クラウド請求書システムの選び方を徹底解説!おすすめのシステムもご紹介
請求書発行業務を負担に感じている場合は、請求書システムの導入を検討する時期にきているといえます。この記事では、主流になりつつあるクラウド型の請求書システムについて詳しく解説するとともに、人気のクラウド請求書システムも紹介していきます。
2024年最新でおすすめのクラウド請求書発行システムを知りたい方は、別記事「クラウド請求書発行システムを徹底比較」もぜひ参考にしてください。
税理士
板山 翔
平成28年に日本初のオンライン専門の税理士事務所を開業。塾講師歴7年、大手WEBメディアで連載を持つなどの異色の経歴を持つ。5人以下の小 …続きを見る
平成28年に日本初のオンライン専門の税理士事務所を開業。塾講師歴7年、大手WEBメディアで連載を持つなどの異色の経歴を持つ。5人以下の小さな会社の経営者へ向けて、様々なメディアで情報発信をしており、YouTubeチャンネル「税理士ショウの超わかりやすいビジネスQ&A」は動画27本で登録者4,000人近くと、急成長している。 板山翔税理士事務所代表
※監修者はSaaSの「選び方」についてのみ監修をおこなっており、掲載している企業・サービスは監修者が選定したものではありません。掲載企業・サービスの調査・情報収集・選定はPRONIアイミツ編集部が独自に行っております。
- クラウド請求書システムとは
- クラウド請求書システムが取り扱う範囲
- クラウド請求書システムを導入する3つのメリット
- クラウド請求書システムを選ぶ際の注意点
- クラウド請求書システムの比較ポイント5つ
- おすすめのクラウド請求書システム4選
- まとめ
クラウド請求書システムとは
請求書システムとは、請求書作成・発行を効率的に行うことを目的とした業務システムです。導入することで、請求書の発行に関する一連の作業の自動化が可能となります。中には請求書だけでなく見積書や注文書、納品書、検収書などの作成・発行に対応している製品や、会計ソフトやSFA(営業支援システム)などと連携できる製品もあります。
クラウド請求書システムはインターネット環境があればどこでも利用できるため、外出先で作業をしたい方や社内での情報共有に力を入れたい方にぴったり。ペーパーレス化にもつながるので、コストダウンを図りたいという場合にもおすすめです。
クラウド請求書システムが取り扱う範囲
クラウド請求書システムを導入すると、請求書の作成から送付作業、入金確認までのプロセスの一元管理が可能になります。システムによって取り扱う範囲は異なりますが、中には売り上げ集計や損益管理、仕訳データ作成、債権管理などに対応している製品も存在します。
導入する際には、自社のニーズを明確にした上で課題解決・目的達成に必要な範囲をカバーしている製品を選びましょう。ここからは、クラウド請求書システムが取り扱う範囲について解説します。
請求書や見積書の作成・発行
クラウド請求書システムを使用すると、請求書や見積書の作成が自動化できます。複数のフォーマットが用意されているケースが大半で、必要項目を入力するだけで手軽に請求書や見積書の作成が可能。一度入力した内容を次回以降は省略できるなど、業務効率化に貢献する機能を具えているものも存在しています。
また、中には請求書や見積書の送付時に添付する送付状の作成もワンストップで行えるシステムもあります。
メールや郵送による請求書の送付
クラウド請求書システムを導入すれば、請求書に関わる業務のオンライン化が可能です。メールでの請求書送信もボタンをクリックするだけで作業が完了するため、請求先の企業側の了承が得られれば発送作業が不要で請求書送付が行えます。
郵送となると印刷や発送の手間だけでなく、請求書の到着にも時間を要します。また、手作業で請求業務を行うとなると、取引先が多いほどに人手が必要になるものです。それらの作業をシステム上で効率的に進められれば、業務負担の大幅な軽減につながるでしょう。
しかし、クラウド請求書システムの中には郵送代行に対応しているものもあるので、請求先の企業が電子化に未対応の場合には必ず確認してください。料金は従量課金制で1通あたり150~200円程が一般的のようです。
データの取り込みによる請求書の自動送付
大半のクラウド請求書システムが、CSV形式のデータインポート・エクスポートに対応しています。API連携に対応しているクラウド請求書システムなら、会計ソフトとの連携もシームレス。基幹システムと連携させれば顧客情報も反映させることができます。常に最新情報で請求書が自動送付されれば経理業務が大幅に効率化できるだけでなく、コスト削減にもつながるでしょう。
請求内容・入金の管理と催促
クラウド請求書システムの中には、金融機関との連携による請求・入金管理の自動化や、未入金の請求先に対する催促にも対応しているシステムがあります。入金名などが一致しない場合であっても、一度消し込み作業を行えば次回以降は自動化できることも。入金状況を逐一確認する必要がなくなるため、この機能も経理業務の効率化に役立ちます。
クラウド請求書システムを導入する3つのメリット
ここからは、クラウド請求システムを導入するメリットについて解説します。システムによって実装されている機能は異なりますが、標準的な機能を持った製品であれば以下のようなメリットが期待できます。
- 請求業務が圧倒的に効率化できる
- 自動化によって人為的ミスが防止できる
