マイクロラーニングとは?メリット・デメリットや効果を高めるポイントを解説
マイクロラーニングを導入することで、企業での学びを大幅に促進できます。また、担当者の負担を減らすことで費用や時間の削減も期待できるでしょう。本記事では、昨今多くの企業が注目しているマイクロラーニングについて詳しく説明するとともに、企業が導入する際の注意点やシステムの選び方を紹介します。
- マイクロラーニングとは
- マイクロラーニングが注目されている背景
- マイクロラーニングの5つのメリット
- マイクロラーニングの2つのデメリット
- マイクロラーニングの効果を高める4つのポイント
- マイクロラーニングの具体的な活用シーン4選
- まとめ
マイクロラーニングとは
マイクロラーニングは、短時間の学習を繰り返すことで学びを深める学習法です。通常学習というと、30分や1時間かけて学ぶのをイメージしますが、マイクロラーニングでは5分から10分ほどの短い時間で繰り返し学習します。学習の時間が短い、集中力が持続しやすいなどの理由で実践しやすく、eラーニングの学習形態のひとつとして注目を集めています。効果的なeラーニングを負担をかけずに行いたいと考える企業におすすめです。
マイクロラーニングが注目されている背景
マイクロラーニングが注目を集めている理由として、学習時間の確保が難しい社会人の現状や、時代に合わせた学習方法の変化などが挙げられます。マイクロラーニングが注目される背景について詳しく説明します。
従来のeラーニングにおける問題点
従来のeラーニングは、学習のためにまとまった時間を確保しなければならないという問題がありました。例えば、1つのテーマを学習するためには、30分~2時間ほどの時間を確保する必要があります。しかし、業務で忙しい従業員には時間確保が難しいという悩みがありました。
また、学習成果を高めるためには集中力を維持する必要があります。しかし、多様な業務を抱えている従業員であれば学習だけに時間を割けず、結果として学びにつながりにくいという問題もありました。
マイクロラーニングであればこれらの問題を容易に解決できるため、忙しい現場の状況とマッチした学習方法として注目されるようになりました。
時代の流れとともに学習形態が変化した
時代の流れとともに学習方法や利用デバイスが変化していることも、マイクロラーニングが注目を集める理由です。従来のeラーニングはPCを利用して学習するのが基本だったのに対し、マイクロラーニングではスマホをはじめとしたモバイル端末で学習が可能。電車での移動時やスキマ時間に学習が可能になったことで、あえて時間を設けなくても学習できるため、忙しい社会人に受け入れられました。
また、スマホが利用できれば、個人用端末での学習も可能なため、eラーニングのための機材を準備する必要がなくなります。企業にとってコストダウンにつながることも、企業でマイクロラーニングが人気の理由といえます。
マイクロラーニングの5つのメリット
マイクロラーニングを利用した場合のメリットを5つ紹介します。
好きなタイミングで学習しやすい
マイクロラーニングであれば、好きなタイミングで学習できます。学習時間が5~10分程度のため、スキマ時間や移動時などにサクッと学習可能。また、コンテンツが細分化されているため、短い時間であっても充実した学びが得られます。
時間の制約を受けずに、かつ効果的な学習ができるのがマイクロラーニングの大きなメリットです。
学習効率がアップする
マイクロラーニングでは学習効率がアップします。一回当たりの学習時間が短いため、集中力を保ったまま学習可能。学習中にほかの業務で中断されることがありません。
また、1つ1つの学習コンテンツが細かく設定されているため、必要な内容だけを組み合わせることで必要な内容に限定して学習できます。すでに知っている内容のパートを除外したり、必要な個所を短時間で繰り返し学習したりすることで、学習効率アップが期待できます。
学習した内容が定着しやすい
マイクロラーニングは、学習した内容が定着しやすいこともメリットです。実際に株式会社ベネッセホールディングスは、60分の学習を1度行うよりも、15分の学習を3回行ったほうが学習の定着に効果的であったことを明らかにしています。
マイクロラーニングは短期間に集中して学習に取り組めることに加え、学習コンテンツが細分化されているため復習もしやすく、学習内容の定着に非常に効果的です。
参照文献:
若い世代との相性が良い
スマホやタブレットなどを利用し、柔軟な活用ができるマイクロラーニングは、若い世代と相性のよい学習方法といえます。特に2000年以降に成人になったミレニアル世代や1996年以降に生まれたZ世代などは、スマホやタブレットの利用に精通しているのに加え、新しいものを柔軟に取り入れる力に長けています。若い世代の学習を促す方法として非常に効果的といえます。
学習教材の作成・管理が容易
マイクロラーニングは、学習教材の作成や管理が容易です。1コンテンツあたりのボリュームが少ないため、教材の制作・管理側の負担も少なくて済みます。1時間のコンテンツを準備するのは大変だと感じる担当者が多いのに対し、マイクロラーニングでは5分程度の教材準備で完了するため、忙しい担当者でも十分に対応可能です。企業全体の負担をできる限り抑えたいと考える方におすすめの学習法といえます。
マイクロラーニングの2つのデメリット
一方で、マイクロラーニングにもデメリットがあります。企業が導入する際には、これらデメリットについても事前に確認しておくとよいでしょう。
長時間の学習が必要なテーマには不向き
長時間の学習が必要なテーマでは、マイクロラーニングが不向きな場合があります。例えば、難易度の高い国家試験など、学習に数百時間を要するテーマの場合には、「学習コンテンツが多くなりすぎる」「すべてのコンテンツを終了するまでに時間がかかりすぎる」といった問題があります。
マイクロラーニングを導入する前に、学習テーマとの相性もよく検討するとよいでしょう。
教材を短時間にまとめることが難しい場合がある
