【PBXを連携させる】CTI、既存ツールとの連携で業務を効率化!
業務用の固定電話と、インターネットを利用した「PBX」や「CTI」を連携させることで、電話応対の品質を向上できます。さらに、営業の効率化や顧客満足度の向上も実現可能です。
この記事では、PBXやCTIを既存のツールと連携させるメリットなどについてご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
- PBXとCTIの違い
- PBXの3つの種類
- CTIとPBXが連携することで得られる3つのメリット
- CTIを活用することでPBX連携できる主なツールとメリット
- おすすめのクラウドPBX3選
- まとめ:PBXとCTI、既存ツールを連携して利益向上につなげよう
PBXとCTIの違い
まずは、PBXとCTIの違いを確認しておきましょう。どちらもビジネスシーンにおける通話コミュニケーションの効率化や最適化を支えるシステムですが、利用目的や活用シーンが異なります。電話の使い勝手をよくするためにあるのがPBX、電話を顧客管理や効率的なカスタマーサポートに活用するためにあるのがCTIだと考えれば、わかりやすくなるでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。
PBXとは
PBX(Private Branch eXchanger)は、「電話交換機」「構内交換機」と呼ばれるシステムです。オフィスや代表回線などに設置された電話を効率よく利用するためのシステムだと言えるでしょう。
たとえば、外線にかかってきた電話を内線経由で別の担当者につなげることや、内線同士で通話することが可能です。また、オフィスにかかってきた電話をスマートフォンに転送するなど、夏期・冬期などの長期休業中の緊急電話やテレワーク中の連絡手段として役立つケースもあります。
固定電話回線をそのまま利用するだけでなく、さまざまな形で活用できるようになるのが、PBXを利用するメリットです。
CTIとは
CTI(Computer Telephony Integration)は、電話とコンピューターの統合システムです。毎日大量の電話を受発信するコンタクトセンターなどに実装されていることが多く、顧客管理システム(CRMシステム)と連携できる点が特徴。
CTIを導入することで、着信と同時にパソコンの画面上に顧客情報を表示できます。電話番号と顧客情報を紐づけることによって、名前や居住地、年齢、性別など基本的な情報や、利用コース、過去の問い合わせ内容、特記事項などを即座に参照することが可能です。
また、問い合わせ内容をその場で入力・保存することで、顧客管理を効率化できます。さらに、通話の自動録音や音声サポートに対応しているCTIも多く、利便性が高いことが強みです。
PBXの3つの種類
ここからは、PBXの種類について解説していきます。PBXは、大きく分けて「レガシーPBX」「IP-PBX」「クラウドPBX」の3種類に分けられます。ひとつずつチェックしていきましょう。
①レガシーPBX
レガシーPBXは、会社内にPBX用の機材を置き、電話回線同士を接続させる方法です。PBXの中では主流であり、「従来型」を表す「レガシー」という名前からも、昔から利用されている方式だとわかります。
インターネット回線がなくても利用できるのが特徴で、バックアップ電源を持つため停電・災害時にも利用することが可能です。一方で、拠点ごとにPBX用の機材を置く必要があり、オフィスが多い企業やグローバル企業に導入する際には費用がかさむ点がデメリットだと言えるでしょう。オフィスの移転・レイアウト変更に弱いのも難点です。
②IP-PBX
IP-PBXは、IPネットワークとIP電話を接続させる方法です。電話機自体に内線番号を記憶できるため、レイアウト変更の際にも電話機を持って移動すれば、同じ番号を使用できます。その都度内線表を作り変える必要がないため、管理部の手間を削減できる方法だと言えるでしょう。
また、IPネットワークを使うことでパソコンの共有ができるようになり、コスト削減が狙える点も特徴です。ただし、ハードウェア型とソフトウェア型があるため、自社に合った方法を選定しなければなりません。
ハードウェア型の場合は、稼働の安定性とセキュリティの安心感がある一方で、ソフトウェア型は導入コストを安く抑えつつ、アップデートのみで最新状態を維持できるのが魅力です。
③クラウドPBX
クラウドPBXは、インターネット回線を利用したPBXです。社内にPBX用の機材を設置する必要がなく、ソフトウェアをインストールする必要もありません。そのため、スピーディーに導入でき、小規模から中規模程度のオフィスやコンタクトセンターなどに向いています。
インターネットを利用して通話し、電話機本体が要らないことも大きな特徴だと言えるでしょう。スマートフォンやパソコンがあれば通話できるため、オフィス外からの代表回線を使った通話や、コンタクトセンター社員のテレワーク化も可能です。
また、日本国内だけでなく世界中どこでも利用できるため、グローバル企業や海外出張が多い部署にも導入できます。
