無料のBIツール4選|選び方や有料ツールとの違いを解説
「企業の経営判断を加速するためにBIツールを導入したいが、費用を最小限に抑えたい」とお考えの方もいるでしょう。そんな方には、無料のBIツールがおすすめです。無料であっても有料と遜色ない機能を搭載しているツールも出ています。ただし、無料のBIツールを導入する前に機能や有料ツールとの違いを理解しておかないと、導入後に「思ってたのと違った」という事態になることも。
本記事では、無料のBIツールの選び方やおすすめのBIツール、有料ツールとの違いを解説します。最適なBIツールを導入するために必要な情報ばかりなので、BIツールの導入を検討されてる方はぜひご覧ください。
- BIツールとは
- 無料のBIツールの選び方
- 【比較表】無料のおすすめBIツール
- 無料のおすすめBIツール4選
- 無料BIツールと有料BIツールの違い
- 無料のBIツールを導入する前に考えておきたいこと
- まとめ:無料のBIツールの導入は先を見越して行うようにしましょう
BIツールとは
BIとは「Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)」の略称です。BIツールは、さまざまなデータを統合し、可視化や分析を通じて、経営者や従業員がビジネス上の課題に迅速かつ適切な対応を行えるよう支援するツールです。
BIツールを導入することにより、データを効率的に分析でき、意思決定のスピードや精度を高めることが可能です。また、データの可視化により、従業員はデータからインサイトを得やすくなります。
近年、企業間競争の激化やデータ量の急増に伴い、データドリブンな経営が求められるようになっています。このような背景もあり、効率的なデータ管理・活用のためにBIツールを導入する企業が増えています。
無料のBIツールの選び方
無料のBIツールは複数あるので、どれを選べばよいか迷う方もいるでしょう。ここからは、無料のBIツールを選ぶ際のポイントを6つ紹介します。
- 保有データと連携できるか
- 必要な機能が搭載されているか
- 操作性が良いか
- アカウント数が足りるか
- データ容量が足りるか
- セキュリティ体制が整っているか
保有データと連携できるか
自社が保有しているデータと無料のBIツールの連携は、ビジネスにおいて重要なポイントです。無料のBIツールで導入コストを抑えても、データソースと連携ができなければ活用が制限されてしまい、導入する意味がなくなってしまいます。
連携できるデータは各ツールによって異なるため、自社で保有しているデータの形式を確認し、それらを連携できるツールを選びましょう。
必要な機能が搭載されているか
自社に適した無料のBIツールを選ぶには、必要な機能が搭載されているかを確認することが重要です。無料のBIツールに搭載されている基本機能は、データ可視化機能、ダッシュボードやレポートの作成機能などです。また、ツールによって異なりますが、高度な分析機能やさまざまなデータソースとの連携、多種多様なビジュアライゼーションなど、意思決定を加速させるさまざまな機能も搭載されています。
高度だけど使わない機能が搭載されてても、必要な機能が未搭載だと、BIツールの活用が進みません。そのため、本当に必要な機能が搭載されてるBIツールを選びましょう。
操作性が良いか
BIツールは各ツールによって操作性が異なります。どんなユーザーでも直感的に操作できるツールから、プログラミングやデータサイエンスの知識が必要なツールまでさまざまです。サービスを選ぶ前に、BIツールを利用する人がツールの経験者か初心者かを把握します。そのうえで、その人に適したツールを選びましょう。また、本番導入前に無料トライアルで操作性を試してみるのもおすすめです。
アカウント数が足りるか
無料のBIツールは利用できるアカウント数が少ないこともあるので、事前に利用人数を確認しましょう。将来的にBIツールを利用する人数が増える見込みなら、アカウント数に余裕のあるツールを選ぶことがおすすめです。
データ容量が足りるか
小規模なチームでBIツールを使う場合はデータ容量が少なくても支障はありませんが、企業や大規模なチームで使う場合はデータ容量が少ないことが枷となり分析の幅が狭まります。データ容量が多いことで複雑な分析や大量データの扱いが可能で、深いインサイトを得ることが可能です。
無料のBIツールはデータ容量が少ないことがあるため要注意。導入時にはどんな分析をしたいか、どのくらいのデータを扱いたいかを確認して、データ容量が十分なツールを選びましょう。
セキュリティ体制が整っているか
無料のBIツールを選定する際は、セキュリティ体制のチェックも重要です。ユーザーサポートが限定的だったり、セキュリティアップデートが遅れたりするBIツールだと、データ漏えいや不正アクセスのリスクが高まる懸念があるので注意しましょう。一般的に、セキュリティ体制が万全と言えるBIツールには、データの暗号化、強固なアクセス制御、監査証跡ログ管理、データのダウンロードの制御、定期的なセキュリティアップデート、万全なユーザーサポートなどが用意されてます。
