コストダウンの手法とは?コストの削減方法やアイデアを紹介【2024年最新版】
コストダウンは業種・規模を問わず企業にとって重要な取り組みですが、具体的な方法や注意点などがよく分からないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、コストカットの手順や具体的なアイデアとあわせて、コストダウンで押さえておくべきポイント・注意点についても分かりやすく解説します。
- 企業におけるコストダウンとは
- 企業にかかる主なコスト
- コスト削減の手順4ステップ
- コストダウンのアイデア8つ
- コストダウンのポイント・注意点
- 【まとめ】コストダウンに役立つシステムの比較検討はPRONIアイミツで
企業におけるコストダウンとは
コストは「 費用。経費。特に、商品の生産に要する費用。生産費。原価。(※)」と定義されており、わかりやすくまとめると「企業が活動する上で必要な費用の総称」です。基本的には「売上-コスト=利益」となるため、売上が増えなくてもコストダウンが叶えば利益の増大は可能です。企業の大きな目的は利益を増やす点にあるので、コストダウンに力を入れる企業が多いのは自然な発想だといえるでしょう。
ただし、大前提としてコストは不要なものではなく「商品やサービスを開発・製造・販売し事業を継続するのに必要な費用」であり、コスト自体は必要不可欠なものです。大切なのは「無駄なコストをカットすること」なので、本質を見失わないようにしましょう。
※ 出典:精選版 日本国語大辞典 https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88-179105
企業にかかる主なコスト
企業がコストダウンを図るためには、実際に発生しているコストを把握しなければなりません。コストを正しく把握できなければ削減案の検討ができないばかりか、そのコストを削っても問題がないか否かの判断も難しくなるでしょう。
ここからは、企業で発生する主なコストについて解説していきます。
人件費
企業におけるコストでもっとも大きな割合を占めるのが人件費です。従業員の毎月の給与はもちろん、時間外手当や交通費、賞与なども人件費に含まれます。しかし、働き手がいなければ事業の継続は困難になるため「人件費をカットするのが正しい」とは言い切れないのも事実です。
また、コストの中で人件費の占める割合は業種によって大きな開きがある点も覚えておきましょう。
オフィスの賃料・光熱費
オフィスの賃料と小熱費は、毎月発生するものです。オフィスだけでなく工場や店舗を借りている場合は、当然ながらその分のコストも毎月発生します。また、オフィスや店舗、工場の運営には水道光熱費もかかるため、賃料と同様のランニングコストとなります。
オフィス賃料・光熱費は削減に成功すれば中長期的なコストダウンに貢献すると考えられるので、見直しの対象にする価値があるでしょう。
オフィス用品のコスト
事業を継続するためにはオフィス用品が欠かせません。コピー用紙やインク、文房具、オフィス家具など例をあげるとキリがありませんが、1つひとつのコストは高くなくても数が増えれば高額になります。しかし、方法によってはオフィス用品が不要になるケースもあるので、コストダウンの対象として検討する余地は十分にあると言えます。
IT機器のコスト
IT機器のコストとは、PCやビジネスフォン、スマートフォンやコピー機にくわえて、ソフトウェアやシステムの導入・運用にかかる費用のことです。PCをはじめとするデバイスはビジネスを行う上で不可欠な存在ですが、高額なものも珍しくありません。また、購入とリース、レンタルでは費用が大きく変化するため、コストダウンの対象になるケースも多いようです。
コスト削減の手順4ステップ
コストダウンは利益の増加への効果が期待できますが、方法を誤ると生産性や品質低下を招く危険性もはらんでいます。コストの中には必要なものも多く、単に「削減すればいい」というものではないので注意が必要です。
ここからは、コスト削減を適切に進めるための手順について解説します。
ステップ1:コストの現状把握
コストダウンに取り組む上でまず着手すべきなのが「コストの現状把握」です。現時点で「何に・どんなコストが・いくらかかっているのか」を把握できていなければ、コストの必要性や削減の可否を判断することができません。
