決済代行とアクワイアラーの違いを比較!オンライン決済導入のコツも
クレジットカードのオンライン決済導入を検討する際に、決済代行会社やアクワイアラーなどの聞きなれない言葉を多く耳にするかと思います。決済代行会社とアクワイアラーは明確に違うものですが、オンライン決済においては似た立ち位置にあるため、違いがわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、決済代行会社とアクワイアラーの違いについてご紹介するとともに、実際にオンライン決済を導入する際の方法やコツなども併せて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
なお、以下の記事では2024年最新のおすすめ決済代行サービスを紹介しています。興味のある方はこちらもぜひご覧ください。
- クレジットカード業界の相関図
- 決済代行会社の役割
- アクワイアラーの役割
- アクワイアラー一覧
- 決済代行会社とアクワイアラーの違い
- オンライン決済を導入する方法
- 加盟店として気をつけるべきポイント
- まとめ
クレジットカード業界の相関図
決済代行会社とアクワイアラーは、どちらもクレジットカード業界に属する事業を行っています。まずはそれぞれの特徴やクレジットカード業界での立ち位置、その他の関連する事業者、相関関係などを確認し、業界全体を大まかに把握しましょう。
決済代行会社
決済代行会社とは、ネットショップなどでオンライン決済を導入したい事業者に対して、各決済機関との手続きや管理を一括で代行してくれる会社のことです。
オンライン決済にはクレジットカード決済やコンビニ決済、携帯キャリア決済、電子マネー、銀行振り込みなどのさまざまな手段があり、それぞれに沿ったシステムの導入や契約が必要です。
しかし、いち事業者がこれらをすべて個別に対応するのは負担があまりにも重いため、限られた決済手段のみを導入するか、まとめて代行してくれる決済代行会社を利用することとなります。
アクワイアラー
アクワイアラーは英語で「得る者・獲得する者」と訳されますが、クレジットカード業界では加盟店契約会社という意味で使われている言葉です。
加盟店とはクレジットカードやプリペイドカードなどの決済を導入した店舗のことで、アクワイアラーは、VISAやJCBなどのカードブランドからライセンスを取得し、加盟店の開拓や審査などの管理事業を行っています。
また、クレジットカード会社の代わりに売上金を立て替え、加盟店に支払いを行うのもアクワイアラーです。
国際ブランドなどの決済機関
国際ブランドとは、世界中で利用できる決済システムを提供するクレジットカード会社のことです。主なブランドとしてはVisa、JCB、MasterCard、American Express、銀聯などが挙げられます。
事業者が国際ブランドを導入するメリットは、やはりビジネスチャンスの拡大。海外向けの事業を展開する場合は、上記の5つに加え、Diners Club InternationalとDiscoverも抑えておくと良いでしょう。
イシュア
イシュアは、国際ブランドからライセンスを取得し、カード利用者に対して実際に使用するクレジットカードを発行する会社のことです。
また、カード利用者の引き落とし情報などを管理し、利用明細の発行や料金の請求、クレジットカードの不正利用に関する監視も行っています。
決済代行会社の役割
次に、決済代行会社の役割について具体的にご紹介します。決済手続きを代行するほか、システムの構築や決済処理などを行うのも決済代行会社です。以下で詳しく見ていきましょう。
決済機関との契約手続きの代行
ネットショップなどにオンライン決済を導入する場合、契約内容や手続きの方法は利用する決済機関によって異なります。英語による契約締結が必要な場合や、提出する書類の種類が多い場合もあり、手続きがとても複雑です。
利用者を増やすには、複数の決済方法を導入するのがやはりベストですが、各決済機関と契約を結ぶには手間と時間がかかります。複数の決済方法を導入する場合は、これらの手続きを一括で代行してくれる決済代行会社と契約するのが一般的だと言えるでしょう。
決済におけるシステムの構築
オンライン決済を導入する場合は、ネットショップを専用の決済システムに対応させる必要がありますが、決済代行会社では環境構築も担当しています。
