小規模事業者持続化補助金の一般型・事業再開枠・低感染リスク型ビジネス枠を解説
「小規模事業者持続化補助金」の活用を検討している中小企業や個人事業主などは多いでしょう。小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の持続的な活動に必要な経費の一部を補助してもらえる制度です。
この記事では、小規模事業者持続化補助金の対象事業者や必要書類などについて紹介します。
- 小規模事業者持続化補助金には3種類ある
- 【一般型】小規模事業者持続化補助金の概要
- 【事業再開枠】小規模事業者持続化補助金の概要
- 小規模事業者持続化補助金の申請に必要な書類は?
- 【低感染リスク型ビジネス枠】小規模事業者持続化補助金の概要
- 小規模事業者持続化補助金の採択率
- PRONIアイミツが小規模事業者持続化補助金の書類作成をサポート!
- 【まとめ】小規模事業者持続化補助金の申請を進めるならPRONIアイミツへ
小規模事業者持続化補助金には3種類ある
小規模事業者持続化補助金は、主に以下の3種類に分けられています。
- 一般型
- 事業再開枠
- 低感染リスク型ビジネス枠
「事業再開枠」と「低感染リスク型ビジネス枠」は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染拡大を受けて創設されたものです。詳しくは後述しますが、それぞれ補助率や補助上限額、補助対象となる取り組みなどに違いがあります。小規模事業者ごとで活用できるものが異なるため、実際に支給される金額だけでなく申請の要件も確認しておきましょう。
なお小規模事業者持続化補助金は、地域の商工会や商工会議所が運営しているのが一般的です。申請書の提出先もこれらの事業所です。
【一般型】小規模事業者持続化補助金の概要
一般型は、その名のとおり最もスタンダードな小規模事業者持続化補助金です。小規模事業者や要件を満たしたNPO法人などに対して、販路開拓といった持続的な取り組みの経費の一部を補助します。コロナウイルスの発生以前からあるタイプの補助金です。そのため、取り組み内容もコロナウイルス関連に限定されません。ここでは、一般型の対象事業者や事例について詳しく紹介します。
【一般型】の対象になる事業者は?
一般型の対象になる事業者は以下のとおりです。
- 商工会議所の管轄地域内で事業を営む小規模事業者
- 要件を満たしたNPO法人(特定非営利活動法人)
「小規模事業者」かどうかは「常時使用している従業員数」によって判断できます。具体的には、業種ごとで以下のように定められています。なお個人事業主も以下の基準に合致していれば、小規模事業者です。
- 商業またはサービス業(宿泊・娯楽業除く):5人以下
- サービス業のうち宿泊業や娯楽業:20人以下
- 製造業その他:20人以下
ただし、下記のいずれかに該当する場合は対象外になるため注意しましょう。
- 商工業者でない事業者(医師や農家など)
- 過去10ヵ月以内に持続化補助金を受け取っている
- 過去3年における課税所得の年平均額が15億円を超える
- 資本金または出資金が5億円以上の法人に100%株式保有されている法人
【一般型】の対象事業例
一般型の採択を受けるためには「販路開拓」または「生産性向上」を目的とする取り組みを行っている必要があります。具体的には、以下のいずれかに該当する経費が補助対象です。
- 機械装置等費
- 広報費
- 展示会等出展費
- 旅費
- 開発費
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 専門家謝金
- 専門家旅費
- 設備処分費
- 委託費
- 外注費
補助率は3分の2です。補助上限額は基本的に50万円ですが、条件を満たせば上がることがあります。具体的な取り組み例としては、以下の2つが挙げられます。
- 製造業におけるECサイトの構築
- 宿泊業における会計ソフトの導入
【事業再開枠】小規模事業者持続化補助金の概要
事業再開枠はコロナウイルスの影響で停止・縮小していた事業を、適切な感染対策をしつつ再開するための給付金制度です。小規模事業者がコロナウイルスの感染対策を取り入れやすくするために、費用の一部をカバーしてくれます。小規模事業者の経済活動を後押ししてくれるだけでなく、地域住民の健康推進にもつながる制度といえるでしょう。ここでは、事業再開枠の対象事業者や対象経費、補助額、必要書類などについて紹介します。
【事業再開枠】の対象になるのは?
