ビジネスチャットの選び方を徹底ガイド
ビジネスチャットは、タスク管理機能やファイル管理機能など、ビジネス用の機能を備えたチャットツールです。「業務を効率化できる」「顧客対応の質を向上できる」などのメリットを理由に、多くの企業で導入されています。
一方でツールの種類が多いため、「選び方が分からない」という方も多いでしょう。本記事では、自社に合うビジネスチャットの選び方について解説します。ビジネスチャットの導入でお困りの方は、ぜひご覧ください。
ビジネスチャットの選び方を解説
ビジネスチャットの選び方を解説していきます。
1.目的を明確にする
まずはビジネスチャットツールを導入する目的を明確にしておきましょう。イメージする運用方法によって、必要な機能は異なります。例えば、社内のコミュニケーションに活発化したいのであれば、チャットの使い勝手が良いツールを選ぶと良いでしょう。
また、「プロジェクト管理もビジネスチャットで行いたい」と考えているのであれば、タスク管理機能を利用できるツールを探す必要があります。「顧客対応から会議までスピーディーに進めたい」場合は、顧客管理システムと連携可能なツールがおすすめ。ビジネスチャットの導入にあたっては、既存のシステムと連携できるか否かもチェックしておくのも選び方のポイントです。
2.利用規模を明確にする
ビジネスチャットを選ぶ際には、どの程度の規模で利用するのかを明確にしておきましょう。利用規模を明確にしておくと、ツールごとのセキュリティや機能の条件、コストを比較できます。会社全体で導入するのか、特定の部署だけで使用するのかなど、利用人数や用途を具体的に洗い出しておきましょう。
また、利用規模を見積もる際には、社内だけで使用するのか、社外の関係者も利用するのかといった点も考慮する必要があります。現状での規模に加えて、今後利用人数が増える予定がないか、長期的な目線で考えることも大切です。増える可能性がある場合は、ユーザー数をどこまで増やせるのかを確認しておきましょう。
3.活用方法についてブレスト
利用規模が定まったら、ビジネスチャットをどのように活用していくのかをブレストしましょう。導入の目的を明確にしておけば、ツールに求められる要件もある程度絞れるはずです。
現在、社内で抱えている課題を解決するために、どのような機能が必要なのかを具体的に洗い出しましょう。また、すべての要件を満たすツールが見つからない場合もあるため、どの機能を重視するのかも考えておく必要があります。
4.最優先とする機能を決定
ビジネスチャットを比較する際には、最優先する機能を決めておきましょう。想定した使い方をもとに、自社にとって本当に必要な機能要件をブラッシュアップします。
例えば、ビジネスチャット上で、部署内のプロジェクトを一元管理したい場合は、プロジェクト管理機能やタスク別のスレッド機能が利用できるツールを選ぶべきです。顧客の情報をビジネスチャット上で共有したいのであれば、自社で使用しているCRMと連携できるツールが良いでしょう。また、セールス部門での導入を検討している場合は、営業担当者が利用しやすいように、マルチデバイス対応のビジネスチャットを選ぶ必要があります。
5.導入形態を検討する
優先する機能が決まったら、導入形態を検討しましょう。ビジネスチャットには、クラウド型とオンプレミス型の2種類の形態が存在します。それぞれの形態のメリット・デメリット、特徴について解説します。
クラウド
クラウド型は、ビジネスチャットの開発会社が運営するサーバーを使用する利用形態です。自社でサーバーやネットワーク環境を構築する必要がないため、低コストで導入できるメリットがあります。また、常に最新のバージョンを利用できる利点も。
一方のデメリットは、オンプレミス型と比較するとカスタマイズの自由度が低い点です。導入コストも抑えたい方は、クラウド型のビジネスチャットを導入すると良いでしょう。
オンプレミス
オンプレミス型は、自社で用意したサーバーにインストールして使用するタイプのビジネスチャット。クラウド型と比較するとカスタマイズの自由度が高く、自社のニーズに合わせた運用が可能です。加えて、利用可能なネットワークを社内のみに限定できるので、情報漏えいのリスクを下げられる上に、オフラインでも利用できるメリットも。反面、サーバーやネットワーク環境を自社で用意しなければならないデメリットもあります。
6.最低限の機能をチェック
ここまでくれば、ビジネスチャットの候補がある程度絞られていることでしょう。ビジネスチャットはその名の通り、ビジネス向けのコミュニケーションツールです。チャット機能や通話機能、ファイル共有機能などのビジネスに便利なさまざまな機能を備えています。導入を検討しているツールに不足がないように、ビジネスチャットの中でも以下の基本的な3つの機能が備わっているか確認しましょう。
