マイナンバーを管理する方法とは?おすすめのサービスや注意点も紹介【2024年最新版】
源泉徴収票や被保険者資格取得届などに社員や扶養家族のマイナンバーの記載が必要なことから、企業には適切なマイナンバー収集・管理が求められます。しかし、中には「具体的にどうすればいいのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、マイナンバーを管理する方法やシステムを活用して管理するメリットとあわせて、おすすめのシステムを紹介します。
- マイナンバーを管理するのは義務?
- マイナンバーを管理する方法
- マイナンバー管理システムを利用するメリット
- マイナンバー管理システムの種類
- マイナンバー管理システムの選び方|確認したいポイント4つ
- おすすめのマイナンバー管理システム3選
- マイナンバーの安全管理措置には要注意
- まとめ
マイナンバーを管理するのは義務?
なぜ事業者にはマイナンバーの収集・管理が必要なのでしょうか。ここからは、マイナンバー管理の義務や関連する法律について解説します。
全事業者が対象なので要注意
マイナンバーは住民票にもとづいて個人に割り当てられる12桁の番号ですが、マイナンバー制度の施行によってすべての事業者に従業員のマイナンバー収集・保管が義務づけられています。事業の規模を問わずすべての事業者に適用されることになっており、社会保険手続きや各種税金手続きの際に従業員やその扶養家族のマイナンバー記載が求められます。
そもそもマイナンバー法とは
マイナンバー法は、国民の利便性向上や行政業務の効率化を図るために2015年に施行された個人情報確認に関する法律です。マイナンバー法によって定められたマイナンバー制度は主に「社会保障」「税」「災害対策」の3分野での活用を目的としており、1人ひとりの国民に個人番号を付与することで、従来は別個に管理されていた個人情報をスピーディーに確認できるようにしました。
国民もマイナンバーを提示するだけで本人確認が完了することから、行政と国民の双方にメリットのある制度とされています。
マイナンバーを管理する方法
マイナンバーの管理方法には複数の種類があり、企業はそれぞれの都合に合わせた方法を採用しています。ここからは、各管理方法について解説します。
書類を作成してファイリングする
もっともベーシックなマイナンバー管理方法としてあげられるのが、Excelなどで作成した管理台帳を印刷してファイリングするというものです。原本はデータとして保管しつつ、閲覧・使用の際はファイルを参照して必要な番号を目視で探し出します。
ファイリングによるマイナンバー管理は推奨はされていないものの、法的に違反というわけではないので、差し支えがなければ活用してもいいかもしれません。しかし、紙やファイルでのマイナンバー管理は紛失のリスクもあるので注意が必要です。
ExcelやGoogleスプレッドシードなどで管理する
マイナンバーをデジタルで管理する場合に簡単に行えるのがExcelやGoogleスプレッドシードを使う方法です。Excelは情報管理に便利なツールではあるものの、重要度の高い個人情報であるマイナンバーの管理にはセキュリティの観点から推奨できません。Excelのセキュリティ対策には限界があり、ファイルにパスワードを設置するほかに強力な対策がないためです。
パスワードを設定した上で限られた従業員のみがアクセスできるファイルサーバーに格納する、データを暗号化してやりとりができる環境を構築するといった取り組みが不可能な場合はExcelによるマイナンバー管理は行うべきではないでしょう。
マイナンバー管理システムを利用する
もっともメリットの大きなマイナンバー管理方法とも言えるのが、マイナンバー管理システムの導入です。マイナンバーの収集から保管、利用、破棄にいたるまでをシステム上で完結できるので、マイナンバー収集・管理にかかる負担の軽減につながるだけでなく、紛失のリスクを低減させられます。
中にはマイナンバー管理機能だけでなく、人事・労務業務に役立つ機能を備えたシステムもあるので人事・労務業務全般の効率化も期待できます。
マイナンバー管理システムを利用するメリット
マイナンバー管理システムを導入すると、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、マイナンバー管理システムの利用によって期待できるメリットを解説します。
マイナンバーの管理・収集を効率化できる
マイナンバー管理システムを使えば、従業員のマイナンバー収集・保管の効率化が図れます。既存の従業員情報とマイナンバーを紐づけて管理できるので、「マイナンバーが未提出の従業員がいるかどうか」をひと目で把握できます。
