ERPの国内市場を解説|選び方やおすすめサービス12選も紹介
近年、加速するビジネス環境の変化に伴い、企業が経営を効率化する手段としてERPへの注目が高まっています。一方で、自社に導入するERPを選定するにあたり、国内の市場規模や今後の動向が気になる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、おすすめの国内ERPを厳選して紹介しながら、ERPの国内市場規模や動向を解説します。ERPを選ぶ際のポイントについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
ERPの国内市場規模
株式会社矢野経済研究所の調査によれば、国内ERPパッケージライセンス市場は2022年時点で1,406億円(前年比10.9%増)となっています。過去の推移を見てみると、2020年・2021年のコロナ禍においても前年比でマイナスに転じることなく、順調に伸びている状況です。さらに今後も、前年比10%前後の成長率で右肩上がりの拡大を見せることが予測されています。
※注1:ERPパッケージベンダーのライセンス売上高(クラウドのサブスクリプション売上高を含む)を、エンドユーザ渡し価格ベースで算出した。
※注2:2023年以降は予測値
※出典:株式会社矢野経済研究所「ERP市場動向に関する調査(2023年)」(2023年12月13日発表)
ERPの国内市場が堅調に伸びている背景には、単なるレガシーシステムのリプレイスとしてではなく、経営基盤(ヒト・モノ・カネ・情報)を再構築し効率的に管理するためのリプレイスである「攻めのDX」が進んでいると考えられています。また、2022年の主な成長要因には、DXやIT投資への関心増加のみならず、インボイス制度や電子帳簿保存法の改正に対応するための需要が急拡大したことなども挙げられています。
今やERPは数多くの企業で導入され、日々競争の激化が進むビジネス環境において欠かせないツールの1つになりつつあるのです。
ERPについて基本から知りたい方は、以下の記事もご覧ください。メリットやデメリット、クラウド型・オンプレミス型の違いといったERPの基礎知識を紹介しており、ERP導入の検討を後押しします。
「ERPを導入して自社のビジネスを加速させたいが、ERP選びに不安がある」とお悩みの方は、ぜひPRONIアイミツにご相談ください。当社では、いくつかの簡単な質問に答えるだけで、無料で貴社に適したERPを選定します。
【比較表】国内のおすすめERP
国内のおすすめERPサービスの公開実績数や料金を一目でチェックできる比較表を作成しました。各サービスの特徴を知りたい方はぜひご覧ください。
サービス名 | 公開実績数 | 料金 |
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OBIC7 | ー | 要お問い合わせ |
GRANDIT | ー | 要お問い合わせ |
キャムマックス | ー | 月50,000円 |
SmileWorks | ー | 月10,000円 |
Oracle NetSuite | 37,000社(全世界) | 要お問い合わせ |
ZAC | 950社、30万ライセンス | 要お問い合わせ |
プロワン | ー | 要お問い合わせ |
Reforma PSA | 400社以上 | 月30,000円~ |
Clovernet ERPクラウド | ー | 月7,500円〜 |
OBC | ー | 要お問い合わせ |
Microsoft Dynamics 365 Business Central | 30,000 社以上 | 月8,750円~ |
SAP Business ByDesign | ー | 要お問い合わせ |
国内のおすすめERP12選
国内のおすすめERPとして次のサービスを厳選しました。
- OBIC7
- GRANDIT
- キャムマックス
- SmileWorks
- Oracle NetSuite
- ZAC
- プロワン
- Reforma PSA
- Clovernet ERPクラウド
- OBC
- Microsoft Dynamics 365 Business Central
- SAP Business ByDesign
以下、それぞれについて詳しく解説します。
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料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
OBIC7は、株式会社オービックが提供するERPです。信頼と実績を誇る同社のワンストップソリューションとして、コンサルティングから企画、構築、サポートまでを一貫体制で提供するサービスとなっています。
