OCR(文字認識)とは?
ペーパーレス化を目指す中、紙ベースの情報を元にした業務の効率化にお悩みの方も多いかもしれません。それなら、OCRの導入を検討してみてはいかがでしょうか。OCRは、業務効率化ツールとして、近年注目を集める文字識別技術です。本記事では、OCR(文字認識)の基本情報や導入によるメリットについて解説します。より正確な識別性能を持つAI-OCRについても紹介しているため、購入を検討する際の参考にしてください。
OCR(文字認識)とは?
OCRとはOptical Character Recognitionの略称で、日本語では、文字認識技術や光学文字認識などと呼ばれます。スキャナーで読み込んだ画像に含まれる文字を認識し、パソコン上で編集可能なテキストデータ化する技術です。例えば、紙書類のテキストをPDF化したり、MicrosoftのWordやGoogleのドキュメントにそのままテキストデータとして転写できたります。
紙に書かれた文字を手で入力する作業は、非効率的で時間がかかります。このような作業上の悩みを解決するOCR(文字認識)は、業務効率化ツールとして注目され、企業や自治体で導入が進んでいます。
OCR(文字認識)でできること
例えば、バーコードリーダーなどのハンディスキャナを通じてOCR(文字認識)を使う場合は、1〜2行程の文字列が読み取り可能です。英字や数字に加え、一部の記号にも対応しているため、賞味期限やロット番号の読み取りなどで活躍します。スマートフォンの高性能カメラで文字を読み込むOCR(文字認識)も普及しており、外国人パスポートの読み取りなどに使われています。
また、オフィスで活躍するのが据え置き型のOCRツールです。複合機などのフラットベッドと呼ばれる高性能スキャナーと、処理能力が高いコンピューターを組み合わせて使います。多くの文字を読み取れるため、書類だけでなく、マニュアルや書籍を丸ごとテキストデータ化可能です。手書き文字に対応したAI-OCRソフトもあり、伝票の処理や管理をはじめとするバックオフィス業務に役立ちます。
OCR(文字認識)導入によるメリット
近年注目を集めるOCR(文字認識)の導入により企業が得られる2つのメリットについて、具体的に紹介します。
- ペーパーレス化による業務効率の向上
- コスト削減
ペーパーレス化による業務効率の向上
OCR(文字認識)のメリットは、「ペーパーレス化による業務効率の向上」に集約されます。ペーパーレスとは、OCR(文字認識)などの電子化技術を活用し、ビジネスでやり取りする紙文書を削減することです。ペーパーレス化によって、次のような業務効率の向上が期待できます。
人が文字を入力する必要がなくなる
ビジネスシーンでは、社内文書や取引先からの請求書、領収書などの帳票といった紙文書のやり取りが毎日発生します。以前は、ビジネスシーンで扱う膨大な資料などをデータ管理するためには、ソフトウェアに直接入力するのが当たり前でした。この場合、書類のやり取りが多く発生する部署では、入力作業に多くの時間や労力を費やすことになります。
しかし、OCR(文字認識)を活用すれば、大量の資料を地道にタイピングして、入力する必要がありません。また、手作業ではどうしても入力ミスが発生する可能性があります。一方、OCR(文字認識)を導入することで人為的なミスが削減できるため、無駄な時間や労力の削減にもつながります。
クラウド化により情報共有が簡単になる
ビジネス文書をデジタル化すれば、テキストデータをクラウドなどの共有ストレージで管理できるようになります。アクセス権さえあれば、他部署の従業員などもデータを確認できるため、情報共有がより簡単になる点がメリットです。
例えば、全国に支社を持つ企業の場合も、遠隔地同士の情報共有がスムーズに実現可能です。メールや郵送にて文書をやり取りする手間も必要ありません。さらに、同じデータを確認して情報共有できるため、伝え漏れなどの発生頻度も抑えられます。
情報の検索が簡単になる
書類を画像形式で保管する場合、どこに何が書かれているかを把握するためには、実際に読んでみないとわかりません。目的の資料を探すのも一苦労です。しかし、OCR(文字認識)の場合は文字がテキストデータに変換されるため、特定のキーワードや文章を検索できるようになります。
関連するキーワードや文章で検索すれば、直ちに必要な書類や、業務上確認が必要な文章にたどり着けます。新しい文書や資料を作成する際にも、過去の関連資料をすぐに検索して確認可能です。テキストデータ上の情報はコピペもできるため、書類作成の大幅な効率化が期待できます。
コスト削減