マイナンバーの収集もWeb上の専用フォーマットから行うため、紙の書類の作成・配布・回収の手間もありません。
法改正への対応がスムーズ
マイナンバー制度は2016年にスタートした比較的新しい制度のため、今後も法律が改正される可能性があります。マイナンバー管理システムでは法改正にともなうアップデートが自動で行われるので、手動で変更する必要がありません。法改正にそった変更を手作業で行うとなると大きな負担となりますが、マイナンバーシステムを導入しておけば社内の作業負担を軽減することができます。
帳簿作成に手間がかからない
帳簿作成の負担を軽減できるのも、マイナンバー管理システムを利用するメリットの1つです。マイナンバーを既存の従業員情報と統合管理できるので、源泉徴収票をはじめとする帳票を簡単に作成可能となります。担当者による手動でのマイナンバー記入が不要なので、記入ミスのリスクを抑えられるのも大きな魅力です。業務負担の軽減を図りたいのなら、マイナンバー管理システムの導入を検討すべきでしょう。
より安全にマイナンバーを管理できる
マイナンバー管理システムは、より安全なマイナンバー管理にも役立ちます。マイナンバー管理システムの多くは高度なセキュリティを備えているので、サイバー攻撃や情報漏えいなどのリスクを最小限に抑えられると考えられます。
通信の暗号化によって第三者の関与を防げるほか、多重認証によるログインを活用すれば不正アクセスの防止にもつながるでしょう。
マイナンバー管理システムの種類
マイナンバー管理システムは、以下の2種類に別れます。
マイナンバー管理専門システム
マイナンバー管理専用システムは、文字どおりマイナンバーの管理に特化したシステムのことです。マイナンバー管理に必要な機能が揃っているので、マイナンバーの扱いに困っている場合は心強い存在となるでしょう。
導入をおすすめしたいのは、すでに業務システムを導入している企業です。既存の環境を補強する形でマイナンバー管理システムを導入すれば、すでに使用しているシステムとの連携によってさらなる業務効率化が図れます。
マイナンバー管理が可能な人事労務システム
マイナンバー管理が可能な実績豊富システムとは、マイナンバー管理機能を持つ人事労務システムのことです。マイナンバー管理に関する機能はもちろん、人事労務管理に役立つさまざまな機能を備えているので幅広い業務を効率化することができます。
このタイプのシステムの導入がおすすめなのは、これからデジタル化を推進しようと考えている企業です。マイナンバーだけでなく勤怠や給与計算、従業員情報などをまとめてデジタル化すれば、DXを飛躍的に進められるでしょう。それぞれのシステムを別個に導入するよりも時間や費用を抑えられるのも魅力です。
マイナンバー管理システムの選び方|確認したいポイント4つ
現在はさまざまな企業からマイナンバー管理システムが提供されていますが、導入にあたってはどの点に注目して選定すべきなのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。
使いやすさ
最初に確認しておきたいのが、マイナンバー管理システムの使いやすさです。実際にシステムを使用する従業員のスキルに合った製品でなければ適切に使いこなすのが難しく、業務効率がなかなか改善しない可能性があります。多機能なシステムは魅力的な反面、システムの操作に不慣れな人にとっては不要な機能も多いものです。
機能の多さばかりにとらわれず、担当者にとって使いやすいシステムを選ぶことで早期の業務効率化につながるでしょう。利用途中にプランをアップグレードできるクラウド型のシステムならより安心かもしれません。
セキュリティ
セキュリティ対策も、マイナンバー管理システムを選ぶ際の重要なポイントです。マイナンバーは重要な個人情報であることからマイナンバー管理システムは強固なセキュリティを備えた製品が多いものの、内容は製品によって異なります。
「自社に必要なセキュリティ要件はなにか」「その要件を満たしているシステムはどれか」をきちんと把握した上で、システムの導入を進めましょう。
導入規模
あらかじめ導入規模を把握した上で検討するのも重要なポイントです。マイナンバー管理システムや人事労務管理システムは、導入規模によって必要な機能や費用が変動するのが一般的とされています。候補に入っているシステムが「大企業向けなのか」「中小企業向けなのか」「規模を問わず対応できるのか」などをきちんと確認した上で、自社で高いパフォーマンスが期待できるシステムを選ぶようにしましょう。
コスト
初期費用・運用費用がどの程度必要になるのかも、事前に把握しておくようにしましょう。オンプレミス型での導入は初期費用が高額になるため、それだけ予算を確保しておかなければなりません。クラウド型は初期費用を抑えられることが多いものの、サービスを利用(契約)する限り月額費用の支払いが発生するため、それも踏まえて予算を計算・確保する必要があります。
