強固なセキュリティと高コスパを両立するSmart Generative Chat。その開発の裏側とは【独自取材】
「セキュリティ面に不安があり生成AIを全社展開できない」「全社導入しても使うのは一部の社員だけ」、そう悩む企業担当者は少なくありません。株式会社システムサポートはこうした課題に向き合い、大規模組織にも導入しやすい生成AIアシスタント「Smart Generative Chat(SGC)」を提供しています。
今回、同社の開発責任者の北井智之様と、マーケティング・販売促進責任者の長谷川公浩様にお話を伺い、設計思想や現場での活用実態を探りました。
Smart Generative Chatの特徴
アカウント数無制限のライセンス料金
月額70,000円のライセンス利用料に、利用量に応じたクラウド利用料が加わります。ライセンス部分は利用者数が増えても変わりません。
顧客専用環境による強固なセキュリティ
顧客が契約するクラウド環境のテナント内に完全に閉じた環境を構築し、セキュリティ要件が厳しい業界でも活用しやすい設計です。
シナリオ機能とAgentic Workflowによる業務自動化
あらかじめ設計したプロンプトをシナリオとして登録しておくことで、誰でも同じ品質のアウトプットを得られます。業務の自動化を担う「Agentic Workflow」は、ワークフローの設計自体をAIが支援する機能を有しており、手作業でゼロから組み立てる負担を抑えながら利用できます。
- Smart Generative Chatとは
- Smart Generative Chatの料金プラン
- Smart Generative Chatを開発した背景|ChatGPT登場と同時に始まった社内向けツール
- Smart Generative Chatが選ばれる理由|強固なセキュリティ・高コスパ・高精度の機能
- Smart Generative Chatへの実際の評判
- Smart Generative Chatの導入が向いている企業
- Smart Generative Chatの今後の展望
Smart Generative Chatとは
Smart Generative Chat(SGC)は、株式会社システムサポートが提供する企業向けの生成AIアシスタントです。同社は2013年からAWSを、2016年からAzureを取り扱ってきたソリューションパートナーで、専任のエンジニアがクラウド基盤の構築を担ってきました。この実績を土台に、企業が安心して全社導入できるセキュリティと拡張性を備えています。
SGCは、人数ごとの従量課金ではないライセンス設計と、マルチクラウド・マルチAIモデルへの対応を軸に、社内のセキュリティ要件を満たしながら全社的なAI導入を実現することを目指したサービスです。主な機能を以下の表にまとめました。
| 機能名 | 特徴 |
|---|---|
| RAG機能 | 社内文書を登録することで、文脈に沿った精度の高い回答を提供。図表や画像も回答に反映できます。 |
| シナリオ機能 | 必要事項を入力・プルダウンで選択するだけで、統一された品質のアウトプットを得られるます。指示(シナリオ)はノーコードで設定可能。 |
| Agentic Workflow | ドラッグ&ドロップの直感操作でノーコードのワークフローを構築できます。競合調査やレポート作成、請求書処理など幅広い業務に対応。 |
| マルチクラウド・マルチAIモデル対応 | Azure OpenAI ServiceのGPT、Amazon BedrockのClaude、Google Cloud Vertex AIのGeminiに対応。目的に応じてモデルを選択できます。 |
Smart Generative Chatの料金プラン
Smart Generative Chatの料金プランは、以下の2種類が用意されています。
| プラン | 料金 | 概要 |
|---|---|---|
| 月額プラン | 月額70,000円(税別)+クラウド利用料+保守費用(任意) | 初期費用0円で、DXをスモールスタートできます。 |
| 初期費用プラン | 1,500,000円(税別)〜+クラウド利用料+保守費用(任意) | 長期利用を見込む企業や、既存のAzure環境内にSGCを構築したい企業におすすめ。 |
いずれのプランもアカウント数に応じた追加料金は発生せず、AIの利用量に応じた従量課金のため、使わないアカウント分のコストを抑え、必要な分だけご利用いただけます。
Smart Generative Chatを開発した背景|ChatGPT登場と同時に始まった社内向けツール
ここからは、Smart Generative Chat開発の背景から強みの裏側、導入事例、そして今後の展望まで——北井様と長谷川様のお話をまとめました。
── どのようなきっかけでSGCの開発が始まりましたか。
北井様:SGCの開発が始まったのは、ChatGPT(GPT-3.5)が登場し、AIへの注目が高まっていた2023年の初め頃です。当社内でもGPTを使いたいという声が上がっていましたが、セキュリティへの懸念から使えていませんでした。そこで、MicrosoftのAzure上でGPTを利用できる仕組みを社内向けに作り始めました。
さらに、当社と同じ課題を抱えるお客様に向けて、社内用の仕組みを正式な製品として整備していったところ、多くのお客様に利用いただけるようになり現在につながっています。
── 社内利用の課題を解決する以外に、開発当初から意識していたことはありますか。
北井様:GPTが登場して間もない頃は、RAGという技術を備えたサービス自体がまだ少ない時代でした。SGCでは、単にチャットができるだけでなく、ドキュメントを登録して活用できるRAG機能を早い段階から取り入れることを意識していました。
