決済代行会社とアクワイアラーの違いは?クレジットカード決済における役割を解説
店舗やネットショップでVisaやMastercardなどのクレジットカードを利用するには、カードブランドと直接契約するのではなく、「アクワイアラー」や「決済代行会社」と契約する必要があります。
では、「アクワイアラー」「決済代行会社」とは、どういった役割を持っているのでしょうか。本記事ではアクワイアラーと決済代行会社の違い、クレジットカード決済の相関図を分かりやすく解説します。
- クレジットカード業界の相関図
- アクワイアラーと決済代行会社の違い
- 国内の主なアクワイアラー(カード会社)一覧
- 国内の主な決済代行会社一覧
- アクワイアラーとイシュアーは同じ会社?違いは?
- キャッシュレス決済(オンライン決済)を導入する方法
- まとめ:決済代行会社を利用して、クレジットカード決済を導入しよう
クレジットカード業界の相関図
まず、クレジットカード業界の相関図をご覧ください。
加盟店(EC・店舗事業者)でVisaやMastercardなどのクレジットカード決済を使えるようにするには、カード会社(アクワイアラー)が構築した決済システムを利用する必要があります。
そのアクワイアラーと加盟店を仲介する存在として、決済代行会社があります。決済代行会社は、カード会社(アクワイアラー)に代わって、加盟店審査や契約手続き、売上入金管理などの事務手続きを行います。
それぞれの役割について以下にまとめます。
クレジットカードの国際ブランド
クレジットカードの国際ブランドとは、世界中で利用できるカード決済システムを提供する会社です。5大ブランドは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club。国際ブランドは、カード決済の安全性を確保するために、さまざまなセキュリティ対策を講じています。たとえば、「3Dセキュア」という本人認証サービスは、カード番号や暗証番号だけでなく、ワンタイムパスワードやデバイス認証を実施するセキュリティ対策です。
アクワイアラー
アクワイアラーとは、国際ブランドからライセンスを取得して、クレジットカード決済を行うためのシステムを構築している金融機関です。日本国内で代表的なアクワイアラーとしては、三井住友カード、三菱UFJニコスなどがあります。
アクワイアラーが決済ネットワークを構築・運用していることによって、店舗やECサイトでクレジットカード決済を実行できるようになるのです。
ちなみに、アクワイアラー(Acquirer)は日本語にすると「獲得者」。クレジットカード決済においては「加盟店を獲得する業者」を意味します。
決済代行会社
決済代行会社とは、アクワイアラーと店舗の契約を代行する会社のこと。アクワイアラーの代わりに、加盟店審査や契約手続き、売上入金管理などの事務手続きを行います。
決済代行会社は、クレジットカード決済だけでなく、さまざまなキャッシュレス決済手段を用意しています。そのため、ECサイトや店舗が決済代行会社と契約を結ぶことで、数のキャッシュレス決済(クレカ、電子マネー、QRコード等)を一括で導入することが可能です。
イシュアー
イシュアー(Issuer)とは、国際ブランドからライセンスを取得して、消費者に対してクレジットカードを発行する会社です。日本国内では、三井住友カードや三菱UFJニコス、楽天カードなどが代表的なイシュアーです。
イシュアーは消費者の信用情報をもとに与信管理を行います。また、利用者がカードを使用した際の代金請求や、利用明細の発行、不正利用の監視などもその重要な役割です。
ちなみに、イシュアー(Issuer)は日本語にすると「発行者」。クレジットカードを発行する役割を担っていることを意味します。
アクワイアラーと決済代行会社の違い
アクワイアラーと決済代行会社は、どちらもクレジットカード加盟店の開拓を担っていますが、その役割には違いがあります。
アクワイアラーは国際ブランドの利用ライセンスを取得して、決済ネットワークを構築します。決済代行会社は、アクワイアラーの代わりに加盟店(店舗・ECサイト)と契約を行い、複数のキャッシュレス決済を一括で導入し、入金管理まで行います。
アクワイアラーの主な役割
- カード決済ネットワークの構築・運用
- 決済代行会社と代理店契約
