシロン株式会社が提供している決済代行サービス「Epsilon」の場合、クレジットカード、PayPay、ドコモケータイ払いなどの30種類以上の決済方法に対応しています。
審査手続きの手間が省ける
クレジットカード決済やコンビニ決済を導入するには、加盟審査を受ける必要があります。審査のプロセスは各社異なり、外資系のカード会社では英語のドキュメント提出を求められることも。
そうした面倒な手続きをまとめて任せられるのも、決済代行サービスを利用する大きなメリットの1つです。節約したリソースは、商品企画や販売戦略の立案など、売り上げを伸ばすためのより本質的な業務に充てられます。
決済代行会社に手続きを依頼したからといって、100%審査を通過できるというわけではありませんが、与信に大きな問題がなければ、申し込みから1週間程度での導入も可能です。
入金サイクルが一本化される
加盟審査のプロセスと同様、売上金の入金サイクルも信販会社によってさまざまです。クレジットカード会社や決済アプリの運営会社と個別に契約を結ぶと、締め日・支払日は契約先ごとにバラバラとなり、手数料も異なります。売上を管理するのは容易ではありません。
一方で、決済代行サービスを利用すれば、決済代行会社が各社からの売上代金を取りまとめた上で手数料を差し引き、毎月決まった日に入金してくれます。
経理処理の手間が大幅に省けるのはもちろん、一度にまとまった売上を確保しやすくなるため、資金繰りに悩まされることなく、新商品の開発や集客対策を行えるようになるでしょう。
セキュアな決済環境を構築できる
決済代行会社が提供する決済システムには、データの暗号化通信、ファイアウォール、2段階認証、不正利用の自動検知といったセキュリティ機能が備わっています。
また、システム自体も万全の監視体制が敷かれたデータセンターで管理されているため、自社サーバー上に独自の決済システムを構築する場合と比べると、トラブルの際の復旧もスピーディーです。
加えて、利用者側で定期的にシステムをメンテナンスすることや、法改正にあわせたアップデートを行う必要もありません。システム運用の手間を省きながら、セキュアな決済環境を利用できるのも、決済代行サービスのメリットです。
導入にあたっては利益率に注意
業務効率化や入金サイクルの一本化など、数多くのメリットをもたらす決済代行サービスですが、前述のとおり、利用にあたっては決済代行会社に手数料を支払う必要があります。
手数料は商材や決済方法によって変わるため一概には言えないものの、月商300万円のネットショップや通販会社の場合、月額手数料と決済手数料はあわせて15万円から30万円ほどが一般的です。
また、決済代行サービスの導入によって顧客数や購入単価が増えなければ、利益そのものは減少します。オープンしたばかりで資金繰りが安定しないショップなどでは、手数料が大きな負担になることもあるため、導入は慎重に検討しましょう。
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決済代行サービスを選ぶ際のポイント
続いては、決済代行サービスを選ぶ際のポイントについて。ここまでの内容を踏まえつつ、3つに分けてご紹介します。
①必要な決済方法に対応しているか
まずは導入すべき決済方法を洗い出した上で、対応可能な決済代行サービスを絞り込んでいきましょう。
SBペイメントサービス株式会社のアンケート調査によると(https://www.sbpayment.jp/support/ec/survey/onlineshopping-payment/ 参照)、ネット通販における決済方法はクレジットカードが第1位(全体の79.1%) 。第2位にコンビニ決済(6.6%)、第3位にキャリア決済(2.9%)と続きます。
18歳未満はクレジットカードを持てないことを考慮すると、上記の3つに代金引き換えを加えた4種類の決済方法は必須だと言えるかもしれません。シニア層の利用率が高いショップではカードの手数料率が低い決済代行サービス、若年層の購入がメインならアプリ決済や電子マネーを幅広くカバーするサービスといったように、顧客層や購買スタイルにあわせて選ぶのがいいでしょう。
②しっかりとした事業基盤があるか
決済代行会社の多くはJCCA(日本クレジットカード協会)をはじめとする業界団体に加盟しており、セキュリティ認証を取得した上でサービスを提供しています。しかし、ここ数年はネット通販市場の急拡大を背景に、異業種からの新規参入も増えてきました。
以前、ある決済代行会社の方に話をうかがったところ、なかには十分な資金、経営基盤を持たないまま参入したことでサービスの継続が困難になり、事業をストップしてしまう会社もあったそうです。
決済代行会社が事業停止に陥ると売り上げ金を回収するのが非常に難しくなってしまうため、契約の際は沿革や資本金、取引先を入念にチェックした上で信頼のおける会社を選びましょう。決済代行サービスを利用するということは、一時的に売り上げ金を預けているということを、決して忘れてはいけません。
③セキュリティは万全か
上記2点とあわせて、セキュリティも非常に大事なポイントです。決済システムには顧客のクレジットカード番号や口座情報などの非常にデリケートな情報が蓄積されます。そうした情報が流出してしまえば企業としての信用は失われ、事業にも大きなダメージを被るのは避けられません。
