中小企業向けOCR9選|導入事例や導入ポイントも紹介
読み込んだ画像から文字を抽出しデジタルテキストに変換するOCRには、名刺読み取り・請求書読み取りなど特定の業務に特化した製品があります。そのため、各ベンダーの製品について、機能を把握したうえで自社の業務に合わせて選ぶのが生産的です。本記事では、中小企業向けのOCR9選を紹介するとともに、導入時に確認したいポイントについても紹介します。
中小企業にもOCRは必要か
紙文書をデジタルデータに変換できるOCRは、紙からパソコンへの入力業務削減に役立つサービスです。中小企業など従業員数が少ない企業でも、「人の手による入力業務を減らしたい」「紙をなくしてペーパーレスにしたい」などの課題を抱えているなら必要でしょう。
中小企業のOCR導入事例
サービス業界(会計)|従業員数20~30人
時代背景に伴う導入事例です。すでに発生している業務課題だけでなく、今後予想される課題に備えるのも業務効率化のポイントといえます。
課題 | 導入効果 | 導入サービス |
---|---|---|
電子帳簿保存法の改正やインボイス制度に伴い仕訳の入力業務増加が予想されるが、自動化しないと生産性が保てない。 | 必要な情報を正しく読み取れるため、仕訳の入力作業時間を1/10に短縮。 | CLOVA OCR(レシート・領収書特化型) |
出典:https://clova.line.me/case-studies/syspla/
コンサルティング業界|従業員数5~10人
業務効率化を目的に導入すると、売上や顧客満足度の向上など思わぬ副産物を得られる例もあります。
課題 | 導入効果 | 導入サービス |
---|---|---|
回答用紙の入力業務を5名による人力で行っていたが、勤務時間内に終わらず残業が発生したり、手が痛くなったりする。 | 少人数、在宅勤務でも入力業務が完了するように。OCR読み取り専用用紙の回答による割引施策や、レポート結果返送速度の向上などで顧客満足度もアップ。 | DX Suite |
出典:https://dx-suite.com/casestudy/uservoice51
中小企業向けOCR9選
OCRは、スキャナーで読み込んだ画像に含まれる文字を認識し、パソコンで編集可能なデータへデジタル化する技術です。ペーパーレス化による業務効率の向上や、コスト削減が期待できるため、業種を問わず多くの中小企業で導入されています。
ここでは実際に中小企業への導入事例があるOCRサービスを紹介しています。サービスごとの特徴をまとめているので、どの企業にどのサービスがおすすめか知りたい方はぜひ参考にしてください。
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料金
月55,000円〜/契約 -
初期費用
0円
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
LINE株式会社が開発したCLOVA OCRは、 世界最高水準の認識精度で非定型書類や手書き文字を素早くデータ化します。初期費用がかからないため、費用を抑えてOCRを導入したい企業におすすめです。
- AI読み取り機能
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- 領収書読み取り機能
- 請求書読み取り機能
- 免許証読み取り機能
- 申込書読み取り機能
- 注文書読み取り機能
- アンケート読み取り機能
- CSV出力
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料金
月50,000円 -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
株式会社うるるのeasは、同社運営のクラウドソーシングサービス「シュフティ」のクラウドワーカーと連携し、OCR後の確認・修正業務も代行。1週間かかっていた入力業務を4時間まで短縮できた例もあるほど、大幅な時間削減に貢献します。大量の帳票を「スピーディーかつ安定的にデータ化」したい企業におすすめです。
- AI読み取り機能
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- 請求書読み取り機能
- 申込書読み取り機能
- 注文書読み取り機能
- アンケート読み取り機能
- 報告書の読み取り
- 手書き文字読み取り機能
DX Suite
-
料金
月30,000円~ -
初期費用
0円
-
最低利用期間
12ヶ月
-
最低利用人数
なし
AI insideが提供するDX Suiteは、外部システムとの連携のしやすさと、操作性に優れたインターフェイスのわかりやすさが特徴。「一度説明すれば誰でも使い方がわかる」ほどの評判で、OCR業務が属人的になるのを避けたい、とにかく使いやすさを重視したい企業におすすめです。
- AI読み取り機能
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
- ISMS
- 通信の暗号化
- IP制限
- 二要素認証・二段階認証
- 英語読み取り対応
- 中国語読み取り対応
-
料金
月30,000円 -
初期費用
0円
-
最低利用期間
12ヵ月
-
最低利用人数
なし
SmartReadは、高精度な識字率や使いやすいインターフェイスはもちろん、万全のセキュリティ面が特徴。クラウドサービスに関する情報セキュリティ管理策のガイドライン規格であるISO27017を取得しています。顧客の個人情報を取り扱う企業におすすめです。
- AI読み取り機能
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
- ISMS
- 請求書読み取り機能
- 申込書読み取り機能
- 注文書読み取り機能
- アンケート読み取り機能
- 報告書の読み取り
AIスキャンロボ®︎は、複雑な構造の帳票も項目ごとに整理して出力可能な非定形帳票タイプ。多言語にも対応しているため、多品種小ロットの帳票読取が発生する物流や貿易業界にもおすすめのOCRです。
