FAQシステムとは?機能や導入メリット・デメリットのほか選び方も解説【2024年最新版】
FAQシステムは、ユーザーの利便性向上による顧客満足度の改善や業務効率化に役立つツールです。さまざまな機能を持つシステムが各社から提供されているため、導入にあたってはしっかりと比較・検討する必要があります。
そこで本記事では、FAQシステムの概要や種類、導入メリット・デメリット、システムの選び方などをまとめて解説していきます。FAQシステムに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
FAQシステムとは
FAQシステムとは、問い合わせ頻度の高い質問に対する回答の作成・公開を通じて利用者の自己解決をサポートするシステムです。外部の顧客向けや社内向けなど目的別のシステムが各社から提供されています。
利用者は検索機能によって自身の疑問解決に役立つ情報をスピーディーに探し出せるため、顧客満足度の向上や業務効率化に役立てられています。中には分析機能を持つFAQシステムも存在しているため、状況やニーズに合わせて選ぶことが可能です。
ここからは、FAQシステムの種類について解説していきます。
ユーザー向けFAQシステム
ユーザー向けFAQシステムは、一般消費者の利用が想定されたFAQシステムです。Webサイト内にFAQ専用のページを設け、問い合わせ件数の多い質問・回答を掲載するのが一般的で、ユーザーは自身の疑問・不明点に関する内容を手軽に検索できるため、問い合わせの手間を軽減させられます。
導入する際は「検索しやすい・分かりやすい」システムの構築を意識するのがポイント。スムーズに疑問を解決できれば、顧客満足度向上への貢献も期待できます。
社内のヘルプデスク向けFAQシステム
社内のヘルプデスク向けFAQシステムは、ヘルプデスク業務の負担軽減を目的に導入されいるFAQシステムです。システム不具合やOA機器の設定方法、各種手続きの申請方法などヘルプデスクに寄せられる問い合わせ内容とそれに対する回答を作成・公開します。
質問に対する回答を社員が検索できるため、ヘルプデスクへの問い合わせ件数の低減が可能。スピーディーに問題を解決できれば質問者側の業務への支障も抑えられるので、社内全体の業務効率化につながるでしょう。
コールセンター向けFAQシステム
コールセンター向けFAQシステムとは、コールセンターのオペレーター向けのFAQシステムです。FAQの内容は事業内容や業務内容によって異なりますが、電話応対の基本的なマニュアルや問い合わせ対応のフローチャートなどが掲載されるのが一般的とされています。
顧客や取引先からの問い合わせに正確に回答するために活用されており、対応件数の向上が期待できます。
チャットボットと異なるポイント
チャットボットとは、ユーザーからの質問に対して自動で回答するシステムです。AIが質問を解析して回答するものや、提示された選択肢を選んでいくと回答が表示されるものがあり、会話形式でやりとりが進むことから疑問点を言語化できないユーザーを誘導しやすいとされています。
一方でFAQシステムは利用者が自身で質問・回答を探し出せるため、疑問・不明点が明確な場合は即時で回答を得られるのが特徴です。また、FAQシステムは表や画像の挿入も可能なので、複雑な質問にもわかりやすい内容を作成できます。
FAQシステムの機能
FAQシステムには、顧客満足度の改善や業務効率化につながるさまざまな機能が実装されています。ここからは、各機能について詳しく解説します。
データの一元管理
FAQシステムでは、ユーザー属性や過去の問い合わせ履歴、購入履歴のほか、問い合わせ対応のルールや商品の取り扱い方法など幅広い情報の一元管理が可能です。
コールセンター向けFAQシステムなら、顧客や商品・サービスの情報を一元管理することで、スピーディーな対応の実現による業務効率や顧客満足度の向上への効果が期待できるでしょう。
ナレッジ構築
ナレッジ(知識・情報)の構築も、FAQシステムの代表的な機能の1つです。FAQシステムを使わずにWebサイトに「よくある質問」を掲載する場合は更新するためにHTMLやCSSの知識が求められますが、FAQシステムを導入すれば専門知識がなくても比較的短期間でFAQページを作成できます。
