販売管理とは?販売管理システムも紹介【2023年最新版】
販売管理とは、受注や出荷、請求といった顧客とのやり取りにおいて、お金と物の流れを管理することです。この記事では、販売管理の目的や主な業務内容と販売管理が抱える課題を解説します。また、販売管理の課題を解決する「販売管理システム」についても、利用するメリット・デメリットや選び方とおすすめシステムを紹介します。
- 販売管理とは?
- 販売管理が抱える課題
- 効率化に役立つ「販売管理システム」とは?
- 販売管理システムを利用するメリット
- 販売管理システムを利用するデメリット
- 販売管理システムの選び方
- おすすめの販売管理システム3選
- まとめ
販売管理とは?
販売管理とは、企業活動におけるお金と物が「いつ・だれに・なにを・いくらで・いくつ」流れたか管理することを指します。
販売管理で管理するのは、受注や出荷、請求といった顧客とのやり取りです。また、仕入先からの仕入れや支払いの管理も販売管理に含まれます。さらに、自社内で製造した製品の流れや在庫状況の管理も販売管理の一部です。つまり、仕入先からの製造、販売に到るまでのお金と物の流れを一貫して管理するのが販売管理だといえます。
販売管理の目的
販売管理は「現状の把握」と「ミスの防止」を目的としています。「現状の把握」とは、現時点での商品ごとの売上や損益状況、仕入れ状況などを把握することを指します。こうした現状を把握できることで、業務や経営の改善につなげることができます。
また、販売管理は納品漏れや重複発注といった「ミスの防止」も目的の1つです。ミスが防げることで、社内の業務が円滑にまわります。ミスの削減は顧客や仕入先との良好な関係を築く上でも重要です。
販売管理の主な業務内容
販売管理では「受注管理」「出荷管理」「請求管理」「仕入管理」「在庫管理」を行います。それぞれの業務ごとに必要な手続きや作業は異なります。製造業を例にして、各業務内容の詳細を解説します。
①受注管理
受注管理では顧客からの受注に関する業務を行います。
まずは、見積書を作成して顧客に提出し、商品の金額や数量などを顧客に確認してもらいます。つぎに契約内容や免責事項などを取りまとめた契約書を締結します。初めての取引先の場合は顧客情報の登録も必要です。
契約が合意に至ったあとに受注業務を行います。顧客からの注文書を受付し、不備がないか確認します。受注伝票を発行し、顧客へ注文請書を送付すると正式な注文受け付けとなります。
②出荷管理
出荷管理では、出荷と納品の業務を行います。出荷作業を行う担当者は、出荷指示書を受け、その情報に基づいて製品を梱包します。出荷業務では納期に合わせた作業が重要です。
また、納品時に必要な書類も準備しておきます。納品は、発送の手配をし、顧客の元へ正しく商品を送り届ける作業です。受領書を受け取ることで納品が完了します。納品作業は、自社の配送担当者が直接行う場合と、配送業者を通す場合があります。
③請求管理
請求管理では請求と回収を行います。請求金額が確定したあとに、請求書を発行します。受領証や検収書類などを受け取り、速やかに顧客へ請求書を渡しましょう。請求書には請求金額と振込先、代金の振込期日を明記します。
顧客から代金が振り込まれたあとに、請求金額と一致しているかを確認してください。入金されていない場合や、金額が請求額と異なる場合は取引先担当者へ連絡し、確認を依頼しましょう。正しく入金されたことを確認し、入金伝票を作成して業務完了です。
④仕入管理
仕入管理は、製品に必要な資材などの契約と発注、入荷検品、支払いです。まず、希望する商品を扱う企業へ見積もりを依頼します。条件の合う企業と契約を交わしたあとに、注文書を提出してください。仕入先から注文の受領連絡がきた時点で、発注が完了です。
商品が納品されたあとに、検収作業を行います。数量などに不備がないかを確認してください。仕入れ伝票は経理に提出しなければなりません。仕入先からの請求書をもとに期日までに支払いを行い、仕入管理は完了です。
⑤在庫管理
在庫管理は受払業務と棚卸、購買依頼の業務です。受払業務は在庫の単価や金額、数量の情報をまとめる作業を行い、在庫の受入と出庫を記録します。
棚卸は、在庫情報と実数が一致しているかを確認する作業です。記録ミスや紛失が起こっている場合があるため棚卸を行います。誤差が生じている場合は、在庫情報を修正し、原因の調査と対策を考えましょう。購買依頼は、必要な資材を発注依頼する作業です。適切なタイミングで発注できるよう工夫しましょう。
販売管理が抱える課題
企業のお金や物の流れを見える化するためには販売管理がかかせません。しかし、販売管理の業務は多岐にわたるため、管理が複雑な点は大きな課題です。また、業務内容によってデータのまとめ方が異なるのも課題だといえます。
