健康管理システムの導入事例6選|選ぶ際の注意点も解説
効率的に従業員の健康に関するデータを管理するために、健康管理システムの導入を検討している企業は多いでしょう。その際「他社ではシステムを活用できているのか」「システム導入で実際にどんな効果があったのか」というような、他社の事例を参考にすることで具体的な業務改善のイメージが付きやすくなります。
そこで本記事では、健康管理システムの導入事例を6つ紹介します。健康管理システムの導入メリットや製品の選び方についても詳しく解説しますので、システム導入を検討している人事労務担当者はぜひ参考にしてください。
健康管理システムの導入事例6つ
健康管理システムとは、従業員の健康状態に関するデータを一元管理できるITツールのことです。これまで、紙やExcelで個別に管理してきた膨大な健康データをオンライン上で一元管理でき、健康管理に関する業務の効率化が実現できます。また、データ管理のほか、健康診断の予約やリマインド、ストレスチェックの実施、産業医などとの面談のスケジュール調整などの機能も、大半の健康管理システムに搭載されています。
では実際に、健康管理システムを導入した企業ではどのような効果があったのでしょうか。導入事例を6つ紹介します。
大手食品メーカーへの導入事例
グループ従業員36万人を超える大手食品メーカーが健康管理システム「HM-neo」を導入した事例です。この会社では、年1回の医療機関での健康診断のほか、社内保健スタッフとの個人面談を社員全員に対して行っています。
しかし、社員の健康情報は紙ベースでファイリングして保管する運用だったため、検索性が悪く、情報を迅速に把握できないという課題を抱えていました。また、ファイルが保管されている拠点以外ではその内容を把握できませんでした。
こうした課題を解決するために、同社は「HM-neo」を導入しました。「HM-neo」の導入により、従来は紙ベースで行ってきた個人面談前の診断がシステム上で完結。また、面談日時の調整・変更、面談時の情報の確認・記録、事後の連絡などもスムーズに行えるようになり、大幅な業務効率アップの効果がありました。
従業員数100名以下の製造業への導入事例
創業から80年以上、スチール・アルミ・モジュールなどの生産を行っている中小企業(従業員数84名)に、健康管理システム「Be Health」を導入した事例を紹介します。この会社では、自社で作成した独自の健康管理システムが、パソコンのOSアップデートで使えなくなってしまったため、健康管理システム「Be Health」を導入。
「Be Health」では健診予約・受診管理から、結果の保管・受診勧奨を含めた事後措置まで一気通貫で行えるため、それまで手作業で行っていた業務の多くを自動化できたそうです。また、健康診断の未受診者を把握しやすくなった点も、システム化による大きな効果でした。
大手IT企業への導入事例
東証プライム上場のIT・情報通信業の大手企業(従業員数870名)に、健康管理システム「Carely」を導入した事例です。この会社では紙やExcelで健康データ管理を行っていましたが、管理が非効率であることが課題として挙げられ、Carelyの導入に至りました。
健康管理システム導入後、従業員の健康情報の一元管理と、産業医との迅速な情報共有が実現できた点が、大きな効果でした。また、ストレスチェックや健康診断など、法令で定められている健康管理業務の効率も向上。
さらに、Carelyの機能を使って、残業時間が基準を超えた従業員に対して疲労蓄積度のチェックを行っています。健康管理システムが労働環境の改善にも寄与した事例です。
地方の調剤薬局への導入事例
主に九州地方で調剤薬局を展開している企業(従業員1,280名)に、健康管理システム「WELSA」を導入した事例です。この企業では従来、健康診断結果を紙で保管するのみで、健康リスク分析や高リスク者への対応はほとんど実施していませんでした。このような健康経営への取り組みに課題を感じ、「健康管理体制のレベル向上」と「健康診断結果のデータ化と分析」に取り組みました。
さまざまな健康管理システムの中から選定・導入したのが「WELSA」です。複数クリニックの健康診断結果の取り込みが可能な点、可視化されたダッシュボード、クロス分析が可能な点が導入の決め手になったということです。システムを導入した結果、健康リスクが高い従業員や事業所別健康リスクの可視化、専門家の採用、相談窓口の設置など、健康経営を実現するための土台を構築することができました。
地方の公立大学への導入事例
グローバル教育に力を入れている地方の公立大学(従業員数99名)が、健康管理システム「mediment」を導入した事例を紹介します。従来、この大学では学生と教職員合わせて約1,000人の健康データの管理と支援を1人の職員が担当。すべて紙ベースだったこともあり、業務が煩雑になり、専門的な医療サポート体制を充実させることができずにいました。
そこで健康管理システム「mediment」に切り替えたところ、業務効率化によって担当者の業務量・業務時間が大幅に軽減。一人ひとりの健診結果を手作業で集計し、Excelでグラフ作成していた作業もシステムで自動化されたため、空いた時間を専門的な健康支援に回せるようになったと言います。
大手家電量販店への導入事例
東証プライム上場の大手家電量販店(職員数2,900名以上)に、健康管理システム「FiNC for BUSINESS」を導入した事例です。この企業は従業員の高齢化が課題となっており、従業員が高齢になっても高いパフォーマンスを発揮してもらうためには健康経営が必須と考えました。
健康経営の実現のために導入したのが、健康管理システム「FiNC for BUSINESS」。システムの導入に加え、新たに保健師を採用したことによって、診断結果に基づき健康リスクのある従業員へ細やかかつ速やかな介入を行えるようになりました.また、「FiNC for BUSINESS」を契約すると利用できる、健康アプリの法人向けサービスを活用した健康増進プログラムも実施。ウォーキングイベントなどを実施したところ、参加者のうち約53%のBMIが改善したと言います。