複雑な論理や戦略、専門知識などの解説コンテンツなどの場合には、マイクロラーニングが不向きな場合があります。例えば、複雑な論理を説明している際にコンテンツが変わってしまった場合、説明がわかりづらくなる場合もあるでしょう。また、コンテンツを短い時間で作成しようとするあまり、クオリティが低下してしまう場合も。長時間の学習が必要なテーマでは、マイクロラーニングが不向きな場合もありえます。
マイクロラーニングの効果を高める4つのポイント
マイクロラーニングで効果的に学習を進めるためのポイントを4つ紹介します。できる限り短い時間で、かつ効率的に学習を進めたい方は参考にしてください。
学びやすい環境を整える
マイクロラーニングの大きな特徴は「手軽に学べる」という点です。学びやすい環境を整えることで、従業員により質の高い学びの場を提供できます。企業がマイクロラーニングを取り入れる場合は、以下の点について配慮し、従業員にとって学びやすい環境を整えるとよいでしょう。
- 多様なデバイスでのアクセス
- 教材の検索性
- 操作性や使い勝手
- 復習機能の充実
- 学習時間の可視化
他の学習方法と組み合わせて活用する
マイクロラーニングには「長時間の学習などに不向き」というポイントがあります。そのため、マイクロラーニングだけで完結しようとするのではなく、他の学習と組み合わせて活用することでより高い効果が期待できます。
例えば、集合研修やオンライン研修などと組み合わせることで、論理的な内容や最新の内容についても学びを深めらます。また、一部教材に関しては従来のeラーニングと同様の学習時間で作成しておけば、時間が長く空いた際に利用できます。
マイクロラーニングは独立でも高い成果が期待できる学習法ですが、様々な方法と組み合わせることでより活用幅が拡がります。
学習管理システム(LMS)を導入する
マイクロラーニングを効果的に利用するためには学習管理システム(Learning Management System:以下、LMS)の導入が効果的です。LMSとは、学習教材や学習状況の管理を行うシステムで、eラーニングの根幹ともいえるものです。マイクロラーニングはeラーニングを利用しなくても実施できますが、教材の管理・更新や学習状況の把握などの点においてLMSと非常に相性がよいため、積極的に導入することをおすすめします。LMSを利用することで、従業員の学習を個人努力ではなく、企業として後押しできるでしょう。
コンテンツは単体で完結させる
マイクロラーニングは、短時間の学習を繰り返すことで学びを深める学習方法です。そのため、コンテンツはコンパクトなボリュームで完結させ、学習と復習のサイクルを繰り返せるようにする必要があります。
もしコンテンツが途中で途切れていたり、1つのテーマが複数のコンテンツにまたがっていたりした場合には、マイクロラーニングの学習効率の妨げになるため、十分注意するとよいでしょう。
マイクロラーニングの具体的な活用シーン4選
企業においてマイクロラーニングが効果的に活用できるシーン4選を紹介します。もし以下のシーンにおいてコンテンツ作成を検討中ならば、マイクロラーニングの導入がおすすめです。
新入社員研修
新入社員研修の充実が図りたい場合、マイクロラーニングの導入がおすすめです。新入社員研修では、ビジネスマナーや名刺の交換方法、言葉遣いなど、基礎的な知識や作法について学ぶ必要があります。特に作法については一度見ただけでは習得できないことも多いため、マイクロラーニングを活用して繰り返し学習するのがおすすめ。また、一度作っておけば、数年間にわたって活用できるため、新入社員研修のコスト減も期待できます。
自社商材の知識習得
営業やサポート業務にとって、自社商材の理解は非常に重要です。顧客とやりとりをする中で、商材についての知識や魅力を十分理解しておらず、学びなおしたいと感じることもあるでしょう。
マイクロラーニングを活用すれば、自社商材の基本情報を効率的に学習できるのに加え、常に最新かつ適切な知識を取得できます。営業やサポート担当者が自社商材に関する理解をより深めるシステムを作りたい場合、マイクロラーニングが非常に効果的といえます。
社内ノウハウの共有
多くの企業が抱える問題の1つが社内ノウハウの共有です。マイクロラーニングを活用すれば、社内に蓄積されたノウハウや個人の経験などを容易に共有化できます。
例えば、営業が経験した内容や失敗談などを5分程度の動画にして保存しておけば、他の担当者が視聴し、同じミスを防いだり、より効率的に商談を進めたりできます。社内ノウハウの共有に関して改善を図りたい場合、マイクロラーニングの導入がおすすめです。
社員研修の補助
マイクロラーニングは、社員研修の補助としても活用できます。例えば対面研修では、知識の伝達よりも、話し合いを中心とした問題解決力を高めたいと思う企業も多いことでしょう。マイクロラーニングを活用することで、対面研修で必要とされる知識やノウハウを事前に補完できるため、知識伝達の時間を減らし、話し合いに多くの時間が割けます。受講者が自分に足りない知識やノウハウを選んでピンポイントで学べるため、短時間に効率的に学びを深めることも可能です。
eラーニングシステム(LMS)を選ぶ際の注意点
マイクロラーニングのためのLMSを選ぶ際には、以下の点についてしっかりと検討する必要があります。
- 自社のニーズに合った利用環境が備わっているか
- 機能面が優れているか
- 管理者や担当者が問題なく扱えるか
- 学習者が容易に利用できるか
- 費用は許容範囲内か
- 困った際のサポートが充実しているか
より詳しい選び方や、おすすめのeラーニングシステムについては別記事「eラーニングシステム(LMS)を徹底比較」で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
まとめ
本記事では、マイクロラーニングのメリットやデメリット、企業が導入する際の注意点などについて紹介しました。マイクロラーニングは独立でも活用できますが、他の学習との併用やeラーニングシステム(LSM)の導入によって、より高い効果が期待できます。
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