Web会議のメリット・デメリットまとめ
テレワークが新たな働き方として広がっていったことをきっかけに、これまでの会議のあり方とは異なるWeb会議を採用する会社が増えています。
しかしWeb会議を導入するといっても、セキュリティ面は大丈夫?費用面は負担にならない?などさまざまな疑問があるもの。そこでこの記事では、企業がWeb会議を導入することによってどのようなメリットがあるのか、一方デメリットや導入における弊害にはどんなものがあげられるのかなどを紹介します。
実際にWeb会議ツールが企業でどのように活用されているのかも紹介するため、Web会議への移行を検討している場合には是非参考にしてください。
Web会議のメリットとは
Web会議とは、その名の通りインターネット回線を通じて行われる会議のこと。本社の社員とテレワーク中で自宅にいる社員とのあいだでも問題なく、映像や音声のやりとり、さらには画面や資料の共有などを行えます。
インターネットを通じたやりとりだと映像が見づらいのではないか?と不安に思っている方も少なくありません。しかし昨今では通信インフラが発達しているだけでなく、それぞれのWeb会議ツールが大きな進歩を遂げているため、Web上であると言ってもビジネスに支障なく活用できるレベルとなっています。
それでは、具体的にはどのようなメリットがあるのか、確認していきましょう。
場所を選ばず会議ができる
Web会議を利用するメリットとしてはじめにあげられるのが、場所を選ぶことなく会議ができるということです。インターネットを利用できる環境であればいつでもどこでも会議ができるため、テレワーク先や出張先などどこにいてもリアルタイムで会議に参加できます。
大人数を収容できる広い会議室を押さえる必要もありません。パソコンのみならずタブレットやスマートフォンで参加できるものも多いため、会議を開くことや参加することに対してのハードルを大幅に下げられるのがうれしいポイントでしょう。
会議に必要な時間の削減
Web会議を利用するメリットとして2つ目にあげられるのが、会議に必要な時間を削減できるということです。Web会議ツールを導入していない会議に参加する場合には、それまでの仕事を切り上げて会議室へ移動するという手間がかかってしまいます。会議室をレンタルしているという場合にはさらに手間となるでしょう。基本は在宅勤務でも会議のある日だけは出勤する、という場合もあるかもしれません。
しかしWeb会議へと切り替えた場合、ミーティングに参加するために割いていた移動時間はゼロとなります。ちょっとした隙間時間を用いて会議に参加することも可能です。
コスト削減
Web会議を利用するメリットとして3つ目にあげられるのが、さまざまなコストの削減に役立つということです。Web会議ツールを導入することによって、これまで会議の参加者にかかっていた交通費や会場費、場合によっては出張費などを総合的に削減することができ、コスト削減に貢献します。また、会議に関わる直接的コストを削減できることのみならず、会議開催で発生した経費精算における業務コストも削減できます。
スピーディな意思決定
Web会議を利用するメリットとして4つ目にあげられるのが、スピーディな意思決定を叶えるということです。会議に参加するために割かれていた移動時間がゼロになるため、会議を開く際のスケジュール調整も非常にシンプルで簡単になります。
また、社内や部署、チーム内などで何かを決める際に気軽に会議を開けるため、これまでより意思決定におけるスピードも上がると期待できるでしょう。わざわざ会議を開くという印象から、気軽に会議を開ける、という印象に変わるはずです。
コミュニケーションの活性化
Web会議を利用するメリットとして5つ目にあげられるのが、コミュニケーションの活性化に役立つということです。従来の会議方法では、一部の人たちだけでやりとりが盛り上がってしまい発言したくても発言できなかった……と悩む人もいるかもしれません。しかしWeb会議であれば、対面時よりも緊張感がなくなり発言しやすくなります。
また、取引先とのやりとりはメールで行っていたという場合には、Web会議に切り替えることによって相手の表情をリアルタイムで確認しながら会話できる、という点が大きなメリットでしょう。
資料作成のムダを削減
Web会議を利用するメリットとして6つ目にあげられるのが、資料作成の無駄を削減できるということです。Web会議ツールを導入すればシステム上で資料共有や画面共有も簡単に行えるので、会議のために資料を作成し印刷までしておかなければならない、といった手間がなくなります。スライドやドキュメントだけではなく映像資料も共有できるため、遠隔会議であるからといって情報共有に困る心配は一切ないでしょう。
柔軟な働き方に対応
