人事評価の書き方とは?書く人別・職種別に例文や注意点をチェック!
人事評価でのコメントの書き方と注意点を解説していきます。「人事評価の書き方がわからない」「人事評価を活用して社員のモチベーションを上げたい」という方もいるでしょう。人事評価コメントの書き方を見直しながらチェックしていくことで、社員のモチベーションアップにつながります。また書き方のポイントに加えて、書く人別の注意点と例文を具体的に紹介していくため、役職によっての違いもお伝えします。人事評価のコメントにお悩みの方は最後まで読んでいってください。
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- そもそも人事評価シートとは
- 人事評価シートを書く目的
- 人事評価を書くときの注意点【上司・管理職の場合】
- 人事評価を書くときの注意点【自己評価の場合】
- 職種別に見る人事評価の書き方と例文
- 【まとめ】人事評価管理はシステムを使うと便利
そもそも人事評価シートとは
そもそも人事評価シートとは、従業員の人事評価が行われる際の評価項目、ならびにそれぞれの従業員が設定した目標を管理するために用意されているシートです。態度評価や能力評価、成績評価などを記すほか、所見欄にコメントを記入するのが一般的とされています。どういった点が評価項目となるのかは、職種によっても異なるでしょう。
人事評価シートを書く目的
従業員の人事評価や目標管理などが行われるのが人事評価シートですが、人事評価シートをわざわざ書く目的は何なのでしょうか。
従業員の成長をサポートする
人事評価シートは、従業員の成長をサポートする目的があります。
人事評価シートを上長に作成してもらい、評価項目ごとに自分がどのような評価を受けているのかを客観視できることによって、自分は何を改善したらいいのか、どのようなスキルを優先して学ぶべきなのかを把握することができます。
新たな目標設定や、「Aを伸ばすためにBに取り組もう」などといった行動の軸にもなり、従業員の成長スピードを早めることができるでしょう。
従業員のモチベーションを上げる
人事評価シートは、従業員のモチベーションを上げるためにも非常に重要です。
人事評価シートでは、自分がどのような評価基準で判断されているのか、評価項目ごとの自分のレベルはどれくらいかなどといったデータを客観的に把握することができるため、自分が次にどのような行動を取るべきなのか、どういったフローで成果をあげていくべきなのかなどを考える糸口にもなります。
どのように自分を成長させるべきなのかがわかり、主体的な行動を取れるようなモチベーションが上がるだけでなく、実際に成長して成果を上げられれば、評価につながってさらなるモチベーションアップにつなげられるでしょう。
評価の公平性を担保する
評価の公平性を担保することは、人事評価シートを作成する最大の目的と言っても過言ではないかもしれません。
従業員の人事評価は、そのまま毎月の給与や昇進などにつながっていきます。そのため、万が一評価が正しく行われなければ、従業員の間で不満が溜まっていくばかり。正当に評価されないためモチベーションが上がらないだけでなく、離職につながってしまうでしょう。
しかし、人事評価シートを活用することによって、具体的な数値や実際の成績に基づいて客観的な評価が下されるため、人事評価の透明性を上げたい場合にも非常に効果的です。
人事評価を書くときの注意点【上司・管理職の場合】
役職のついた上司や管理職からの人事評価コメントは、部下の査定や昇給などに直結しやすい部分です。適切な人事評価コメントの書き方や注意点を理解することで、部下だけではなく会社全体の利益につながります。ここでは、人事評価を書くときの注意点を上司・管理職の視点から紹介します。
具体的な数値で表す
成果や能力などを評価する場合、できるだけ具体的な数値をもとに人事評価コメントを書いていきましょう。定量的に記載することで、公正な評価を実現しやすく納得されやすいというメリットがあります。
特に営業職やエンジニア職など、成果が明確な数字で測れる職種については、具体的な数値目標と達成状況のコメントを意識することが重要です。また、数値だけではなく全体的に曖昧な言葉や抽象的な表現を避け、シンプルで簡潔なコメントを意識しましょう。
否定的な表現ばかり使わない
どれだけ能力や評価の低い部下でも、人事評価コメントではマイナスな表現ばかりを使用しないように注意しましょう。例えば、部下の失敗が重なっていたり成果が出ていなかったりすると、否定的な評価をすることも少なくありません。しかし、否定的な人事評価においては社員のモチベーションが下がる表現を避ける意識が必要です。