事業再開枠の対象事業者は、一般型と同じく小規模事業者または特定のNPO法人などです。ただし、以下条件をすべて満たしている必要があります。
- 「持続化補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」のいずれかの採択者である
- 事業再開に際してのコロナウイルス感染対策の実施を目的としている
なお感染対策に関しては「業種別ガイドライン」に沿った取り組みであることが前提です。業種別ガイドラインとは、コロナウイルス感染拡大防止と事業活動の両立に向けたガイドラインのことを指します。
【事業再開枠】の対象経費や補助額・補助率は?
事業再開枠の対象となるのは、コロナウイルスの感染拡大防止に関わる取り組みに要する経費です。大まかに分類すると、以下に記載する7種類に分けられます。一方で、業種別ガイドラインに記載されていない対策内容の場合は対象外になる点には注意が必要です。
- 消毒費用
- マスク費用
- 清掃費用
- 飛沫対策費用
- 換気費用
- その他衛生管理費用
- PR費用(感染防止のための注意喚起に要する費用)
※2022年10月時点の情報
補助率に関しては定額補助です(10分の10)。補助上限額は基本的に50万円ですが、特例で100万円に増額されることもあります。
小規模事業者持続化補助金の申請に必要な書類は?
小規模事業者持続化補助金の申請に必要な書類は、事業者の条件ごとで異なります。条件ごとの必要書類を表にまとめたため、ぜひ参考にしてください。なお複数条件に該当する場合は、それぞれの書類が必要です(重複書類を除く)。
条件 | 必要な書類 |
---|---|
【単独申請】 | 様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書 様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① 様式3-1 補助事業計画書② 様式4 事業支援計画書 様式5 小規模事業者持続化補助金交付申請書電子媒体(CD-R・USBメモリ等) |
【共同申請】 | 様式1-2 小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書および別紙「複数事業者による共同申請/共同申請者一覧」 様式2-2 経営計画書 様式3-2 補助事業計画書 様式4 事業支援計画書 様式5 小規模事業者持続化補助金交付申請書電子媒体(CD-R・USBメモリ等) |
【個人事業主】 | 確定申告書 【決算期を一度も迎えていない場合】開業届 |
【法人】 | 貸借対照表 損益計算書 株式名簿 |
【特定非営利活動法人】 | 貸借対照表 活動報告書 現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書 法人税確定申告書 |
【賃金引上げ枠】 | 給与支給総額増加または事業場内最低賃金引き上げについて従業員に表明した文書 賃金引き上げ枠申請に係る誓約書 現在支給している賃金が分かる賃金台帳などの写し |
【事業承継加点】 | 様式6 事業承継診断票 代表者の生年月日が確認できる公的書類の写し 後継者候補が実在することが確認できる書類 |
【災害加点・経営力向上計画加点】 | 【災害加点を希望する場合】 罹災証明書(熱海市が発行)または被災届出証明書の写し 【経営力向上計画加点を希望する場合】 経営力向上計画の認定書 |
単独申請・共同申請問わず、USBメモリなどの電子媒体の提出が必要です。電子媒体には様式1~3、5に必要事項を記入したファイルを格納してください。表にまとめたとおり、申請に必要な書類は非常に多いです。
不備があると補助を受けられないため注意しましょう。スムーズかつ確実に手続きを進めたいのであれば、会計ソフトを用いて日頃からデータをしっかり管理しておくことが大切です。会計ソフトについて詳しく知りたい方は別記事「会計ソフトとは?特徴やメリット、使い方をわかりやすく説明」もご覧ください。
【低感染リスク型ビジネス枠】小規模事業者持続化補助金の概要
低感染リスク型ビジネス枠も事業再開枠と同じく、コロナウイルスに関連した給付金制度です。アフターコロナに向けて、新たなビジネスやサービスの導入に要する経費の一部をカバーしてくれます。「感染拡大防止と経済活動の両立」が目的の制度といえるでしょう。低感染リスク型ビジネス枠の対象事業者や対象経費、必要書類などについて詳しく紹介します。
【低感染リスク型ビジネス枠】の対象になるのは?
低感染リスク型ビジネス枠の対象事業者は、これまでの2種類と同じく小規模事業者または特定のNPO法人です。以下の条件をすべて満たしている必要があります。
- 「持続化補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」のいずれかの採択者である
- アフターコロナに向けた新たなビジネスやサービスの導入を目的としている
また下記のいずれかに該当する場合は対象外になる点には注意が必要です。
- 商工業者でない事業者(医師や農家など)
- 過去10ヵ月以内に持続化補助金を受け取っている
- 過去3年における課税所得の年平均額が15億円を超える
- 資本金(または出資金)が5億円以上の法人に100%株式保有されている法人
- 一般型の持続化補助金をすでに採択されている(いずれかの取り下げが必要)
【低感染リスク型ビジネス枠】の対象経費は?
