契約書管理システムの選び方

目次
• 契約書管理システムについて
• 契約書管理システムの必要性が高まる背景
• 契約書管理システムの選び方
• まとめ

契約書管理システムについて

契約書管理システムは、締結した契約書を一元管理するシステムです。契約書をシステムで管理すると、検索性の向上・管理コストの削減・閲覧権限のセキュリティ強化などのメリットがあり、必要なときに必要な契約書をいつでも確認できるといった「適切な管理」ができるようになります。

契約書管理システムの必要性が高まる背景

契約書管理システムの必要性が高まる背景として、オンライン上で契約書の作成・締結が可能な「電子契約システム」の普及が広がっている点が挙げられます。

IT業界の市場調査やコンサルティングを行うITRが発行した市場調査レポート「ITR Market View：リーガルテック市場2022」では、2026年までに電子契約サービスが453億円の市場規模に成長すると予測しており、電子契約サービスの普及が進んでいる様子が把握できます。

電子契約システムの2020年から2026年までの市場推移と予測

※画像出典：ITR｜2021年度の電子契約サービス市場は前年度比56.1%増、不動産取引における完全電子化の法施行と自治体での導入の進展により、2022年度は同46.1％増を予測ITRが電子契約サービス市場規模推移および予測を発表

一方、契約書の作成から管理までをワンストップで行えるITツール「ContractS CLM」のContractS株式会社が2021年8月に行った調査によると、電子契約システムの普及に伴い以下の未解決課題があると発表されています。

上記のように、契約自体がデジタル化されても契約業務自体にはまだまだ課題が残されている現状がうかがえるとともに、これらの課題を解決できる契約管理システムの必要性が高まっているとわかります。

※画像出典：ContractS｜9割が電子契約導入後も紙で契約、過去の紙契約書の管理も4割が課題に。契約DX推進における課題は「契約管理」にシフト〜「契約業務のデジタル化に関する実態調査」を実施〜

契約書管理システムの選び方

契約書管理システムの選び方は以下の通りです。

導入目的と必要な機能を明確にする

契約書管理システムの導入目的を明確にすると、必要な機能がわかります。導入目的は言い換えると、解決したい課題です。例えば、ほんの一例ですが以下のような例があります。

導入目的を明確にしないまま契約書管理システムを導入してしまうと、必要な機能が無くて実務に落とし込めず、無駄な費用が発生する事態になるので注意しましょう。

OCR機能（読み取り）機能の精度で選ぶ

過去の契約書も読み取ってシステムで管理したい場合は、読み取り機能であるOCR機能の精度をチェックしましょう。中には電子印鑑GMOサインのように、紙→PDF化の代行サービスを行っているサービスもあるため、必要に応じて利用するのがおすすめです。

操作性の良さで選ぶ

操作性の良さもチェックしましょう。操作性がよく誰にでも使いやすいかどうかは、契約書管理システムを利用した法務の属人化を防止できるほか、教育コストの削減にも期待できるなど、業務効率化に直結します。

また、電子契約もできるシステムの場合、使いやすければ取引先も負担なく契約締結できるなど、自社だけではなく相手方のメリットにもつながります。

契約書管理システムを提供している各ベンダーには、無料トライアル期間やデモ体験期間を設けているところもあるため、事前に使いやすさを確認しておきましょう。

外部システムと連携できるかで選ぶ

外部システムとの連携の豊富さも、業務効率を加速度的にアップさせるための重要な要素です。例えば契約業務であれば、電子契約システムや契約書レビューシステムとの連携できるものがおすすめです。

新法・法改正への対応は迅速か確認する

新法・法改正への対応が迅速なシステム化も確認しましょう。システムの方で新法・法改正に対応していれば、法務における法的リスクを低減できるほか、法務担当者の心理的負担軽減も期待できます。

セキュリティ対策は万全か確認する

契約書には企業間の重要な情報が記載されている場合もため、セキュリティ対策が万全なシステムを選ぶのがおすすめです。

社内で不必要に契約書を見られたくない場合は閲覧権限を付与できる機能があると便利です。もちろん社外への情報漏洩はもってのほかであるため、シングルサインオン機能や不正アクセス防⽌機能を備えているのを前提に、LegalForceキャビネのようにISO/IEC27017認証を取得している契約書管理システムを選ぶといいでしょう。

費用を比較する

費用の比較も欠かさず行いましょう。費用を比較するときは、単に料金だけを見るのではなく「基本プランに必要な機能が含まれているか」を確認するのが重要です。A社だと料金プラン内の機能だがB社ではオプションで別途課金が必要、といったケースもあります。そのため、必要機能の確認→費用比較の順に検討しましょう。

まとめ

契約書管理システムの選ぶ際は、法改正への対応やセキュリティ対策、予算、システム連携などを検討しましょう。自社にあった契約管理システムをお探しの場合は、以下記事を参考にしてみてください。