【独自調査】1,000件の相談から判明。労務の悩みトップ5と構造的要因
累計10万件を超えるDX関連の相談実績を持つ、国内最大級のB2Bマッチングプラットフォーム「PRONIアイミツSaaS」。その膨大なデータの中から、直近で寄せられた労務関連の相談1,000件を徹底調査・分析しました。
自社が抱える「なんとなく大変だ」「どこから手を付けるべきか分からない」といった悩みは、個別の問題のように見えて、実は多くの企業にも共通して見られます。そのため、他社の悩みを知ることは、自社の状況を整理するうえで有効な手がかりとなります。
本記事では、1,000件の相談内容をもとに集計した「労務の悩みトップ5」をご紹介するとともに、それらを引き起こしている構造的要因を4つに分類して解説します。
自社の現在地を客観的に把握し、次の一歩を踏み出すための整理にお役立てください。
調査データ概要
- 分析対象: 当サイト(PRONIアイミツSaaS)に寄せられた労務関連の相談データ1,000件
- 調査地域:全国
- 分析方法:自社内データのログ解析
- 主な分析項目: 労務相談内容の内訳、企業規模別の課題傾向
- 抽出期間: 蓄積データより最新の労務相談1,000件を抽出(集計日2026/2/24)
- 企業規模: 従業員数100名未満の中小企業からの相談が約7割を占める
労務の悩みランキングトップ5
勤怠管理や労務管理、人事管理など、労務関連の最新相談1,000件を分析し、現場で実際に起きている「困りごと」を件数の多い順に整理しました。それぞれの悩みとその背景を見ていきましょう。
1位:月末月初の勤怠集計が終わらない(59.4%)
全体の約6割から寄せられたのが、勤怠データの手作業による集計や計算の負担が限界に達しているという声です。企業規模の拡大により、従業員数が少なかった頃のアナログな勤怠運用では対応しきれなくなり、月末・月初に業務が集中している状況です。
2位:複数のシステムへの二重入力・転記作業が面倒(39.8%)
次いで多かったのが、「複数のシステムに同じ情報を何度も入力しなければならない」という声です。業務ごとに別々のシステムを導入した結果、データが十分に連携されず、手作業による転記や二重管理が発生しているケースが目立ちます。
「複数の店舗を掛け持ちするスタッフがいるが、システム上は店舗ごとに別々の従業員として登録しなければならず不便を感じている」
3位:「誰がいつ働いているか」を正確に把握できない(30.7%)
直行直帰やリモートワーク、複雑なシフト制など、働き方の多様化が進む中で生じている課題です。オフィス設置型のタイムレコーダーでは対応が難しく、勤務状況をリアルタイムで把握できないことから、正確な勤怠管理が行えないという声が多く寄せられました。
4位:年末調整や入社手続きの時期に負担がピークに達する(16.4%)
年末調整や入社手続きなど、特定の時期に業務量が急増することによる負担です。紙ベースでのやり取りが残っていることで、書類提出の催促や記入漏れの確認に多くの時間を要し、担当者の業務が一時的に集中する状況が見られました。
5位:最新の従業員情報がどこにあるか分からない(5.7%)
システムやExcelファイルが複数に分かれ、住所変更や評価情報などのデータが一元管理できていない状態です。誰が最新の情報を持っているのか分からず、個人に依存した確認作業が続いている実態がうかがえます。
労務の悩みを引き起こす「4つの構造的要因」
労務の悩みランキングからは、「手作業による勤怠集計が終わらない」「複数システムへの転記が面倒」といった、実務に直結する切実な悩みが多いことが分かりました。
相談データをさらに分析すると、その背景には大きく4つの構造的要因が存在していることが見えてきます。ランキングで挙がった悩みも、そのいずれか、あるいは複数が重なって生じています。
ここではそれぞれの要因を紹介するとともに、改善へのヒントも整理しましたので、自社が現在どの課題フェーズにいるのかを整理し、適切な解決策を見極めるための参考としてご覧ください。
要因1:アナログ運用体制の限界
事業成長や人員増加に対し、これまでの手作業(紙やExcel)中心の運用が耐えられなくなっている状態です。該当企業の7割以上は従業員数100名未満の中小企業で、主に「システムを導入していない」または「タイムカードなどのアナログな手法のみに頼っている」企業に多く見られます。
