リーダーと聞いて思い浮かぶ人は?必要な能力やスキルも解説
ある程度大きな組織やビジネスで目標を達成する上で、リーダーは大きな役割を果たします。しかし、具体的にどのような能力を持っている人がよいリーダーなのか、疑問を持っている方も多いかもしれません。
この記事では、リーダーに求められる能力や必要なスキルを社員に身につけさせる方法などについて解説します。
リーダーに必要なスキルとは
リーダーという言葉を聞いて、思い浮かぶのはどのような存在でしょうか。決断力がある人や行動力がある人などを思い浮かべた人は多いかもしれません。
ここではリーダーに必要なスキルを明らかにする前に、ビジネスにおけるリーダーの意味や存在意義を紹介します。また、混同されがちなリーダーとマネジメントとの違いについても見ていきましょう。
リーダーと聞いて思い浮かぶ人は?
英語の「leader(リーダー)」は、指導者や先導者を意味する言葉です。たとえば「国のリーダー」と聞くと、多くの人が大統領や首相のように国を導く立場の人物を思い浮かべるでしょう。このように、リーダーとは組織の先頭に立ち、方向性を示しながら人々を力強く導いていく存在です。
リーダーがいなければ組織はまとまりを失い、メンバーは自分の利益だけを目的としバラバラに行動してしまうかもしれません。その結果、組織としての目標を達成できなかったり、組織全体を成長させることが難しくなったりしてしまう可能性があります。
優れたリーダーになるには、メンバーをまとめ上げる統率力と目標に向かって組織を推進させる行動力など、さまざまなスキルをバランスよく持っていることが求められます。
リーダーシップとマネジメントは別物?
リーダーシップとマネジメントを似た概念として混同してしまうケースがあるでしょう。リーダーシップとは組織を目標達成に向けて前進させる能力で、リーダーシップを発揮する人がリーダーに値します。先頭に立ち人々を引っ張っていくのがまさにリーダーのイメージでしょう。
一方で、マネジメントは管理の意味を持ちます。組織の中でメンバーがルールを守っているか、決められた目標達成に向けて努力をしているかなどを確認するのがマネジメントです。マネジメントをする人をマネージャーと呼びます。組織の活動が円滑に行われるためにメンバーを管理することが、マネージャーに期待されている役割だと言えるでしょう。
リーダーシップとマネジメントは別の概念ですが、どちらも組織に必要な役割を果たしています。
リーダーに必要なスキル8選
さまざまなスキルをバランスよく身につけているのが優れたリーダーです。ここでは優れたリーダーが持っているスキルのうち、特に重要なスキルを8つ紹介します。
それぞれのスキルがリーダーにとって必要である理由や、リーダーにスキルが不足している場合に考えられる問題点などもあわせて解説するため、参考にしてみてください。
コミュニケーション能力
リーダーに必要なスキルの1つが、コミュニケーション能力です。会社の経営目標やプロジェクトの成功など、大きな目標を達成することは1人ではできません。リーダーは目標達成に向けて組織のメンバーをまとめ上げるために、高いコミュニケーション能力が求められます。
リーダーのコミュニケーション能力が不足していると、部下は組織の目標やリーダーが立てた計画、組織内での自分の役割などを十分に理解できません。その結果、組織としての目標を達成するのは難しくなってしまうでしょう。
また、コミュニケーション能力が高いリーダーは、部下との間で信頼関係を構築することができます。「この人のために働こう」と部下に思わせるリーダーがいることで、組織全体のモチベーションを高めるでしょう。
スケジュール管理能力
スケジュール管理能力もリーダーに必要なスキルの1つです。リーダーはほかのメンバーが任されている業務の内容や進捗状況を把握した上で、全体のバランスを考慮しながら計画を立てたり実行したりしなければいけません。目標達成に向けて各メンバーの進捗状況を管理するのはマネジメントの役割ですが、組織全体の進捗を管理するのはリーダーの役割です。
