施工管理とは?業務内容や現場監督との違いをまとめて解説【2024年最新版】
建設業における施工管理は建設物の品質維持はもちろん、従業員の安全性確保にも重要な要素です。しかし、中には「具体的にどんな業務が施工管理に含まれるのかわからない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、営業・バックオフィス・情報システムなど幅広い分野の法人向けSaaSサービスを比較検討できる「PRONIアイミツ」が、施工管理の概要や種類、業務内容などについて詳しく解説します。
- 施工管理とは
- 施工管理の種類
- 施工管理の業務内容
- 施工管理と現場監督の違い
- 施工管理のみならず建築業界全体が人手不足
- 建築業界・施工管理が人手不足な理由
- 人手不足解消を叶える鍵はDXにあり
- 施工管理システム・アプリのメリット
- まとめ
施工管理とは
施工管理とは、工事現場における作業を滞りなく進めるためのマネジメントのことで、現場監督や施工管理者が担当するのが一般的です。工期のスケジュールや予算管理、従業員管理、品質管理のほか、取引先・周辺施設との打ち合わせや必要書類の提出なども施工管理に含まれます。
「建設工事がスムーズに進むか」「期待どおりの品質を保てるか」「トラブルなく工事を進められるか」などは施工管理の質によって左右されるため、非常に重要な業務だと言えます。
施工管理の種類
施工管理とひとことに言っても、その種類は多岐にわたります。ここからは、「建築施工管理」や「設備施工管理」など施工管理の種類について詳しく解説します。
建築施工管理
建築施工管理は、建設現場で作業員・職人へ指示を出して施工をスムーズに進める業務のことで、国家資格「建設施工管理技士」を持つ施工管理者が担当します。建設現場全体の指揮が求められるので、専門的な知識や経験にくわえて、リーダーシップやコミュニケーション能力が必要です。
建設施工管理者の能力次第で工事全体の質が左右されることもあるので、非常に重要な施工管理と言えます。
設備施工管理
設備施工管理では、空調やガス管、給排水、浄化槽といった設備工事の現場管理のほか、工程管理や品質管理を担います。該当する国家資格は「管工事施工管理技士」です。
設備工事は1つのミスが全体に大きな影響を与えることもあるため、ミスのない確実な進行が求められます。責任は思いものの、それだけやりがいも得られる業務です。
電気施工管理
電気施工管理は照明や発電、非常用電源など電気設備の工事を管理する業務で、国家資格「電気工事施工管理技士」の保有者が対応します。きちんと電気が使えるように配線するのはもちろん、電線の劣化も考慮しながら安全に利用できるように電気設備を設置します。電気を取り扱うため、作業員の安全面にも配慮する必要があるでしょう。
土木施工管理
土木施工管理は、道路や河川、橋といった土木工事における現場管理のことです。国家資格「土木施工管理技士」の保有者が対応します。通常の建設現場と同様に工程管理・品質管理を行いますが、交通事故や河川の氾濫といったリスク管理も求められます。
施工管理の業務内容
施工管理者の主な業務としては、「工程管理」「品質管理」「原価管理」「安全管理」があげられます。それぞれについて以下で詳しく説明します。
工程管理
工事全体の流れを把握した上で、スムーズに工事を進められるようにするのが「工程管理」です。主な業務内容は以下のとおりです。
・現場の人員配置や担当業務の検討
・工程ごとに必要な資材や機材の手配
・工事の進捗状況の確認
・遅れが見られた場合の対応策の検討
・依頼者と定期的にやりとりして必要に応じて対策を練る
工程管理を適切に行うと予定どおりに作業を終えられるほか、トラブルが発生した際の遅延などを防止できます。特に工期の迫る案件では工程管理が大きな役割を果たします。
品質管理
国や地方自治体によって建築基準が定められており、すべての建造物はこの基準をクリアする必要があります。基準をクリアするためには条件に合わせた材料を使用し、正しい方法で建設を進めなければなりません。「品質管理」では、これらの一連の業務を管理します。品質管理の主な業務は以下のとおりです。
・正しい材料が使われているかの確認
・設計図にそってつくられているかを巡回して確認
・工程ごとに写真を撮影して品質を証明する
・建設物の強度や仕上げが基準を満たしているかの確認
原価管理
「原価管理」とは、工事に関するさまざまな原価を計算・管理し、予算内に収めるように取り組むことです。主な業務内容は以下のとおりです。
・工事全体の原価算出
・進捗状況とコストの比較
・予算面で順調に推移しているかの確認
・予算と支出に大きな乖離がある場合の対策の検討
原価管理が機能していないと工事が赤字になる可能性もあるので、非常に重要な要素だと言えます。担当者には会計に関する知識も求められるでしょう。
安全管理
「安全管理」とは、建設現場で職人・作業員が安全に作業できる環境を構築することです。主な業務内容は以下のとおりです。
・現場で使う機器の安全点検の実施
・職人や作業員の健康状態の確認
・安全意識の向上に向けた対策
・消化設備や落下防止ネットなどの設置
建設現場では高所や足場の悪い場所での作業も発生するため、安全面での配慮が重要になります。職人・作業員を危険にさらさずに施工を完了させるための対策を行いましょう。
施工管理と現場監督の違い
施工管理と混合されがちな現場監督ですが、両者にはどんな違いがあるのでしょうか。
業務範囲
