業務改善提案とは?方法や提案書の書き方、成功事例を解説

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この記事では、業務改善提案の基礎知識と業務改善提案書の書き方についてを中心に、具体的な事例を交えながら解説します。現在、会社内や部署内で業務改善や提案をしなくてはならないが、具体的な方法がわからない、またはどのような提案をすべきか悩んでいるという方はぜひ参考にしてみてください。

業務改善提案とは

業務改善提案とは経営の健全化のために「業務の改善」を提案することです。業務改善を進める際のポイントは、次の3つです。

Q:Quality(品質)
C:Cost(費用)
D:Delivery(納期)

高品質の商品(サービス)を低コストかつ短いスパン(正しい納期)でお客様に提供することで、利益の確保と向上につながります。このQCDの特に品質を向上させるために、必要な要素が4Mと呼ばれる以下のポイントです。

Man:従業員・社員
Material:資材・材料
Machine:設備機器・社内設備
Method:作業方法・マニュアル

製造業などで特に重要視されるQCDと4Mですが、製造業以外でも業務改善を進めるために一つひとつ把握しましょう。

業務改善の主な方法は3つ

業務改善の方法は主に以下の3つです。

業務効率の見直し

業務効率を見直す際のポイントは3Mと呼ばれる「ムリ・ムダ・ムラ」の発見と改善です。この3Mの発見と改善は業務改善の核となる部分ですので、丁寧に進めていきましょう。業務効率を見直すにあたって欠かせないのは、どの仕事にどのような項目や手順、コストが掛かっているのかを把握することです。チェック項目は多岐に渡りますが、できる限り詳細に小さな作業まで網羅することで、業務改善がより効果的に進められます。この方法を採用することで、業務の属人化や一人ひとりの作業量も把握できるため、人材的なリスクや課題の洗い出しと解決を同時に進めやすくなります。

生産性の向上

業務効率を見直したら、次に取り組むのが生産性の向上です。生産性とは、投資に対してどれくらいの結果を得たのかを測る基準となるものです。業務改善における生産性向上への取り組みには以下が挙げられます。

  • 適切な人員配置
  • 設備投資
  • 業務の効率化のためのソフトウェアの導入
  • コア業務以外のアウトソーシング
  • 業務内容の見直し
  • 勤務時間や働き方の見直し

このような方法で課題解決を進めることで、業務負担を軽減しながらも生産性の向上につながります。

コスト削減

業務効率の改善策やそれをさらに進めるための生産性向上策を提示したあとは、コスト削減できるところはないかを精査しましょう。課題解決のためにはコストを掛けるだけでなく、不要になった作業やシステム、稼働時間などの見直しも重要です。例えば、コア業務以外かつ業務量が時期により変動する業務のアウトソーシングをすることで、人件費の流動化が可能になり、専門性が高い業務であればより高い費用対効果と社員教育の適正化(スリム化)も期待できます。

業務改善提案を行う際の考え方・やり方

ここからは、上記でご紹介した内容を実際に提案するにあたって必要な考え方ややり方について詳しく解説します。

  1. 現状の課題を洗い出す
  2. 改善項目は定量で設定する
  3. 関わる部署との合意形成を行う
  4. スケジュールの明確化

1.現状の課題や改善の可能性のある項目を徹底的に洗い出す

業務改善提案書を作成するときには、業務の課題や改善の余地があるものを洗い出すことからはじめます。ブレインストーミングと呼ばれる複数人で柔軟にラフに意見やアイデアを出し合う方法で、まずは課題となりうるものを集めましょう。この段階では、課題やアイデアの精度よりも量を重視し、アイデアが集まってきたらそれぞれのアイデアの関連性や課題そのものの重要度などを加味して順番にまとめる必要があります。

2.定量的にはかれる要素を改善項目にする

業務改善の結果を可視化するためにも、改善項目や目標は定量ではかれるものを選びましょう。特に、社内ネットワークやシステムをはじめとしたソフトウェアの運用費用や、残業代や研修費などの人件費、リース費用など、時間や費用が明確なものはどの程度改善されたのかを簡単に確認できます。初期投資であれば、その後の運用から投資回収の目安まで細かく目標を設定することで、提案に具体性を持たせることが可能です。