Smart Generative Chatが選ばれる理由|強固なセキュリティ・高コスパ・高精度の機能
SGCが選ばれる大きな理由には「強固なセキュリティ」「高いコストパフォーマンス」「精度に定評のあるRAG機能」の3つがあります。
── セキュリティ面では、どのような点に特にこだわっていますか。
北井様:Microsoftが定めるWell-Architectedの設計指針に沿って、お客様ごとに契約いただいたクラウド環境のテナント内に完全に閉じた構成を取っています。データベースやアプリケーションサーバー、AIモデルを動かす基盤まですべてを一つの専用環境に収め、外部に出ない設計にしています。
── セキュリティを重視する業界・企業でも、社内データをうまく活用できるのですか。
北井様:インターネットに接続しない閉域環境でSGCを構築した場合でも、その閉域環境から社内のデータベースへ接続できます。金融機関のように社外へのデータ持ち出しに厳しい制限がある業界でも利用しやすくなっています。
── SGCはアカウント数が無制限です。その理由とメリットはどのようなものですか。
北井様:利用した分だけ納得感を持って費用を負担していただきたいと考え、アカウント数当たりの課金ではなく、利用量に応じた料金体系にしました。この仕組みは小規模な部署から始めて段階的に全社へ展開するといった進め方もしやすくなっており、実際に数万人規模でユーザーを登録している企業様もあります。
── サービス開始当初から搭載されているRAG機能は、精度が高いと評判です。
北井様:従来のRAG機能は、PDFなどのドキュメントからテキスト情報だけを抜き出す方式が一般的です。一方でSGCのRAG機能は、文章中の図をそのまま切り取って回答に反映したり、章立てなど文書構造に沿って適切な単位で情報を分割して登録したりできます。アップロードするだけで登録が完了する手軽さと、高い精度の回答を両立している点がSGCの強みのひとつになっています。
── 誰でも同じ品質の出力ができるシナリオ機能も好評ですが、どのような機能ですか。
北井様:あらかじめ業務ごとのプロンプトを設計してシナリオとして登録しておくことで、利用者は必要事項をプルダウンなどで入力するだけで質の高い回答が得られます。
画像生成やエージェント機能なども組み込めるため、社内のさまざまな業務をシナリオ化して展開できます。
── 毎回考えなくていいとはいえ、シナリオを作成するのは大変ではありませんか。
北井様:もしプロンプトに詳しい社員がいない場合は、当社の保守・コンサルティング契約の中でプロンプトの作成をお手伝いすることも可能です。
Smart Generative Chatへの実際の評判
── 他社の生成AIサービスから乗り換えたお客様もいるようですね。
北井様:費用面や機能面において、それまで使っていたサービスでは実現できなかったことがSGCでできるという理由で選んでいただくことが多いです。
また、問い合わせへの回答に時間がかかる、カスタマイズに対応してもらえないといったサポート面の理由でSGCに切り替えられるお客様もいらっしゃいます。
── 一般的な生成AIサービスでは個別の要望への対応に制限がある場合が多いかと思いますが、SGCとしてお客様の要望に向き合う上で大切にしている方針はありますか。
北井様:お客様から要望をいただいた場合、そのお客様だけの個別対応にはせず、他のお客様にとっても価値がある形に落とし込んでから機能化することを心がけています。要望にそのままお応えできない場合も、一方的にお断りするのではなく別の実現方法を一緒に探るようにしています。
── 印象に残っているお客様の声はありますか。
長谷川様:システムに詳しいお客様から「RAGの設定で、ここまで細かく設定できるツールは見たことがない」というお声をいただいたことが印象的でした。
SGCはベクトル検索や全文検索を組み合わせたハイブリッド検索、言語ごとの検索など高度な検索手法に対応しているほか、文章を適切な単位に分割するチャンク分割も簡単に編集でき、その設定できる項目の多さに驚かれていました。
Smart Generative Chatの導入が向いている企業
── SGCの導入によって解決できる課題には、どのようなものがありますか。
長谷川様:セキュリティ要件が厳しく、生成AIの導入に踏み切れずにいる企業や、社内のナレッジが属人化していて情報共有が進みにくい企業との相性が良いと感じています。
実際に、セキュリティ要件が厳しい金融機関のお客様が社内の資料を読み込ませて業務に活用されている例も聞いています。
── カスタマーの現場に浸透させるために、SGCはどのようなサポートをしていますか。
長谷川様:課題解決に向けて伴走支援する形で提案することが多いです。2ヶ月間の無料トライアルの中で現場の課題をヒアリングしたうえで解決策を示し、実際に触っていただきながら理解を深めてもらっています。
導入後も、お客様には無料セミナーを実施し、現場への定着を継続的に支援しています。
Smart Generative Chatの今後の展望
── 今後、SGCとして注力していきたい点は何ですか。
北井様:社内のコンテキストに沿ってエージェントが自律的に情報を集め、業務に活用できる仕組みをさらに充実させていきたいと考えています。検索クエリの作成からデータベースへのアクセスまでをAIが担い、社内に蓄積された情報をより活用しやすくする機能に力を入れていく方針です。
── SGCの導入を検討している企業が事前に準備しておくとよいことはありますか。
長谷川様:準備に時間をかけるよりも、まずは気軽にご相談いただきたいです。準備に時間をかけて、方向性を誤ってしまうことの方がもったいないと考えています。「AIを活用したい」という思いがあれば、その時点でご相談いただければと思います。