施工管理者は工事全体に関する業務を担当します。現場での指示や安全確認だけでなく、必要書類の作成や提出といった現場外での業務にも対応するのが一般的とされています。
一方で現場監督は、作業員への指示出しや進捗状況の把握など、工事現場における業務が中心です。「より広い業務に対応するのが施工管理者」で、「現場に力を注ぐのが現場監督」と考えるとよいでしょう。
資格の有無
施工管理と現場監督は、必要な資格にも違いがあります。施工管理は無資格でも就くことはできますが、現場には「施工管理技士」の資格保有者を最低1人は配置しなければならないため有資格者がほとんどです。施工管理技士は1級ならどんな建設にも対応できることから、現場では重宝されています。
現場監督は経験やスキルによって決定されるため、特に必要な資格はありません。ただし、現場では施工管理者を現場監督と呼ぶこともあり、明確な線引きがされてないケースも少なくないので注意が必要です。
施工管理のみならず建築業界全体が人手不足
国土交通省が2021年に発表した「最近の建設業を巡る状況について【報告】※」によると、2020年の建設業就業者数は過去最低だっただけでなく、約3割が55歳であることが判っています。建設業界に興味を抱く若手人材も少なく、施工管理者だけでなく建設業界全体の人材不足が深刻化しています。
政府は在留資格「特定技能」を設けるなど外国人人材の受け入れを積極的に進めているものの、現場からは言葉の壁によって外国人人材の活用は簡単ではないという声があるのも事実です。そうした背景から、昨今ではITシステムの導入による業務効率化が解決策としてあげられています。
※出典:国土交通省 不動産・建設経済局「最近の建設業を巡る状況について【報告】」
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001428484.pdf
建築業界・施工管理が人手不足な理由
建設業界・施工管理はなぜ人手不足が深刻化しているのでしょうか。ここからは、人手不足が続いている理由を解説します。
ブラックなイメージがある
建設業は以前から「きつい」「汚い」「危険」な「3K」の職場だと認識されてきました。若年層にもこうしたイメージが根づいていることから、自ら建設業界へ進みたいと考える人材が少ないのが現状です。
昨今は公共交通施設の改修など建設業への需要があり、若手人材であっても雇用条件がよく重要なポジションに就くケースも増えています。しかし、実際はそれ以上にブラックな業界というイメージが強く残っているのでしょう。
専門知識がないと難しいイメージがある
建設に関わる業務や施工管理の未経験者は、「技術職だから専門性がないと難しい」というイメージを抱いていることが多いようです。条件のいい施工管理の求人を見つけたとしても「自分では受からない」と応募を諦めてしまう人もいるかもしれません。
確かに施工管理者には工事全体を指揮するための知識やスキルが求められますが、個人の努力によって身につけられるものがほとんどす。さらに専門性以上にコミュニケーション能力や調整力、信頼などが求められる傾向にあります。
しかし、これらは実際に経験しないとわからないことなので「資格がない」という理由で応募を諦める人が多く、その結果資格保有者の高齢者が加速しているようです。
人手不足解消を叶える鍵はDXにあり
建設業界における人手不足の解消を目的に、近年はITシステムの導入をはじめとする建設現場のDXに注目が集まっています。
たとえば施工管理システム・アプリを導入すれば、施工管理の効率化に効果を発揮すると考えられます。施工管理システムとは、稼働管理や工程表作成・共有、写真・図面管理、日報・チャットなど施工管理に便利な機能を豊富に備えたシステムのことです。うまく活用すれば施工管理者の負担を軽減するとともに、適切なスケジュール管理や人的ミスの減少による生産性向上も期待できるでしょう。
施工管理システム・アプリのメリット
施工管理システム・アプリの活用には、どんなメリットがあるのでしょうか。以下から解説します。
長時間労働が改善される
施工管理システム・アプリはPCだけでなくスマートフォンやタブレットからも操作が可能なので、場所を問わず施工管理業務を進められます。建設会社によっては施工管理者は現場の確認後にオフィスへ戻り、報告書や日報を作成することもあるようですが、施工管理システム・アプリがあればその場ですぐに作成・共有が可能です。
スマートフォンやタブレットがあれば移動中にも作業ができるので、業務効率化につながります。施工管理者を含む従業員の長時間労働を改善したいという場合に役立つでしょう。
情報をまとめて管理できる
施工管理システム・アプリでは、施工管理に関するさまざまな情報の一括管理が可能です。すべての従業員の情報にスピーディーにアクセスでき、担当者間の引き継ぎも正確かつ短期間で済ませられます。
社内での連絡にはチャット機能を活用すれば、重要な情報をすぐに周知できます。施工管理システム・アプリを導入すれば情報管理の負担が軽減するだけでなく、情報の適切な活用の推進による業務改善も期待できるでしょう。
まとめ
本記事では、施行管理の業務内容とあわせて、施工管理システム・アプリの導入メリットを解説してきました。「施工管理者の負担が大きくミスにつながっている」「スムーズな情報共有が難しい」といった課題を抱えている場合は、施工管理システム・アプリの導入を検討するとよいでしょう。
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