このようなセキュリティ対策がとられているBIツールを選ぶことで、企業のデータを適切に保護し、リスクを最小限に抑えられます。不安があれば、ツール提供会社にセキュリティ体制について確認したうえで導入を進めてください。
【比較表】無料のおすすめBIツール
PRONIアイミツがおすすめする無料のBIツールを比較表にまとめました。各ツールの料金や利用条件、機能などを一目で比較できるので、ぜひ参考にしてください。
無料のおすすめBIツール4選
ここからは、おすすめの無料のBIツールについて詳しく紹介します。
Looker Studio
Looker Studio(旧Google Data Studio)は、Google社が提供するBIツール。直感的に操作できるUI、かつコーディングやソフトウェアを使わずにMySQL、Google Analytics、AdWordsなど600以上のデータソースにアクセスができるため、Googleのツールをよく利用する方やBIツール初心者でも利用しやすいです。レポートをチームに共有すれば、リアルタイムで共同編集できます。
また、無料ツールでありながら、データの自動更新機能、データのインポート・統合・加工が可能、幅広いカスタマイズ性、豊富なテンプレートが備わっているなどの特長があります。さらに、ISO 27001認証を取得しているため、セキュリティ面でも安心と言えるでしょう。
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- ISMS
- Pマーク
- 英語
- ダッシュボード表示機能
- レポート作成機能
- テンプレート設定
Pentaho(ペンタホ)は日立ヴァンタラ社が提供するBIツールです。データ統合基盤とデータ分析基盤を有しているため、100種類以上のデータの抽出・加工・出力から、データの可視化まで可能。Webブラウザ上でレポーティングやダッシュボードの作成ができるだけでなく、RDB、OLAP、WEBベースレポーティングといったレポーティングもできるため、スピーディーに分析したい方にお勧めです。
OSS(オープンソースソフトウェア)のため、すでに利用しているインフラとの統合や拡大も行えるので、柔軟にBIツールをカスタマイズしたい方にもおすすめ。
Power BIは、Microsoft社が提供するBIツールです。複数のデータを統合して分析できるだけでなく、Excelのような操作感で誰でも使いやすいUIや、ほかのMicrosoftサービスにレポートを埋め込めるため、BIツール初心者だけでなくMicrosoftサービスをよく利用する方にもおすすめ。
また、Google Analytics、Salesforce、Facebookとの連携可能でありつつ、ビジュアライゼーションのレベルが高く、データをわかりやすく可視化できることから、幅広いデータをもとに分析・可視化が可能と言えます。さらに、AIによってデータ内のパターンを検索しレポートを瞬時に作成することも可能。新たなインサイトを得つつ、レポーティングにかかる時間を短縮できるツールです。
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- オンプレミス(パッケージ)
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- ISMS
- Pマーク
- 通信の暗号化
Zoho Analyticsは、Zoho Corporationが提供するBIツール。全世界で導入企業数14,000社、利用ユーザー数200万人を誇り、toB、toC問わず多くの企業に導入されてます。250以上ものデータソースを連携でき、さまざまな切り口でデータの可視化が可能、かつ会話型分析や予測分析といった高度な分析もできるので、データをより深く見られます。
また、ドラッグ&ドロップでレポートやダッシュボードが作成できるので、BIツールが初めての方でも簡単に作業ができます。モバイルアプリを入れればモバイル端末でもレポートやダッシュボードにアクセスできるので、いつでも、どこでも分析が可能です。
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- オンプレミス(パッケージ)
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
- スマホアプリ(Android)対応
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- 冗長化
無料に限らず、さまざまなBIツールをチェックしたい方は以下もご覧ください。2024年最新のおすすめBIツールを紹介しています。
BIツールのサービスは多数あるため、どれを選ぶべきか迷ってしまう方も多いでしょう。PRONIアイミツは、ITツール受発注のプロとして、希望要件に合ったBIツールの案内が可能です。料金無料・最大6サービスをご紹介しますのでぜひ一度お試しください。
無料BIツールと有料BIツールの違い
無料と有料の違いを知ることは、自社に最適なサービスを選ぶ際に役立ちます。ここからは、それぞれの違いを5つ見ていきましょう。
- アカウント数
- 利用できる機能
- カスタマイズ性