リーダーは全体のスケジュールを把握し、遅れがあれば原因を探して解決策を考えたり、場合によっては新たなスケジュールを作り直したりする必要があります。
個人業務の範囲内でスケジュールを管理するのに比べると、より高度なスケジュール管理能力が求められると言えるでしょう。
判断力・決定力
判断力・決定力も、リーダーにとって大切なスキルです。基本的には、メンバーの意見を取り入れながら仕事を進める場合でも、リーダーに最終判断を委ねられるケースは少なくありません。メンバーの意見が割れたり早急に結論を出さなければいけなかったりする状況では、特にリーダーが最終的な判断を下すことになるでしょう。
リーダーが優柔不断な態度を見せると、リーダーに対する部下の信頼が揺らぎ、モチベーションが下がることにも繋がりかねません。
また、全体を見て判断することは、リーダーだからこそできることでもあります。組織のメンバーは、目の前の業務や自身の担当範囲だけに集中しがちなため、組織を前進させるには高い視座から全体を広く見るリーダーの判断力が重要です。
問題解決能力
高い問題解決能力もリーダーには必要です。組織のメンバーに任せた仕事に問題が発生し、当事者だけでは解決できない場合に頼りにされるのがリーダーです。メンバーとともに問題点を特定し、解決策を探しましょう。全体を見通すリーダーだからこそひらめく解決策があるかもしれません。
また、目標達成が難しいと判断した際に、軌道修正を図るのもリーダーの役割です。スケジュールを立て直したり、目標達成を妨げる問題点を探して新しい戦略を練ったりするには、高い問題解決能力が求められます。
さらに、目標達成に向けて進む中で発生した問題に対し、責任を取るのもリーダーの役割です。ときには、部下の代わりにクレームを対処する必要があるかもしれません。
交渉力・調整力
リーダーにとって、交渉力・調整力も重要なスキルです。リーダーは組織の代表として、社内や社外の関係者や取引先などと交渉する機会も多くなります。自分の主張だけを押し通すのではなく、双方にとって納得できる妥協点を見つけるのが交渉力・調整力です。
もし、リーダーに交渉力や調整力が不足していると、相手の要求のままに不利な条件を受け入れたり、無理なスケジュールを組まされたりするかもしれません。結果的に組織のメンバーにしわ寄せが行くことになるため、交渉力や調整力が弱いリーダーはメンバーから信頼を失う可能性もあります。
また、組織の中でも業務の分担で揉め事が発生することもあります。その場合、リーダーの調整力が必要とされるでしょう。
物事を客観的に考える能力
リーダーには、常に冷静に物事を考える能力が求められます。目標達成に向けて前進していく過程では、予想もしないトラブルが次々と発生することもあるかもしれません。リーダーには非常時でも冷静に事態を把握し、解決策を考えられる能力が必要です。そのようなリーダーであれば、メンバーは安心して働けるでしょう。
また、リーダーとして物事を冷静に考えられるようになるには、自分とは違う意見を受け入れる柔軟性や寛容性も大切です。自分の考えに固執し間違いを認められない人は、よいリーダーとは言えません。リーダーは1つの考えにとらわれることなく、常に目標達成のために何が最善かを考える姿勢を持ちましょう。
誠実に対応できる能力
何事に対しても誠実に対応できる能力もリーダーには必要です。約束を破ったり失敗を他人の責任にするようなリーダーでは、誰からも支持されないでしょう。部下に信頼されないリーダーがいる組織では、目標達成が難しくなります。
部下に信頼されることは、よいリーダーになる上で必要な要素の1つです。基本的にリーダーには、組織のメンバーを頼もしく引っ張っていくような力強さが求められますが、ときには弱さをさらけ出すことも必要かもしれません。必要に応じてメンバーに本心を打ち明けることで誠実さが伝わり、メンバーからの信頼が増すこともあるでしょう。
人材育成能力
人材育成能力もリーダーに求められるスキルの1つです。組織として目標を達成するためには、リーダーだけではなく部下にも自発的に行動してもらう必要があります。そのために、メンバーの能力を引き出し各自のパフォーマンスを上げさせるのはリーダーの役割です。
