社員のモチベーションを上げる人事評価制度とは?事例付きで紹介

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従業員のモチベーション低下にお悩みではありませんか?「頑張りが正当に評価されない」「会社への貢献度が分からない」といった不満は、従業員のやる気を奪い、離職にもつながりかねません。

本記事では、モチベーションが向上する人事制度の作り方を、具体的な事例を交えながら紹介します。あなたの会社に最適な人事評価制度を見つけるヒントとなれば幸いです。

人事評価制度とは

人事評価制度とは、従業員・役員の能力やスキル、会社への貢献度などを客観的に評価し、給与やポジションへと反映させる仕組みのこと。多くの企業では自社の経営理念やビジネスモデルに合わせて独自の評価制度を定め、半期に1回、年1回といったスパンで人事評価を行っています。

簡単に歴史をひも解いてみると、現在の人事評価制度の基盤ができたのは1990年代のはじめ頃。それまで日本企業のほとんどは、年功序列の考え方にもとづいて昇給や人事異動を行っていましたが、バブル崩壊によって業績が落ち込み、経営の見直しを迫られるようになりました。

そこで多くの企業が導入したのが、当時隆盛を極めていたアメリカ・シリコンバレー企業の目標管理制度。あらかじめ目標や指標を定め、それらに対する達成具合に応じて従業員を評価するという仕組みです。日本企業の多くでは現在もこの仕組みを踏襲としつつ、仕事への熱意や態度、チームワークへの貢献といった定性的な要素を加えて、多面的に判断する人事評価を行っています。

人事評価制度の目的と役割

概要を整理したところで、続いては人事評価の目的と役割について事例をまじえながら大きく5つに分けて見ていきましょう。

公正な昇給・昇進

1つめは公正・公平な昇給・昇進を行うこと。最初にも触れたとおり、経営者や上司個人の独断・偏見で給与額や職務上のポジションがころころ変わってしまうようでは、従業員の理解は得られません。昇給・昇進の根拠となる条件を明確に示し、適切な人事が行えるようにするのは、人事評価制度が担う最も大事な役割と言えるでしょう。

実際にフェアネスの観点から人事評価の仕組みづくりに取り組む企業は多く、たとえば、大手菓子メーカーのカルビーでは、2012年に評価制度を一新。社員一人ひとりのミッション・目標を明記した契約書を用意した上で全員が年度の初めにサインし、成果に応じて賞与額や昇進の可否が決まる制度を導入しました。

人員配置の最適化

2つめの役割は、人員配置の最適化です。企画力や交渉力、商品知識、業務用ソフトウェアの操作スキルなど具体的な項目に沿って人事評価を行うことで、従業員一人ひとりの長所・短所が明確になり、適材適所の人員配置につながります。

その結果として残業代などを含めた人件費を大幅に節約できたり、新しい商品・サービスが生まれたりするケースも少なくありません。

人材の育成

組織を活性化し、事業を拡大していくためには、従業員の知識習得・スキルアップが欠かせません。明確な評価項目を定めることで、従業員に「頑張れば評価してくれる」という実感を与え、一人ひとりの成長を促すのも人事評価制度が担う目的・役割の1つです。

たとえば大手インターネット企業のDeNAでは、カンファレンスへの登壇、技術書の執筆といったエンジニアの社外活動まで評価することで、より幅広い知見を持つ人材の育成を図っています。

コミュニケーション促進

上記の3点に加え、人事評価制度の構築は社内のコミュニケーション活性化にもつながります。人事評価を行う上で欠かせない目標設定面談やフィードバック面談などの1on1は、おのずと仕事の悩みや現状の課題を相談する場となり、そうした場が定期的に設けられることで、上司と部下の間に信頼関係が生まれるからです。

最近では上司と部下のコミュニケーション促進、チームワークの強化を念頭に置いて、1ヵ月に1回、2週間に1回といった短いスパンで1on1を行う企業も増えてきました。

企業としてのカルチャー醸成

こちらは目的・役割というよりはメリットといった方がいいかもしれませんが、人事評価制度の構築は、企業独自のカルチャーや共通言語を醸成するのにも役立ちます。

経営理念やミッションビジョンに沿って評価項目を設定し、昇給や昇進の条件を明確にすれば、従業員の間にはおのずと「この会社で評価されるにはどうしたらいいか」、「どういったアクションをとるべきか」といった意識が生まれるからです。
その結果として、従業員の価値観や行動様式が一本化され、困難な課題が生じた際もお互いに協力しながら解決を図るようになるでしょう。