販売管理の業務内容が多く複雑
「出荷管理」「請求管理」「仕入管理」「在庫管理」という4つの業務は、独立した作業ではなく連続した業務です。それぞれに連携を取る必要があります。作業が多岐にわたるため、連携を図るのが困難だともいえます。
販売管理はデータの入力作業が多く、手入力の場合だとミスが出やすい業務です。どこかの作業でミスが出ると、ほかの業務のデータも修正する必要が出てきます。修正が重なり、さらなるミスにつながりかねないのが課題だといえます。
データのまとめ方が異なる
販売管理のデータをエクセルなどで管理している場合、ファイルが複数となります。業務ごとにファイルが存在すると、仕入から納品・請求までの販売情報を一元管理するのが困難です。
また、販売情報を別々に管理している場合、営業やマーケティング、経営判断の計画に情報を活かしづらいといえます。ファイルごとに担当者のパソコンに保管されている場合は、データをほかの人が編集できないのも課題です。
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効率化に役立つ「販売管理システム」とは?
販売管理システムとは、販売管理に必要なあらゆる事務作業を一元管理できるシステムです。見積書や請求書はエクセルで発行し、在庫管理は専用ツール、出荷管理はまた別のツールと、それぞれの業務ごとに専門のソフトやシステムを使うのが一般的です。
販売管理におけるバラバラな状態を解消できるのが販売管理システムだといえます。販売管理システムを導入すると受注、在庫管理、出荷管理、請求管理、仕入管理などを一元管理し、業務の自動化も実現できます。
販売管理システムを利用するメリット
販売管理システムを利用すると、販売管理の課題が改善されて「一元化による業務効率化」「人的ミスの削減」「マーケティングに向けたデータ利用」といったメリットが得られます。それぞれのメリットの内容を詳しく解説します。
一元化による業務効率化
販売管理システムを導入すると、部署ごとで情報管理の方法がバラバラな状態を解消できます。部署単位で管理していると、他部署の人は足を運ぶかデータの送付を依頼しなければなりません。
データの一元管理により、探す時間が大幅に短縮されます。必要な情報にすぐたどり着けます。業務効率が向上するのが販売管理システムを使う最大のメリットです。
人的ミスの削減
販売情報の管理にエクセルなどを利用している場合、作業のたびにデータを手入力しなければなりません。たとえば、受注表をもとに受注データを手入力していると誤った数値を入力することも考えられます。
販売管理システムなら、受注メールの情報から自動的に受注登録が可能です。販売管理システムを使うと人的ミスが起こりにくいといえます。
マーケティングに向けたデータ利用
販売管理システムを導入すると、販売に関するあらゆる情報が一元化された状態で蓄積されていきます。そのため商品がよく売れる時期を予測しやすくなります。
また、顧客情報と販売情報を結びつけることで、ユーザーの購買行動の履歴が簡単に分析できます。こうした予測や分析を活かすと、根拠があり精度の高いマーケティング戦略を立てられるでしょう。
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販売管理システムを利用するデメリット
販売管理システムを使うと販売管理が抱える課題が解決します。一方「コストがかかる」「使いこなすまでに時間がかかる」といったデメリットがあるのも理解しておきましょう。デメリットの内容を詳しく解説します。
コストがかかる
販売管理システムの導入にはコストがかかります。オンプレミス型の場合、数百万円を超える場合があります。クラウド型のコストは、導入費用に数十万円、月額使用料は数万円程度が一般的です。
使用人数や機能の豊富さで費用は上下します。自社が求める用途に適した販売管理システムを選び、コストをかけすぎないように注意しましょう。
使いこなすまでに時間がかかる
販売管理システムを導入すると、それまでの管理方法やオペレーションを大きく変えることとなります。エクセルなどにデータを手入力する作業に慣れている人にとっては、新しいシステムを使い慣れるまでに時間がかかる場合があります。また、操作が分かりにくいシステムを導入してしまうと、使いこなせない状態が続くことも懸念されます。
販売管理システムの選び方
販売管理システムの導入にはコストがかかるため、自社に最適なシステムを見つけ出すのが重要です。「自社が使いたい機能が搭載されているか」「導入後のサポートが充実しているか」「許容できるコストかどうか」に着目して選ぶようにしましょう。
