IP電話で市外局番を使う方法・メリットとは?活用ポイントも紹介!
IP電話をビジネスで活用したいが、一般的な市外局番の電話番号を使えなくなるのはちょっと……とIP電話の導入を躊躇している方も多いのではないでしょうか。しかし、050から始まる番号のイメージが強いIP電話ですが、実は市外局番を使うことも可能です。
そこで本記事では、IP電話を導入したいが050番号は使いたくないという企業に向け、
- IP電話で市外局番を使う方法
- IP電話の番号種類別に見るメリットとデメリット
- IP電話で市外局番を利用する際のポイント
などを中心に解説していくため、IP電話の導入を検討しているという場合はぜひ参考にしてください。
IP電話と固定電話の違い
IP電話で市外局番を使用する方法を解説していく前に、IP電話と固定電話では何が違うのかを確認しておきましょう。
IP電話とは
IP電話とは、(Internet Protocol・インターネットプロトコル)を活用した、つまりはインターネット回線を利用した電話回線のこと。基本的には、一般的な固定電話の市外局番にあたる部分が「050」となりますが、iPhoneのFaceTimeやLINE、Skypeなどのような通話アプリケーションを利用したIP電話サービスの場合、050番号を持たなくとも通話が可能です。基本料金や通話料金が固定電話に比べて非常に安価であることから、ビジネスにおいてさまざまなシーンで利用されています。
ビジネスフォンを用意しなくとも、スマートフォンなどを用いて利用できるため、イニシャルコストもなるべくカットしたいという場合にはうってつけと言えるでしょう。
固定電話とは
一般的にIP電話と比較される場合の固定電話とは、NTTが提供しているアナログ回線で接続された電話のことを指します。
アナログ回線でもダイヤル型とプッシュ型の2つに分けることができ、ダイヤル回線とは黒電話で活用されている方式のこと。ダイヤルを回して発生した電流の長さ・強さをもとにして電話番号を特定します。一方現在の主流であるプッシュ回線は、数字が書かれたボタンを押すだけで電話をかけられる方式です。
東京都であれば「03」など、市外局番から始まる10桁の番号であるのが特徴で、引っ越しなどで発信場所が変わらない限りは、通信回線が変わったとしても電話番号が変わりません。
通信が安定しており災害時など電源のない場合でも使用できるのが大きなメリットですが、導入する際の費用や通話料金はIP電話よりも高額。固定電話の契約に必要な電話加入権を新たに購入した場合、初期費用として3万5,000円ほどかかってしまいます。
ちなみに、固定電話であっても光回線(インターネット回線の1つ)を用いたものはIP電話に区分されることを覚えておきましょう。
IP電話と固定電話の違い
IP電話と固定電話の特徴について説明してきましたが、それぞれどのように異なるのかを改めて確認しておきましょう。まずもっとも大きな違いとしてあげられるのが、導入費用や利用料金の差です。
先ほどにも述べている通り、固定電話の場合は電話加入権代もかかることから、初期費用として3万円以上するのが一般的です。また専用の固定電話機を導入する必要もあるため、もしもビジネスフォンなどのデバイスが用意できていないという場合にはさらに費用がかかってしまうでしょう。しかしIP電話であれば、同じプロバイダー同士であれば通話料金がかからないだけでなく、その通話料金が基本料金に関しても非常にリーズナブルです。
IP電話の種類別のメリット・デメリット
IP電話と言ってもその種類はさまざま。基本的には、0AB-J型I・050型I・電話番号不要型に分けることが可能です。ここからは、IP電話の種類別にメリットとデメリットについて紹介していきます。
0AB-J型IP電話のメリット・デメリット
0AB-J型IP電話とは、ひかり電話に代表される光回線を用いたIP電話のこと。ADSL回線を用いた一般的なIP電話よりも安定性や通信速度などが優れており、通話品質が高いのが大きなメリットです。0AB-J型IP電話であれば市外局番を利用できます。
市外局番が頭についた10桁の番号を利用できるため、IP電話ではかけることのできないフリーダイヤルなどにもかけることが可能です。
しかしあくまでもIP電話であることから、インターネットの通信状況にどうしても左右されてしまう点がデメリットでしょう。
050型IP電話のメリット・デメリット
050型IP電話は、IP電話の主流とも言える一般的なものです。050から始まる11桁の電話番号が割り当てられ、スマートフォンなどデバイスを問わず利用できるのが大きなメリット。基本料金・通話料金ともに非常にリーズナブルなだけでなく、同じプロバイダー同士であれば通話料金がかからないのもうれしいポイントでしょう。
しかし、ひかり電話などに代表される0AB-J型とは異なりフリーダイヤルなどにかけることはできません。加えて、インターネットの回線状況が安定していれば問題なく通話ができますが、回線状況が不安定の場合には通話品質が著しく低下してしまいます。
電話番号不要型IP電話のメリット・デメリット
電話番号不要型IP電話は、名前の通り電話番号を持たないIP電話サービスです。ビジネス利用というよりもプライベートで利用する場合が多く、LINEやFacebookメッセンジャーなどに代表されるアプリケーションが例にあげられます。
VoIP(Voice over IP)技術を用いており、インターネット上の仲介サーバーを通じ、音声をデータに変換することによって通話が可能です。
一般的な固定電話や0120などにかけられないだけでなく、同じアプリケーションを利用していなければ通話することができません。また0AB-J型・050型と同様に、通話品質はインターネットの回線状況に左右されてしまいます。
050型IP電話アプリのメリット・デメリット