会計情報を軸として、プロジェクト収支管理、販売管理、生産管理、契約管理などの豊富な機能を具えている上、業界に特化したソリューションを組み合わせることにより自社に最適なERPを構築できるのが特徴。プライベートクラウドによるクライアント専用の環境を用意し、カスタマイズの柔軟性や高いセキュリティレベルを確保しているのもおすすめのポイントです。プランの詳細については、問い合わせて確認する必要があります。
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料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
GRANDITは、GRANDIT株式会社が提供するERPです。同社は、ユーザー系SI企業を中心としたコンソーシアムにより設立された事業会社。そのため、コンソーシアムに参加している各社の叡智が結集され、多彩な技術やノウハウを盛り込んだ次世代のオールインワンERPとなっています。
さまざまな業種・業態に対応できるよう、販売管理・製造管理・人事管理・給与管理など、豊富な機能によりあらゆる基幹業務を網羅しているのが特徴。また、サブスクリプションモデルでは、基幹Suiteプラン・会計業務プラン・販購買業務プランから選択できるなど、状況に応じた料金体系が用意されている点もおすすめです。
キャムマックス
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料金
月50,000円 -
初期費用
なし
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最低利用期間
12ヵ月
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最低利用人数
5ユーザー
キャムマックスは、株式会社キャムが提供するERPです。中小企業向けのERPとしてシェアトップを目指しながら、オムニチャネルにも対応した本格的なシステムを月額7万円からの低価格で提供しています。
販売管理・生産管理・購買管理・在庫管理・財務会計などの豊富な機能により、社内で取り扱うあらゆるデータを一元管理し、組織全体を最適化できるのがおすすめのポイント。また、クラウド型のため、専任担当者や莫大なコストを必要とせず、インターネット環境とWebブラウザさえあれば利用できるため、導入のハードルが低いのも特徴です。
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料金
月10,000円 -
初期費用
30,000円
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
5ID
SmileWorksは、株式会社スマイルワークスが提供するERPです。販売管理・給与計算・財務会計などの基本機能に加え、各データと会計仕訳の自動連動や販売管理のEDIなど、業務効率化と生産性向上を図るためのさまざまな機能が標準装備されているのが特徴。これらが、分かりやすい画面によって直感的に操作できる点もおすすめです。
また、多くのオプション機能の中から自由に選択・追加できる標準プランのほか、自社専用サーバーにて基本機能を柔軟に構成できるEnterpriseプランなどを用意。総じてリーズナブルな価格で、手軽に利用できるよう配慮されています。
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料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
Oracle NetSuiteは、日本オラクル株式会社が提供するERPです。ERPの基本機能のほか、EC(電子商取引)やCRM(顧客関係管理)などを含めた主要な業務アプリケーション機能を標準搭載。スタートアップから大企業まで幅広いクライアントに対応可能なクラウドソリューションとなっています。20年の実績を誇り、世界で3万8,000社を超える企業が利用している信頼性もおすすめできるポイントです。
また、生産管理、財務管理、会計管理、在庫管理など、さまざまな業務に対応したオールインワンタイプとなっており、本製品1本で企業全体の効率化と生産性向上を実現できるのも特徴。なお、料金プランについての詳細は、問い合わせにより確認する必要があります。
ZAC
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料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
ZACは、株式会社オロが提供するERPです。販売管理・購買管理・在庫管理・経費管理などの基本機能はもちろん、プロジェクト管理・工程管理・工数管理といったプロジェクト進行型の業種に特化した機能を具えているのが特徴。特有の機能要件や商慣習にも対応できるため、IT・システム業界、イベント業界、広告業界、クリエイティブ業界、コンサルティング業界などに属する企業におすすめです。これまでに、導入950社、ライセンス数30万の実績を残しています。