スピーディーにナレッジを構築・運用できれば、より多くの顧客の疑問のスムーズな解消につながり、顧客満足度向上が近づくでしょう。
検索
検索機能を備えている点も、FAQシステムの大きな特徴です。Webサイトに「よくある質問」としてFAQを掲載する場合は、検索機能があればユーザーはよりスムーズに疑問・不明点を解消できます。社内向けFAQシステムであっても、スムーズな自己解決につながるでしょう。
FAQシステム上での検索方法は、キーワード入力やカテゴリー・タグ選択などさまざまです。検索する側の目線をもって、検索しやすい方法を採用することをおすすめします。
FAQシステムを導入するメリット
FAQシステムは、導入する企業とその顧客の双方にメリットを与えるものです。ここからは、FAQシステムの導入によって期待できるメリットについて解説します。
顧客満足度が上がる
FAQシステムのあるWebサイトでは、顧客が自ら疑問・不明点を検索することが可能です。その結果スムーズに回答が得られるだけでなく、電話やメールによる問い合わせの手間も削減できます。最小限の手間で疑問・不明点を解消できれば、おのずと顧客満足度も向上するでしょう。
また、コールセンター向けFAQシステムの導入には、オペレーターの応対品質・スピード向上が期待できます。問い合わせ窓口は電話がつながりにくく、顧客の不満につながるケースも少なくありません。スピーディーな対応によって回線の混雑を解消できれば、顧客の待ち時間短縮も叶うでしょう。
対応品質が改善される
コールセンター では複数のオペレーターが業務を担っており、それぞれの知識や経験の差によって応対品質に開きが生まれる可能性が高いと言えます。FAQシステムを導入すれば、対応マニュアルやフローチャートを部門で共有できるため、オペレーターの経験やスキルに左右されず標準化された対応が叶うでしょう。
さまざまな問い合わせが寄せられるコールセンターにおいて、個人がすべての質問に回答できる知識を身につけるのは困難です。回答スピードと正確性の向上によって対応品質の向上を図りたいという場合にも、FAQシステムはぴったりのツールと言えます。
業務効率化によって負担が減る
業務効率化にはさまざまなケースが想定できます。たとえばオペレーター向けFAQシステムの場合は、問い合わせへのスムーズな対応によって業務効率化が促進できます。また、Webサイトにユーザー向けの「よくある質問」を掲載すれば、コールセンターへの問い合わせ件数が減少すると考えられます。オペレーターの業務負担の軽減によって、場合によってはオペレーターの人員削減も可能です。
そのほかにも、社内向けFAQシステムを導入すればヘルプデスク担当者の業務工数の削減も図れます。
24時間体制で対応できる
時間を問わずユーザーが疑問・不明点を解消できるのも、FAQシステムを導入するメリットです。電話やメールの問い合わせ窓口を24時間体制で運用するには相応の人員・コストが必要となりますが、FAQシステムなら夜間や休日であっても質問・回答を提示できます。
商品・サービスに関する疑問や問題がスムーズに解消できなければ、ユーザーは他社へ乗り換えてしまう可能性があります。24時間体制でユーザーの疑問に回答できるFAQシステムは、顧客離れの防止という面でも役立つでしょう。
FAQシステムを導入するデメリット
さまざまなメリットが期待できるFAQシステムですが、デメリットが存在しているのも事実です。ここからは、FAQシステム導入のデメリットについて解説します。
導入・運用にはコストがかかる
FAQシステムの利用にあたっては、初期費用や月額費用、サーバー構築費用などが発生します。月額料金は導入するFAQシステムの種類や機能によって変動し、数十万円の支払いが必要なケースも多いようです。
コスト面での問題を解消するには、FAQシステムにかけられる予算や必要な機能、利用目的などを事前に明確にしておくことが重要。複数のFAQシステムの特徴・強み、機能構成、価格などを比較した上で自社に適したシステムを選びましょう。
メンテナンスし続ける必要がある