3.関わる部署との合意形成をきちんと行う

関わる人数が多い場合や複数の部署を巻き込んだ業務改善の場合は、それぞれの課題やそれに対する改善策を各担当者に尋ね、改善策ができたらまずは合意形成を行いましょう。コンセンサス(合意)が取れていない場合、改善策の効果の減少だけでなく、改善策そのものの実行が難しくなってしまいます。これらのトラブルへのリスクを最小化するためにも、丁寧なヒアリングと説明を意識してその後の業務改善の実行に進めましょう。

4.スケジュールを明確にする

改善案をスムーズに実行するためにも、細かいタイムスケジュール管理はとても重要な要素のひとつです。改善する項目によって多少の変化はありますが、基本的には以下の項目に気を付けて調整を進めます。

  • 人員の確保や研修の必要性
  • 予算
  • システムの導入や切り替えのタイミング
  • アウトソーシングの可否

このような改善案はできるだけ細かく提示し、多少のトラブルにも対応できるように、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

アイディアが浮かばない!改善提案に困ったときの対処法

ブレインストーミングをして、課題を見つけても、その改善方法が浮かばないこともあります。その際は、以下の方法でまずはアイデアを出してみましょう。

競合他社の取り組みを参考にする

競合他社の業務改善事例や実際の業務フロー、使用設備やアウトソーシングしている業務などを参考にすることも大切です。業務改善そのものは、お客様に届けるサービスや製品に直結せず、成功事例がある分その効果も期待できるため、いいところがあれば積極的に取り入れてみましょう。その際は、その取り組みの背景や競合他社との環境の違いを細かく精査することで、より自社にあった精度の高い改善案にブラッシュアップすることが可能です。

プロフェッショナルの意見をもらう

社内の問題を抽出しても具体的な改善案が思いつかない、もしくはわからない場合は、コンサルタントなどのプロフェッショナルに依頼することも有効です。必要な人材についてであれば人材紹介や派遣会社、システムの導入であれば各サービスを提供している会社、ほかにも必要なものを抽出しそのサービスや企業を紹介してくれるサービスもあります。プロとしての意見だけでなく、第3者から見たアイデアだからこそより柔軟で適切なアドバイスや解決策が期待できるでしょう。

システムの導入やツールの利用を検討する

人員の調整や一部業務の改善だけでは限界がある場合は、業務システムやツールを利用することでより高い効果を期待できます。社内イントラネットや業務システムなどは、パッケージの利用から、オーダーメイドでの作成まで費用や種類はさまざまな種類の中から選択可能です。現在はクラウドサービスや、SaaSサービスも充実しているため、必要に応じて複数のサービスや製品を比較して自社の最善を探しましょう。

【例文付き】業務改善提案書の書き方

業務改善提案書とは、冒頭で紹介した「業務改善提案」を上層に提案するための文書です。この業務改善提案書は一般的に従業員が作成し、上層部で実行の有無を決定するため、適切な資料を作成することで、提案をより効果的に伝えられます。
どのようなフォーマットで、どのように執筆するかを悩んでいる方はぜひ、これから紹介する内容を参考にしてみてください。

仕様

業務改善提案書は、あくまでも社内で使用するものであることがほとんどですので、絶対的なフォーマットやテンプレートはありません。資料作成に関する社内ルールや推奨されている方法で提案書を作成しましょう。業務改善提案書を最初に提出する際には、A4用紙1枚に収まるように作成します。プレゼン形式で提案する場合や別途規定がある場合もあるため、必要に応じて参考資料やパワーポイントの作成なども検討しましょう。

記載すべき項目

業務改善提案書で必ず記載するべき項目は以下の通りです。

  • タイトル
  • 改善案の概要
  • 現状とその問題点
  • 改善により得られるメリット
  • 業務改善に掛かる費用や時間
  • 改善に必要な期間
  • 定量の目標や見込み

これらの項目をそれぞれ精査しながら見やすい資料を作成します。業務改善提案書全体とそれぞれの項目では5W1Hを意識して簡潔に記載することで、わかりやすく無駄のない資料になります。

論理的かつ説得力のある内容にする

上記でも簡単にご紹介したように、伝わる文章のためには、5W1Hを意識することが大切です。

When:いつ(実施期間や目標設定期間)
Where:どこ(改善業務の範囲)
Who:だれ(関係部署や担当者)
What:なに(改善する業務そのもの)
Why:なぜ(改善策の背景)
How:どうやって(具体的な方法)