個別チャット機能
個別チャットは、ビジネスチャットの中でもっとも基本的な機能のひとつです。1対1のチャットルームを作成すれば、クローズドな環境でのコミュニケーションが可能です。特定のメンバーと連絡を取る際に利用します。
グループチャット機能
ビジネスチャットでは、グループの作成も可能です。部署やプロジェクト単位でチャットルームを作成すれば、複数人で情報共有できます。必要に応じて、個別チャットと使い分けると良いでしょう。
通話機能
ビジネスチャットの通話機能もチェックしておきましょう。ビデオ通話にも対応しているツールも珍しくありません。1対1の通話だけではなく、グループでの通話も可能なため、オンライン会議や打ち合わせにも活用できます。
ファイル共有機能
ファイル共有機能が備わっているか確認しましょう。ビジネスチャットは、ファイルの共有に対応しているツールも多いです。機能の有無だけではなく、ストレージの容量もチェックしておきましょう。
7.セキュリティの確認
業務の効率化に便利なビジネスチャットですが、セキュリティが甘いと情報が漏えいするリスクも。そのため、セキュリティ対策もしっかり確認しておきましょう。顧客情報をビジネスチャットでやり取りする場合や、機密性の高い情報を扱う場合は特に重要なポイントです。
代表的なセキュリティ機能として、暗号化やアクセス制限などが挙げられます。暗号化機能は、万が一第三者に通信を傍受されたとしても、送受信するデータを暗号化して、解読できないようにする機能です。アクセス制限は2段階認証などで、第三者による不正なアクセスを防ぐための機能で、アクセス可能なデバイスを制限することもできます。そのほか、ベンダーのセキュリティ対策に不安がないかも確認しておきましょう。
8.料金を比較する
セキュリティ対策の内容まで確認したあとは、利用規模を踏まえて料金を比較しましょう。ビジネスチャットの料金体系はツールによってさまざまです。ツールを比較する際には必要な機能の有無に加えて、不要な機能が多過ぎないかもチェックしましょう。多機能なビジネスチャットは便利ではありますが、使わない機能が多いツールは避けるべきです。不要な機能が多いビジネスチャットを導入しても、コストが無駄になってしまいます。単純に額面だけを比較するのではなく、費用対効果を確認するのも選び方のコツです。
関連記事:ビジネスチャットツールの料金相場
9.トライアルとサポート体制の確認
実際に導入するツールを決めたら、トライアルで使い勝手を確認しましょう。ツールが自社のオペレーションに合わず、社員がストレスを感じるようであれば、社内で十分に活用されない恐れも。社員がストレスなく使用できるかどうか、トライアル期間中に見極めましょう。
また、ビジネスチャットが現場環境にマッチしているかどうかも重要です。現場での使い勝手が悪ければ、ツールが社内に浸透せず、十分に活用されない可能性もあります。そのほか、トライアル期間中はベンダーのサポートの質もチェック。導入支援やトラブル発生時のサポート、運用に関するアドバイスを受けられるベンダーを選ぶと良いでしょう。
ビジネスチャットの選び方を課題別に紹介
ビジネスチャットを選ぶ際は、自社の課題に合わせたツールを選択することが大切です。ここからは、目的別の選び方について解説します。
意思決定までのやりとりを効率化したい
社内の意思決定までのやりとりを、効率化したいと考えている方も多いのではないでしょうか。ビジネスチャットを活用すれば、スピーディな意思決定を実現できるでしょう。
先にご紹介したとおり、ビジネスチャットではタスク管理機能を利用できます。中でも「個人ごとのプロジェクト管理機能」が付いているツールを選べば、簡単にタスクを共有可能です。また、「既読・未読判別機能」のあるツールであれば、相手の状況を把握できます。
社外からの利用も想定している場合は、「マルチデバイス対応」のツールがおすすめです。上記の機能を備えたビジネスチャットであれば、メールや会議の無駄を減らして、意思決定までの期間を短縮できるでしょう。
コミュニケーションとセキュリティを両立したい
ITツールの導入で気になるのがセキュリティ対策。近年、不正アクセスによる情報の流出が問題になるケースも増えてきました。顧客の情報が流出すれば、信用を失ってしまう恐れもあります。特に金融業などの個人情報を多く扱う業種では、セキュリティ対策は必須と言ってよいでしょう。