人事評価の3つの手法

続いては人事評価の具体的な手法について、ここまでの内容をふまえながら3つに分けてご紹介します。

業績評価

対象者が一定期間に挙げた業績・成果をダイレクトに評価する手法です。具体的な業績・成果としては、営業スタッフなら売り上げや商談件数、成約件数など。経理・総務といったコーポレート系の職種なら、削減コスト、短縮できた工数、ミスの減少率など。

これらについて、対象者一人ひとりが四半期ごとや1年単位の具体的な目標を設けた上で、目標に対する達成度(多くの場合、パーセンテージや5段階スコア)を上長や人事が評価します。今回取り上げる3種類のなかでは最もシンプルな手法であり、誰が見てもわかる客観的な数字で評価できるということもあって、業種・規模を問わず多くの企業が業績評価を導入しています。

能力評価

業務上のパフォーマンスや数値としての成果を評価する業績評価に対し、従業員一人ひとりが持っている知識・スキルを評価の対象とするのが能力評価です。具体的な評価項目は、業種や対象者のポジションによってさまざまで、たとえば小売業やサービス業の場合は、商品知識や接客力、提案力といったヒューマンスキルを対象とするのが一般的。

一方で業種を問わずマネージャー、リーダーなどの管理職を評価する場合は、部下のケアや業務の進捗管理を含めたマネジメント能力、リーダーシップ、経営理念への理解などが評価項目として置かれることが多いようです。

業績と違って知識やスキルは数値であらわすのが難しいため、能力評価を行う場合は、具体例(「接客において〇〇ができる」、「△△な事態にも対処できる」など)を加えた上で、可能な限り客観的な評価項目を定める必要があります。

情意評価

情意とは感情や意思、心持ちのこと。仕事に対する姿勢・モチベーション、積極性や協調性、職場でのマナーなどを評価する手法が情意評価です。企業によっては遅刻や早退、欠勤といった勤務状況、勤怠実績についての評価も含まれ、ビヘイビア(振る舞い)評価などとも呼ばれます。

情意評価は業績、能力といった観点からはジャッジできない意欲や人間性を評価できる反面、具体的な目標を立てにくく、評価が主観に左右されやすいという難点も。そのため企業によっては情意をあくまで付随的な要素として捉え、人事評価全体における情意評価の割合を低めに設定(業績・能力評価が70%、情意評価が30%など)しているところもあります。

人事評価制度の種類とメリット・デメリット

ここからは現在多くの企業が導入している人事評価制度について、4つのタイプに整理した上で、メリットやデメリットをご紹介していきます。

1MBO

MBO(Management By Objective)は、経営学者のピーター・ドラッカー氏が著書のなかで提唱した組織マネジメント・人事評価の手法です。職務に応じて従業員自らが四半期や1年単位の目標を定め、上長や人事スタッフとの面談によって目標の達成状況を評価、給与や職位へと反映させます。

MBOの何より大きなメリットは、従業員の自主性・自律性を養えること。目標は強制されるわけではなく、あくまで従業員の意思・志向を反映させた上で決められるため、責任感が醸成されやすく、達成マインドを引き出せます。加えて業務上の目標の多くは数値化できるため、評価が主観に左右されにくいのもメリットと言えるでしょう。

そうした反面、対象者によっては目標を達成しやすいように意図的にハードルを下げたり、会社の事業戦略と関連性の低い目標を設定したりしてしまうことも。こうしたケースを防ぐためには、目標設定の指針を設ける、目標設定の際に上長のチェックを入れるといった工夫が必要になってきます。

OKR

人事評価におけるOKR(Objective and Key Result)とは、会社全体としての目標(売上額、営業利益率など)を達成するために必要な要素を細分化した上で、部署やチーム、個人のミッション・目標として割り当て、その達成具合に応じて評価する制度です。

目標に沿って評価するという点ではMBOと似ていますが、会社の目標と個人のそれが完全にリンクする点、達成が困難な目標を置いた上で四半期を中心としたより短いスパンで評価を行う点でMBOと異なります。1990年代の後半から2000年代にかけて、インテル、Googleが導入したことで注目を集めるようになりました。

メリットとしては、従業員一人ひとりが会社全体の目標をきちんと理解した上で、自分の役割にフォーカスできること。OKRを導入すれば、一人ひとりが企業の一員、当事者としての意識を持ちながら、適切な優先順位をつけて日々の業務に取り組むようになります。

その反面、与えられた目標と個人の意思・志向が必ずしもマッチしないため、人によっては目標=ノルマだと勘違いしてしまったり、それによってモチベーションが削がれてしまうことも起こり得ます。従業員のモチベーション管理をしっかりと行うことが重要です。