CTIとPBXが連携することで得られる3つのメリット
CTIとPBXを連携させることによって、大きなメリットを得られることはご存知でしょうか。ここでは、連携で得られるメリットを、4つピックアップして解説していきます。
業務を効率化できる
まず、電話業務の効率化を実現できる点をメリットとして挙げられます。
CTIとPBXを連携させれば、顧客から電話を受けるたびに管理台帳を開く必要も、データベースから情報を検索する必要もありません。自動で顧客情報がポップアップされるため、ユーザー情報を可視化しやすく、スムーズにアナウンスできるようにます。
また、必要な状況に合わせてその場で専門部署に電話をつなぐなどの部署間連携がとりやすいため、再度タイミングを狙ってかけ直すなどの手間も生じません。
コストを削減できる
人件費をコストカットしやすい点も、メリットとして挙げられるでしょう。なぜなら、受発信の本数がコンピューター上で管理されるため、最低限の人数で対応できるからです。
たとえば、曜日や時間帯、商品ごとにユーザーを分析し、コンタクトセンターの規模を縮小・拡大するなど、季節に応じた運用も実現できます。オペレーターが必要ない場合は自動応答サービスに切り替えるなど、パーソナルカスタマイズも可能なため、コストの削減に効果的です。
顧客対応の品質を向上できる
顧客情報が自動で取得されるため、ユーザーに待ち時間を与えることなくスムーズな応対を実現できます。CTIとPBXを連携させることで、品質向上を目指すことも可能なのです。
問い合わせ内容をあらかじめプッシュ式で選択することによって、専門知識を持つオペレーターに直接つなぐこともできます。オペレーターに状況を説明する時間が短縮できるなど、ユーザー側の利点も増えるでしょう。
結果として顧客対応品質が向上し、1本の架電に対する応対時間を縮小しながらも高い満足度を得ることができます。
既存ツールをさらに活用できる
CTIとPBXを連携させることで、営業支援システム「SFA」や、顧客管理ツール「CRM」を多機能的に活用できるようになるのもメリットです。
たとえば、前回の接触から半年経過している顧客のみをリストアップし、発信型のコンタクトセンターから1件ずつ自動架電する、というようなことができます。
また、アンケートやヒアリングで満足度の数値が低めに出たユーザーだけを洗い出して、フォロー電話を実施するも可能。すでにあるツールの活用方法をさらに広げられます。
CTIを活用することでPBX連携できる主なツールとメリット
ここからは、CTIを活用することでPBXと連携できる代表的なツールをご紹介していきます。それぞれのメリットにも触れていきますので、ぜひ比較・検討の材料にしてください。
CRM:Zendesk、kintoneなど
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報を管理するためのシステムです。名前をはじめ、居住地、年齢、性別などの基本的な情報や、購入履歴、過去の問い合わせ内容、特記事項などを記録できます。
顧客管理台帳に加えて、膨大な顧客情報を管理し、社内全体で共有するツールとしても使用することが可能。簡単に顧客情報にアクセスできるほか、電話ツールと連携すれば、着信があった瞬間に該当する顧客の情報をポップアップで表示させることができます。
活用することで「電話窓口の対応者が自分のことをわかってくれている」という印象をユーザーに与えやすく、顧客満足度の向上を実現することが可能です。
SFA:SalesForce、WaWaFrontierなど
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動を支援するためのツールです。社名や所在地、業種、職種、担当者名などの基本情報を管理できるという意味ではCRMと似ていますが、最大の違いは営業・マーケティング活動に特化している点にあります。
ユーザーが自社の利用を検討した段階から商談、受注、アフターフォロー、リピート利用までのフローを可視化できるため、進捗管理や離脱防止・見込み客の獲得に役立ちます。
過去に提出した見積書や提案書、プレゼン資料などを紐づけておけば、担当者が変わっても一貫した関係性を築きやすくなるでしょう。効率的な営業活動に欠かせないツールとして注目されています。
Web会議ツール:Microsoft Teamsなど
ZOOMやMicrosoft TeamなどのWeb会議ツールと連携させることも可能です。Web会議なら、電話による顔の見えないコミュニケーションではなく、対面に近い感覚で関係を築けます。そこに外線・内線などの電話機能を付与することで、より密接なサポートも実現できるでしょう。
とくに在宅型コンタクトセンターを導入したい会社との相性がよく、周りの雑音や環境を気にすることなくマンツーマンでのサポートを可能にします。
また、法律相談や税務相談、労務相談などの難しい用語と専門知識が必要な分野でのコンサルティングにも最適。ITツールの使い方や機材の設定方法など、カメラをオンにした状態でのコミュニケーションが必要なシーンでの導入も増えているため、今後更なる発展が期待される分野です。