決済システムに前述したセキュリティ機能が搭載されているかをきちんと確かめた上で、契約先を決めましょう。より万全を期すのなら、プライバシーマークもしくはISO27001の認証を取得している決済代行会社や、金融機関、大手企業と資本関係にある決済代行会社だけに絞って検討するのも1つの方法です。
決済代行サービスの活用事例
実際に決済代行サービスを導入した企業がどのような成果をあげているのか、3つの業種別に具体的な事例を見ていきましょう。
株式会社ベル・フルール
「後払いドットコム」の導入事例(株式会社キャッチボール https://www.ato-barai.com/case/fleurs/ 参照)によると、総合フラワーデザインカンパニーとして、プリザーブドフラワーの制作やウェディング演出、スクール運営などを手がけるベル・フルールでは、ギフト購入の決済方法に頭を悩ませていたそうです。
プレゼントのため宅配時の代金引き換えはできず、母の日などに商品を購入する顧客のなかにはクレジットカードを利用できない人も多かったとのこと。
そこで導入したのが、与信の制限がなく、コンビニでの後払いにも対応できる決済代行サービスでした。導入後は高額注文にももれなく対応できるようになり、売り上げ・顧客満足度ともに向上が見込めるようになったと言います。
株式会社KADOKAWA
「ROBOT PAYMENT」の導入事例(株式会社ROBOT PAYMENT https://www.robotpayment.co.jp/service/payment/case/kadokawa.html 参照)によると、デジタルコンテンツの配信事業を行っているKADOKAWAでは、雑誌のバックナンバーの読み放題を提供するサブスクリプション型サービスの開始にあわせて、クレジットカードに対応した決済代行サービスを導入したそうです。
導入後はユーザーの個人情報をしっかり保護しつつ、毎月の配信料をもれなく回収できる体制を構築。さらに決済システムを社内でメンテナンスする手間も省けたことで、業務効率化にもつながっています。
ライオン株式会社
「ペイジェント」の導入事例(株式会社ペイジェント https://payout-lp.paygent.co.jp/usecase/lion 参照)によると、大手生活用品メーカーのライオンでは、2021年2月に主婦を中心とする消費者と飲食店のマッチングサービスをスタート。サービスの利便性向上に向けて決済代行サービスを導入しました。
その結果、クレジットカード決済の入金処理が効率化され、オペレーションコストが軽減。決済代行会社のサポートを受けることで、出納管理をはじめとする経理の業務フローも大幅に改善されたとのことです。
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おすすめの決済代行会社3選
最後は、きめ細やかなサポートや豊富な決済手段に定評があるおすすめの決済代行会社3社をご紹介します。
株式会社ROBOT PAYMENT
ROBOT PAYMENTは、2000年に設立された決済代行会社です。とりわけクレジットカード決済に強みを持っており、トータルの導入実績は業界トップクラスとなる1万2,000社以上。学研、ビズリーチといった有名企業との取引も豊富です。
決済手数料はVISA、MasterCardが2.65%から、JCBやAmericanExpressは3.3%から。スピーディーなシステム提供やアフターサポートにも定評があり、クレジットカード決済を導入したいネットショップや通販会社には心強いパートナーとなるでしょう。
SBペイメントサービス株式会社
SBペイメントサービスは、ソフトバンクグループの決済代行会社です。東京都港区にオフィスを置き、TOHOシネマズやヤフーをはじめとする多くの企業と取引を重ねています。
4大カードブランドのほか、キャリア決済、コンビニ決済、楽天Payなど20種類以上の決済方法に対応しており、業種・ターゲットにあわせて選ぶことが可能。プライバシーマークとISO27001の認証を取得済みで、セキュリティ面の心配もいりません。
また、ニュースリリース配信をはじめとするマーケティング支援サービスも手がけているため、販促に力を入れている企業にもおすすめです。
株式会社ペイジェント
ペイジェントは2006年に設立された決済代行会社です。クレジットカード、コンビニ決済、キャリア決済のほか、プリペイド型の電子マネーや商品到着後の後払い、国際決済にも対応しています。
とりわけ特徴的なのが、独自の早期入金オプション。最短で締め日から5営業日後の入金が可能です。経理業務を効率化させたい方や、キャッシュフローを改善したい方にはぴったりのサービスではないでしょうか。
システム導入時の設定支援など、顧客に寄り添うきめ細やかなサポートも信頼を集めています。
まとめ
今回は決済代行サービスの導入を検討している方に向けて、その概要やメリット、活用事例などについてご紹介しました。ぜひ本記事を参考に自社にぴったりのサービスを見つけてください。
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