ビジネスチャットのデメリット・失敗例→解決策
社内におけるコミュニケーションを円滑化させるため、ビジネスチャットを導入する企業は増えています。テレワーク中であってもスムーズに連絡を取り合えることから、「自社もビジネスチャットを導入したい」と検討している企業も多いでしょう。
しかし、ビジネスチャットツールを導入するメリットだけ知っているのでは、導入した際に「こんなはずじゃ……」と失敗してしまうかもしれません。
そこでこの記事では、ビジネスチャットを導入するデメリットや失敗例、さらには失敗しないためのポイントを紹介していくので、ぜひ参考になさってください。
ビジネスチャットを導入するデメリット
社内におけるコミュニケーションを円滑化させるほか、情報共有がスムーズに行えるなど、ビジネスチャットツールを導入することにはさまざまなメリットがあります。
しかしその一方で、デメリットがあるのも事実です。今回は、以下の3つのポイントに絞って紹介していきます。
私的な会話が発生する
ビジネスチャットツールを導入するデメリットとしてはじめにあげられるのが、私的な会話が発生してしまうということです。ビジネスチャットツールでは、従業員の全員が見られるチャットルームだけでなく、1対1や複数人だけで会話のできるクローズドなチャットルームも作ることができます。
本来であれば、クローズドなチャットルームであっても業務に関するやりとりを行うのが正しい使い方ですが、業務上のやりとりを行ったその流れで、プライベートな会話が続いてしまう場合もあるでしょう。
その場合、まるでLINEでやりとりをかわしているかのようにコミュニケーションが取れるため、私的な会話が思わず盛り上がってしまうことも。そうなれば進めるべき業務が滞り、仕事に支障が出てしまうかもしれません。
休日に仕事の連絡を受け取ってしまう
ビジネスチャットツールを導入するデメリットとして2つ目にあげられるのが、休日に仕事の連絡を受け取ってしまうということです。ビジネスチャットツールは、メールよりもコミュニケーションのハードルが下がるのが特徴の1つ。気軽に連絡できてしまうことから、業務時間外や休日であっても連絡をしてくる人がいるかもしれません。
休日であるにも関わらず仕事の連絡を受けることは、仮に急ぎの用件ではなくても、大なり小なりストレスとなるもの。仕事中と休日のメリハリはつけておきたいところでしょう。
そのためビジネスチャットツールを導入するにあたっては、休日や勤務時間街などには極力使わないように配慮するなど、ルールを定める必要があるかもしれません。
コミュニケーション過多
ビジネスチャットツールを導入するデメリットとして3つ目にあげられるのが、コミュニケーション過多となってしまうということです。ビジネスチャットツールを導入することによって、社内のコミュニケーションを活性化できるのは大きなメリットである一方、場合によってはコミュニケーションの取りすぎになってしまう可能性もあります。
私的な会話が発生してしまうことがあるという点については先に述べましたが、それだけではありません。例えばすべてのコミュニケーションをビジネスチャットツールで済ませようという流れができてしまい、ビジネスチャットツールにおけるコミュニケーションは過多状態であるにも関わらず、対面でのコミュニケーションが希薄になってしまうこともあるでしょう。
さまざまな情報が流れてくることから、そのなかでも重要な情報を見逃してしまうリスクも高まってしまいます。
ビジネスチャット導入の失敗事例
ここからは、ビジネスチャットツールを導入したものの、失敗してしまった事例をいくつか確認していきましょう。いくつかの失敗事例を前もって把握しておくことによって、同じ状態にならぬよう準備ができるはずです。
ツールそのものが定着・浸透しない
ビジネスチャットツールを導入したものの失敗してしまった事例としてはじめにあげられるのが、ツールそのものが定着・浸透しないという事例です。
ビジネスチャットツールを導入すれば、現在の希薄なコミュニケーションを活性化させることができると目論んでいたA社。しかし、いざビジネスチャットツールを導入してみても、あまり従業員が使いたがりません。
従業員にビジネスチャットツールに関するアンケートを取ってみると、「使いづらい」、「操作が分かりづらい」という声が多数。システムがスムーズに使いこなせないことから、社内への定着が遅れてしまっていることが判明しました。担当者は、ビジネスチャットツールを導入する際に無料トライアルで試してみなかったことが今回の失敗につながったと考えているようです。
一部の従業員に不快感を与えてしまった
ビジネスチャットツールを導入したにも関わらず失敗してしまった事例として2つ目にあげられるのが、一部の従業員に不快感を与えてしまったという事例です。
ビジネスチャットツールは、導入することによってまるでLINEなどのように気軽にメッセージを送れます。また、1対1のダイレクトメッセージを送れるため、ほかの従業員に漏らすことはできないクローズドな会話であっても行えるでしょう。
しかし、ビジネスチャットツールによってメールより気軽に連絡が取れると考えたB社では、思いもよらぬ事態が。とある従業員から、休日であってもダイレクトメッセージがしつこく送られてくるとクレームが寄せられたのです。ビジネスチャットツールを導入する際、特にレギュレーションなどを定めることなく運用を開始してしまったことから、このような事態が起こってしまったのかもしれません。
