ポテンシャル採用とは?中途採用との違い、メリット・デメリットを解説
現代の企業では、組織を構成するメンバーの高齢化や少子高齢化による採用難の影響から、いかに優秀な若手人材を確保するかが重要となってきています。企業間での人材の争奪も激化しており、各企業はさまざまな工夫を行っている状況です。
当記事では、営業・バックオフィス・情報システムなど幅広い分野の法人向けSaaSサービスを比較検討できる「PRONIアイミツ」が、近年の企業が若手人材を確保するために行っている採用手法「ポテンシャル採用」について、概要・メリット・デメリット・ポイントなどをご紹介していきます。
- ポテンシャル採用とは
- ポテンシャル採用を導入している企業の事例
- 企業がポテンシャル採用を行うメリット
- 企業がポテンシャル採用を行うデメリット
- ポテンシャル採用を行う際のポイント
- ポテンシャル採用には採用管理システム(ATS)がおすすめ
- まとめ
ポテンシャル採用とは
ポテンシャル採用とは、人材のポテンシャル(潜在能力)にフォーカスして評価を行う採用手法です。現在では自社の採用基準に達していなくても、将来的に発揮されるであろう能力に期待して採用選考を行います。
ポテンシャル採用の対象は厳密には決められていませんが、新卒者・既卒者・第二新卒者といった20代の若年層を対象とすることが一般的。すでに社会人経験が豊富な30代以降の人材に関しては、従来と同じ即戦力を期待しての中途採用が主流となります。
ポテンシャル採用と他の採用手法の違いについて、続けて以下に解説します。
中途採用との違い
中途採用は即戦力を目的として採用されるため、現にスキルや経験を有している人材を採用するのが一般的です。一方で、将来的な能力の開花を期待した採用であるため、採用時において自社の基準以下の人材を採用するケースが多いです。
ポテンシャル採用では即戦力を期待することは難しく、採用後もある程度のフォローアップが必要となる点に違いがあります。
新卒採用との違い
新卒採用は、新卒の学生を対象とした定期一括採用手法です。企業の採用計画に従い中長期的に実施され、同時期に多くの人材が入社します。一方で、ポテンシャル採用は新卒に限らず、既卒・第二新卒・職務経験者も含めたより多くの人材を対象とした採用手法で、期間も通年です。
ポテンシャル採用は、新卒のように時期や対象者に縛られず、より柔軟で幅広い採用手法となることが特徴です。
ポテンシャル採用が注目を集める背景とは?
現在ポテンシャル採用は大きな注目を集めており、多くの企業が導入を進めています。その主な理由は、採用難に悩んでいる企業が多いためです。売り手市場の状況が継続しており、人材獲得競争が激化する中、必要十分な人材数を確保できない企業が打開策としてポテンシャル採用を導入しています。
また、従来の採用手法では確保できない人材を確保したいという理由で、ポテンシャル採用を取り入れる企業も増えています。新卒採用・中途採用という従来型の採用手法では、採用条件や応募期間の都合から間口が狭まります。これらに該当しない優秀な人材を確保することを目的としてポテンシャル採用を導入する企業は多くなっています。
ポテンシャル採用を導入している企業の事例
ポテンシャル採用の導入を検討しているのであれば、実際の企業の事例を参考にして、学びやヒントを得ることも重要となります。ここでは、ポテンシャル採用を導入している企業のおすすめの事例をご紹介します。
ヤフー株式会社
ヤフーでは、従来の新卒一括採用のみの採用手法にテコ入れを行い、2016年10月よりポテンシャル採用をスタート。30歳以下であれば、新卒・既卒などの経歴に関わらず応募可能であることを条件として、キャリアよりも潜在的な能力を評価して通年の採用活動を行っています。
ポテンシャル採用の導入後、より多くの人材から興味を持ってもらえるようになり、応募者の幅が拡大。潜在能力や熱意を持つ優秀な人材を採用できるようになり、採用力の強化に繋がったことを実感しています。
参考:ヤフー株式会社 ポテンシャル採用募集要項
株式会社コロプラ