- AI読み取り機能
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- ISMS
- 通信の暗号化
- IP制限
- 二要素認証・二段階認証
- 英語読み取り対応
- 中国語読み取り対応
- 韓国語読み取り対応
PDF Reader
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料金
月10$/アカウント -
初期費用
なし
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最低利用期間
1ヵ月
-
最低利用人数
1名
PDF Readerは、PDFに特化した文書管理システムです。OCR機能により、本・書類・手書き文字を編集可能なPDFに変換します。PDFでのやり取りが多い企業におすすめです。
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
- ISMS
- 英語読み取り対応
- 中国語読み取り対応
- 韓国語読み取り対応
- 領収書読み取り機能
- 請求書読み取り機能
-
料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
シナモンAIでは、製造・食品・貿易・生命保険と4種類の業界に特化したAI-OCRを提供。業界それぞれにある難易度の高い技術文書も高精度でデジタルデータ化できます。製造・食品・貿易・生命保険の企業におすすめです。
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
- 領収書読み取り機能
- 請求書読み取り機能
- 申込書読み取り機能
- 契約書読み取り機能
- 手書き文字読み取り機能
- 非定型帳票読み取り機能
- 縦書き文字読み取り機能
CaptureBrain
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料金
月30,000円/契約 -
初期費用
200,000円
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
CaptureBrainは、手書き文字も認識可能で、さまざまな帳票に対応するOCRです。サイボウズ社提供の業務改善プラットフォームkintoneとの連携できるため、すでに導入済みの企業におすすめ。受領書管理やアンケート集計など幅広い業務に役立ちます。
- AI読み取り機能
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- 領収書読み取り機能
- 請求書読み取り機能
- 自動仕分け機能
- 画像補整機能
- 手書き文字読み取り機能
- 非定型帳票読み取り機能
スマートOCR
-
料金
月30,000円~ -
初期費用
100,000円~
-
最低利用期間
3ヶ月
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最低利用人数
なし
スマートOCRは、請求書・身分証明書・健康診断書など特定の帳票読み取りに特化したOCRのほかに、クリエイトフォームと呼ばれる帳票作成ツールを提供。帳票作成と同時に、読み取り項目の設定ができて面倒なテンプレート作成が要りません。「データ管理はシステムがいいけど、アンケート等は紙で残したい」企業におすすめです。
- AI読み取り機能
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
- ISMS
- 通信の暗号化
- 二要素認証・二段階認証
- 英語読み取り対応
- 領収書読み取り機能
中小企業がOCRを導入するときのポイント
中小企業がOCRを導入するときは、以下3つのポイントを意識しましょう。
- そもそも必要か
- 自社の目的に対応しているか
- 費用対効果は高いか
そもそも必要か
そもそも自社にそのOCRが必要かどうか確認しましょう。OCRを含めたITツールの導入は、業務効率向上のための手段です。例えばOCRはデータ入力の手間を省くためのツールですが、文字データ化した情報を紐づけ・管理できないツールを導入すれば、情報管理ツールへの転記は人が行わなければならないので、業務効率が向上したとはいえません。
社会トレンドに乗じたIT化やDX化自体が目的にならないよう、業務フローを見直したうえで導入の必要性を検討しましょう。
自社の目的に対応しているか
OCRには、業種や業務に特化したサービスがあるため、自社の目的に対応しているものを選びましょう。例えば、営業職には名刺読み取り・管理ができるものが、医療用には電子カルテの作成や処方箋の処理などに対応しているものが便利です。
業務フローを見直し、作業効率化の全体像を把握したうえで、自社に必要な機能要件を洗い出しましょう。活字より手書き文字に強い方が望ましい、ほかサービスと連携させる必要があるなど、目的を踏まえて検討するのが大切です。
費用対効果は高いか
ITツールの導入時には費用対効果は高いかどうかも考慮すべきです。費用対効果はかけた費用に対して利益はどのくらいかを表します。OCRサービスの導入により確保できた人的リソースが、売上に直接起因する業務に注力できるなら費用対効果は高いといえるでしょう。
ITツールの導入費用は月額請求が多く、中には最低利用期間が設けられているものもあります。通年使わない場合は、費用対効果が高いどころか損になる可能性もあるので、しっかり数字を計算してから導入しましょう。
まとめ
企業によって、OCR導入の必要性や目的は異なります。業務フローや効率化の全体像を把握して、自社に必要な機能や費用対効果などを見極めましょう。OCRの導入でお困りなら、ぜひ当サイトPRONIアイミツにお問い合わせください。
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