Web会議を利用するメリットとして7つ目にあげられるのが、さまざまな働き方に柔軟に対応できるということです。Web会議ツールは、クラウド型の場合インターネット環境さえあればどこでも使用できます。地方へ出張した際の宿泊先、自宅でのテレワーク、コワーキングスペース、移動中など、さまざまなシーンで利用できることでしょう。そのため、働き方にとらわれないのが非常に便利なポイントです。
Web会議のデメリット
ここまでWeb会議を導入するメリットについて紹介してきましたが、デメリットがないわけではありません。Web会議のデメリットもふまえた上で相性を考慮し、導入を検討するべきでしょう。ここからは、Web会議を導入するデメリットについて説明していきます。
相手の反応が読み取りづらい
Web会議を導入するデメリットとしてまず1つ目にあげられるのが、相手の反応が読み取りづらいということです。画面を通して相手の表情を確認できるとは言っても、やはり対面でコミュニケーションをとる場合より表情を読み取りづらくなってしまいます。そのため、「普段の会議よりもやりづらい」という印象を抱く人もいるかもしれません。しかし、次第にWeb会議によるコミュニケーションに慣れていけば、やりづらさや違和感などは自ずと減っていくことでしょう。
通信環境やデバイスに左右される
Web会議を導入するデメリットとして2つ目にあげられるのが、会議環境が通信状況やデバイスに大きく左右されてしまうということです。どのWeb会議ツールも音質・画質ともにかなり向上していますが、その音質や画質を享受できるかどうかは利用者の環境に左右されてしまいます。
たとえば、オフィス内で高速Wi-Fiを使用している人と、移動先でポケットWi-Fiを用いてWeb会議に参加している人では、映像品質に差が生じてしまうかもしれません。会議中に映像や音声が乱れて中断してしまう、というトラブルはよくあるため、その点を考慮しておくべきでしょう。
進行中も配慮が必要
Web会議を導入するデメリットとして3つ目にあげられるのが、会議の進行中も配慮が必要ということです。先ほど、「Web会議の方がコミュニケーションが活性化し、発言もしやすくなる」というメリットを紹介しましたが、一方で誰が発言したのかわからない場合も少なくありません。とくに大人数で会議を開いている場合にはその状況に陥りやすいでしょう。また、先にも述べたように通信環境によってはトラブルが起こる可能性もあるため、会議が中断した場合の対応についても考慮する必要があります。
コストの発生
Web会議を導入するデメリットとして4つ目にあげられるのが、利用料金としてコストが発生するということです。無料で利用できるものもありますが、企業で利用する場合にはセキュリティ面なども考慮し有料サービスを利用するのがおすすめ。その場合、月額あるいは年額の利用料金がかかってしまいます。導入するWeb会議ツールによっては初期費用がかかるものもあるため、きちんと見積もりをとってから導入を検討しましょう。
ここまで、Web会議を導入するメリット・デメリットを説明してきました。今回あげてきたメリットを享受するためには、自社にマッチしたWeb会議システムを見極めなければなりません。どのような課題を解決したいのか、最低限欲しい機能は何かなどを整理し、サービスを選定して導入するべきです。
オンプレミス型とクラウド型の違い
Web会議システムと一口に言ってもさまざまな導入形態があり、大きくはオンプレミス型とクラウド型の2つに分けることができます。それぞれの特徴やメリット・デメリットをふまえた上で、自社にはどちらがマッチしているのかを確認しておきましょう。
オンプレミスのメリット・デメリット
オンプレミス型のWeb会議システムを導入する場合、高度なセキュリティを保つことができるという点が何よりものメリットです。自社ネットワーク内にサーバを構築して利用するため、他社もアクセスできる外部のインターネットを利用せずともWeb会議を開くことができます。
外部からの侵入を防げるということは、ハッキングや情報漏洩などのリスクをできる限り抑えられるということ。企業にとっては非常に心強いポイントでしょう。顧客情報についてやりとりする会議や、企業にとって非常に重要な情報が飛び交う経営会議なども、安心して行えるはずです。
また、このような機能をつけたい、自社サービスやシステムとも連携させたいなどといったカスタマイズにも柔軟に応えられるので、より自社にマッチしたWeb会議システムを導入できる点もメリットでしょう。
しかし、自社ネットワークを活用しサーバの立ち上げから行うことによって、Web会議システムを利用できるようになるまで数ヶ月かかることも少なくありません。さらに、導入費用も百万単位でかかってしまうことがめずらしくないでしょう。セキュリティ面が強固、カスタマイズ性が高いというメリットの裏には、時間とコストがかかってしまうというデメリットがあると言えます。
クラウドのメリット・デメリット
