メール配信システムの仕組みを解説!開封率が上がるのはなぜ?
広告よりコンバージョン率が高く、販促や集客に効果的なメール配信。本記事では、そんなwebマーケティングに効果的なメール配信システムの仕組みについて解説していくため、導入を検討している方はぜひ参考になさってください。
メール配信システムとは
メール配信システムとは、メールやメールマガジンを一斉配信できるシステムのこと。配信リストにあるユーザーに自動的かつ安全にメールを一斉配信できるため、配信効率が格段に向上します。
Webマーケティングの一貫として活用できるほか、自治体からの緊急メールやお知らせメールなどの配信にもよく使われているシステムです。メールの一斉配信機能のほかにも、メール文面の作成サポート、宛先や配信スケジュールの管理、開封率・クリック率の測定機能など、企業がメールマーケティングを行う際に役立つ機能を網羅。個人情報漏洩などのリスクは最小限にとどめられるよう設計されている点も特徴です。
メール配信システムの仕組み
OutlookやGmailなどといったメーラーからの一斉配信が届きづらいのは、プロバイダや受信者のメールサーバー側から、認証を得たものだけが届く仕組みだから。しかしメール配信システムを利用すれば、一斉配信であっても確実に相手に届けられます。なぜそのようなことが可能なのか、メール配信システムの仕組みについて詳しくチェックしていきましょう。
複数のIPアドレスを活用
迷惑メールやスパムメールの多くは、単一のIPアドレスから一斉に配信されたもの。そのためプロバイダは、送信側のIPアドレスに不審な動きがないかをチェックします。しかし一般的なメーラーからの一斉配信は単一のIPアドレスしか持たないので、プロバイダから不審な動きと見なされ、相手先に届かないのです。
メールを確実に配信するためには、プロバイダに安全なメールだと認識してもらわなければなりません。一方メール配信システムは、複数のIPアドレスに分散してメール配信を行えるため、ロバイダや受信者のメーラーから迷惑メールとして認識されることを防止できます。
ドメイン認証対応
迷惑メールやスパムメールを減らすことを目的として開発された技術に、送信ドメイン認証技術があります。メール配信システムは、SPFやSender IDといった送信ドメイン認証技術や、電子署名による認証技術に対応。SPFやSender IDを設定することで、送信したメールがスパムと認識されることを防ぐことが可能です。
また、配信するメールに電子署名をすることで、メールの送信元が偽装されていないかを確認できる認証技術も用いられています。メール配信システムは、これらの認証技術を用いてプロバイダからの信頼性を確保することにより、迷惑メールやスパムメールとして認識されることを防いでいるのです。
送信量の調整
迷惑メールの対策法には、「レピュテーション」という方法があります。メールを受信する側が送信する側にレピュテーションを行い、信頼度を鑑定していく仕組みです。信頼度が低いIPアドレスから急激に大量のメールを送信すると、迷惑メールとして受信側から認識される可能性があります。
信頼度を高めるためには、メール配信量を徐々に増やしていくなど、配信量と配信間隔を調節しなければなりません。メール配信システムはこれらのレピュテーション対策機能を備えているため、受信側から迷惑メールとして認識することを防止し、メールを確実に届けられます。
メール配信システムの種類
一口にメール配信システムと言っても、その種類によって特徴や向いている使い方が異なるもの。そのため、目的に応じたシステムを選定することが重要です。ここからは、メール配信システムにはどのような種類があり、どのような違いがあるのかを確認していきましょう。
導入形態
まずはじめにチェックしていくのは、導入形態ごとの違いです。メール配信システムは、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類に大別されますが、どういった点が異なるのでしょうか。
クラウド型
クラウド型は、インタ―ネット上のサーバーを利用してメール配信を行うため、自社でサーバーやソフトウェアを用意する必要はありません。インターネットに接続できるデバイスとインターネット環境さえあれば、いつでもどこでも利用可能です。
クラウド型のメリットは、初期費用が格段にリーズナブルであること。後に紹介するオンプレミス型と比べると、製品によってはイニシャルコストが二桁違うことも少なくありません。また、システムに障害が起こったときの対応や、ストレージの管理も自社で行う必要はなく、運用をシステム会社に任せておける点もメリットです。
一方、自由にカスタマイズができない点や、オンプレミス型と比較するとセキュリティに不安が残る点はデメリットといえるでしょう。
オンプレミス型
オンプレミス型は、自社サーバー上にシステムを構築する方法です。既存の製品を購入する以外にも、要件に応じてメール配信システムそのものを1から開発する場合もあります。
導入にあたってはサーバーやソフトウェアを購入する必要があるため、クラウド型と比べると初期費用が高額に。システムによってばらつきはありますが、150万円から500万円ほどが費用相場です。オンプレミス型のメリットは、自社の既存システムに合わせて自由にカスタマイズできる点や、データを内部で管理するためセキュリティが堅牢な点など。
一方、定期的なシステム運用のみならず、システムに障害が起こった場合も自社で対応しなければならない点はデメリットでしょう。
機能面
次に、機能面から見たメール配信システムの違いを紹介していきます。一斉送信に強いタイプとセグメント配信に強いタイプの2種類をチェックしていきましょう。
一斉送信に強いタイプ