決済代行会社を通さずにオンライン決済を導入するとなると、決済方法によって異なるシステムの仕様を理解し、自ら対応できるようECサイトやシステムなどを開発しなければなりません。
その点、決済代行会社と契約すれば、案内に従って運営しているネットショップと専用のシステムを接続させるだけで、簡単に各決済方法が利用できるようになります。
決済処理や入金処理の実行
決済代行会社では、売上の処理やキャンセルになった場合の返金処理、入金処理業務などを事業者の代わりに行なっています。
売上・返金処理方法も決済手段によって異なるため、決済代行会社を通さずに複数の決済方法を導入する場合は、異なる確定タイミングや入金サイクルをすべて把握した上で入金を管理しなければなりません。
しかし、決済代行会社と契約すれば、売上や返金の処理を自分で行う必要がないため、大幅に負担を軽減できます。
アクワイアラーの役割
次に、アクワイアラーの役割について、具体的にご紹介します。主な役割は、加盟店と国際ブランドの橋渡しです。以下で詳しく見ていきましょう。
加盟店の募集と開拓
アクワイアラーは、新規開業する店や、他社と契約している事業者に対して、取り扱っている国際ブランドを使用できるよう加盟店として契約し、管理する役割があります。
事業者は加盟店契約を結ばなければ国際ブランドを利用できないため、たとえば、VISAを導入したいなら、VISAを担当しているアクワイアラーと契約を結ばなければなりません。
また、加盟を希望する事業者に対して、クレジットカード販売に向いているかなどの審査を実施するのもアクワイアラーの役割。契約締結後はクレジットカード決済のシステムに対応するためのサポートや管理なども行っています。
イシュアと加盟店の支払いを取り次ぐ
イシュアはカード利用者から商品やサービスの支払い代金を回収しており、アクワイアラーはイシュアの代わりに加盟店へ支払いを行うという役割があります。
イシュアが直接加盟店に代金を渡すことができればいいのですが、イシュアは加盟店と契約を結んでいないため、そのままでは支払いができません。加盟店と契約を結んでいるアクワイアラーが代わりとなって、加盟店への支払いを取り次いでいるというわけです。
加盟店の売上管理
アクワイアラーは、管理している加盟店から売上データを受け取り、イシュアの支払いを加盟店へ立て替え入金するとともに、これらの業務にかかった手数料の徴収も行います。
イシュアが利用者から代金を回収し、その代金を受け取ったアクワイアラーが事業者へ入金するという構図です。とはいえ、多くの会社ではイシュアとアクワイアラーの役割を分けることなく、両方の業務を兼任しているのが一般的でしょう。
アクワイアラー一覧
アクワイアラーは世界中に存在していますが、国際ルールにより「アクワイアラーと加盟店は同一国でなければならない」と定められています。そのため、国内の事業者が国際ブランドの決済を導入する場合は、日本法人のアクワイアラーと契約しなければなりません。
日本における代表的なアクワイアラーとしては、以下のような会社が挙げられます。
・株式会社ジェーシービー
・三菱UFJニコス株式会社
・イオンクレジットサ-ビス株式会社
・楽天カード株式会社
・SMBCファイナンスサービス株式会社
・株式会社オリエントコーポレーション
・ポケットカード株式会社
・ライフカード株式会社
・ユーシーカード株式会社
決済代行会社とアクワイアラーの違い
続いては、決済代行会社とアクワイアラーの違いについて、4つのポイントに分けて詳しくご紹介します。前述したアクワイアラーの役割などを踏まえながら確認していきましょう。
加盟店とのかかわり方の違い
アクワイアラーは加盟店と直接契約しますが、決済代行会社はネットショップなどと契約を結ぶことで、アクワイアラーと加盟店の間での包括加盟店となります。
アクワイアラーで取り扱うのは基本的にクレジットカード決済ですが、決済代行会社ではほかにもコンビニ決済やキャリア決済などを取り扱っているのが特徴です。
ネットショップではニーズに対応するために複数の決済方法が求められるため、決済代行会社に依頼することが一般的となっています。
手数料の違い
決済代行会社とアクワイアラーでは、アクワイアラーの方が手数料が安くなる傾向があります。なぜなら、決済代行会社はアクワイアラーとの間に入って契約を結ぶからです。1社抜ける分、アクワイアラーの方が手数料が安くなります。