おすすめのマイナンバー管理システム3選
マイナンバー管理システムには、具体的にどのような製品があるのでしょうか。ここからは、おすすめのマイナンバー管理システムを紹介します。
-
料金
月800円/ユーザー -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
5人
freee人事労務は、マイナンバー管理を含む人事労務管理全般に対応しているサービスです。「労務の人的な『ミスをゼロ』へ」すべく、情報入力の負担軽減に役立つ機能を備えています。
マイナンバーの収集・保管・利用・破棄をシステム上で完結できるのも特徴で、物理的な紛失リスクを抑えることが可能。金融機関レベルのセキュリティを備えているので、安心して利用できます。
- 提出依頼の通知
- 情報を直接入力
- 代理入力
- ID・パスワード方式でのログイン
- 従業員家族の管理
- 取引先の法人番号管理
- 利用目的の通知
- 登録催促の通知
- 差し戻し通知
- 従業員情報とマイナンバーの紐付け管理
-
以前に利用していたking of timeより使いやすいのと給与明細や源泉徴収票、給与振込先の登録など一括して全てを賄えるので。
-
様々な勤務状態における入力方法が簡易で楽であるために、勤怠管理がやりやすい。また入力画面が見やすい。
SmartHR
-
料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
SmartHRは、クラウド型の労務管理システムとして4年連続でシェアNo.1を獲得しているサービスです。マイナンバー管理機能も実装しており、従業員はスマートフォンから簡単にマイナンバーを入力できるほか、収集状況も一覧で表示されるので容易に把握が可能。実際に導入した企業からは「マイナンバーの管理がスムーズになった」「マイナンバー管理機能が便利」といった声が寄せられています。
- 提出依頼の通知
- 情報を直接入力
- 撮影データでの本人確認
- ID・パスワード方式でのログイン
- 従業員家族の管理
- 利用目的の通知
- マイナンバー収集状況の確認
- 登録催促の通知
- 差し戻し通知
- ログ確認
-
料金
月400円/ユーザー -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
DirectHRは、入社手続きやマイナンバー提出、雇用契約書の配布・管理、年末調整などにワンストップで対応しているクラウド型の実績豊富システムです。マイナンバー管理機能では内定者へのメールやQRコードつき文書の送付を通じて情報を収集するほか、マイナンバー利用目的の通知も可能。さらに、ガイダンス機能を備えているので、システムに不慣れであっても迷うことなく操作を進められます。
マイナンバーの安全管理措置には要注意
マイナンバーを管理する際には4つの安全管理措置に取り組む必要がありますが、マイナンバー管理システムを導入すればその対策も簡単に実施できます。以下で具体的に解説します。
(1)組織的安全管理措置
マイナンバーを取り扱う担当者を限定できるほか、操作ログを記録すればルールに沿った運用ができているかを確かめられます。
(2)人的安全管理措置
社員のマイナンバー収集、利用、保管方法がシステム上で定められているので、容易に監督・教育ができます。
(3)物理的安全管理措置
マイナンバーを自社サーバーで保存せずに、システムの提供元が物理的な管理を担うため安心です。
(4)技術的安全管理措置
多重認証ログインやデータ暗号化、WAF(Web Application Firewall)などによって不正アクセスやウイルス感染による改ざん・流出の防止が可能です。
すべての安全管理措置に手動で対応するのは容易ではありませんが、システムを用いれば問題なく要件を満たせます。多くのマイナンバー管理システムがこの措置を満たす前提で開発されているため、設計上の不備の心配もありません。
まとめ
この記事では、マイナンバー管理の方法やシステムを活用するメリットとあわせて、マイナンバー管理システムの種類やおすすめのシステムを紹介してきました。個人情報であるマイナンバーの適切な収集・利用・管理は、手動では限界があるのが事実です。マイナンバー管理システムを利用することで、より安全かつ効率的な管理・利用につながるでしょう。
「PRONIアイミツ」では、マイナンバー管理システムの比較検討に役立つさまざまな情報を提供しています。機能別・実績別で検索できるほか、関連する記事も多数公開中です。あわせてご覧いただき、気になるサービスがある場合はお気軽にお問い合わせください。