- データ容量
- サポートやセキュリティの体制
アカウント数
無料のBIツールはアカウント数が制限されて、複数人でBIツールを使うことが難しい場合があります。今は少人数でも、将来的に多くのユーザーがBIツールを利用することを想定しているなら、アカウント数を増やせる有料のBIツールを検討しましょう。
また、OSS(オープンソースソフトウェア ) のBIツールならアカウント数制限を気にせず無料で利用できますが、運用・管理には一定の技術や知識が必要なため、対応できる技術者がいない場合は導入すること自体難しくなります。無料のBIツールは導入コストを抑えられますが、利用するユーザー数や社内リソースによっては有料のBIツールを導入するのがおすすめです。
利用できる機能
無料のBIツールには以下のような基本機能がありますが、有料のBIツールと比較して機能が限定されていることが多いです。
- データソースとの連携
- 簡単な分析機能
- データの可視化
- レポートやダッシュボードの作成
有料BIツールであれば以下のような機能も利用することができ、より深い分析や可視化が叶います。
- 高度な分析機能(データマイニング、予測分析など)
- 複数人での同時編集や共有
- 各種カスタマイズや拡張機能の追加
- AIによる分析や仮説のシミュレーション
どの程度の機能が必要かは企業ごとに異なるため、自社の規模や目的に応じて、無料・有料問わずBIツールを検討しましょう。
カスタマイズ性
無料のBIツールは、グラフ・レポート・ダッシュボードを簡単にレイアウト変更できますが、自社のニーズに合わせた細かい調整は得意ではありません。一方、有料のBIツールはカスタマイズ性が高く、自社のニーズに合わせたデータの表示やレポートのレイアウト調整が可能です。具体的には以下のような特徴があります。
- グラフの種類やデザインのバリエーションが豊富
- ダッシュボード内の各要素の配置やサイズ変更が可能
- データソースとの連携設定の柔軟性
- ユーザー権限の細かな設定
カスタマイズ性が高いBIツールは、データが最適な形で可視化され柔軟にデータ分析を行えるため、効率的な意思決定が可能です。
データ容量
無料のBIツールは、有料のBIツールと比較してデータ容量が少ないです。データ容量が少ないと、多くのデータは扱えず分析の幅が限定されてしまい、十分なインサイトを得られないこともあります。一方で、データ容量が多いと、大量のデータを網羅的に分析できてより正確な結果が得られる、複数ソースからのデータ統合が容易になり効率的なデータ分析が可能になるといったメリットがあります。
ただ、データ容量が少ないことが必ずしも悪いということではなく、以下のようなケースでは容量が少なくても問題ない可能性もあります。
- 小規模データセットでの分析がメイン
- 複雑な分析は行わない
- データの更新頻度が低い
それに対し、以下のような場合だとデータ容量の制限により支障が出てしまう可能性が高いです。
- 複数のデータソースからのデータ統合を行う
- 大規模なデータセットを扱い分析をする
- 複雑で詳細な分析を行う
- 頻繁にデータが更新され、リアルタイム分析が求められる
以上の点を考慮し、自社のニーズに合ったBIツールを選びましょう。
サポートやセキュリティの体制
有料のBIツールであれば24時間テクニカルサポートに連絡できたり、スピーディーな対応を受けられたりしますが、無料ツールにはそのような手厚いサポートがない場合が多いです。メールによる簡易的なサポートしか受けられない場合、コミュニティフォーラムで自ら調べて対処する必要があります。
また、無料のBIツールだと基本的なセキュリティ機能のみとなり、自社のセキュリティ要件を満たせない可能性も。有料ツールならアクセス制御機能があり、情報セキュリティ認証を取得するなどしているため、高い水準のセキュリティを担保できます。
無料のBIツールを導入する前に考えておきたいこと
前述した通り、無料のBIツールは有料のものと比較してさまざまな制限があります。無料で使える機能だけで十分な場合や、BIツールを試験的に導入する場合であれば、無料のBIツールも効果的です。
ただし、もし無料のBIツールの導入後に有料ツールに切り替えるとなると、時間や手間がかかります。「高度な分析をしたい」「アカウント数や拡張性があったほうがいい」「充実したセキュリティやサポート体制が必要」といった希望がある場合は、有料のBIツールの導入も検討しましょう。
以下の記事ではBIツールの初期費用・月額料金の相場を紹介しております。BIツールの費用相場を知りたい方は、ぜひご覧ください。
まとめ:無料のBIツールの導入は先を見越して行うようにしましょう
無料のBIツールはコストがかからない分、手軽に導入ができます。サービスによっては無料でも有料と同程度の機能を利用することが可能です。しかし、データ容量やアカウント数などの面で有料のBIツールの方が優位なことも多いので、BIツールを導入する目的や必要な機能をツール導入前に把握しておき、無料・有料問わずに自社に最適なツールを選定しましょう。
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