ウイルス対策ソフトとは?使い方や選び方など解説!
近年、企業をターゲットにしたサイバー攻撃が、ニュースでとりあげられることが増えてきました。情報が流出してしまえば自社だけではなく、顧客にも多大な迷惑をかけてしまいます。セキュリティ対策は自社だけの問題ではないのです。
セキュリティを強化するために、対策ソフトの乗り換えや新規導入を検討している方も多いのではないでしょうか。今回は、ウイルス対策ソフトの導入を検討中の方のために、選び方や機能について解説します。対策ソフト選びでお困りの方は、ぜひご覧ください。
そもそもウイルスとは?
コンピューターウイルスとはどのようなプログラムなのかを解説します。また、ウイルス感染によって引き起こされた過去の事件もご紹介していきます。
ダメージを与えることを目的としたプログラム
コンピューターウイルスとは、コンピューターへダメージを与えたり、情報を盗む目的で作成されたプログラムです。実際のウイルスのように、さまざまな感染経路からコンピューターに侵入して動作します。コンピューターウイルスに感染したデバイスを使いつづけると、ほかのパソコンにも伝染する恐れがあるため危険です。パソコンやスマホなどのインターネットに接続するデバイスを使用している場合、ウイルス対策ソフトの導入は必須と言えます。
ウイルス感染が引き起こした事件
ウイルス感染によって引き起こされた国内の事例の中でも、特に被害の規模が大きかったのは、2015年の日本年金機構の情報漏えい事件です。125万件の情報が流出したとされています。事件の発端は、関係者を装った1通のメールでした。職員がメールに添付されたファイルを開いたことでウイルスが侵入。ウイルスは職員に気づかれないように活動していたため、発見が遅れてしまいました。1度侵入を許すと、内部での活動が常態化してしまう点がコンピューターウイルスの恐ろしいところです。
また、2020年には国内の大手ゲーム会社でも情報漏えい事件が発生してます。ランサムウェアが使用され、財務情報や個人情報が流出しました。ランサムウェアとは身代金目的の不正プログラムで、企業ターゲットにされる事例が増加しています。
ウイルス対策の基本
ここからは、対策ソフトの導入や機能など、ウイルス対策の基本について解説します。
対策ソフトの導入
ウイルス対策としてもっとも有効な手段は、対策ソフトの導入です。対策ソフトがインストールされていない状態で、インターネットに数分接続するだけで、ウイルスに感染する危険性もあります。クラウドサービスを利用する機会が増えた現在では、対策ソフトの導入は必須と考えてよいでしょう。
ウイルス対策ソフトは、デバイスごとにインストールするアプリケーションとして提供されるのが一般的です。社内ネットワーク内のデバイスの数が多い企業では、すべてのパソコンやスマホにインストールすると負荷が大きくなるため、別の方法をとっている場合もあります。企業によっては、ウイルス対策機能を備えたゲートウェイ機器を内部と外部の境界に設置する方法を採用しているケースもあります。
パターンファイルのアップデート
パターンファイルとは、コンピューターウイルスの特徴を定義したファイルです。ウイルス対策ソフトは、デバイス内のファイルとパターンファイルを照らし合わせて、ウイルスを検出しています。
しかし裏を返せば、パターンファイルに含まれていないウイルスは検知できない可能性も。そのため、日々新しいウイルスが生まれており、パターンファイルも常に更新されています。対策ソフトの導入後は、パターンファイルをこまめにアップデートして、最新の状態を保つことが重要です。
ヒューリスティック機能を持つ対策ソフト
ヒューリスティック機能とは、不正なプログラムが取るであろう動きをあらかじめ登録しておき、ウイルスを検出する機能です。不正プログラムそのものではなく、不審な動作を監視する機能なので、パターンファイルに未登録の新種のウイルスにも対応できます。
一方で、動作次第では無害なプログラムに反応してしまうことも。対策ソフトを導入する際は、パターンファイルとヒューリスティックの両方が備わった製品を選ぶと良いでしょう。
代表的なウイルスの種類
ここからは代表的なコンピューターウイルスを6種類ご紹介します。
マルウエア
マルウェアとは、ネットワークへの攻撃や情報を盗み出すことを目的とした悪質なソフトやコード全般を指す言葉です。コンピューターウイルスを含む不正なプログラムは、すべてマルウェアに分類されます。
ウイルス
ウイルスとは、悪質な動作を行うプログラムやパソコンソフトを指す言葉です。パソコンやほかのプログラムに寄生して動作します。また、実際のウイルスのように、自己増殖する機能が備わっている点も特徴です。
ワーム
ワームも有害な動作を行う悪質なプログラムです。ウイルスは宿主を必要としますが、ワームは単独で活動できます。ウイルス同様に、自己増殖機能が備わっている場合も。
トロイの木馬
トロイの木馬とは、デバイスに侵入してユーザーの意図しない操作を実行するプログラム。無害なプログラムに偽装しており、誤ってインストールすると感染します。最近では、スマホアプリに紛れているケースも多いです。
スパイウェア
スパイウェアとは、情報を盗むことを目的とした不正なソフトウェアです。ユーザーに気づかれないように活動するため、感染に気づかないケースも。ウイルスとは異なり、自己増殖機能は備わっていません。
ボット
ボットとは、デバイスを遠隔操作する不正なプログラムです。感染したデバイスは、迷惑メールの送信やサーバーへの攻撃などに利用されます。感染したユーザーが、加害者になってしまう点もボットの恐ろしいところです。
ウイルスソフトの選び方
つづいては、ウイルス対策ソフトを選ぶ際のポイントについて解説していきます。
対応している機器