クラウド型のWeb会議システムを導入する場合、費用を抑えながら気軽に導入できるというポイントが最大のメリットです。たとえば「来月からテレワークを導入する」と急遽決まった場合、オンプレミス型の場合には導入スケジュールがまったく間に合いません。しかしクラウド型のWeb会議システムを選んでおけば、早い場合は即日利用できるものもあるでしょう。オンプレミス型のように工事が必要ではないのでイニシャルコストも抑えることができ、月額利用料金もそれほど高くありません。
また、サービス提供者がシステムを常に最新の状態に保ってくれるため、社内でシステム運用のためにリソースやコストを割く必要がないのもうれしいポイント。サーバの運用・管理を行う必要もなく、万が一問題が発生したとしても、復旧作業は提供者側がすべて行います。
気軽に導入できるクラウド型のWeb会議システムですが、オンプレミス型と比べるとカスタマイズ性に劣り、セキュリティ面は脆いのがデメリット。導入する際にはどのようなシステムと連携できるのか、セキュリティに関する機能はどのようなものがあるかなどをきちんと確認しておきましょう。
また、プライベートクラウドでない限りさまざまなユーザーがクラウドを利用しているため、アクセスが集中してしまった場合には動作が重くなる、最悪の場合サーバがダウンするといった事態に陥ることも覚えておくことをおすすめします。
ここまで紹介してきたように、オンプレミス型・クラウド型のWeb会議システムはそれぞれ一長一短です。どのくらいの予算があるのか、どのような機能を求めているのか、どのような環境で利用したいかなど、それぞれのニーズにどちらがマッチしているかどうかで左右されるでしょう。
たとえば長期的に使うのであればオンプレミス型でも問題ないですが、たった1年のみで利用をやめてしまうようであれば、初期費用をかけた意味がなくなってしまいます。Web会議システムを今後どのくらいの期間利用しそうか、という点も考慮する必要があるかもしれません。
Web会議の導入事例
ここからは、実際にWeb会議システムを導入した企業の事例を紹介していきます。どのような課題を抱えて導入に至り、どのように活用しているのでしょうか。1社ずつ確認していきましょう。
OKANO(株式会社岡野)
「V-CUBE ミーティング」の導入事例ページ(株式会社ブイキューブ https://jp.vcube.com/case/17201.html 参照)によると、OKANOは創業1897年の老舗として、博多織の製造・小売を中心に事業を展開。全国各地に店舗を構えているものの、店舗スタッフや法人向け営業担当者が一同に集って会議を開くことがなかなかできないまま、10年が経過していました。
また、ものづくりという業界ならではの悩みも。開発中の商品を見ながら会議を進める必要があり、本社から離れた拠点にはわざわざ郵送しなければなりません。そのため、商品が到着を待ってからでないと会議を開けないという状況でした。
そこで思い立ったのが、ブイキューブが提供しているテレビ会議システム「V-CUBE Box」とWeb会議システム「V-CUBE ミーティング」の導入。どちらも低コストでありながら、クリアな映像で会議を開ける点が決め手だったと言います。
「V-CUBE ミーティング」の映像配信クオリティは非常に高く、会議用カメラの品質であっても、商品の質感をきちんと伝えられるほど。これまでの店長会議には交通費として飛行機代がかかっていましたが、もうその必要はありません。コスト面のみならず、スケジューリングのしやすさも助かっているようです。
トヨタ自動車東日本株式会社
「LiveOn」の導入事例ページ(ジャパンメディアシステム株式会社 https://www.liveon.ne.jp/case/results/toyota-ej.html参照)によると、トヨタ製品の中でもコンパクトカーの製造に特化したトヨタ自動車東日本。製造現場と開発部門の打ち合わせに課題を抱えており、わざわざ現場に足を運ぶことの手間やコストに悩まされていました。
そのため、リモート環境であっても現場に赴いたときと同じレベルで製品を確認できるツールを探していましたが、そのためには高精細な映像が求められます。その頃利用していたテレビ会議(TV会議)システムでは映像品質的に問題があり、部品や製品を細かく写す技術もありませんでした。
そこで導入を決めたのが、ジャパンメディアシステムが提供しているWeb会議システム「LiveOn」。フルハイビジョン画質に対応しているだけでなく、手振れ補正のスタビライザーとあわせて利用すれば、非常に高精細な映像で確認できることが導入の決め手だったようです。
導入後は製造現場からスマートフォンで接続し、車体や部品をハイビジョン画質で配信。社外の取引先とのミーティングにおいても、実際の製品「LiveOn」を通して確認しながら打ち合わせできていると言います。