現場の支出をすべて洗い出した上で「何に使われているのか」を整理することで、無駄があるか否かを明らかにしやすくなります。
ステップ2:具体的な目標設定
続いては、無駄なコストを洗い出してコストダウンの目標を設定します。この際には以下のポイントを押さえた上で、バランスを意識するようにしましょう。
・削減するコストが本当に無駄なものであるかを吟味する
・削減するコストの優先順位をつける(実現の難易度も含めて検討)
・「どのコストを」「いつまでに」「どの程度削減するのか」を決めておく
ステップ3:プランの共有・実施
コストダウンの実現には関係者の理解と協力が欠かせません。予告なくコストダウンに取りかかれば「今まで使えていた経費が使えない」といった混乱・不安を社内で招きやすくなってしまいます。
コストダウンに取り組む際は「コストダウンの目的・削減の理由」を事前に社内で周知するとともに、具体的にどのコストを削減するのかを明示して協力を得ながら進めていくことが大切です。
ステップ4:効果測定・改善
コストダウンに関する施策の実施後は、「どのコストを・どの程度削減できたのか」を客観的に評価しましょう。おすすめは2週間・1ヵ月といった単位で目標の進捗状況や達成度合いを評価する方法です。目標と現状を照合して「目標に未達の原因はなにか」「特定の項目で効果が出ていない原因はなにか」を明らかにしていきます。
コストダウンは短期間で叶うものではないので、効果測定と分析、改善を繰り返し行うことが重要です。
コストダウンのアイデア8つ
コストダウンを必要性は理解しているものの、「具体的なアイデアがない」という方もいるのではないでしょうか。課題が明らかであっても施策が適切でなければコストダウンの実現は困難です。そこでここからは、コストダウンに役立つ8つのアイデアを紹介します。
システムやマニュアルの活用による人件費の削減
人件費はコストの中でも大きな割合を占めるケースが多く、削減可能だと判断した場合には優先的な取り組みが求められます。人件費削減の効果的な方法としてあげられるのが、システムやマニュアルの活用です。手作業による業務をシステムへ移行すれば人的コストを削減しやすくなり、マニュアルの整備は1人ひとりの業務効率向上につながります。結果として残業時間を減少できれば、人件費の削減が叶うでしょう。
テレワークによる交通費の削減
働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大により、多くの企業で推進されているテレワークの導入もコストダウンに役立つ施策です。テレワークで削減できるコストには、従業員への通勤手当てやオフィス賃料、オフィスの水道光熱費があげられます。オフィスへ出社する従業員が減れば、現状よりも小規模で賃料の低いオフィスへの移転も可能でしょう。
これらが積み重なれば相当のコストダウンにつながると考えられるので、段階的にテレワークを導入しながら調整していくことをおすすめします。
オフィスの縮小による賃料の削減
オフィスや工場、店舗などの賃料は、使用している限り一定のコストがかかるため、コストダウンに成功した場合は大きな効果が得られます。人件費の削減やテレワークの導入によってオフィスの縮小が可能だと判断できる場合は、移転を検討してもよいでしょう。
また、新型コロナウイルス感染拡大によってオフィスの需要が低下していることから、交渉によって賃料を下げられる可能性もあります。
LED照明への切り替えによる電気代の削減
オフィスや向上、店舗の規模が大きいほどに電気代は高額になりますが、削減を図るのにおすすめなのがLED照明への切り替えです。1年あたりの電気代を比較すると、白熱電球が4,257円なのに対してLED電球の場合は710円(※)とその差は一目瞭然。白熱電球からLED照明へ切り替えれば電気代を80%以上削減できるため、ランニングコストの大幅な削減につながるでしょう。
※ 出典:Looopでんき 電気代の比較
https://looop-denki.com/home/denkinavi/electricitybill/homeappliance/led/
ペーパーレス化による事務用品費の削減