表では論理的で説得力のある文章の例文をまとめています。

伝わりにくい文章例 伝わる文章例
人手が足りず困っている店舗が多く、営業に支障が出ている。  20店舗中12の店舗で人員不足という結果が出ており、土曜夜間に関しては、16店舗(全体の8割)が2名以上の欠員状態で営業を行っている。 
日報に関する業務の効率が悪い。  日報の確認業務は管理職一人で行うため、退社時間が異なる部署では非効率。そのため、業務効率化ツールを導入したい。 
手作業が負担なので、ツールを導入したい。  入力ミスのチェックで月10時間の追加業務が発生している。そのため、チェックツールの導入で大幅な業務効率化に期待できる。 

業務改善の成功事例

ここからは、実際の企業で進められた業務改善の成功事例を5つにわけて紹介していきます。自社の課題に近いものだけでなく、色々な視点からこれらの解決策や参考になる点はないか参考にしてみてください。

「人事管理システム」の導入で年間100時間の業務短縮に成功した事例

産業用ベルトのパイオニアであるバンドー化学株式会社では、人事評価では紙とエクセルを利用しており、1,000名を超える社員の評価は、各部門でそれぞれ作成された評価シートを本社の人事部や総務部で再度確認するという膨大な作業負荷の中で進められていました。そこでアナログな方法を改善するために、クラウドで利用できる人事管理システムの「カオナビ」を導入しました。オーダーメイドでは無い分、費用負担が少なく、さらにアナログ業務が格段に減少したことで年間100時間の業務時間削減にもつながっています。

参考:株式会社カオナビ 導入事例

「チャットボット」の導入で6.5人分の省人化を実現した事例

通信販売会社のアスクル株式会社では、テキストベースのAIチャットボット「マナミさん」を導入することで、6.5人分の省人化に成功しています。AIチャットボットでは24時間365日問い合わせに対応しており、FAQのような簡単な質問はすべてチャットボットで対応できるため、問い合わせの1/3はチャットボットで完結しているようです。省人化に成功しただけでなく、問い合わせ件数が減少した分、オペレーターがより丁寧に対応できるようになり、働きやすさとお客様満足の両立を実現しています。

参考:アスクル株式会社

「勤怠管理システム」の導入で約2万4,000時間の工数削減を実現した事例

国立大学法人 弘前大学では、勤怠管理システムの「COMPANY」を導入することで、旧システムでの人事、給与管理と紙媒体で進めていた3,000人分の給与計算や勤務、労務管理のDX化(ペーパーレス化)に成功しました。残業を含めた勤務時間だけでなく、休暇や働き方改革に伴う有給休暇取得状況も紙媒体からリアルタイムでの申請や管理が可能になり、法改正にも自動で対応できるようになりました。この結果、約24,000時間分の工数削減を実現し、自動化によるミスの防止や担当者の作業負荷軽減にも貢献しています。

参考:株式会社Works Human Intelligence 導入事例

「在庫管理システム」の導入で郵送業務の時間を半分以下に削減した事例

結束資材の総合商社である株式会社ヤナギダでは、取り扱っている業務用資材の管理のために在庫管理システム「アラジンオフィス」を導入し、オプションである「生産管理機能」も併せて利用。さらに「アラジンオフィス」と連携している「楽々明細」を導入することで、担当者の作業中の軽減に大きく貢献しました。在庫管理システムで管理している出荷(注文)情報をそのまま楽々明細で管理することで、経理担当者の月初作業である請求作業を1週間から1日に短縮することに成功しています。

参考:Aladdin office 導入事例

「請求書発行システム」の導入で郵送コストを67%削減した事例

ビルのメンテナンスを請け負う新生ビルメンテナンス株式会社では、請求書郵送に掛かるコスト削減と請求書紛失とその再発行への対応のために「楽々明細」を導入。元々1人の担当者が2日掛けて行っていた毎月約80件分の請求書発行とその郵送作業は、1日に半減し、当日中に請求書を確認できるようになりました。システムが使いやすいだけでなく導入サポートも充実しているため、業務改善に伴う一時的な業務負担の増加は最小限にスムーズな移行が実現しています。

参考:株式会社ラクス 導入事例

まとめ

この記事では、業務改善提案の基礎知識から、実際に提案書の作成に関するポイントまで、まとめて解説しました。企業の経営健全化と従業員の働きやすさの実現のためには業務改善は有効な手段です。特に、業務改善提案書は一般的にトップダウンではなくボトムアップで提案することが多いため、より現場レベルの現実的な改善が見込めます。効果的な業務改善提案を行うためには正しい知識とアイデア、情報収集能力は欠かせません。

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