部下のモチベーション向上は、人事評価だけではなく上司としての目的の1つでもあります。人事評価では、必ずポジティブな点を見つけ、部下にとってプラスになる表現を使用しましょう。
ほかの社員との比較ばかりしない
人事評価には、他人と比較せずに客観的な目線でコメントを書くことを意識しましょう。なぜなら、人事評価制度は社員同士を比較するためではなく、社員一人ひとりと向き合って課題に対する目標達成を評価する制度だからです。
ほかの社員と比較されていると部下が感じると、評価された部下のモチベーションが下がるだけではなく、評価した上司の評価が下がる可能性もあるため注意しましょう。成果・能力・意欲の観点から、客観的で平等な人事評価を心がけることが大切です。
人事評価を書くときの注意点【自己評価の場合】
続いて、人事評価で自己評価コメントを書くときの注意点を解説します。人事評価では自己評価をもとに、上司や管理職が最終的な評価を決定することが一般的です。ここから紹介する注意点を意識して書くことで、自分の成果を自然にアピールできるでしょう。
なるべく前向きな表現を心がける
前向きな表現や言葉を意識して人事評価コメントを書きましょう。なぜなら、人事評価には円滑な組織を構築するという目的もあるからです。周囲と良好な関係性を作り上げるためにも、前向きな言葉での自己評価を意識しましょう。
失敗やミスが多く前向きな表現難しいときは、課題を解決するための前向きな意識を書くことで対策できます。言葉の力は大きく、普段からネガティブな言葉を使っていると上司からの印象も悪くなるため注意が必要です。
達成できたことは忘れずアピール
達成できた目標や成果は徹底してコメントでアピールするようにしましょう。万が一、上司が見落としてしまった評価は、人事評価として反映されないこともあります。そのため、自分の達成できたことは明確に示すことが大切です。できる限り客観的な目線で達成が伝わるように具体例や数字を用いることをおすすめします。
また定量化しづらい目標を設定すると、評価するときに判断しにくいことも少なくありません。そのため、目標を設定する段階で、明確な達成基準を定めることも重要です。
実際より少しだけ高く評価する
日本では「謙虚であることが正しい」というような風習がまだまだ残っています。そのため自己評価コメントについても、実績よりも控えめに記載してしまう方は少なくありません。高い評価をもらうためにも、実際より少しだけ高く評価する姿勢を持つのは大切です。
ただし、自己評価を実際よりも大幅に高く書いてしまうと、「自分を客観視できていない」というマイナスな評価につながる可能性もあるため、注意する必要があります。
問題点・改善点も書く
悪かった点を記載すると評価が下がるのではないかと考え、良かった点のみ記載してしまうことは少なくありません。しかし自己評価では、アピールだけではなく、問題点や改善点についても触れることがおすすめです。目標や課題を明確にした上で、次に自分が何に取り組むべきか、提示することができます。
問題点を洗い出し、原因を分析して改善点も記載すれば、高い評価につなげることも可能です。また、良い面も悪い面も含めて客観的な自己評価をする姿勢も示せるでしょう。
職種別に見る人事評価の書き方と例文
ここからは、人事評価の書き方を実際の例文として紹介していきます。職種や業種、人事評価コメントを書く役職別に紹介するので、ご自身の職業や立場に当てはめながら参考にしてみてください。職種や役職によって書き方が異なることが理解できるでしょう。
事務職の場合
事務職は、会議資料や書類の作成、経理業務から来客対応まで、幅広く社内全体の仕事をサポートする役割の職種です。事務職は営業職やエンジニア職などと異なり、数字で表現できる目標が少なく成果を定量的に表現しにくいため、特に人事評価が難しい職種です。自己評価コメントでアピールする場合も、事前に目標を設定し数値化しやすくしておくことを意識しましょう。
上司・管理職の例文
日々の業務を同じように進めるのではなく作業の自動化や効率化など、試行錯誤しながら進めており、課題であった残業時間削減への改善意思が見られる。結果として、部署全体で目標としていた決算月での残業時間30時間以内を20時間以内と大幅に短縮できたため、業務効率化の面で高評価としたい。また個人目標として設定していた業務効率化でも、マクロの挿入が日々の入力業務や仕訳業務でのミスを防ぎ、部署全体の生産性向上に貢献してくれている。
自己評価の例文
日々のルーティン化した業務を自動化するために、部署内で定期的にミーティングを行いました。データの入力ミスや修正業務により残業が発生するという課題を解決するために、マクロ機能を活用して部署内で共有。その結果、個人で目標としていた残業時間よりも2分の1の時間で仕事を終わらせることに成功しています。データ入力業務と仕訳業務では効率的に仕事はでき結果も出せたが、後輩の教育にも時間を割けなかったため今後の課題にしたい。