IP電話を導入する場合、050型のIP電話アプリが利用されることが多いですが、050型IP電話アプリにもメリット・デメリットがあります。メリットとしてあげられるのは、気軽に導入できるというポイントでしょう。初期費用・月額費用をともに抑えながらも導入できるため、費用面を抑えたいという場合にはうってつけです。
しかし0120や110、119などの緊急電話にはかけられないほか、市外局番から始まる一般的な電話番号よりも信頼度が低下してしまうなどといった点がデメリットです。
IP電話で市外局番を使う必要性
ここからは、IP電話でありながらも市外局番を使う必要性について確認していきましょう。
050番号より信用度が高まる
IP電話でありながらも市外局番を使うことによって、一般的なIP電話の050番号よりも信用度を高められます。ビジネスで電話番号を利用するという場合には信用問題にも配慮しなければなりません。
050番号は信頼できないというわけではありませんが、ビジネスで使用する番号となると、市外局番から始まる番号の方がどうしても信用が高いのも事実。ビジネスでは相手から信用してもらうことがとても重要なので、IP電話であっても市外局番から始まる0AB-J型IP電話を利用するといいでしょう。
名刺に電話番号を記載する際にも、市外局番から始まる番号であれば違和感を与えません。
安定した回線を利用できる
IP電話でありながらも市外局番を使うことによって、安定した回線を利用できるという点も重要です。IP電話はインターネット回線を用いるため、通話品質がネット回線の状況に左右されてしまいます。ネット回線の状況によっては、つながらないなどのトラブルに見舞われてしまうかもしれません。
しかし市外局番を利用できる0AB-J型IP電話の場合、一般的なIP電話よりも通信が安定しているのが大きな特徴。光回線を通じて通話できるため、安定性・通信速度ともに優れています。
通話品質に厳しい規定が設けられていることから、通話品質が保証されていると言っても過言ではありません。050型のIP電話の場合には通話品質に規定が設けられていないため、0AB-J型よりも通話品質が劣ってしまう可能性が高いでしょう。
事業者の乗り換えがしやすい
IP電話でありながらも市外局番を使うことによって、事業者を乗り換えやすいというのも非常に重要なポイントです。
050型のIP電話の場合、電話番号が割り当てられるのはプロバイダーごと。つまりプロバイダー(事業者)を乗り換えると、これまでに使っていた番号は使えなくなります。現在固定電話回線を利用しており、IP電話に乗り換えたいという場合にも、050型にする場合にはこれまでの番号が使えません。会社の電話番号を変えるとなると、何かと不便なことも多いのではないでしょうか。
0AB-J型であれば、市外局番のついた番号であっても使うことができるため、これまで使用してきた電話番号をそのまま使い続けることが可能です。
緊急通報電話が使える
IP電話でありながらも市外局番を使うことによって、緊急通報電話にも使うことが可能です。050型のIP電話や電話番号不要型の場合、110・119などの緊急通報電話番号にはかけられません。しかし市外局番を利用できる0AB-J型の場合には、110や119であっても発信ができます。
110などの緊急通報電話番号にかける機会は少ないかもしれませんが、万が一の事態をふまえた上で検討するべきでしょう。
フリーダイヤルに電話ができる
IP電話でありながらも市外局番を使うことによって、0120から始まるフリーダイヤルにも発信ができます。何かサービスに関するお問い合わせをしたい、コールセンターに問い合わせたいなどと言った場合には、0120から始まるフリーダイヤルに電話をかけることも多いでしょう。しかし、050型のIP電話や電話番号不要型のIP電話の場合、フリーダイヤルに発信ができません。
フリーダイヤルに発信する機会は多いとは言えませんが、できれば発信できた方が便利なもの。フリーダイヤルにも電話をかけたいという場合には、0AB-J型のIP電話を使用して市外局番つきの番号を利用するといいでしょう。
IP電話で市外局番を利用する際のポイント
ここからは、IP電話でありながら市外局番を利用する場合のポイントを紹介していきます。
課題を明確にし、必要な機能を選別する
IP電話を利用する際には、どの企業に対しても0AB-J型がおすすめというわけではありません。なぜなら、それぞれの企業によってなぜIP電話を導入するのか背景が異なるからです。
例えば、通話料金が膨らんでしまったことをきっかけにIP電話を導入するという場合には、光回線を利用して電話番号をそのまま使い続けても、費用面のメリットはあまり大きくありません。コストカット重視なら、050型のIP電話サービ紙を利用するべきです。
しかしIP電話を利用しながら、通話品質も重視したいという場合には0AB-J型がおすすめと言えます。
目的や用途に応じて番号を使い分ける
IP電話を利用する際には、目的や用途によって番号を使い分けることも非常に重要です。
例えば、複数拠点における通話料金をリーズナブルに抑えたいという場合、わざわざ光回線を用いた0AB-J型のIP電話を導入する必要はありません。050型であれば同じプロバイダー同士が無料であるため、全社で導入することにより通話料金がかからなくなります。
一方で、社内外を問わず電話を使用するため音質は妥協できない、しかしアナログ回線よりも通話料金を抑えたいという場合には、0AB-J型でこれまでと同様の電話番号を使い続けるといいでしょう。
まとめ
今回は、IP電話でも市外局番を利用できるということを中心に、0AB-J型・050型・電話番号不要型それぞれのメリットとデメリット、IP電話で市外局番を利用する必要性などを解説してきました。
IP電話は、アナログ回線で通話するよりも通話料金や基本料金などを抑えられます。費用面で課題を抱えているなら、非常におすすめといえるでしょう。
なお、自社にマッチしたIP電話をお探しの場合は、ぜひPRONIアイミツをご利用ください。
プロが条件に合ったサービスを選定します!