資料や帳票類を紙のまま管理するケースでは、スペース確保の必要性や、紙の劣化などが課題です。適切に保管するためには、それなりのコストがかかってしまいます。OCR(文字認識)によって書類をデータ化すれば、以下のようなコスト削減につながるでしょう。
マニュアルなど適宜改正が必要なものは印刷しなおす必要がなくなる
どの企業にも部署や業務ごとに、さまざまなマニュアルが用意されているのではないでしょうか。中には、ページ数が膨大なものもあるかもしれません。マニュアルなど定期的に見直すものを紙ベースで手元に保管すると、更新のたびにいちいち印刷しなくてはいけません。
OCR(文字認識)を導入し、マニュアルもテキストデータとして管理すれば、改正後も保存と周知を行うだけで作業が完結します。用紙も大量に消費しないため、用紙コストの削減になる点もメリットです。
棚がいらなくなる
書類を保管するためには、棚や業務用キャビネットが必要となります。特に、重要書類は鍵付きの棚などで保管が必要なため、管理コストがかかるのが特徴です。事業規模が大きいほど、管理する書類が増えるため、管理の手間やコストに頭を抱える担当者も多いのではないでしょうか。
OCR(文字認識)は、紙ベースでの情報管理を最小限に抑えられるため、棚を用意する手間や経費の削減できます。保管用場所も縮小できるため、フロアスペースを拡張して、よりゆとりのあるオフィス空間が実現できるでしょう。
より正確な読み取り精度を求めるならAI-OCR
通常のOCR(文字認識)は、本や新聞などの綺麗なフォントであれば、正確に認識可能です。しかし、手書き文字やフォント近くにシミがある文字は読み取れないこともあります。
そこで、より正確に文字を認識できる技術として、AIとOCRを組み合わせたAI-OCRを紹介します。ほかのOCR(文字認識)と比較して優れたポイントを解説しているため、導入検討の際の参考にしてください。
- 機械学習により文字認識精度が向上
- どんなフォーマットにも対応する
- RPAとの連携でさらなる業務効率向上
機械学習により文字認識精度が向上
従来のOCR(文字認識)は、あらかじめ決められたパターンでしか識別が行えません。また、人によって筆跡が異なる手書き文字の場合、「ン」や「ソ」などの似通った文字は誤認識されやすいのもデメリットです。
しかし、AIとOCRを掛け合わせたAI-OCRは、機械学習機能によって、従来よりも高精度の文字認識が可能です。例えば、一度読み取りを間違えた文字も、学習を重ねて認識率を向上させてくれます。クセのある文字も学習可能なため、手書き文字も高精度で識別可能です。文字単体ではなく、文脈や語句の関連性から推測して文字を識別できるもの、誤字などを自動補正して識別できるものもあります。
どんなフォーマットにも対応する
従来のOCR(文字認識)で文字を正確に識別するためには、事前に読み込む範囲や項目の詳細定義を行う必要があります。しかし、ビジネスシーンでやり取りする書類は、フォーマットが統一されているわけではありません。帳票のフォーマットが違えば、その都度設定が必要になる手間が発生してしまいます。
一方、AI-OCRはAIが読み取り範囲などを自動抽出できるため、書類をスキャンするだけで文字を識別できます。契約書や請求書をはじめ、さまざまなフォーマットに対応可能です。詳細な設定を行わずに文字がデータ化できるため、従来のOCR(文字認識)よりもさらに作業を効率化できるメリットがあります。
RPAとの連携でさらなる業務効率向上
IT化・DX化が進む中で、企業において、バックオフィス業務などを自動化するRPAの導入が進んでいます。RPAツールを用いることで、経理や財務における決まった業務を、一定の時間内にミスなく処理できるのが特徴です。
しかし、RPAはパソコン上のデジタルデータしか扱えないデメリットがあります。そこで、文字を電子化してくれるAI-OCRの出番です。AI-OCRで帳票をデータ化した後にRPAで処理を自動化すれば、紙ベースの情報を元にした業務も効率化できます。AI-OCRとRPAの連携で、受注処理や請求処理など、今まで手作業で行なっていた業務の効率改善が可能です。
RPAについては以下の記事で解説しているので是非参考にしてください
【2024年最新】RPAツールとは|メリットや導入の流れまで徹底解説
まとめ
OCR(文字認識)はペーパーレス化によって業務効率化が実現できるだけでなく、用紙代や保管コストなどを削減できるメリットがあります。AI-OCRとRPAの連携で、更なる業務効率化につながるため、セットで検討するのがおすすめです。OCR(文字認識)の導入について迷っている方は、PRONIアイミツに問い合わせてみてください。
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