セキュリティ重視でビジネスチャットを選ぶ場合、暗号化や多要素認証、アクセス制限などの不正アクセスを防ぐ機能が充実しているツールがおすすめ。また、セキュリティに信頼のあるベンダーを選ぶことも重要です。ベンダーがISMSなどの情報セキュリティ関連の認証を受けているかどうかも、確認しておくと良いでしょう。
顧客対応の品質向上を目指す
顧客対応の品質向上を目指すのであれば、CRMと連携できるビジネスチャットがおすすめです。ビジネスチャットで取引先とコミュニケーションをとるのであれば、自社で使用しているCRMと連携できるツールを選びましょう。CRMとビジネスチャットを連携できれば、スピーディーな顧客対応を実現できます。
例えば、顧客からチャットで問い合わせがあった場合、過去の問い合わせ内容を簡単に呼び出せるため、担当者に確認する手間を省けるでしょう。迅速に対応できるため、ヘルプデスク業務の問い合わせやトラブルへの対処もスピーディーに。顧客対応の品質が向上すれば、満足度の向上にも繋がります。
代表的なビジネスチャットを紹介
ビジネスチャットの中でも特に人気が高いのが、「Chatwork」「Talknote」「Microsoft Teams」の3つです。3つのツールの特徴について詳しく解説します。
Chatwork
Chatworkは、Chatwork社が提供する国内利用者数ナンバーワンのビジネスチャットです。Chatworkには、「社内外の誰とでもつながれる」「高度なセキュリティ」という特徴があります。アカウントを持つユーザーであれば、すぐにメッセージをやり取りができるため、社内外を問わず、情報やファイルの共有が可能です。
加えて、Chatworkには、高度なセキュリティ対策も施されています。Chatworkではすべての通信をSSL/TLSを用いて暗号化するため、仮に第三者が通信を傍受したとしても、データの閲覧は不可能です。ISMSなどの情報セキュリティの認証も受けているため、セキュリティを重視する方は、導入を検討すると良いでしょう。
- ログ管理
- メッセージの検索機能
- チャットの編集・削除機能
- チャットのピン止め(固定表示)機能
- メモ機能(自分用の個人チャット)
- 個人単位の権限付与
- ダイレクトチャット機能
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
Talknote
Talknoteは、Talknote社が運営するフィード型のビジネスチャットです。Talknoteでは、1つのトピックに対してコメントできるグループ機能が備わっており、テーマごとに過去のやり取りを整理できます。また、集約されたコミュニケーションを解析・定量化して、組織や各社員の課題を明確化できる点が特徴です。
部署ごとのコミュニケーションを数値化した「組織活性スコア」で、社内で価値観を共有できているかどうかをチェックできます。さらに、「人材レポート」で各スタッフのコンディションも把握できるため、問題があれば早い段階での対策が可能です。
専任の担当者が導入から運用までサポートするので、はじめてビジネスチャットを取り入れる場合でも安心でしょう。
- メッセージの検索機能
- チャットの編集・削除機能
- チャットの閲覧状況の確認機能
- メモ機能(自分用の個人チャット)
- 個人単位の権限付与
- ダイレクトチャット機能
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
Microsoft Teams
Microsoft Teamsは、Microsoft社が提供するビジネスチャット。最大の特徴は、WordやExcelといった同社のオフィスアプリと連携できる点です。
Microsoft Teamsではファイル共有に加えて、ファイルのリアルタイムの共同編集にも対応しています。そのため、チームのメンバーとオンライン上での共同作業も可能です。
Microsoft Teams用のアプリも用意されており、非エンジニアでもワークフローの自動化など、高度な機能を追加できます。繰り返し行うタスクなどを自動化しておけば、業務効率が飛躍的に向上するでしょう。開発者向けの開発ツールも用意されているので、自社専用のカスタマイズを施すこともできます。
まとめ:ビジネスチャットを比較してみよう
ビジネスチャットの選び方について解説しました。PRONIアイミツでは、さまざまな条件でビジネスチャットを比較できます。導入実績のある業界・企業規模・使いたい機能などで絞り込み、あなたの会社に最適なサービスを探してみてください。
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