自社が使いたい機能が搭載されているか
販売管理のフローや重要度の高い業務は、業態や企業によって全く異なります。たとえば、在庫をもたない士業や広告会社などでは、在庫管理の機能を使うことはないでしょう。自社の業務内容の棚卸しを行い、整理してからシステムを選ぶのがおすすめです。
必要な機能が足らないものは除外して、導入のメリットが大きいものを選ぶようにしましょう。
導入後のサポートが充実しているか
販売管理は、企業の根幹をなす業務です。トラブルでシステムが止まり使えなくなってしまうと、企業活動への影響は非常に大きいといえます。そのため、導入後のサポートが充実しているかどうかは重要です。
「問い合わせ方法」「受け付け時間帯」「休日があるか」「休日にも対応方法があるか」などを確認しておきましょう。
許容できるコストかどうか
販売管理システムは導入費用や月額使用料がかかります。予算を決めて許容できるコスト内に収まるシステムを選ぶようにしましょう。
大手企業であれば、コストをかけてオーダーメイドのシステムを開発することもあります。しかし、多くの企業ではそこまで大掛かりなシステムは必要ありません。従業員数などに合わせて、適切な価格のシステムを選びましょう。
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おすすめの販売管理システム3選
おすすめの販売管理システムとして「楽楽販売」「Exequint」「アラジンオフィス」の3つ紹介します。導入する目的によって、重視すべきポイントが変わります。まずは、導入の目的を明確にして比較検討しましょう。

楽楽販売はラクスが提供している、クラウド型の販売管理システムです。請求書などを自動発行してくれる機能があるため、人的ミスが軽減されて業務が大幅に効率化されます。
契約から3ヵ月間は初期導入サポートとして電話やWeb会議での支援が受けられます。そのあとも設定方法などの質問はメールでサポートしてくれます。初期費用は16万5,000円(税込)、月額料金は6万6,000円(税込)からです。
- 説明書がなくても使えて便利。わからないことがあっても、チャットサポートがフォローしてくれて利用しやすい。
- 営業支援システムはここ2年のうちに初めて導入して、途中から引き継ぐ形で使うようになったのですが、サポートが迅速丁寧で不明点もスムーズに解決しながら使えてます

Exequint(エグゼクイント)は、センチュリーシステムズが提供するパッケージ型の販売管理システムです。在庫管理の機能がとくに充実しています。賞味期限別の在庫管理ができ、滞留在庫を管理する機能も備えています。
また、誰でも使いやすいデザインでも魅力。メニュー画面は業務の流れに沿って機能が配置されており、直感的な操作が可能です。カスタマイズにも柔軟に対応してくれるため、自社に最適な販売管理システムが手に入ります。

アラジンオフィスは、アイルが提供するパッケージ型の販売管理システムです。アパレル、食品、美容、医療、金属など業態別のシステムを多数そろえています。オプションも豊富で、販売管理だけではなく生産管理や輸入管理、プロジェクト管理を合わせたシステムを構築することが可能です。
外部システムとの連携も可能です。会計システムや分析ツールなどと販売管理業務を連携できます。また、コールセンターを設置しており、サポート体制も万全です。
まとめ
販売管理は、現時点の仕入れ状況や損益状況、販売業務の進捗といった現状を知り、納品漏れや重複発注などのミスを防止するために重要です。販売管理は企業活動の根幹をなす管理業務のため作業内容は多岐にわたり、それぞれの作業は連携して進めていく必要があります。データを入力する場面も多く、データをエクセルなどで管理している場合情報を一元管理するのは困難でしょう。
販売管理システムを導入することで販売管理の課題を克服したいと考える企業も多いのではないでしょうか。販売情報が一元管理でき、ミスが減り業務効率は大幅に向上します。
しかし、販売管理システムは機能の種類や利用できる人数などに応じて適したシステムが異なるため、自社に最適なものを選ぶ必要があります。どの販売管理システムを導入したらいいかわからないと悩む方も多いのではないでしょうか。
PRONIアイミツでは、販売管理システムを比較検討できるページがあります。ぜひ参考にしてみてください。比較表を作る機能を使うと、多様な条件で比較検討ができるためおすすめです。



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