ソフトウェア・ゲームソフトなどの開発を主な事業とするコロプラでは、新卒採用・中途採用ともに、技術だけでなく将来性や人柄を重視したポテンシャル採用を積極的に推進。デザイナー・プランナー・インフラエンジニア・クライアントエンジニア・サーバーサイドエンジニアなど、幅広い職種において、ポテンシャルを重視した採用を行い、新しいテクノロジーやトレンドを踏まえたプロダクトの開発に取り組み、ヒット作品を多数生み出しています。
参考:株式会社コロプラ ポテンシャル採用募集要項
企業がポテンシャル採用を行うメリット
ポテンシャル採用を行う企業は増加傾向にありますが、その理由は企業にとってのメリットが大きいためです。ここでは、企業がポテンシャル採用を行うことで得られるメリットについて解説します。
企業にマッチする優秀な人材を獲得できる
ポテンシャル採用を導入する最大のメリットは、採用の対象が広がることで、優秀な人材を採用できる可能性が高まることです。一般的な中途採用はスキルや経歴から判断して採用を行うため、マッチング率が高いことがメリットですが、採用の対象は狭まってしまうという懸念があります。人材不足に悩んでいる多くの企業にとっては、十分な人数を採用できないという事情があります。
ポテンシャル採用であれば、採用の難易度やプロセスの増加は伴いますが、優秀な人材を確保できる可能性が高まり、人材獲得ニーズを充足することが可能です。
研修のコストや時間がかからない
ポテンシャル採用は、潜在的な資質や才能に期待するだけに、多くは自社の求めるボーダー以下の人材を採用することとなります。しかし、多くは社会人経験を有する人材を採用するため、ビジネスマナーや社会常識といった基礎的なスキルの研修は不要。人材育成に要するコストやリソースを大幅に削減することが可能です。
ただし、採用する人材によっては、自社が求める基準に達するまでに業務知識や業務スキルについての研修やOJTを行う必要があるため、コストやリソースの見極めは慎重に行う必要があります。
ダイバーシティやイノベーションなどが期待できる
ポテンシャル採用では、人材が持つ潜在的な資質や才能といった未知数の部分に期待できることが醍醐味です。採用できる人材の幅が広がり、組織内に新しい風を吹き込むことができるため、ダイバーシティ化やイノベーションを起こせる可能性があります。
組織内の文化や風土が固定されていては、大々的な変革を起こす事は困難。ポテンシャル採用で獲得した人材がもたらす刺激やアイデアにより、企業の成長発展が期待できることは大きなメリットとなります。
企業がポテンシャル採用を行うデメリット
ポテンシャル採用には、メリットだけでなくデメリットとなる側面もあるため、導入を検討しているのであれば理解しておくことが重要です。ここでは、企業がポテンシャル採用を行うデメリットについて解説します。
前職のやり方や考え方に固執してしまう可能性がある
ポテンシャル採用の対象となるのは、中途採用と同じく何かしらの業務の経験者であるため、入社後に前職の仕事のやり方や慣習に固執してしまい、自社とのミスマッチを起こす可能性があることがデメリットです。
資質・才能や何らかのスキルを保有していることは採用側にとっては評価すべき点ですが、必ずしも全てがプラスに作用するとは限らないことに留意しておく必要があります。
このようなデメリットを払拭するためには、人材の柔軟性や適応力について慎重にチェックしておくことが重要です。
早期退職してしまう可能性がある
ポテンシャル採用は、一般的な採用よりも未知数な部分が多い採用手法であるため、採用した人材が自社に馴染めず早期退職してしまう可能性が高めであることがデメリットです。すでに退職を経験したことがある人材が多いため、退職や転職に対する抵抗が少ない人材が多いことも、早期退職の可能性を高める要因となります。
早期退職は企業にとって大きなダメージとなるため、できるだけ自社に定着してくれそうな人材を採用してリスクヘッジを行っておくことが重要です。
複雑な採用プロセスが必要になる可能性がある
ポテンシャル採用は、個人の採用や資質を細かく吟味する必要がある採用手法であり、即戦力採用ではなく入社後の研修やトレーニングが必要なことが前提となる採用手法でもあります。
そのため、一般的な採用よりも複雑かつ煩雑な採用選考プロセスが必要となる可能性が高く、採用後のフォローアップもきめ細かく行わなければなりません。このように、ポテンシャル採用には大きな負荷が伴う可能性があることもデメリットです。