- チャージバック処理(不正利用や商品未着などの理由で、消費者が支払いに異議を申し立てた際の返金処理等)
決済代行会社の主な役割
- アクワイアラーと加盟店の契約を代行
- 決済処理状況をシステムで表示
- 加盟店への定期的な入金
- さまざまなECサイト構築ツールと決済システムを連携
- 決済端末の提供
国内の主なアクワイアラー(カード会社)一覧
日本国内の主要なアクワイアラー(カード会社)を一覧でご覧ください。
- 三井住友カード株式会社
- 三菱UFJニコス株式会社
- UCカード株式会社
- 株式会社クレディセゾン
- 株式会社ジェーシービー(JCB)
- 株式会社オリエントコーポレーション
- イオンクレジットサ-ビス株式会社
- 株式会社ジャックス
国内の主な決済代行会社一覧
日本国内の主要な決済代行会社を一覧でご覧ください。
- SBペイメントサービス株式会社
- GMOペイメントゲートウェイ株式会社
- GMOイプシロン株式会社
- ソニーペイメントサービス株式会社
- 株式会社リクルート(Airペイ)
- 株式会社ゼウス
- 株式会社DGフィナンシャルテクノロジー(VeriTrans4G)
- 株式会社ペイジェント
アクワイアラーとイシュアーは同じ会社?違いは?
カード会社のなかには、アクワイアラーとイシュアー、両方の事業を行っている会社が多数あります。たとえば、三井住友カードや三菱UFJニコス、UCカード、クレディセゾンなどがその一例です。
なお、アクワイアラーとイシュアーは、国際ブランドからライセンスを取得できる点で共通していますが、顧客や役割に次のような違いがあります。アクワイアラーが加盟店開拓の役割を担っているのに対し、イシュアーは消費者向けにクレジットカードを発行し、利用者を増やす役割があります。
| 比較項目 | アクワイアラー | イシュアー |
|---|---|---|
| クライアント(顧客) | 決済代行会社、ECサイトや店舗などの加盟店 | 消費者 |
| 役割 | カード決済ネットワークの提供、加盟店の開拓 | クレジットカードの発行、カード利用者の与信管理・代金請求 |
キャッシュレス決済(オンライン決済)を導入する方法
ECサイトや店舗にキャッシュレス決済(オンライン決済)を導入する方法としては、決済代行会社との契約が一般的です。決済代行会社と契約すると、クレジットカードだけでなくQRコード、電子マネー、コンビニ決済などさまざまな決済手段を一括で導入することができます。
決済代行会社を利用して、キャッシュレス決済を導入するメリットをまとめます。
販売機会の損失を防げる
第一のメリットは販売機会の損失を防げる点です。多様な決済手段に対応できる決済代行サービスを導入すれば、決済手段不足による顧客の離脱を防げます。
SBペイメントの調査によると、顧客自身が希望する決済手段が用意されていない場合、60%以上の顧客が他店舗で商品を購入するという回答が得られました。この結果から、決済手段不足は販売機会を損失する大きな要因になるとわかります。
顧客(消費者)が頻繁に使う決済手段や、ポイントの貯まりやすい決済手段に対応していれば、ユーザー満足度の向上につながるでしょう。
クレジットカード各社の審査の手間を省ける
VISAやMastercardなどのクレジットカード会社と直接契約しようとすると、審査申込の書類を準備して提出する必要があります。事務作業にあまり時間をかけられない店舗運営者にとって、自力で1社1社と契約することは現実的ではありません。
決済代行サービスを利用すると、決済代行会社に対してのみ書類を送ればよく、複数の書類を準備する必要はありません。このように、クレジットカード各社の審査の手間が省ける点がメリットです。
売上を一元管理できる
システム上で、キャッシュレス決済による売上を一元管理できる点もメリットです。決済エラーや未払いが発生していないかを確認したり、リアルタイムの売上を把握でき、経営・資金繰りがしやすくなります。
まとめ:決済代行会社を利用して、クレジットカード決済を導入しよう
店舗やECサイトで必須となりつつあるキャッシュレス決済。決済代行会社を利用することで、クレジットカード決済や電子マネー、QRコード、コンビニ決済といったニーズの高い決済手段を一括で入れることができます。
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