- 請求の電子化でコストが削減できる
①請求業務が圧倒的に効率化できる
クラウド請求書システムを導入する最大のメリットは、請求業務の大幅な効率化が実現するという点です。必要事項を入力するだけで請求書が作成できるだけでなく、会計システムをはじめとする他システムと連携させれば都度データを入力する必要もありません。
定期的に同じ請求書を作成する場合は、「予約配信機能」のあるクラウド請求書システムを選べば自動発行が可能に。場所を問わず、パソコンだけでなくスマートフォンからも操作ができるというのもクラウド型のシステムならではの魅力です。
②自動化によって人為的ミスが防止できる
クラウド請求書システムでは、請求書の発行から発送、入金確認までのプロセスが自動化できるため、人為的なミスの防止が可能です。人の手による作業には請求漏れや誤請求が発生するリスクがあり、会社としての信頼を損なう可能性もあります。
クラウド請求書システムを導入すれば、請求に関する一連の作業が自動化できるため、人為的なミスが発生する余地がなくなります。ダブルチェックなどに費やす時間・労力も不要となるため、リソースの最適化も叶うでしょう。
③請求の電子化でコストが削減できる
コスト削減への貢献が期待できるというのも、クラウド請求書システムの導入メリットの1つです。請求書が電子化できればペーパーレスが推進でき、用紙代や印刷代、郵送代などの削減になります。また、印刷した請求書や送り状の封入や宛名作成も不要となるため、業務負担の低減も叶うでしょう。
「請求先が電子化に対応していない」という場合は、郵送代行サービスのあるクラウド請求書システムを利用するのも1つの手段。請求書の送付業務の負担が大きい場合には検討してみてください。
請求書システムにはメリットだけでなくデメリットもあります。システムを導入する前に抑えておきたい方は、別記事「Web請求書のメリット・デメリット」も参考にしてください。
クラウド請求書システムを選ぶ際の注意点
さまざまなメリットがあるクラウド請求書システムですが、導入に際してはいくつかの注意点があります。
クラウド請求書システムは月額制が大半なので、利用し続ける限り料金が発生します。長期利用を前提とする場合は「ランニングコスト」「費用対効果」をしっかりと確認・検証することが必要です。
また、新たにシステムを導入する場合には、社内での定着までに時間を要するのも事実。どんなに優れたシステムであっても使われなければ意味がありません。よりスムーズに社内での使用を浸透させるためにも、操作性の高いシステムを選ぶようにしましょう。可能であれば無料トライアルを活用し、導入前に使用感を確かめてみるというのもおすすめです。
クラウド請求書システムの比較ポイント5つ
ここからは、クラウド請求書システムの選び方について解説します。業務システムは自社ニーズとマッチしたものを選ぶことが大切です。導入する際は次の5つのポイントに注意してください。
- 自社の業務形態と合っているか
- 法改正に対応しているか
- 既存システムとスムーズに連携できるか
- 業務フローとの相性は問題ないか
- セキュリティ面は安心できるか
①自社の業務形態と合っているか
クラウド請求書システムは各社から提供されており、実装している機能はそれぞれ異なります。そのため、システム導入時には自社の業務形態に適しているものを選ぶようにしましょう。「業務形態と合っているかわからない」という場合には、過去の実績を確認するのがおすすめ。自社と近しい規模・業態の会社に多く導入されているシステムなら、相性がよいと考えられます。
また、請求業務に関する課題・問題点を洗い出すというのも大切なポイント。課題解決や目的達成にぴったりの機能を持つクラウド請求書システムが見極められれば、スピーディーな業務効率化も夢ではありません。
②法改正に対応しているか
インボイス制度や電子帳簿保存法といった法改正に対応する請求書を作成できるかも大事な比較ポイントです。法改正に対応するシステムであれば、法律に則った書類を発行できるだけでなく、煩雑になりがちな請求業務を効率的に進められます。
③既存システムとスムーズに連携できるか
クラウド請求書システムを選ぶ際には、「既存システムとの連携」も重要な判断ポイントです。業務の自動化を目的にシステムを導入しても、既存システムと連携ができなければ手入力が必要となるため、必ず確認してください。人気製品であっても、既存システムとの連携が難しいものは候補から外すのが得策でしょう。
なお、請求書の発行数が多い場合には、API連携が可能なシステムがおすすめです。それほど多くないという場合は、CSVファイルのインポートでも問題なく処理することができます。
税理士
板山 翔のコメント
④業務フローとの相性は問題ないか
自社の業務フローとの相性も、クラウド請求書システムを選ぶ際のポイントといえます。現状の請求業務フローを踏まえた上で、新たにクラウド請求書システムを導入した場合はどのように業務を進めるのかをシミュレーションしておきましょう。
たとえば、請求書の発行前に上長承認が必要ならば、その流れも含めてシステム化することが大切。請求書作成・発行だけならば製品ごとに大きな違いはありませんが、業務フローにどう組み込むかによって選ぶべき製品が異なってくるので注意が必要です。
税理士
板山 翔のコメント
⑤セキュリティ面は安心できるか