とはいえ、決済代行会社が各カード会社との手数料率を調整するため、一概にアクワイアラーとの契約よりも決済代行会社の方が手数料が高くなるとは言い切れません。
クレジットカードの導入・運用面における違い
決済代行会社とアクワイアラーでは、決済代行会社を利用した方が簡単に決済手段を導入・運用できます。
決済代行会社は、事業者に合わせた接続方法をあらかじめ用意しているため、簡単に導入することが可能。また、サポートが充実しているため、導入後にトラブルがあった場合も安心です。
一方でアクワイアラーでは国際ブランドごとに契約・接続を行うため、手続き・開発にコストと時間がかかります。さらに、国際ブランドごとに売上金の入金日が異なるため、清算業務も複雑です。
セキュリティ対策の必要性に関する違い
決済代行会社では複数の決済手段を安全に利用できるよう、あらかじめ強固なセキュリティ対策を行っています、一方で、アクワイアラーと契約を結ぶ場合は、先述したとおり、システムから構築しなければいけないため、セキュリティ対策も自社で行う必要があります。
また、決済代行会社は事業者が入手したクレジットカード情報を代理で管理できるため、カード情報の非保持化が可能。国際基準に準拠する必要があることから、多くの事業者は決済代行会社などの国際基準に準拠した会社にクレジットカード決済を委託しています。
オンライン決済を導入する方法
実際にオンライン決済を導入する際は、どのような方法で行われるのでしょうか?ここからは、決済代行会社とアクワイアラーそれぞれの導入方法についてご紹介します。
決済代行会社を利用する場合
決済代行会社を利用する場合は、決済代行会社との契約のみで完了します。各クレジットカードカード会社とのやり取りなどは、すべて決済代行会社の担当業務です。契約だけでなく、システムも一本化されるため、振り込みに関しても決済代行会社からの入金日のみを確認すれば問題ありません。
また、クレジットカード会社との連携についても、決済代行会社の案内に従って自社のネットショップと環境を接続させるだけで済むため、新規開業の際にも導入しやすいでしょう。
アクワイアラーを利用する場合
アクワイアラーを利用する場合は、加盟店として各国際ブランドの審査を通過して契約(これは決済代行会社でも同様)を行います。事業者は各社に対する書類を用意する必要があり、決済システムへの対応やセキュリティシステムの構築も、国際ブランドごとに必要です。
さらに、入金日も国際ブランドごとに異なるため、すでに社内にシステムが構築されており、運用ノウハウを持つような会社でなければ、手間や時間などのコストが膨大にかかるでしょう。
加盟店として気をつけるべきポイント
まず、クレジットカード決済を導入する場合は、最低でも5大国際ブランド(JCB、AMEX、Diners Club、VISA、Mastercard)は利用できるようにしましょう。中国からのニーズがある場合は、これに銀聯カードを加えるのがおすすめです。
また、クレジットカードの売上に関しては、回収が見込まれている場合はアクワイアラーによる立て替えで加盟店へ支払います。その際に加盟店手数料が差し引かれるため、経理上では支払いまで未払い金処理を行い、入金後に入金処理を行いましょう。
なお、加盟店手数料は加盟店が負担すべきものですが、ごくまれに利用者に請求する事業者がいます。利用規約によって禁止されており、発覚すれば指導やペナルティの対象となるため注意が必要です。
まとめ
本記事では決済代行会社とアクワイアラーそれぞれの特徴や役割、実際の導入方法、加盟店として注意すべきポイントなどについて解説してきました。アクワイアラーとの契約でもクレジットカード決済を導入できますが、利便性や効率性を考えると決済代行会社の利用がおすすめです。
以下の記事では、オンライン決済代行全サービスを徹底比較しています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
こちらのタイトルをクリック→オンライン決済代行全サービスを徹底比較!おすすめも紹介!【2024年最新版】
また、「アイミツ」では随時無料相談を承っております。オンライン決済代行サービスの導入や運用にお困りの方には、いつでもお気軽にお問い合わせください。ご要望に沿ってサポートいたします。
プロが条件に合ったサービスを選定します!