コンピテンシー評価

コンピテンシー評価とは、自社の事業全般における理想的な人材、もしくは特定の分野で優れた業績を残している社員(いわゆる、仕事ができる人)の行動特性を洗い出し、それをもとに評価項目を策定して人事評価を行う制度です。日本国内の企業ではネット通販大手の楽天などが導入しています。

コンピテンシー評価を導入すると、職種や職位によってどんな人材が求められているのか、ロールモデルが明確になります。それと自分自身を対比させることで従業員の一人ひとりの課題が明確になり、行動改善やスキルアップを促せるのは、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

その反面、行動様式を洗い出し、評価項目化するのは非常に手間がかかり、場合によっては1年以上を要することも。また、事業の成長や組織の拡大にともない求められる人材の条件、理想の人物像そのものが変わってしまうケースも珍しくありません。そうした際は行動様式の洗い出しからやり直す必要があり、やはり大きな業務コストがかかります。

360度評価

直属の上司だけでなく、同じチームのメンバーや他部署のマネージャーなどが対象者を評価する制度です。前述のDeNAやGMOインターネット、名刺管理ソフト大手のSansanといった企業が導入しており、経営層・マネジメント層を評価する手法としても広く用いられています。

360度評価のメリットは言うまでもなく、評価の客観性を高められる点。日々の仕事を共にするメンバーにしか気づくことができない長所や特性、部署をまたいだ折衝能力などを拾い上げつつ、本人にとっても納得感の高い多面的な評価を下すことができます。

ただし、その裏返しとして評価にバラつきが生じやすい上、部下が上司を評価する場合は上司の側が低評価されることを恐れ、本来必要な指導や叱責をしにくくなるといったケースも。こうしたデメリットを払拭するためには、定期的にガイダンスなどを開催し、360度評価の趣旨・目的を周知徹底する必要があります。

評価項目を決める際の注意点

最後は人事評価の項目を決める際の注意点について、3つに分けてご紹介します。

常にエラーが起こり得ることを認識する

まず何より大切なのは、人事評価においては常にエラーが発生し得るという認識を持つこと。前述の「人事評価制度の種類とメリット&デメリット」を見てもわかるとおり、どんな人事評価制度にもデメリットはあり、評価する際に無意識的に主観が混ざったり、「ハロー効果」(※)が起きてしまったりすることも珍しくありません。人事評価の項目を決める際は、この認識を正しく持つことが最初のステップとなります。

※ハロー効果‥1つの顕著な特徴に引きずられて、ほかの特徴に対する評価が歪められること。人事評価における例としては、「欠勤が多いから業績が上がらない」→「業績が上がらないから能力が低い」など。

定量的・定性的な項目をきちんと分ける

エラーが起こり得ることを認識した上で、可能な限り正当かつ公平な人事評価を行うためには、どのように項目を設定すればいいのでしょうか?

1つは、属性の異なる情報を混在させないこと。たとえば、売上金額や削減コストといった数字であらわされる業績と、スキル、知識、仕事に対する姿勢といった特性を「総合評価」などとして1つの欄にまとめてしまうと、前述のようなハロー効果が起こりやすくなります。「人事評価の3つの手法」でご紹介した内容を参考にしながら、定量的・定性的な情報きちんと分類して項目を設けましょう。

職種や社歴の違いに配慮する

職種や社歴の違いに配慮するのも、人事評価の公平性を高める上で大事なポイントの1つ。営業、マーケティングといったいわゆる「攻め」の職種と比べると、経理、人事、総務といった「守り」の職種は、仕事の成果が具体的な数字(売り上げなど)に直結しにくい側面があるからです。

また同じ営業でも、経験豊富なベテランと社歴の浅い若手スタッフとでは、当然ながらスキルやノウハウに差があります。同じ物差しで測るのは公平とは言えません。こうした職種や社歴の違いが不公平な評価につながる可能性がある場合は、評価全体における業績評価と情意評価のウェイトを変更するなど必要な措置をとるべきだと思います。

人事評価の仕組みづくりで悩んだらシステム導入がおすすめ

人事評価の項目を決める際の注意点は上記のとおりですが、より効率的に公正・公平に人事評価を行いたいのなら、専用の人事評価システム(タレントマネジメントシステム)を導入するのがおすすめです。

現在主流となっているクラウド型を中心に、人事評価システムの多くには目標の設定機能、評価のワークフロー機能などが搭載されており、360度評価をはじめとする多面的な評価にも対応しています。

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