保育士の場合
保育士は、一般的に保育所などの児童福祉施設において、子どものお世話や安全確保を行いながら保育を行います。具体的な数値で表現するのが難しい仕事であるため、日々の業務をチェックし、定量化できる目標をあらかじめ設定しておくことが大切です。ここからは、保育士における上司・管理職の評価と自己評価コメントの例文をそれぞれ紹介していきます。
上司・管理職の例文
日頃から通常業務における、保護者との連絡帳の交換・スケジュール管理・子どもたちの安全管理を自立して滞りなく行えている。子どもの送り迎えの際は、保護者とのコミュニケーションによって子どもの成長や小さなトラブルなどの情報共有を行い、信頼関係の構築とトラブル防止に努めている。お遊戯会の準備では、前年の課題であった準備遅れを改善するためのチェックリストを作成してくれたため、通常業務へ支障が出なかったことを評価している。
自己評価の例文
通常業務に加え、保護者や先輩保育士ともきちんとコミュニケーションを深めて業務を遂行することができた。細かなトラブルや子どもの成長を忘れないためメモに記録して、保護者に伝えることができたため、感謝の言葉をいただけた。イベント準備では、昨年度の反省を活かして明確な役割分担を行い、スムーズに行事を終えることに成功しました。今後は、園内の安全確保という課題解決のため、チェックリストを作成するなど安全面からの改善を行いたい。
看護師の場合
看護師は、医療現場で傷病者や妊産婦のサポート、診療や入院の補助を行っています。看護師の仕事は、患者によって仕事内容が変化する場合も多く、具体的な数値で目標や成果を自己評価するのが困難になることも少なくありません。そのため、定量化できる目標をあらかじめ定めておくと、スムーズに人事評価ができます。ここからは、看護師における上司・管理職の評価と自己評価コメントの例文をそれぞれ紹介します。
上司・管理職の例文
日々のルーティーンワークでも手を抜かず丁寧に遂行してくれているため評価できる。目標に設定していた業務のフローチャート作成では、上司のフォローも必要のないほど高い完成度で作成できていた。また、突発的な業務の発生時には、慣れない部分もあるなか真摯に仕事に取り組んだ姿勢を評価したい。これからは、日々の業務に加えて月間目標や週間目標を定め、さらなるステップアップを目標にしてもらいたい。
自己評価の例文
患者様のサポートを第一に、誰にでも平等な対応を意識しながら日々介助している。結果として業務上の情報共有が多くなり、コミュニケーションのミスによる時間のロスや業務のやり直しを大幅に削減できた。問題解決のスキルや対応力が上がっていることも実感している。ただし、突発的な業務が発生したときの対応に時間がかかってしまい、患者様に迷惑をかけてしまった。今後は突発的な業務が生じたときは、複数人で対応できるように工夫したい。
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公務員の場合
公務員といってもさまざまな職種と仕事内容があります。例えば、事務職・技術職・専門職・現場職など多くの人が働く場所であるため、役割意識を明確にすることが大切です。事務職員は企業の事務職と同様で成果を数値化しづらいため、事前に数値化できる目標の設定をおすすめします。担当した仕事のスピードや貢献度を言語化して管理すると人事評価コメントに反映しやすいでしょう。
上司・管理職の例文
毎日のルーティン業務は、ミスなく仕事をこなせており、以前より業務量や業務スピードが向上したことを評価したい。また、部署のコスト削減を目標に掲げていたが、まだまだ周知段階として課題があった。しかし、目標設定から行動までのスピードを意識し、部署内で素早く行動できたため課題の全体共有に貢献できたと評価している。今後は、実行によるコスト削減を解決に近づけるために、業務フローやマニュアル作成などの実務に期待したい。
自己評価の例文
今期は、〇〇区の取り組みとして、コピー用紙の20%削減を目標に掲げており実際に達成できた。具体的な取り組みとして、両面印刷の周知に力を入れていたが、社員によっては守られていないこともあった。そこで、各部署内での周知徹底とコスト削減に力を入れたことが成功した要因だと実感している。今後は、データ入力業務を効率化するためにパソコンのマクロ導入やチェックリスト作成を目標に設定し、部署全体で取り組みたい。
営業・販売職の場合