おすすめのクラウドPBX3選
ここからは、おすすめのクラウド型PBXを3つご紹介していきます。それぞれコスト感や導入までのスピード、サポート体制が異なるため、イメージを膨らませながら確認していきましょう。
→2025年最新比較でおすすめのクラウドPBX(クラウド電話)については、こちらの記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
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料金
月800円/ユーザー -
初期費用
なし
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最低利用期間
1ヵ月
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最低利用人数
1人
Dialpadは、Dialpad Japanが提供するピュアクラウド型のビジネスフォンシステムです。音声だけでなくビデオ通話やチャットコミュニケーションが可能で、ビジネスツールとも連携できます。もちろん、デバイスを選ばずいつでもどこからでも使用することが可能。
また、通話内容をAIが自動で議事録に起こす機能もあり、通話分析を行いたいときにも便利です。クラウドPBXの機能を網羅している「Dialpad Talk」、セールスサポートができる「Dialpad Sell」、在宅コンタクトセンター特化型PBXの「Dialpad Contact Center」、ミーティングに使える「Dialpad Meeting」などの関連サービスも利用できます。
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料金
月35,000円/サーバライセンス -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
MediaOfficeは、メディアリンクが提供するオフィス向けIP-PBXソフトウェアです。小規模オフィスから大規模オフィスまで利用できる汎用性の高さが特徴であり、シリーズ累計で1万3,000席を超える利用数を誇ります。
CTI、IVR、通話録音、レポート機能といった音声テックが中心となったオールインワン型の電話システムで、Web管理画面もわかりやすく直感的な操作が可能。ソフトウェア知識のない人でも利用できます。日常業務に必要なさまざまな設定を数クリックで行えるため、使い勝手もよいでしょう。
- 冗長化
- 外線接続機能
- 内線基本機能
- 転送機能
- 保留機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- オンプレミス(パッケージ)
- クラウド(SaaS)
- 代表番号での発信
Arcstar Smart PBX
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料金
月5,500円/契約 -
初期費用
11,000円
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
Arcstar Smart PBXは、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズが提供するクラウド型のPBXサービスです。日本の通信業界を代表する大手企業によるサービスであり、抜群の知名度を誇ります。
また、NTTコミュニケーションズが提供するOCNなどの光ネットワークを0AB~J番号で利用できる「ひかり電話サービス」や、利用環境に応じてチャネル数や番号数を自由に設定できる「Arcstar IP Voice」などと組み合わせることも可能です。
さらに、クラウド型Web電話帳サービス「PHONE APPLI PEOPLE」と連携すれば、名刺情報や社員の連絡先も一元管理できます。
- Pマーク
- IP制限
- 外線接続機能
- 内線基本機能
- 転送機能
- 保留機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
まとめ:PBXとCTI、既存ツールを連携して利益向上につなげよう
この記事では、PBXやCTI、既存ツールを連携させることで業務を効率的に進める方法をご紹介してきました。オフィス全体の生産性向上や業務の効率改善、既存顧客の離脱防止、見込み客の獲得を実現したいのであれば、電話システムの見直しが必要です。
PBX、CTI、既存サービスを連携させて、より通話環境と顧客管理システムが使いやすくなるよう工夫してみましょう。まずはさまざまなツールを比較した上で、自社に最適なものを洗い出してみてください。
以下の記事では、PBXを多数比較しています。ぜひあわせて参考にしてみてください。
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