クラウドサービスは高い利便性を持つ一方で、サイバー攻撃の潜在的なリスクを抱えているというのも事実。クラウド請求書システムでは取引先の情報を扱うことになるため、セキュリティ面も重要な要素です。多くのサービスが通信暗号化やアクセス権限設定などを通じてセキュリティ対策を行っていますが、内容はそれぞれ異なるので詳細をしっかりと確認しましょう。
また、セキュリティ対策に関する情報は多くのサービスが公開していますが、不明点や疑問点がある場合には問い合わせをするのがおすすめです。
以上、請求書システムの比較ポイントを解説しました。早速サービスを比較したい方は、別記事「おすすめの請求書作成・発行ソフトを比較【2024年最新】」もぜひ参考にしてください。
おすすめのクラウド請求書システム4選
ここからは、とくにおすすめのクラウド請求書システムを紹介します。いずれも多くの企業に導入されている人気製品で、操作性にも定評があるようです。導入する際はぜひ参考にしてください。
楽楽明細は、売上シェアNo.1を誇るクラウド請求書システムです。請求書をはじめ、納品書や支払明細といった帳票がオンライン上で作成・発行できるほか、CSV形式での明細情報送付やAPI連携、承認フロー、帳票レイアウトなど多彩な機能を実装しています。
利用料金は基本プランが初期費用10万円・月額利用料2万5,000円から(いずれも税抜)。これまでの導入実績は10,000社を超え(※2024年4月時点)、全日本空輸(ANA)や東映、テレビ朝日といった大手企業にも導入実績があります。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- ISMS
- Pマーク
- 通信の暗号化
- 見積書の作成機能
- 納品書の作成機能
- 請求書の作成機能
マネーフォワード クラウド請求書
マネーフォワード クラウド請求書は、見積書と納品書、請求書が簡単に作成・管理できるシステムです。手順に沿って項目を入力するだけで手軽に請求書が作成可能なだけでなく、メール送付や郵送もワンクリックで完了します。
入金状況も一覧で確認できるため、請求漏れや回収漏れの把握も手軽。シリーズ製品である「マネーフォワード クラウド会計」と連携すれば、売掛金の仕訳も自動連携が可能です。法人の利用料は月額3,980円(税抜)からとなっています。
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- クラウド(SaaS)
- ISMS
- 冗長化
- 通信の暗号化
- シングルサインオン
- 見積書の作成機能
- 納品書の作成機能
- 請求書の作成機能
BtoBプラットフォーム 請求書は、国内No.1シェアのクラウド請求書システムです。請求業務のペーパーレス化を叶えられるのが特徴で、請求書の発行側だけでなく請求先企業のデータ化移行にも対応。あらゆる規模の企業に導入されており、その数は66万社以上にのぼります。
利用料金は初期費用10万円から、月額利用料5,000円から(いずれも税抜)。電子帳簿保存法に沿ってデータを保存しているほか、万全のセキュリティ対策も安心できるポイントです。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- クラウド(SaaS)
- ISMS
- 冗長化
- 通信の暗号化
- IP制限
- 二要素認証・二段階認証
- シングルサインオン
Basix
Bill Oneは、請求書の発行・受領の両方に対応することが可能な、インボイス管理のための請求書ソフトです。インボイスを含む法改正に対応した業務フロー構築が可能で、請求書の授受に関する業務をまとめてデジタル化して効率化できます。
請求書の形式・方法に関わらずオンラインで受領でき、他部門とのコミュニケーションややり取りもまとめて効率化社内の既存システムとのスムーズな連携が叶うでしょう。
以上、おすすめのクラウド請求書システムを紹介しました。なお、個人事業主やフリーランスの方におすすめのサービスは、別記事「個人事業主向けのおすすめ請求書ソフト」で詳しく紹介しています。無料プランや無料トライアルから始められるサービスもありますのでぜひ参考にしてください。
まとめ
この記事では、クラウド請求書システムの概要や導入メリット、製品の選び方とあわせて、おすすめのクラウド請求書システムを紹介してきました。請求書の作成・発行から入金確認までのプロセスが自動化できるクラウド請求書システムは、請求業務の大幅な効率化に役立つシステムです。ペーパーレス化によるコスト削減が期待できるというのも魅力的なポイントでしょう。
PRONIアイミツでは、さまざまな条件で請求書システムを比較できます。導入実績のある業界・企業規模・使いたい機能などで絞り込み、あなたの会社に最適なサービスを探してみてください。
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板山 翔
板山翔税理士事務所代表
平成28年に日本初のオンライン専門の税理士事務所を開業。塾講師歴7年、大手WEBメディアで連載を持つなどの異色の経歴を持つ。5人以下の小さな会社の経営者へ向けて、様々なメディアで情報発信をしており、YouTubeチャンネル「税理士ショウの超わかりやすいビジネスQ&A」は動画27本で登録者4,000人近くと、急成長している。
税理士
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