料金プランは、初期設定費用(10万円)と導入支援費用のイニシャルコストに加えて、ライセンス費用と保守費用をランニングコストとして月ごとに支払う形です。詳細を確認するには、個別に問い合わせる必要があります。
プロワン
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料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
プロワンは、株式会社ミツモアが提供するERPです。電気工事、設備・空調工事、造園、外壁塗装、リフォーム、害虫駆除など、現場仕事と呼ばれるフィールドサービス業に適したオールインワンの業務支援システムとなっています。現場作業者から経営者まで、すべての関係者が抱えるさまざまな課題について解決を図ることが可能です。
顧客管理・発注管理・契約管理などの基本機能はもちろん、ルート最適化、マーケティング機能、レポート作成機能など、業務によって発生したデータの活用を自動化できる機能まで具えているのがおすすめのポイント。料金体系は、導入費用と月額料金が基本となっており、詳細を知るには利用形態に合わせた見積もりが必要です。
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料金
月30,000円~ -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
Reforma PSAは、株式会社オロが提供するERPです。前述した「ZAC」によって培われたクリエイティブ系ビジネスの業務管理ノウハウを結集し、コンパクトに凝縮することで、コストダウンを図った製品となっています。そのため、Web制作などのIT業、広告業、コンサルティング業といったクリエイティブ系ビジネスを営む企業におすすめです。
販売管理・購買管理・勤怠管理・経費管理など、基本機能からすべてがクリエイティブ系ビジネスに配慮した設計となっており、特有の商慣習や機能要件にも対応できます。電話・チャットに加え、必要に応じてスタッフによる訪問も可能など、サポートが充実しているのも特徴。料金プランは、使用する機能と人数によって変動する月額料金が基本となり、初期費用が不要なのも魅力です。
Clovernet ERPクラウド
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料金
月7,500円 -
初期費用
0円
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最低利用期間
問い合わせ
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最低利用人数
問い合わせ
Clovernet ERPクラウドは、NECネクサソリューションズ株式会社が提供するERPです。経営状況の見える化とバックオフィスの業務効率化、およびIT運用負荷の軽減を目指して設計された、統合型のクラウドERPとなっています。
プロジェクト収支管理と財務会計管理を軸に、販売管理・在庫管理・仕入管理・勤怠管理・給与管理などの基幹業務を網羅しながら、企業で発生する重要データをすべて一元管理。それらをリアルタイムに把握することで、状況に応じた的確な経営判断が可能です。また、資金繰り状況も可視化できるため、キャッシュの流れが生命線である中小企業には特におすすめ。なお、料金プランの詳細については、問い合わせて確認する必要があります。
OBC
OBCは、株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供するERPです。「奉行シリーズ」として複数の製品がラインアップされており、オンプレミス型(IaaS、インストール型)とクラウド型(SaaS)から選択できるほか、企業規模によって自社に適した製品を選ぶこともできます。
いずれの製品も、販売管理、仕入・在庫管理、人事管理、会計管理など、幅広い機能から必要なものを自由に組み合わせて利用することが可能。発展著しい中小・中堅企業が、自社の成長に合わせて機能を拡張しながら活用するようなケースにおすすめです。料金プランについては、問い合わせにより詳細を確認する必要があります。
Microsoft Dynamics 365 Business Central
Microsoft Dynamics 365 Business Centralは、日本マイクロソフト株式会社が提供するERPです。統合型のビジネス管理ソリューションとして、販売・生産・仕入・財務から、プロジェクト運営・マーケティングまで、幅広い業務を包括的に管理できます。
海外支社や子会社など、複数の拠点におけるさまざまなデータも一元管理できるため、グループ全体で総合的な効率化を図りたい大企業にもおすすめ。料金プランには複数のパターンが用意されており、自社の利用状況に合わせて選択することが可能です。