オフィスや工場、倉庫などは使用している限り賃料がかかるため、コストダウンに成功した場合の中長期的な成果は非常に大きいといえます。人件費削減やテレワーク導入によってオフィススペースの縮小が可能だと判断した場合は移転を検討するとよいでしょう。また、新型コロナウィルス感染拡大の影響でオフィスの需要が低下していることから、物件を探す際には交渉によって賃料を下げられる可能性もあります。
固定電話の廃止やネット回線の見直しによる通信費の削減
企業のランニングコストとして忘れてはいけないのが、電話やインターネットの使用にかかる通信費です。電話やインターネットは社内外とのやりとりに欠かせないインフラですが、固定電話の廃止やインターネット回線の見直しによってコストを削減できる場合があります。
特に通信業界では競争が激化している影響もあり、他社からの乗り換えや電話とインターネットのセット利用による大幅なコスト削減が期待できます。
サービスレベルの見直しによる人件費の削減
社外・社内へのサービスレベルが過剰な場合は、見直しによるコストダウンが可能です。企業では社外の顧客に対してだけでなく、社員食堂や各種手当てなど従業員向けにもサービスも提供しています。しかし、その内容が過剰な場合は利益への貢献が見込めないこともあるので、慎重な情報収集・分析の上で見直しを検討してもいいかもしれません。
離職防止による採用コストの削減
人件費の削減はコストダウンの代表的な選択肢ですが、事業継続に欠かせない人材が離職した場合は新たに採用しなければなりません。優秀な人材は企業の財産であり、離職による流出は痛手になるだけでなく、新たに人材を採用するためにもコストがかかります。
人材の流出を防ぎながらもコスト削減を図るためにおすすめなのが、従業員がより働きやすい環境の整備です。働きやすい環境づくりを通じて従業員のエンゲージメントを高められれば無駄な採用コストを抑えられ、中長期的なコストダウンにつながります。
コストダウンのポイント・注意点
失敗のリスクを抑えながらコストダウンを成功へ導くためには、いくつかのポイント・注意点を押さえておく必要があります。ここからは、コストダウンに取り組む際のポイント・注意点を解説していきます。
PDCAサイクルを回す
コストダウンは1回の取り組みで十分な効果を発揮するものではありません。企業にとって必要なコストとそうでないコストは状況によって変化するものであり、継続的に取り組まなければ削減が難しいコストも多くあります。
コストダウンを図る際には、PDCAサイクル(計画→実施→確認→改善)を意識し、定期的にデータ収集・分析を実施することが大切です。問題が明らかになった部分に対しては、適宜改善へ取り組みましょう。
シミュレーションを行う
コストダウンに取り組む際は事前にシミュレーションをした上で、想定できる効果とあわせてデメリットも洗い出しておきましょう。人件費削減を目的に残業時間の大幅な削減を図る場合を想定すると、確かにコストは減らせるものの、サービス品質が低下してしまうリスクが明らかになるかもしれません。
このようにあらかじめシミュレーションしておくことで、メリット・デメリットを踏まえた上での判断が可能になります。
コスト削減の目的を明確化する
結論から言うと、「最終的な目的がコストダウンになってしまうのは危険」です。コストは企業にとって必要な支出(費用)であり、コストダウンの目的はあくまでも無駄な費用を削減するところにあります。
いくらコストダウンに成功しても、生産性や業務効率、従業員満足度などが低下すれば本末転倒です。そうした事態を避けるためには、コスト削減を通じてなにを得たいのかを常に意識する必要があります。
【まとめ】コストダウンに役立つシステムの比較検討はPRONIアイミツで
適切なコストダウンは企業の収益拡大に効果をもたらすものです。しかし、企業のコストは多岐にわたり、削減すべきコストの洗い出しや施策の進捗管理、分析など工程は複雑になりやすいとされています。
効率的かつ適切にコストダウンに取り組みたいという場合には、原価管理システムや工数管理システムなどの導入を検討してみてもいいかもしれません。
「PRONIアイミツ」では、さまざまなシステムの比較検討に役立つ幅広い情報を掲載しています。機能や業種別・企業規模別の導入実績からの検索も可能なので、製品を選ぶ際にはぜひご活用ください。