営業・販売職は、顧客やクライアントへの対応が主な業務になるため、取引実績や販売実績などの数字での結果に注目されやすく、ほかの職種よりも数字を中心とした人事評価を記述しやすいことが特徴です。そのため、具体的な数値をもとに、前向きな表現の人事評価コメントを意識しましょう。成果を出せなかった場合、原因を分析して具体的な改善点をコメントしましょう。
上司・管理職の例文
販売時、顧客のニーズを第一に考えて臨機応変に対応できていたことを評価したい。部署全体の売り上げ目標達成率120%という好成績にも貢献してくれた。またチームやクライアントとのコミュニケーションも円滑にできるように工夫して、具体的に共有してくれた点も評価したい。しかし新規顧客獲得と新商品の販促目標が達成できなかったため、次年度の課題としたい。早い段階での新人教育を意識し、販促活動に集中できることを期待している。
自己評価の例文
今年度の売り上げ目標達成率は120%であった。顧客への案内や単価アップへの取り組みが成果につながったと考えている。ただし、新規の顧客獲得は目標設定していた10件に対して8件と未達成に終わってしまった。既存顧客対応と新人スタッフ対応に時間を割いてしまい、新規顧客獲得に対する活動が疎かになったことが原因だと考えている。次年度は目標の設定を高めるとともに、チーム全体で新規顧客獲得に対する活動を行っていきたい。
マーケティング職の場合
マーケティング職は、会社が事業を継続するために必要な売り上げや利益目標に応じて、市場調査やプロモーション施策を企画・実行する職種です。業務内容が幅広くなるため、成果を数値として確認できる広告や企画などの場合は、数値をもとにした人事評価コメントを意識しましょう。一方、業績としてわかりにくい場合には、プロジェクトでの役割や貢献できた業務を記載しましょう。
上司・管理職の例文
新商品のプロジェクト企画では、リーダーとしてメンバーをまとめ、自社のWebサイトの閲覧数を前年度より10%増加させるという結果を出したことを評価している。またプロジェクトに関する業務だけではなく、後輩の育成やマニュアル作成も行っており、貢献度の面でも評価したい。今後は現在企画している新サービスによって女性顧客の増加を見込んでいるため、市場調査による効果の高いマーケティング企画を期待している。
自己評価の例文
プロジェクト企画については、マーケティングのチームリーダーとしてWebサイトのプロモーションと広告運用により、自社Webサイトの閲覧数を前年度より10%増加させることに成功した。これまでにリーチできていなかった潜在顧客に対する施策によって高い効果を得られた。今後はデータ分析のスキルを活かして、新サービスのプロモーションで改善可能なポイントを洗い出し、売り上げ増加にも効果的なプロモーションを企画したい。
エンジニア職の場合
エンジニア職も営業・販売職と同様で、比較的成果を定量化しやすい職種です。例えば、開発件数やコスト削減できた数値や、製品の品質の値などを人事評価コメントとして利用できるでしょう。また、エンジニア職は成果だけではなく開発におけるスキルアップや資格取得を目標に設定し、達成できたかどうかを明確にしたコメントもおすすめです。
上司・管理職の例文
システム開発プロジェクトのテスト工程で作業工数が多いという課題に気付き、新しいテスト手法を導入してくれた。その結果、作業工数を10%削減できたことを高く評価している。また自主的に日々の業務を効率化するためのしくみを構築し、営業部との連携により新案件への開発スケジュールを共有しやすくなるなど具体的な施策で貢献してくれた。今後は、エンジニアとしてスキルアップするための資格取得にも期待している。
自己評価の例文
システム開発におけるテスト工程では、新しいテスト手法を構築し、作業工数を10%削減できた。部署内で課題として挙がっていた営業部とのスケジュール連携不足の課題を解決するために業務フローの見直しを行った。その結果、営業部が獲得してきた新規案件のスケジュールを社内全体で把握することに成功。次期の残業時間削減にも貢献できると考えている。今後は課題であったエンジニアとしてのスキルアップを目標に、3月に実施される資格試験の受験を行う。
【まとめ】人事評価管理はシステムを使うと便利
人事評価コメントは、職種や立場によって書き方が異なりますが、具体的な数値で表現して客観性を持たせることはすべての職種に共通するポイントです。人事評価は、対応する管理者や社員によって基準が曖昧になりやすく、明確な基準を設けなければ結果的に大きなコストが発生してしまいます。課題が多い方は、人事管理システムを導入して、コスト削減や業務効率の向上を実現可能です。
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