FAQシステムを運用する中では、定期的なメンテナンス(FAQコンテンツの改善)が必要不可欠です。Webサイトに掲載されている「よくある質問」の内容が古い場合は、ユーザーに不信感を与えてしまうおそれがあります。万が一、マニュアルの内容に誤りがあるまま実務への活用を続けてしまえば、企業としての信頼を失う可能性も否定できません。
そうした事態を防止し、ユーザーに正しい情報を提供するためにも、FAQシステムは定期的にメンテナンスしなければなりません。
システムの利用を浸透させなければならない
FAQシステムを導入・運用する際は、その存在を利用者へ周知する必要があります。特に社内で使用する場合は、仕組みや利用方法を全社へ伝えることが大切です。まずはFAQシステムの利用をサポートする担当者を配置した上で、全社メールや社内報などを通じて情報を発信しましょう。社員から意見を集め、より使いやすいFAQシステムへ改善していけば、社内での活用が定着するはずです。
FAQシステムを導入しても、使われなければ意味がありません。業務効率化を叶えるためには、システムの利用を浸透させる方法も考えておきましょう。
FAQシステムの選び方
実際にFAQシステムを導入する際には、どのような点を意識して選ぶべきなのでしょうか。ここからは、FAQシステムの選び方について詳しく解説します。
検索機能の種類をチェックする
まず着目すべきなのが、検索機能の種類です。
<主な検索機能>
・サジェスト検索機能
入力されたキーワードに応じて回答を表示する方法
・自然文検索機能
入力された文章(話し言葉)を分析して回答を表示する方法
・カテゴリー検索機能
FAQをカテゴリーごとに分類し、カテゴリー選択によって回答を表示する方法
・タグ検索
FAQに設定したタグの選択によって回答を表示する方法
このほかにも、設問の分岐や検索サイトへの表示、ランキング表示など、FAQシステムによってさまざまな検索機能が実装されています。
FAQコンテンツを作成しやすいかチェックする
コンテンツを作成しやすいか否かも、FAQシステムを選ぶ際の重要なポイントです。FAQシステムにはさまざまなコンテンツ作成機能があり、代表的な例として以下があげられます。
・手順にそって質問と回答を入力すると簡単にFAQを作成できるシステム
・CSVファイルのインポートでFAQを登録でききるシステム
・FAQデータをアップロードすると自動で検索用タグが設定されるシステム
たとえば、すでにExcelでFAQを運用しているならCSVファイルのインポート、はじめてFAQを作成するなら入力するだけのシステムなど、状況に合わせてシステムを選ぶとよいでしょう。
連携やカスタマイズ性をチェックする
FAQシステムは外部システムとの連携も可能です。中でもチャットボットとの連携がおすすめで、選択肢が表示される形式であれば「疑問をうまく言語化できない」「知りたいことが明確じゃない」というユーザーを回答へ誘導しやすいと考えられます。
ほかにもCRM(顧客管理システム)やCTI(電話・FAXとコンピューターの統合システム)との連携可否も確認すべきポイントの1つ。これらとFAQシステムを連携させれば、顧客情報や対応履歴の管理に役立てられます。
また、中には質問の表示数やロゴなどを利用企業側で変更できるシステムも。カスタマイズ性の有無も必ず確認しましょう。
メンテナンスしやすいかチェックする
FAQシステムはコンテンツの定期的な更新が必要なツールのため、メンテナンスのしやすさも大切な選定ポイントです。「解決率の低いカテゴリーを把握できる」「改善が急務のFAQが提示される」「検索ヒット率を分析できる」など、問題点の把握・メンテナンスに役立つ機能の有無を事前に確認しましょう。
FAQのメンテナンスにあたっては、利用者の問題がきちんと解決されているか否かに着目する必要があります。改善をサポートする機能を実装しているFAQシステムなら、業務負担を抑えられるのではないでしょうか。
まとめ
本記事では、FAQシステムの概要や種類、機能、選び方のポイントなどを解説してきました。FAQシステムは顧客や取引先、自社の社員などへの情報提供を通じて、顧客満足度や業務効率化を図るツールです。導入にあたっては、メリットだけでなくデメリットも理解した上で目的に合わせて選びましょう。
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