低感染リスク型ビジネス枠の対象となる経費は、以下のいずれかです。一般型と少し異なる点には注意しましょう。
- 機械装置等費
- 広報費
- 展示会等出展費
- 開発費
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 専門家謝金
- 設備処分費
- 委託費
- 外注費
- 感染防止対策費
補助率は4分の3、補助上限額は100万円です。一般型と比べて取り組みが限定される分、補助率が高めの設定です。
【低感染リスク型ビジネス枠】の申請に必要な書類
低感染リスク型ビジネス枠は2022年10月現在「Jグランツ」による電子申請のみ受け付けています。条件ごとの必要書類を下表にまとめているため、ぜひ参考にしてください。複数の条件に該当する場合はそれぞれの書類が必要です(重複書類を除く)。
条件 | 必要な書類 |
---|---|
【全事業者共通】 | 様式1 経営計画及び補助事業計画 様式2 宣誓・同意書 様式3 月間事業収入減少証明 |
【個人事業主】 | 確定申告書 |
【法人】 | 貸借対照表 損益計算書 |
【特定非営利活動法人】 | 貸借対照表 活動計算書 現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書 法人税確定申告書 |
小規模事業者持続化補助金の採択率
小規模事業者持続化補助金を受けるためには審査に通過する必要があります。必ずしも採択されるわけではないことを覚えておきましょう。それなりの時間をかけて手続きを進めることからも、採択率は気になる部分といえるでしょう。参考までに、過去の一般型における採択率を紹介します。第8回までの採択率は、以下のように推移しています。
小規模事業者持続化補助金の回次 | 採択率 |
---|---|
第1回 | 90.9% |
第2回 | 65.1% |
第3回 | 51.6% |
第4回 | 44.2% |
第5回 | 53.9% |
第6回 | 69.1% |
第7回 | 69.8% |
第8回 | 62.9% |
第1回は高めとなっていますが、まだ制度の運用が安定していなかったことが原因と考えられるでしょう。第2回以降の平均採択率は59.5%で多少の前後はあるものの、おおむね6割程度は採択されています。極端にハードルが高いわけではないため、必要な書類をそろえて正しく手続きすれば採択の可能性は十分あります。
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小規模事業者持続化補助金の手続きでは、多数の書類作成が必要です。手続きを効率化するためにも、SaaS(クラウドサービス)型ツールの活用をおすすめします。なおSaaS型ツールを探す際には「PRONIアイミツ」が役立ちます。法人向けSaaS比較サイトで、機能や価格、特徴など多くの要素でツールの比較が可能です。ここでは、小規模事業者持続化補助金の手続きに役立つおすすめのツールを紹介します。
書類作成を効率化するなら会計ソフトの活用がおすすめ
小規模事業者持続化補助金の書類作成には、会計ソフトの活用がおすすめです。紙の帳簿に記録するのでは手間がかかる上に、ミスも発生しやすいといえます。一方で、多くの会計ソフトに搭載されている書類の自動作成機能を活用すれば、時間短縮やミス発生の防止などにつなげられます。
PRONIアイミツであれば、事業者に合った会計ソフトを探すことが可能です。初心者でも操作しやすい会計ソフトをお探しの方は別記事「初心者も使いやすい操作が簡単な会計ソフト」をご覧ください。
また部門ごとに収支を管理したい方は、別記事「部門別の管理機能を搭載した会計ソフト10選」を確認ください。
経費を楽に管理するなら経費精算システムの活用がおすすめ
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【まとめ】小規模事業者持続化補助金の申請を進めるならPRONIアイミツへ
この記事では小規模事業者持続化補助金の種類ごとで、対象事業者や必要書類などを紹介しました。小規模事業者持続化補助金は、従業員数が少ない小規模事業者の経済活動を後押しする魅力的な補助金制度です。一方で、必要な書類が多く、手続きには相当な時間を要することが予想されます。
小規模事業者持続化補助金の手続きを効率化するのであれば、SaaS型ツールの活用がおすすめです。PRONIアイミツを利用すれば、最適なサービスを見つけられるでしょう。小規模事業者持続化補助金の手続きに役立つ経費精算システムを知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。
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