中小企業向け施工管理システムおすすめ5選!フリーソフトも紹介
2024年4月1日から、建設業における時間外労働の上限規制が適用され、今までよりも労働できる時間が短くなったことで、一人あたりの負担が増えている現状があります。リソースの限られる小規模事業者や中小企業では、従来の業務プロセスを効率的に進める「DX化」は喫緊の課題と言えるでしょう。そこでおすすめなのが、建設業の業務全般を効率化する施工管理システム(工事管理システム)の導入です。
本記事では、中小企業向け施工管理システムおすすめ5選を紹介します。無料トライアルで試せるシステムや、ずっと無料で使えるフリーソフトも紹介しているので、「まずは無料で使ってみたい」という方もぜひご覧ください。
- 中小企業に施工管理システムがおすすめの理由
- 施工管理システムのメリット
- 中小企業向け施工管理システムの比較方法
- 【比較表】中小企業向け施工管理システム
- 中小企業向け施工管理システムおすすめ5選【無料あり】
- まとめ:施工管理ソフトのおすすめ人気ランキングはこちら
中小企業に施工管理システムがおすすめの理由
2024年4月1日から、建設業における時間外労働の上限規制が適用され、月間の時間外労働は最大で45時間まで、年間では360時間までとされています。今までよりも労働できる時間が短くなったことで、現場では新たな課題が生じています。jinjer株式会社が2024年5月に実施した調査によると、法改正への対応を進めている企業は35.3%。対応を進める上での課題は「勤務時間は減少したものの、人手不足が解消されていないので、一人あたりの負担が増えている」とのこと。今までよりも労働時間が短くなったことで、このような課題が浮き彫りになりました。
出典:jinjer株式会社「時間外労働の上限規制開始から1か月、建設業界の実態調査」
特に、規模の小さい小規模事業者や中小企業にとって、従来の業務プロセスを効率的に進める「DX化」は喫緊の課題と言えるでしょう。そこでおすすめなのが施工管理システムです。
施工管理システム(工事管理システム)とは、現場管理や情報共有、経営レポート作成など、建設業の業務全般を効率化するITツールです。施工現場の写真や各種図面、現地調査の報告書など、業務に関わる情報をシステム上で一元管理可能。パソコンやスマホで常に「現場を持ち運ぶ」ことで、迅速な意思決定や作業精度の向上が期待できます。
施工管理システムのメリット
ここでは、施工管理システムのメリットを解説します。
- 効率的な意思決定ができる
- ペーパーレス化を促進できる
- 法律に準拠した管理ができる
効率的な意思決定ができる
現場の状況をリアルタイムで共有可能な施工管理システムを導入することで、プロジェクトの進捗や問題点を迅速に把握できます。データに基づいて在庫の最適化や予算計画の修正を行うことが可能となり、効率的な資源の配分が実現します。これにより、無駄なコストの削減や納期の厳守が容易になり、全体の生産性向上に繋がります。また、リアルタイムでの情報共有は、関係者間のコミュニケーションを円滑にし、意思決定のスピードを向上させる効果も期待できるでしょう。
ペーパーレス化を促進できる
施工管理システムは、仕様書や図面、契約書などの重要な書類を電子データで管理することで、ペーパーレス化の促進が可能です。これにより、書類の紛失リスクを大幅に減らし、検索や共有が迅速になります。
さらに、施工管理システムの中には、電子帳簿保存法の要件を満たしたものもあり、法的なコンプライアンスを確保しつつ、効率的な業務運営をサポート可能。書類の保管スペースの賃料や印刷コストをなくすことで、リソースの限られる中小企業の経費削減にも貢献できます。また、リモートアクセスが可能なため、現場やオフィスのどこからでも必要な情報にアクセスでき、業務の柔軟性が向上します。
法律に準拠した管理ができる
施工管理システムの打刻機能を利用することで、現場作業員の勤怠を一元管理できます。出退勤の記録が正確かつ迅速に行われ、手動での記録ミスを防止可能です。また、勤怠データはリアルタイムで更新されるため、管理者は常に最新の情報を把握することができ、労働時間の適切な管理が可能です。
さらに、施工管理システムは労働基準法に準拠して設計されており、法定労働時間や残業時間の管理も自動的に行います。これにより、労働基準法に違反することなく、適正な勤怠管理ができます。また、勤怠データの分析により、業務の効率化や労働生産性の向上にも貢献するでしょう。
中小企業向け施工管理システムの比較方法
中小企業向け施工管理システムを比較するときのポイントは以下の通りです。
- クラウド型があるか
- 予算に合った費用で導入できるか
- フリープランがあるか
- IT導入補助金が利用できるか
- 導入サポートが充実しているか
クラウド型があるか
クラウド型かオンプレミス型か、施工管理システムの導入形態も重要な比較ポイントです。
導入形態 | 支払い方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
クラウド型 | サブスク | ・初期費用無料のものが多く導入しやすい ・システムメンテナンスを提供会社に一任できる |
月額料金がかかる |