また、Web会議システムを導入したことによって現場に赴く必要がなくなったため、出張回数が激減。出張経費の大幅削減に役立っているようです。
soam.ICT株式会社
「sMeeting」の導入事例ページ(ドコモ・システムズ株式会社 https://ddreams.docomo-sys.co.jp/smeeting/cstudy/cstudy02.html参照)によると、サーバーやネットワークなどのインフラ系の構築をはじめ、アプリケーションの開発やシステム運用などを行っているsoam.ICT。社員たちは社内で作業するのではなく客先常駐であることから、営業会議はメールや電話がメイン。資料を持参して作業現場へ赴き、本社オフィスまでわざわざ帰社して打ち合わせするという場合もあったようです。
しかしその方法だと非常に手間もコストもかかり、作業効率も悪いという事実が課題として浮き彫りに。そこでドコモ・システムズが提供しているWeb会議システム「sMeeting」を導入しました。
導入の決め手は、セキュリティが確保されサポート体制も充実していながらも導入コストがリーズナブルということ。導入後は、客先に常駐しているメンバーとの打ち合わせに「sMeeting」を活用し、これまで移動時間などで発生していた無駄をカットできていると言います。
資料をアップロードし同時に閲覧しながら会議を行えるため、リモートであっても問題なく意思疎通を図れる点も高評価のようです。
Web会議の導入前に確認すべきポイント
Web会議システムを導入する際には、いくつか確認しておくべきポイントがあります。以下の5点を蔑ろにしたままシステムを選定してしまうと、「こんなはずじゃなかった……」と後悔したり、導入に失敗するかもしれません。そのような事態を防ぐためには、どのような点を確認しておくべきなのでしょうか。1つずつチェックしていきましょう。
操作性
Web会議システムを導入する前に確認しておきたいポイントとしてまずはじめにあげられるのが、操作性に問題はないかどうかです。
せっかくWeb会議システムを導入しても、操作性が悪く、なかなか使いこなせないとなっては意味がありません。社内の人間誰しもにとって使いやすく、ストレスなく利用できるものを選ぶ必要があります。
Web会議システムはどれも無料トライアルや無料デモなどを用意しているため、契約する前に使いやすさをきちんと確認しておきましょう。
コスト
Web会議システムを導入する際に確認しておきたいポイントとして2つ目にあげられるのが、コスト面に問題はないかというポイントです。
先にも述べている通り、オンプレミス版とクラウド版では費用面で大きな差が生じます。そのため、何を重視してWeb会議システムを選ぶのかをあらかじめ整理し、どちらの導入形態がマッチしているのか考慮しなければなりません。
また、「機能が多ければ多いほどいい」と安易に考えて選んでしまうのはNG。使わない機能が多ければ多いほどコストの無駄が増えてしまいます。必要な機能は何かまとめてからサービス選定に移りましょう。
機能の質・量
Web会議システムを導入する際に確認しておきたいポイントとして3つ目にあげられるのが、機能の質や量です。
Web会議システムでもっとも重要なのは、音声品質や映像品質に問題はないのかということ。社内外問わずスムーズなコミュニケーションを取るために、品質にはこだわって導入しなければなりません。
また、現在利用しているシステムとも連携できる、外国語の字幕表示にも対応できるなど、基本的機能以外には何が搭載されているのかも確認しておきましょう。
セキュリティ対策
Web会議システムを導入する際に確認しておきたいポイントとして4つ目にあげられるのが、セキュリティ対策に問題はないかというポイントです。
インターネットを使用したシステムである以上、外部からの攻撃を受けるリスクはゼロにできません。現在の主流はクラウド型のWeb会議システムですが、オンプレミス型よりも攻撃を受けやすい環境にあるといえるでしょう。
そのため、サービスの提供者がどれほど信頼できる存在なのかは忘れずに確認しておきたいポイント。通信の暗号化やIPアドレス制限、端末認証などといった機能面のみならず、ベンダーはプライバシーマークを取得しているのか、ISO/IEC 27001の認証は取得済みかなどもチェックしておくと安心です。
サポート体制
Web会議システムを導入する際に確認しておきたいポイントとして5つ目にあげられるのが、サポート体制は整っているのかどうかということです。
「導入する際にうまくいかない」、「使用している中でわからない点がある」という場合に、いつでも相談できるサポートセンターなどがあると安心でしょう。メールや電話だけでなく、時には遠隔操作などで操作をサポートしてもらえるのであればより心強いのではないでしょうか。
探すのに時間がかかる
相場がわからない
複数を比較しづらい
プロが代わりに探して紹介します!