製造原価の計算はエクセルでも可能?メリット・デメリットやおすすめテンプレートを紹介【2025年最新版】
製造業に携わる会社では、日常的に「製造原価」という言葉を用いることもあるでしょう。製造原価の計算・記録の方法はいくつかありますが、もっとも簡単なのはエクセルを用いた方法です。
この記事では、製造原価の計算にエクセルを用いるメリット・デメリットとあわせて、おすすめのテンプレートを紹介します。製造原価の計算・記録でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
- 製造原価の計算はエクセルでも可能?
- 製造原価の計算表をエクセルで作るメリット
- 製造原価の計算表をエクセルで作るデメリット
- まずはテンプレートを用いるのがおすすめ
- 製造原価計算のおすすめテンプレート3選
- エクセル以外で製造原価を計算する方法
- まとめ
製造原価の計算はエクセルでも可能?
「製造原価」は商品の製造にかかった費用(原価)を指す言葉で、販売価格の決定や利益確保に影響を与えるものです。正しい製造原価の計算は、コスト削減や利益拡大に向けた意思決定にも役立ちます。
エクセルは日本でもっとも普及している表計算ソフトで、さまざまな業種・規模の会社で活用されています。多くの機能を備えていることから製造原価の計算にエクセルを用いるケースも少なくなく、中には既存のフォーマットを業務に使用する会社もあるようです。
製造原価の計算表をエクセルで作るメリット
エクセルで製造原価の計算表を作成する場合は、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。
使い慣れている従業員が多い
エクセルは大半の企業で使用するパソコンにインストールされており、多くの人々が操作経験のある表計算ソフトです。すでに使ったことのある従業員が多ければ、操作経験のない人にもすぐに使い方をレクチャーできるので、基本操作を覚えやすいというメリットがあります。
追加のコストがかからない
通常は新たにソフトを導入する際は購入費用だけでなく、操作に関する研修の実施やマニュアル作成などが発生するものです。しかし、すでにエクセルを導入している会社なら、追加費用が不要というのも大きなメリットとしてあげられます。
多くの従業員が操作に慣れているエクセルなら研修にかける費用や工数も最小限に抑えられるため、コスト面でも優れた方法だと言えます。
テンプレートが利用できる
エクセルは広く普及している表計算ソフトであることから、無料で公開されているテンプレートも豊富なのが特徴です。製造原価の計算だけでなく幅広い業務に活用できるテンプレートが存在しているので、ゼロから計算用のシートを作成する工数を抑えてすぐに業務にとりかかれます。
製造原価の計算表をエクセルで作るデメリット
エクセルでの製造原価計算表作成には多くのメリットが期待できる反面、デメリットも存在しています。ここでは、製造原価の計算表をエクセルで作成するデメリットを解説します。
複雑な数式が組まれている場合に属人化しやすい
エクセルは誰でも気軽に使える一方で、複雑な関数やマクロの使用にあたってはある程度のスキルが求められます。製造原価を求める計算表の作成は数式が複雑化しやすく、作成者にしか理解できない仕組みになることも。そうなると業務が属人化してしまい、組織の柔軟性の低下を招いてしまいます。
最新の更新が反映されない可能性あり
エクセルで作成したデータをローカル環境に保存すると、作業した人以外は最新データを閲覧できなくなります。都度メールで共有しても「どれが最新版なのかわからない」という状況に陥り、旧バージョンのデータが最新版として共有されてしまうこともありえます。
そうした事態を防ぐためには、データを共有ファイルサーバーへ保存するなどの工夫が必要です。
ファイルが複数になる場合あり
それぞれが自身のローカル環境で作業するためにコピーを作成するなど、ファイルが複数になってしまうと業務に悪影響をあたえる可能性があります。どれが最新のデータなのかがわからず、関係者間で各ファイルを確認しながらすり合わせが必要になるかもしれません。エクセルで製造原価の計算表を作成・管理する際は、ルールを定めた上で運用する必要があるでしょう。
まずはテンプレートを用いるのがおすすめ
製造原価の計算に限らず、エクセルを活用する際はメリット・デメリットを理解した上で業務を進めることが大切です。また、インターネット上では製造原価の計算を目的としたフォーマットも数多く公開されているので、まずはこれらを活用してみてもよいでしょう。
エクセルに関する高いスキルのある人材でなければ、原価計算表を独自に作成するのは大きな負担となるため、業務効率化の実現やミスを防止するためにもおすすめの手段です。
製造原価計算のおすすめテンプレート3選
質の高いエクセルテンプレートを活用すれば、効率的な製造原価計算・管理が期待できます。ここからは、製造原価計算に役立つおすすめのエクセルテンプレートを紹介します。
Microsoftの「アクティビティのコスト管理」
最初に紹介するのは、マイクロソフト社が公式に提供しているテンプレート「アクティビティのコスト管理」です。製品の生産に必要な直接原価や間接原価にくわえ、一般費や管理費の管理に対応しています。エクセルの提供元による公式のテンプレートのため、安心して利用できるでしょう。
テンプレートの無料ダウンロードの「原価管理表:Excelで作成」
「テンプレートの無料ダウンロード」で提供されている「原価管理表:Excelで作成」もおすすめのテンプレートです。書式の異なる2種類が用意されており、材料費と加工費の原価明細、経費、間接費から原価を求める形式と、複数製品の間接費と経費、減価償却費、賃借料を按分する形式から選べます。業種に合わせたカスタマイズが可能なのもうれしいポイントです。
みんなのexcelテンプレートの「原価売価管理」
最後に紹介するのは「みんなのExcelテンプレート」で提供されているテンプレートです。原価売価管理に関するテンプレートが複数あり、原価と売価、粗利の目安を手軽に計算できるものから、項目数を絞ってよりシンプルな構成となったもの、確認印の欄が設けられたものなどニーズに合わせて選択できます。
エクセル以外で製造原価を計算する方法
エクセルを用いる方法のほかにも、製造原価を計算する方法はいくつか存在しています。ここからは、製造原価の計算に用いられるエクセル以外の方法について解説します。
会計ソフトを導入する
会計ソフトは会計業務全般に関連する機能を持つもので、中には原価計算機能を実装している製品もあります。原価計算機能のある会計ソフトを使えば、製造原価もまとめて計算できるでしょう。
しかし、すべての会計ソフトに実装されているわけではないため、機能の有無の確認が必要です。
原価管理システムを導入する
原価管理システムは、文字どおり適切な原価計算・管理を目的としたシステムです。原価計算に必要なさまざまな機能を備えており、原価の圧縮・利益率拡大に役立つのが最大の特徴とされています。専門的な知識がなくても数値を入力するだけで原価計算が可能なので、リソース不足に悩む場合には積極的に導入すべきでしょう。
まとめ
この記事では、製造原価の計算にエクセルを使うメリット・デメリットや、おすすめのテンプレートを紹介してきました。エクセルによる原価計算は取り組みやすい一方で、注意点が多いのも事実です。負担を抑えて製造原価の計算や管理の効率化を図りたいのなら、原価管理システムの導入を検討してみてもよいでしょう。
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