リーダーは、部下が自発的に行動できる人になれるよう各自が持つ能力を見極めて、適切なポジションに配置することが求められます。加えて、部下には現在の実力よりもやや高いレベルの目標を設定させて、自然に能力を伸ばす機会を与えることも大切です。
高い人材育成能力を持つリーダーのおかげで自発的に行動できる人が増えれば、組織が目標を達成するスピードは格段に早くなることが期待できます。
学び続ける姿勢
リーダーは学び続ける姿勢を持つことが大切です。常に新しい知識を身につける努力をして、臨機応変に新しいやり方を取り入れることが求められます。そうでなければ、変化に対応し組織をまとめ上げながら前に進んでいくことは困難でしょう。
また、変化に対応しなければいけないのは、リーダーだけではなく組織のメンバーも同様です。リーダーが率先して学ぶ姿勢を示すことで、組織のメンバーにもよい影響を与えます。
リーダーはメンバーにとってよい見本となることが大切です。リーダーから刺激を受けたメンバーの意識が、次第によい方向に変わることで、より強い組織を作れるでしょう。
リーダーに必要なスキルの習得方法
リーダーに必要なスキルは、普段の業務や研修などで社員に習得させることが可能です。スキルが不十分なままリーダーになってしまうと、ほかのメンバーからうまく信頼を得られません。かえってモチベーションや業務の効率が下がってしまうことも懸念されます。
続いては、社員にリーダーのスキルを身につけさせるためにできることを3つ紹介します。
積極的に発言できる機会を設ける
リーダーに必要なコミュニケーション能力を伸ばすために、社員が積極的に発言できる機会を設けましょう。人前で自分の意見を主張することに慣れていない人や、人と違う意見を述べることに抵抗を感じる人は少なくありません。
しかし、組織のリーダーとして他人と異なる意見を持つことは、恐れることではなくむしろ強みになるとも言えます。また、会社の立場としても社員からさまざまな意見やアイデアが出されることはよいことです。
ミーティングでは若手社員にも意見を出してもらう機会を設けたり、研修でディスカッションを行わせたりするようにしましょう。メンバーに発言する場を与えることで、社内のコミュニケーションを活性化する効果も期待できます。
チームビルディングを行う
チームビルディングとは、組織の一体感を高めるために行われるさまざまな活動です。社内旅行のような大きなイベントだけでなく、定期的なミーティングや業務上のコミュニケーションも含まれるケースがあります。社員にリーダーとしてのスキルを身につけさせるのが目的であれば、研修としてチームビルディングを実施するのがよいでしょう。
チームビルディングでは、活動の目的を果たすためにメンバー同士がスキルや経験を生かして協力します。それに伴いメンバー間で多くのコミュニケーションが生まれるのが特徴です。このように、チームビルディングは各メンバーが自然な流れで、リーダーに必要なコミュニケーション能力や問題解決能力などを磨けます。
外部研修や講座を受講する
リーダーに必要なスキルは、外部研修や講座を受講することでも身につけられます。研修や講座を通してコミュニケーション能力や問題解決能力、学び続ける姿勢などを養えるでしょう。また、講師の意見を参考に自分に足りないものを認識でき、今後の目標設定やスキルの向上に役立ちます。
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まとめ
リーダーは組織の先頭に立ち、目標に向けて引っ張っていく人のことです。メンバーから信頼されるリーダーになるには、さまざまなスキルが求められます。必要なスキルを持っていない人材がリーダーになると、かえって業務効率が悪くなることもあるでしょう。社員にリーダーとしてのスキルを身につけさせることは、会社の業績向上の上でも重要な意味を持ちます。
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