データから読み解く改善のヒント
このフェーズの企業が多機能なシステムを急いで導入すると、現場が使いこなせないケースが少なくありません。まずは多機能さよりも、労務において最も負担の大きい定型業務を確実に自動化できる、操作がシンプルなツールの導入から情報収集を始めることが有効といえそうです。
具体的には、以下から始めるのがおすすめです。- あらゆる労務実務の土台となる勤怠記録や従業員名簿のデジタル化に絞って着手し、正確な基礎データを蓄積する
- 基礎データを利用する給与計算や労務手続きにおいて「自社にどこまでの自動化が必要か」を明確にする
要因2:働き方と管理手法のズレ
現場の働き方が多様化しているにもかかわらず、タイムカードをはじめとする既存の管理手法やシステムが、その実態に対応できていない状態です。この課題は、組織が拡大期を迎える従業員数50〜299名の企業で増える傾向があります。自社の働き方と管理手法が合っていないことが、ボトルネックとなっています。
データから読み解く改善のヒント
いきなり新しいシステムを探すのではなく、まずは「現在の自社の勤務ルール」の棚卸しが必要です。自社の複雑なルールをそのままシステム化するのではなく、実情に合わせてルールを整理した上で、多様な働き方を「遠隔からでも正しく把握・運用できる仕組み」を再定義しましょう。
具体的には、以下のようなアクションが考えられます。- スマートフォンを活用した柔軟な勤怠記録や、雇用契約の電子化ができるサービスを探す
- 在宅勤務手当や交通費の清算を自動判定する給与計算の仕組みを構築する
要因3:システム分断によるデータの二重管理
勤怠、給与、労務手続きなど、部署や業務ごとに別々のシステムを導入した結果、全体の一元管理ができなくなっている状態です。「すでに何らかのシステムを入れている企業」特有の悩みと言えます。特に給与計算システムとの連携でつまずくケースが多く、該当企業の約9割が給与連携やCSV処理に関するストレスに言及しています。
データから読み解く改善のヒント
このままさらに新しい単体システムを追加すると、連携の手間がより一層増えてしまいます。
これ以上のシステム追加は避け、以下のいずれかを検討するタイミングと言えます。- 既存システム間のAPI連携やCSV連携を構築する
- 勤怠・給与・労務手続きを一つのデータベースでカバーできる「統合型システム」へ移行する
要因4:業務の属人化と繁忙期の負荷集中
バックオフィス業務が特定の担当者の知識や経験に依存し、重要タスクが重なる時期にリソースが枯渇する状態です。該当企業の約6割が「年末調整・入退社時期」の負担増に言及しています。これは単なる人手不足ではなく、「その人にしか判断できないルール」が放置されていることで、組織としての対応力が限界に達していることを示しています。
データから読み解く改善のヒント
担当者の処理能力を高めるのではなく、「担当者がすべてを抱え込む体制」からの脱却が必要です。
具体的には、以下の仕組みを整えて業務フローを標準化・分散させることが改善への一歩です。- 従業員本人が直接情報を入力・管理するセルフサービス型の仕組みを導入し、年末調整や入退社手続きの情報を現場から直接収集できるようにする
- 複雑になりがちな勤怠ルールや評価の進捗管理をシステム上で可視化し、誰でも状況を把握できる環境を作る
まとめ:労務業務の改善を進めるために
本記事では、1,000件の相談データから見えた労務管理の代表的な悩みと、その構造的要因について整理しました。自社が抱える課題は、どの要因に近いと感じられたでしょうか。
労務業務の改善を進めるうえで重要なのは、自社がどの段階にあり、何が業務を滞らせているのかを明確にすることです。課題の輪郭がはっきりしてはじめて、取るべき打ち手や優先順位も見えてきます。
一方で、日々の業務に追われる中で、課題を客観的に整理し、多様な選択肢の中から適切な解決策を見極めるのは簡単ではありません。
もし整理に迷いがある場合は、外部の視点を取り入れながら、自社にとって本当に必要な改善策を丁寧に見極めていくことも一つの方法です。まずは、現状を言語化するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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