SAP Business ByDesign
SAP Business ByDesignは、SAPジャパン株式会社が提供するERPです。財務、CRM、人事、サプライチェーン、調達・購買、プロジェクト運営など、幅広い業務分野を包括的に管理し、ベストプラクティスの採用による効率化を実現できます。
あらゆるデータをタイムリーに把握できるリアルタイム分析機能を活用し、迅速な意思決定を行うことで、機を逃さない俊敏性とライバルに打ち勝つ競争力の向上が可能。厳しい市場環境で生き残りをかけて勝負を挑み続ける活力ある企業におすすめします。なお、料金は構成などによって変動するため、詳細は問い合わせによる確認が必要です。
「ERPがたくさんあり、自社に適したERPを選べない」とお悩みの方は、ぜひPRONIアイミツにご相談ください。当社では、いくつかの簡単な質問に答えるだけで、無料で貴社に適したERPを選定可能です。最大6サービスまで選定するので、「サービス数が多くて選びきれない」こともなくなります。
ERPを選ぶときのポイント
ERPを選ぶときの主なポイントは、次のとおりです。
- 自社のニーズに合ったものを選ぶ
- 操作性の良さ
- 導入実績が豊富か
- サポート体制は充実しているか
以下、それぞれについて順に解説します。
自社のニーズに合ったものを選ぶ
ERPは自社のニーズに合ったもの、すなわち、効率化したい業務をしっかりとカバーしているものを選ぶことが重要です。それを確かめるには、自社が抱える課題に照らしながら、効率化したい業務範囲を的確に把握しておく必要があります。その上で、選定候補となっているERPについて、販売管理・購買管理・生産管理といった大きな枠組みだけではなく、それぞれに含まれる詳細機能までを確認することが大切です。
とりわけ、業界独自の業務や特有の処理などについては、一部の特化型ERPでしかカバーできないことがあります。それらが効率化したい範囲に含まれるケースでは、特に注意が必要です。場合によってはカスタマイズを視野に入れながら、慎重に確認しましょう。
操作性の良さ
操作性が良いことも、ERPを選ぶ際の重要なポイントです。ERPの導入は全社的な取り組みであり、多くの従業員が活用する前提で進められます。中にはITに明るくない従業員もいると考えられるため、専門知識がなくても直感的に使えるような操作性でなければ社内の活用も進みません。
無料トライアルやデモによって導入前に使い勝手をしっかりと確認の上、操作性の優れたERPを選ぶことをおすすめします。
導入実績が豊富か
ERPを選ぶ際には、選定候補となっているERPの導入実績を確認することも大切です。豊富な実績があり、多くの企業に導入されているERPであれば、信頼性が高く、安定して活用できると判断できます。
また、より自社にマッチしたERPを選ぶために、導入実績の数だけではなく、その内容まで確認しましょう。自社が属する業界での実績は多いか、同規模の企業は使っているかなど、自社での活用をイメージしながらチェックすることが重要です。さらに、自社が抱えているものと同様の課題を解決した事例があれば、理想的と言えます。
サポート体制は充実しているか
前述したとおり、ERPの導入は全社的な取り組みであり、広範囲にわたって影響をおよぼします。そのため、特に初期段階では、さまざまなトラブルや不測の事態、さらには従業員からの質問や問い合わせが数多く発生するのが通例です。それらにスムーズに対処するには、ERPの提供元によるサポートがどれだけ頼りになるかが重要なポイントと言えます。ついては、サポートが充実したERPを選定するのがおすすめです。
なお、サポートの充実度を測るには、その内容だけではなく、連絡手段や対応時間帯、料金の有無といった詳細まで確認する必要があります。
まとめ:ERPを導入することは企業の成長につながる
以上、おすすめの国内ERPを厳選して紹介しながら、ERPの国内市場規模や動向、さらにはERPを選ぶ際のポイントについて解説しました。ERPの国内市場規模はこれまで順調に伸びてきており、さらに今後も拡大することが予想されている状況です。技術の進歩に伴って人々の生活が多様化し、ビジネス環境の複雑化と激しい企業間競争が続く限り、ERPの必要性は増していくものと考えられます。本記事を参考に、ぜひ自社に効果的なERPを導入の上、ライバルに負けない経営環境を確立してください。
なお、ERPの選定に際して課題やお悩みを感じる場合は、PRONIアイミツのご利用がおすすめです。当サービスは、ITツール受発注支援のプロとして、貴社に適したERP選びをサポート。また、いくつかの簡単な質問に答えるだけでご希望の要件にマッチしたERPが分かる無料診断もあります。ぜひ、お気軽にお問い合わせをお待ちしています。
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