ポテンシャル採用を行う際のポイント
ポテンシャル採用を導入するのであれば、少しでも高い成果に結びつけるためにも、ポイントや注意点を押さえておくこが重要となります。ここでは、ポテンシャル採用を実施する際のポイントや注意点について解説します。
自社が求める「ポテンシャル像」を明確化する
ポテンシャル採用を行うにあたっては、まずは自社が求める「ポテンシャル像」を明確化する必要があります。理想のポテンシャル像が不明瞭なままだと、自社の採用基準を設定することができず、採用の成功率を高めることができないためです。各部署・現場の意見も参考にして、まずはポテンシャル像を具体的かつ明確に設定しましょう。
期待するポジションにふさわしいモチベーションがあるか確認する
ポテンシャル採用を行うにあたって重要となるのが、ポテンシャル像に合致しつつ、かつモチベーションの高い人物を選ぶことです。ポテンシャル採用は人材の資質や才能に期待する採用手法であるため、モチベーションが高い人材でないとこれらが開花する可能性も薄まってしまうためです。モチベーションは思いのほか重要な要素となるため、必ず期待するポジションにふさわしいモチベーションを持つ人材を採用するようにしましょう。
グループワークなどで対人関係能力も図る
ポテンシャル採用においても一般的な採用においても、入社後は周囲と調和して業務を行ってもらうことに変わりはありません。むしろ、資質や才能で採用を行うポテンシャル採用においては、一般的な採用以上に周囲とのコミュニケーションや連携を図ることが重要視されます。そのため、先行プロセスにグループワークなどを設け、対人関係能力を事前にチェックしておくことも重要なポイントとなります。
SNSやオンラインを用いて採用活動を簡略化する
ポテンシャル採用は、一般的な採用活動以上に若手人材から興味関心を持ってもらうことが重要となります。そこでおすすめとなる方法が、若手人材の多くが利用しているWebサイト・SNS活用・若手向け求人媒体を活用して、積極的な情報発信を行うことです。若手人材の目に触れやすい媒体での情報を充実させることで、注目を集める機会や興味関心を持ってもらえる機会も増やすことができます。
ITツールなどを用いて採用・研修プロセスを管理する
ポテンシャル採用でターゲットとなる人材は、一般的な採用とは異なり未知数の部分が多いため、採用選考や入社後の研修のプロセスも煩雑かつ複雑となります。
そこで、効率的かつ的確なポテンシャル採用を行うために重要となるのが、ITツールを上手く活用して採用や研修のプロセスを管理することです。少ない負担で適切な管理を行うことが可能となるため、ポテンシャル採用を成功させる可能性も高めることができます。
ポテンシャル採用には採用管理システム(ATS)がおすすめ
ポテンシャル採用は、人材の潜在的な資質や才能といった未知の部分に期待する採用手法です。そのため、採用選考にはより多くのプロセスが必要となり、人材の情報も慎重に精査する必要があるため、採用業務には多くの時間・労力・コストが必要となります。
採用管理システムを導入して採用選考プロセスをデジタル化・システム化すれば、ポテンシャル採用の効率的な推進や成功確度向上に役立てることが期待できるためおすすめです。
まとめ
ポテンシャル採用は、現在多くの企業が導入を進めているトレンドの採用手法です。新卒採用・中途採用といった従来型の採用手法では確保できない優秀な人材を確保したい場合や、採用難で十分な人数の確保が難しい場合にはおすすめです。
ポテンシャル採用は、従来型の採用手法よりも多くの労力が必要となり、見るべきポイントも多くなるため、効率的な採用活動を行うための環境構築が重要。採用管理システムの導入もおすすめです。
しかし、数ある採用管理システムを比較して自社のニーズに合ったものを選ぶのは大変です。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った採用管理システムが分かる診断(無料)ができます。
採用管理システム(ATS)のおすすめ記事
採用管理システム(ATS)の新着記事
探すのに時間がかかる
相場がわからない
複数を比較しづらい
プロが代わりに探して紹介します!