活用方法に齟齬が生じて現場が混乱した
ビジネスチャットツールを導入したものの失敗してしまった事例として3つ目にあげられるのが、活用方法に齟齬が生じてしまったことにより、現場が混乱してしまったということです。
ビジネスチャットツールでできることはさまざまで、社内全体へ向けたチャンネルの作成ができるほか、部署/チームごとのチャンネルやチャットルーム、1対1のダイレクトメッセージ、さらにはタスク管理やファイル管理などまで行えます。しかし、さまざまなことができることによって、従業員によってビジネスチャットツールの使い方に違いが出てしまうかもしれません。
ビジネスチャットツールを導入したC社は、最初はスムーズに運用できていたものの、いつしかちらほらとトラブルが起こるように。どこまでの範囲であればビジネスチャットツールで連絡していいのか、どのような連絡はビジネスチャットツールがNGなのかといった捉え方にズレが生じていたことから、トラブルが巻き起こっていました。
ルールを明確にしないまま従業員の判断に任せてしまっていたことが原因と考えられるでしょう。
ビジネスチャット導入で失敗しないためのポイント
ここからは、これまでに紹介してきたような失敗を再び起こさないようにするにはどうするべきなのか、注意しておきたいポイントを紹介していきます。
導入前に複数のツールを試用する
ビジネスチャットツールの導入で失敗しないためのポイントとしてはじめにあげられるのが、導入前に複数のツールを試用してみるということです。
ビジネスチャットツールを導入してしまったあとにシステムの使いづらさに気付いても、すでに初期費用や利用料金を払ってしまっており、やっぱり導入を辞めるという決断はなかなかできません。しかしビジネスチャットツールを契約する前に、複数サービスの無料トライアルを利用しておけば、どれが使いやすいのかをきちんと確かめることができます。
無料トライアルを利用する際には、担当者などの代表者だけが試すのではなく、現場の従業員たちに使ってもらうことが非常に重要です。誰にとっても使いやすいか、すぐに定着しそうかをチェックし、問題がないようであれば契約に進みましょう。
活用のための社内ルール・運用ルールを明確に定める
ビジネスチャットツールの導入で失敗しないためのポイントとして2つ目にあげられるのが、活用するための社内ルール・運用ルールを明確に定めておくということです。
運用ルールをきちんと定めておかないと、従業員一人ひとりによってビジネスチャットツールの使い方が異なってしまいます。業務上のメッセージのみやり取りする人もいれば、その延長線上でプライペートな話まで送ってしまうこともあるでしょう。また、どのようなメッセージであればチャットで済ませていいのか、という線引きも異なるかもしれません。
そのような失敗を防ぐためにも、導入にあたって社内の運用ルールをきちんと定めることが重要です。導入説明会を設けた上で、従業員から意見を取り入れてみるのもいいでしょう。
通知制限が設定できるビジネスチャットを導入する
ビジネスチャットツールの導入で失敗しないためのポイントとして3つ目にあげられるのが、通知制限が設定できるようなビジネスチャットツールを導入するということです。
ビジネスチャットツールはメールよりも気軽にメッセージを送れるため、ついつい使いすぎてしまうなんてことも少なくありません。そのため休日中であるにも関わらず、仕事に関する連絡をしてしまうというパターンは数多く見られるでしょう。
しかし休日中にも仕事の話をされてしまうのは、従業員にとって大なり小なりストレスなもの。どうしても気になってしまい、休みであるにも関わらず返信や仕事をしなければならない、というハメになってしまうかもしれません。
そのようなトラブルを防ぐためにも、休日中は通知を切れるように設定できるビジネスチャットツールを導入するのも重要なポイント。オンとオフをきちんと切り替えられるように、社内ルールを設定しておくことも大切です。
わかりやすい操作が可能なビジネスチャットを導入する
ビジネスチャットツールの導入で失敗しないためのポイントとして4つ目にあげられるのが、分かりやすい操作が可能なビジネスチャットツールを導入するということです。
「導入前に複数のツールを試用する」でも説明したとおり、使いやすさを確認することは非常に重要です。必要な機能が揃っているだけでなく、画面が分かりやすいか、スマートフォンアプリも見やすいかなどまで確認しておくと安心です。
メッセージのやりとりだけでなく、管理機能も使いやすいのかを忘れずチェックしておきましょう。細かな権限設定や使用状況の分析などがわかりやすく行えるのかどうかを確認しておくことで、運用管理がスムーズになるはずです。
まとめ:ポイントをおさえて失敗しないビジネスチャットの導入を
今回は、ビジネスチャットツールを導入するデメリットや失敗事例、失敗しないためのポイントを紹介してきました。ビジネスチャットツールを導入する際には、今回紹介してきた注意点を参考にした上で、慎重に選定を進めましょう。
しかし、数あるビジネスチャットツールのなかから1つを選ぶのは、なかなか時間も手間もかかるもの。もしも導入するサービスでお悩みなら、ぜひアイミツにお問い合わせください。
また、「ビジネスチャットツール13選を厳選比較」ではおすすめのビジネスチャットツールをまとめて紹介しているため、ぜひあわせてご覧になってみてはいかがでしょうか。
プロが条件に合ったサービスを選定します!