オンプレミス型 | 買い切り | ・長期的な運用コストが安い ・自社サーバーの安定した環境で利用可能 |
初期費用が高額 |
クラウド型はインターネット経由で利用可能で、初期費用が無料のものも多く、メンテナンスを提供会社に一任できる点がメリットです。特に、人的リソースの限られる小規模事業者や中小企業におすすめの導入形態です。一方、オンプレミス型は自社サーバーに設置するため、セキュリティ面での安心感がありますが、初期投資が大きくなるデメリットがあります。自社のニーズを整理した上でクラウド型かオンプレミス型を選択すると良いでしょう。
予算に合った費用で導入できるか
施工管理システムの利用にかかるコストは、主に初期費用と月額料金です。月額料金は年払い契約を選択することで、月額払いよりも割安になるシステムもあります。各サービス提供会社の料金体系を事前に把握し、自社の予算に合わせて導入を検討しましょう。
施工管理システムの料金の詳細は「価格が安くておすすめの施工管理システム」で紹介しています。施工管理システムの初期費用・月額料金の相場も詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもぜひご覧ください。
フリープランがあるか
施工管理システムには、事前に試せる無料トライアルや、ずっと無料で利用できるフリープランが用意されているものがあります。無料トライアルは2週間~2ヶ月ほどのお試し期間があり、実際に画面の見やすさや操作性を確かめることができます。
また、フリープランは登録してからずっと無料で利用できる点がおすすめポイント。初期費用や月額料金をかけずに効率的な施工管理ができます。一方でフリープランは、システム内の広告表示により無料でのサービス提供が実現しているものもあります。そのため、広告表示がストレスとなる可能性もあるでしょう。施工管理システムのフリープランを利用する際には、この点に注意が必要です。
無料で使う方法 | こんな方におすすめ |
---|---|
フリープラン | 施工管理システムをずっと無料で使いたい |
無料トライアル | 施工管理システムを試しに使ってみたい |
初期費用無料 | 初期投資額を抑えてリスクを軽減したい |
IT導入補助金が利用できるか
施工管理システムには、IT導入補助金が利用可能なシステムもあります。IT導入補助金は、小規模事業者・中小企業のDX化を支援するための補助金です。IT導入補助金を活用することで、システム導入費用を抑えることができます。対象となる事業者の条件や対象となるシステムは事前に調査しておきましょう。
導入サポートが充実しているか
施工管理システムは、パソコン・スマホ・タブレット端末での管理になるため、これまでエクセルや紙ベースで施工管理を行っていた事業者は運用を大きく変える必要があります。特に紙の図面を使っていた職人にとって、図面の電子化は大きなストレスが生じることになるでしょう。さらに、施工管理システムはガラケーでは利用不可。そのため、もともとガラケーを利用している方には、スマホ操作に慣れてもらう必要があります。施工管理システムの導入には、意外と手間がかかるため注意が必要です。
一方で、施工管理システムを提供する会社には多くの導入実績があります。現場での運用サポート体制もあり、ガラケーを使用している職人がいる現場でも、システム導入を成功させた事例も。システム導入のサポート体制が充実している施工管理システムを選ぶことで、現場へのスムーズな浸透が期待できるでしょう。
【比較表】中小企業向け施工管理システム
ここでは、おすすめの施工管理システムを比較します。初期費用、月額料金、無料トライアル期間を比較した以下の表をご覧ください。
サービス名 | 初期費用 | 月額料金 | 無料トライアル期間 |
---|---|---|---|
現場一番 | 無料 | 9,800円~ | 14日間 |
サクミル | 無料 | 4,000円~ | 2ヶ月間 |
KANNA | 無料 | 要問合せ | 14日間 |
現場ポケット | 無料 | 10,800円~ | 2ヶ月間 |
クラフタ | 無料 | 無料 | - |
(価格は税抜き)
中小企業向けでおすすめの施工管理システムには多くの場合、無料トライアルが用意されています。本格導入前にスマホやタブレット端末での図面の見やすさやチャット機能の操作性などを事前に確認できるので、導入後のミスマッチ防止のため積極的に利用しましょう。
一方で、「クラフタ」には無料トライアルがありませんが、完全無料のフリーソフトとしての導入が可能。小規模利用でずっと無料で使いたい方におすすめの施工管理システムです。
「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツ(当サイト)を活用ください。以下のボタンからいくつかの質問に答えるだけで、希望要件に合った施工管理システムが分かる診断(無料)ができます。ぜひ一度お試しください。
中小企業向け施工管理システムおすすめ5選【無料あり】
ここでは、中小企業向けの施工管理システム(工事管理システム)おすすめ5選を紹介します。ずっと無料で使えるフリーソフトも紹介しています。各サービスの特徴をまとめていますので、システム選びの参考にしてください。
- 現場一番
- サクミル