参考:FiNC for BUSINESS公式サイト 導入事例
以上、健康管理システムを企業に導入した事例を紹介しました。「事務負担を軽減する」「従業員の健康支援をする」それぞれの目的がシステム化によって実現していることが分かります。自社の健康管理をシステム化したいとお考えなら、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)をご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った健康管理システム(最大6社)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
健康管理システムを導入するメリット
実際の導入事例を踏まえて、健康管理システムを導入するメリットをまとめます。
- 健康管理に関する事務負担を軽減できる
- 従業員の離職や休職を防げる
- 健康管理に関する法改正に柔軟に対応できる
- 健康経営優良法人を目指せる
健康管理に関する事務負担を軽減できる
健康管理システムの大きなメリットは、健康管理に関する業務負担を軽減できること。紙ベースやExcelでの健康管理の場合、健康診断やストレスチェックの結果の入力、健診結果を産業医に郵送、労働基準監督署へ提出する報告書の作成業務、残業時間の記録・管理業務など数多くの業務をこなさなければなりませんでした。
健康管理システムを導入すれば、これら多くの業務を自動化でき、担当者の業務負担を大幅に軽減できます。
従業員の離職や休職を防げる
健康リスクの高い従業員に対して、何の対策も講じなければ心身の健康状態が悪化し、最悪の場合、離職や休職を招いてしまいかねません。しかし、健康管理システムを導入することによって、従業員の健康リスクをリアルタイムに把握。リスクの高い従業員に対してカウンセラーへの相談を促したり、専門医への受診を勧めたりといった対策が講じやすくなります。結果的に従業員の離職・休職の防止に役立つ点がメリットです。
健康管理に関する法改正に柔軟に対応できる
働き方改革に伴って、労働におけるさまざまな法律が制定され、法改正も複数に及びます。従業員を雇用する企業は、法律ができたり、法改正が行われたりした場合、速やかに対応しなければなりません。
健康管理システムでは、健康管理に関する法律に対応していることはもちろん、法改正が行われると自動的にシステムがアップデートされます。そのため、労務担当者の対応不要で柔軟に法対応できる点がメリットです。
健康経営優良法人を目指せる
健康管理システムを導入し、労働環境を改善したり、フォローアップ体制を構築したりなどで、健康経営優良法人の認定を受けられる可能性が高まります。健康経営優良法人とは、日本健康会議から、「健康経営を実践している企業である」と認定された法人のことです。2017年から始まった新しい制度で、従業員の健康診断の受診(受診率100%)など、一定の基準を満たさなければ認定されません。
健康経営優良法人と認定されると「働きやすい企業」と求職者のイメージがアップし、人材獲得競争で有利になるほか、企業イメージやブランドイメージも向上します。また、取引先や金融機関、エンドユーザーなどから社会的な高い評価も得られます。
健康管理システムを導入する際の注意点
健康管理システムには数多くのメリットがある一方、導入にあたっては注意点もあります。以下、重要なポイントを解説します。
- 導入目的を明確化しておく
- 企業規模に合ったシステムを選ぶ
- 導入事例が豊富なシステムを選ぶ
導入目的を明確化しておく
まずは、健康管理システムを何のために導入するのかを明確にしておきましょう。健康管理システムと一口に言っても、数多くの製品がリリースされており、製品によってできることや搭載されている機能は異なります。「健康データの分析をしたい」「従業員の健康を後押ししたい」など、企業のニーズや目的に合った機能を具えたシステムを選びましょう。
企業規模に合ったシステムを選ぶ
健康管理システムは、大人数のデータを管理する大企業向けシステムから、比較的少人数のデータを管理する中小企業向けシステムまで、幅広く存在します。まずは対象となる従業員数を正確に把握したうえで、対象者数に合った製品を選びましょう。
導入事例が豊富なシステムを選ぶ
健康管理システムを比較検討する際は、導入事例も注目すべきポイントです。自社と同規模、同業種、同様の課題を持った企業の導入事例を見ることで、自社で健康管理システムを導入した際のイメージを掴みやすくなります。
導入事例は、各製品のホームページで確認できます。「どのような課題を解決できるシステムか」「自社と同規模・同業の会社への導入事例は豊富か」などを確認し、導入する健康管理システムを選定しましょう。
以上、健康管理システムを選ぶ際の注意点を詳しく解説しました。別記事「おすすめ健康管理システムを比較」では、2024年最新のおすすめツールを紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
まとめ:導入事例を参考に最適な健康管理システムを選ぼう
健康管理システムを導入することで、従業員の健康に関するデータを一元管理できます。また、システムから従業員がいつでも健康診断の予約ができるため、健康診断に関する業務効率も大幅に向上させることが期待できます。
さまざまなメリットがある健康管理システムですが、製品の数が多く、「自社に最適な健康管理システムが分からない」と悩んでいる労務担当者も多いでしょう。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った健康管理システムが分かる診断(無料)ができます。
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