ウイルス対策ソフトが対応している機器を確認しましょう。以前は、ウイルス対策と言えばパソコンを対象にしていましたが、最近ではスマートフォンやタブレットを標的にした攻撃も増加しています。
対策ソフトもパソコンだけではなく、モバイル機器にも対応した製品が多くなってきました。自身が使用するデバイスに対応しているかどうかチェックしましょう。また、対応OSも確認しておくことが大切です。
動作が重いか軽いか
軽快に動作するかどうかも、対策ソフトを選ぶ際の重要なポイントです。ウイルス対策ソフトは、デバイスの電源が入っている間は常に動作し続けます。しかし、デバイスのスペックによっては動作が重くなってしまい、快適に使用できなくなる恐れも。
そのため、できる限り動作の軽い製品を選ぶのが正解と言えます。トライアルで使用できる対策ソフトも多いので、購入前に実際にインストールしても動作を確認しておくと良いでしょう。
第三者機関からの評価
第三者機関からの評価も確認しておきましょう。SE LabsやAV-Comparativesなどが、ウイルス対策ソフトの性能を公開しています。マルウェアの検出率やブロック率など、ウイルス対策ソフトの性能もチェックしておきましょう。
第三者機関からの評価が高い製品であれば、ウイルス対策に必要な水準を満たしていると判断できます。ベンダーが発信している情報だけではなく、第三者機関の評価も参考にすると良いでしょう。
使用量の高さ
ウィルス対策ソフトの使用料は、製品や契約内容によってさまざまです。通常、契約期間が長いほど1ヵ月あたりの料金も低くなる傾向にあります。使用料を抑えたい場合は、契約期間が長いプランを選ぶと良いでしょう。
また、複数のデバイスにインストールできる対策ソフトも存在します。複数のデバイスで使用する予定の方は、インストールできる台数も確認しておきましょう。
メーカーサポートの有無
ウイルス対策ソフトを比較する場合は、サポートの有無もチェックしましょう。ウイルス対策ソフトの導入には、インストールや認証などの操作が必要です。サポートのある製品を選んでおけば、導入につまずいた場合も安心です。
問い合わせ方法はメールやチャット、電話など、メーカーごとに違いがあります。操作に自信がない場合は、電話でのサポートを提供しているメーカーを選ぶと良いでしょう。トラブルが発生しても、実際に操作しながら説明を受けられるため、スムーズに導入できます。
セキュティ機能で比較する
ウイルス対策ソフトは、セキュリティソフトとも呼ばれます。ウイルス対策ソフトを比較する際には、セキュリティ機能についてしっかりと確認し、比較するようにしましょう。代表的なセキュリティ機能をご紹介します。
マルウェア対策
ウイルス対策ソフトには、感染の防止やマルウェアを検出する機能が備わっています。メールの添付ファイルやwebサイトなど、マルウェアの感染経路は多様化している状況です。
また、マルウェア自体の種類も増えつづけています。対策ソフトを導入する際は、マルウェアの検出率の高い製品を選ぶことが大切です。第三者機関が、製品ごとのマルウェア検出率を発表しているので、対策ソフトを選ぶ際の参考にするとよいでしょう。
ランサムウェア対策
ランサムウェアとはデバイスを強制的にロックして、解除を条件に身代金を要求するプログラムです。ランサムウェアはデバイスのロックだけではなく、データを暗号化するため、一度感染すると復元が困難なケースも。
ウイルス対策ソフトには、ランサムウェアへの感染や実行を防ぐ機能が備わった製品も存在します。ビジネス用のデバイスに対策ソフトを導入する場合は、ランサムウェア対策に対応した製品を選びましょう。
ネットバンク保護
ネットバンク保護とは、インターネットバンクの不正利用を防ぐ機能です。ネットバンキングは便利なサービスですが、対策ソフトを導入していないと情報を盗まれてしまうリスクも。
近年、インターネットバンクを装ったページへ誘導して、ユーザーのIDやパスワードを盗む手口が横行しています。ネットで送金している企業にとって、ネットバンク保護は必須の機能と考えてよいでしょう。
フィッシング対策
フィッシングとは、公式サイトを装ってユーザーをあざむき、個人情報やクレジットカード情報を盗む詐欺です。偽装メールやSNSなどで、公式サイトに似せた偽サイトへ誘導した上で情報を入力させます。フィッシングサイトを判定する機能が備わっているウイルス対策ソフトも増えています。
また、偽装メールを検出してブロックできる対策ソフトも存在します。対策ソフトを選ぶ際は、フィッシング対策機能の有無もチェックしましょう。
迷惑メール対策
迷惑メール対策とは、設定した条件にもとづいて不審なメールを検出して、振り分ける機能です。メールアドレスや差出人、メールに記載されている文字など、メールを振り分ける条件を指定できます。
迷惑メールと判定されたメールは、専用のフォルダーに振り分けられるので、間違って開いてしまうこともないでしょう。なりすましメールの受信を拒否する機能が備わった製品も存在するので、自社のニーズに合わせた対策ソフトを選ぶと良いでしょう。
まとめ
ウイルス対策ソフトの機能や選び方について解説しました。
社員や顧客の情報を扱う機会が多い企業にとって、セキュリティ対策は必須です。対策ソフトを選ぶ際は、対応機器や動作の軽快さ、機能をチェックしましょう。ベンダーの情報に加えて、第三者機関による評価も確認しておくことが大切です。
しかし、実際に製品を選ぼうとすると、「製品の種類が多すぎて絞れない」「結局どの対策ソフトが自社に合っているのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。もしウイルス対策ソフトの選定でお困りの場合は、PRONIアイミツをご利用ください。
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