- KANNA
- 現場ポケット
- クラフタ
現場一番
現場一番は、株式会社IWAKI STYLEが提供するクラウド型の施工管理システムです。元大工の経歴を持つ代表が開発・提供しており、職人満足度No.1の実績を誇ります。
他社と比較したおすすめポイントは、システムの使いやすさ。シンプルでわかりやすい操作画面で、現場監督や職人から高い評価を得ています。たとえば、チャット機能ではLINEアプリに似た表示画面を採用しており、多くの人が使い慣れた操作でコミュニケーションが取れます。スタンプ機能も豊富で、効率的な意思疎通を可能にします。
また、チャット機能内で現場写真や図面の共有・保存も可能。図面を見ながらより具体的な情報共有ができます。トーク上の写真はシステムに自動保存されるため、過去の画像確認もスムーズです。現場監督と職人・発注者との情報共有の具体性を高め、現場作業の精度向上におすすめの施工管理システムです。
サクミル
サクミルは、株式会社プレックスが提供するクラウド型の施工管理システムです。短期工事・多現場を管理する事業者を中心に多くの導入実績があります。
他社と比較したおすすめポイントは、高度なデータ分析機能です。作業日報やスケジュール機能と連動して、資材費・労務費・協業費、原価や粗利を算出可能。プロジェクト全体のコスト管理がより正確になります。情報が一元管理されたシステムで予実分析をすることで、全体予算の超過を防ぎ収益性向上が期待できるでしょう。
また、サクミルでは、経営レポートの作成もできます。売上・粗利、案件や人ごとの稼働時間など、経営に必要な情報がダッシュボードに自動表示。リアルタイムでデータを分析し即座に情報共有できるため、プロジェクトマネージャーは迅速に意思決定を行うことができます。さらに問題が発生した場合にも迅速に対応できるため、工期延長やコスト上昇を防ぐことができるでしょう。
KANNA(カンナ)は、株式会社アルダグラムが提供するクラウド型の施工管理システムです。システム利用時の他社アカウント数は無制限で利用できる点が好評で、導入企業数は40,000社以上、App Storeでの評価も4.5(2023年7月1日時点)と高評価を受けています。
他社と比較したおすすめポイントは、複数のデバイスで情報共有できる点です。パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからもシステム上で最新情報を共有できます。スマホ画面に表示された図面では見づらい場合は、タブレット端末の大画面で確認も可能。現場の状況に合ったデバイスで視認性を高めることで、現場作業をスムーズに進められるでしょう。
また、写真も送信できるチャット機能で作業進捗を共有できるため、確認のために現場と事務所を行き来する必要がありません。移動コストの削減や迅速なコミュニケーションが可能です。簡単にコミュニケーションが取れるため、「あとで電話・メールしよう」といった後回しによる連絡漏れを防ぐことができるでしょう。
現場ポケットは、株式会社アステックペイントが提供するクラウド型の施工管理システムです。登録ユーザー数は35,000名以上、導入後の満足度も高く契約更新率95.5%の実績を誇ります。
他社と比較したおすすめポイントは、アカウント登録無制限で利用できる点です。アカウント登録・データ容量・現場登録数が無制限で利用可能。発注者や協力会社用にアカウント発行したい場合や、管理する現場数が多い企業でも、料金は変わらず利用できます。利用するユーザーや現場数が多ければ多いほど割安で利用できる施工管理システムです。
また、無料トライアルの利用もおすすめです。無料トライアル期間中は現場ポケットの機能を無料で体験可能で、不明点はサポートセンターに質問できます。ITの専門家が在籍していない中小企業も安心して導入できます。 無料トライアル期間は2ヶ月間と、他社と比較しても長いのもおすすめポイントです。
クラフタ
出典:クラフタ公式サイト
クラフタは、株式会社グローバが提供するクラウド型の施工管理システムです。シンプルな使いやすさが建設現場で評価されており、利用ユーザー数25,000人以上の実績を誇ります。
他社と比較したおすすめポイントは、完全無料で利用できること。通常、施工管理システムの導入に必要な初期費用・月額料金は、一切不要。その他の追加料金も必要ありません。システム内で広告掲載することで、この無料提供が実現しています。
また、専門スタッフによる導入サポートも充実。問い合わせから最短3日で導入でき、導入後もスタッフによる運用サポート体制があります。システム導入が初めての方でも、安心して導入できる施工管理システムです。
まとめ:施工管理ソフトのおすすめ人気ランキングはこちら
施工現場の写真や各種図面、現地調査の報告書など、建設業務に関わる情報を一元管理できる施工管理ソフト。パソコンやスマホで常に「現場を持ち運ぶ」ことで、迅速な意思決定や作業精度の向上が期待できます。一方で、 施工管理ソフト導入・運用には手間がかかります。スムーズなシステム導入を実現するため、導入経験豊富で充実したサポート体制のある施工管理ソフトを比較選定しましょう。
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