一斉送信は、一度に同じ内容のメールをまとめて高速送信する機能です。同じ内容のメールを送信するだけではなく、宛先によって宛名を変える「One to Oneメール配信機能」を持つタイプもあります。一斉送信機能は、自治体からのお知らせや災害時の緊急メールなどの際によく使用されていますが、ビジネス利用も少なくありません。
ターゲットを限定せず幅広い属性に製品やサービスをアピールしたいときや、できるだけ多くの顧客にアプローチして可能性を探りたいときにはおすすめでしょう。配信数に対して開封率が低いことが弱みですが、あらゆる属性に同じ内容を送るため、ある程度仕方ない面もあるかもしれません。
セグメント配信に強いタイプ
セグメント配信は、ユーザーの属性を絞り込んでメール配信を行う仕組みです。「女性のみ」、「30歳代」といったように大きなくくりでの絞り込みはもちろん、「1年以上商品を購入していない人」や「〇月〇日に来店した人」など、より詳細な条件で絞り込むこともできます。
ユーザーが求めているであろう情報をダイレクトに届けることができるため、メール開封率が高く、コンバージョン率も優れている点がメリット。しかし、似たような内容の配信が続くと、ユーザーから飽きられてしまう可能性がある点は注意しましょう。ターゲットを限定して新商品やサービスを訴求したい場合や、顧客の属性ごとの反応を確認したい場合にはおすすめです。
メール配信システムの必要性
ここまで、メール配信システムとはどのようなものなのかを説明してきましたが、「便利なのは分かったけれど、わざわざコストを割くべきなのか?」と疑問に思う人も少なくないでしょう。そこでここからは、メール配信システムを導入することによってどのようなメリットがあるのかをチェックしていきましょう。
メール到達率の向上
メール配信システムは、複数IPアドレスの活用や、ドメイン認証対応、メール送信量の調節など、プロバイダや受信側のメーラーから迷惑メールと認識されないためのさまざまな工夫が施されています。
通常のメーラーからの一斉送信の場合、迷惑メールやスパムと認識されて相手に届かない可能性も。また、手動での配信業務は非常に面倒でしょう。一方メール配信システムを導入すれば、特別なスキルがなくともメール到達率を向上させることが可能です。
メール不達の調査と対処
配信したメールは、必ず相手に届くとは限りません。メールの不達にはさまざまな理由が考えられますが、速やかに対処しなければならないのが、存在しないメールアドレスへの配信です。存在しないアドレスに送信し続けると、同じIPアドレスから送信したすべてのメールがスパム扱いされてしまう可能性があるからです。
メール配信システムには、不達の原因追及から、エラーアドレスをリストから自動的に除外する機能も備わっています。そのため、常にリストを最適な状態に保っておくことができるでしょう。
成果分析できる
あらゆるマーケティング施策と同様に、メール配信も配信後の成果分析が不可欠。メール配信システムには詳細な分析機能が搭載されており、開封率やクリック数、コンバージョン率などを確認できるため、これらの数字を把握することにより、費用対効果に合っているか、より高い効果を得るにはどのような施策が有効なのかなどの検証を容易に行えます。
今後の企業戦略に活用できる貴重なデータを手に入れられる点も、メール配信システムの導入メリットでしょう。
セキュリティ対策
メーラーからの一斉メール配信の場合、BCCを使う方も多いのではないでしょうか。しかしBCCを使ったメール配信の場合、誤操作やアドレスの記載ミスなどによって、個人情報であるメールアドレスが漏洩してしまう可能性があります。
しかしメール配信システムを使えば、情報漏洩を心配せずにメール配信が可能。メール配信システムの多くは、ファイアウォール、IPS、WAFといった外部からの不正アクセスから守る高度なセキュリティ対策が取られているのも心強いでしょう。
メール配信システムの主なメリットを紹介しました。メール配信システムのメリットや有効な活用方法、利用するうえでの注意点などをより詳しく知りたい方は、「メール配信システムを使うメリットは何?運用する際の注意点も紹介」もあわせてチェックしてください。
メール配信システムの費用目安
メール配信システムの費用は、クラウド型のサービスを選択するか、オンプレミス型のサービスを選択するかによって大きく変わります。導入にかかる費用が安いのは、クラウド型のメール配信システムです。初期費用は1〜5万円、システムを使用するためのライセンス料は必要ありません。
2,000円から1万5,000円ほどの使用料を毎月支払っていく仕組みです。一方、オンプレミス型のメール配信システムは、導入時に高額の費用が必要となります。初期費用はサーバー代の3,000〜1万円で済みますが、ライセンス料が平均250万円ほどと非常に高額。
導入するシステムが高機能なものの場合、ライセンス料に500万円ほどかかることもめずらしくありません。月額利用料は2,000〜5,000円とクラウド型よりも抑えられますが、稼働検証や保守など、別途費用が発生する場合もあることを覚えておきましょう。
目的に合わせて導入しよう
本記事では、メール配信システムの仕組みについて、お伝えしました。ビジネスにメール配信システムを導入することには、さまざまなメリットがあることをご理解いただけたのではないでしょうか。
しかし、メール配信システムと一口に言っても、サービスごとに特徴や強みはさまざま。自社に最適なシステムを選ぶために重要なのは、メール配信で実現したいことを明確にすることです。そのうえで、今回「メール配信システムの種類」で紹介したような機能を比較していけば、おのずと導入するべきシステムが見えてくるでしょう。
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