注文生産(受注生産)とは?見込み生産との違いやメリット・デメリットを解説!【2025年最新版】
「注文生産(受注生産)」や「見込み生産」といった言葉を頻繁に耳にするものの、具体的な内容や違いはよくわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、さまざまな分野の法人向けSaaSサービスを比較検討できる「PRONIアイミツ」が、注文生産と見込み生産の違いやそれぞれのメリット・デメリット、注文生産の事例を紹介します。
- 注文生産(受注生産)とは
- 見込み生産とは
- 注文生産のメリット・デメリット
- 見込み生産のメリット・デメリット
- 注文生産・見込み生産それぞれに違いに合わせた製品
- 注文生産の事例
- 効率的な注文生産・見込み生産にはシステムの活用がおすすめ
- 【まとめ】PRONIアイミツで生産管理システムを比較検討しよう
注文生産(受注生産)とは
注文生産(受注生産)とは、注文を受けてから製品を生産・出荷する生産形態のことです。事前に必要数を把握した上で生産を開始できるため、材料のロスを削減できるという特徴があります。
また、注文生産には「個別受注生産」と「繰返受注生産」の2種類があります。以下ではそれぞれについて詳しく解説します。
個別受注生産
個別受注生産は、顧客からの受注ごとに1から設計・開発する生産形態です。船や1台のみ製造する機械、専用デザインのパッケージなどの生産に用いられることが多いとされています。
また、1から設計・開発を実施するため、製品の完成までに時間を要する傾向にあります。場合によっては開発の途中で仕様変更や手戻りが発生することもあるので、徹底した工程管理や打ち合わせが欠かせません。
繰返受注生産
繰返受注生産は、事前に設計された基本仕様にそって製造・出荷する生産形態です。自動車メーカーや家電メーカーなど、同一の形状・品質の製品を生産する工場で多く採用されています。
一度設計・開発が完了すれば、その後は同じ仕様の製品を量産していくというのも特徴です。まれに仕様変更が生じることもありますが、大量生産に適した生産形態だと言えます。
見込み生産とは
見込み生産とは、需要予測や販売計画にもとづいて受注前に一定量の製品を生産する形態のことです。事前に製造を始めるため、受注から納品までの時間を短縮できるのが特徴としてあげられます。しかし、需要予測が外れてしまうと過剰在庫・在庫不足といった事態に陥るので注意が必要です。
主にアパレル関連の工場など数ヵ月先の売れ行きを予想して生産する際に採用されています。
注文生産のメリット・デメリット
ここからは、受注してから生産を開始する注文生産(受注生産)のメリット・デメリットを解説します。
メリット
注文生産(受注生産)には、以下のメリットがあります。
・在庫や材料ロスを削減できる
製造数が確定してから生産を始める注文生産では、過剰在庫や材料ロスを削減しながら必要なだけ製品を造ることができるというメリットがあります。利益の減少につながる材料ロスを防止できるだけでなく、過剰在庫を保管しておくスペースの確保も不要なのは大きな魅力でしょう。
・品質向上や顧客満足度の向上につながる
目的に応じた仕様の製品を必要なだけ生産するので、ユーザーニーズに合わせた製品の開発・販売が可能です。顧客の状況を踏まえた上で丁寧に生産できることから、顧客満足度の向上への貢献も期待できます。
デメリット
注文生産(受注生産)のデメリットとしては、以下があげられます。
・生産に時間がかかってしまう
受注後に生産を始める注文生産では、見込み生産のように事前に一定数を製造するといったことはありません。打ち合わせを重ねて設計・開発を進めるので、生産・出荷に時間がかかるだけでなく、仕様変更や手戻りが発生してしまうと納期が遅れることもあるので注意が必要です。
・機会損失を招くこともある
注文生産は受注後に生産を開始するため、需要が高まっているタイミングで販売できなければ機会損失につながるリスクがあります。需要があったとしても生産・出荷に時間を要すれば、その間に競合他社が同様の製品を発売した場合に不利になってしまうでしょう。
見込み生産のメリット・デメリット
ここからは、受注する前に生産を開始する見込生産のメリット・デメリットについて解説していきます。
メリット
見込生産のメリットとしてあげられるのは、以下の2つです。
・納品までの期間を短くできる
見込生産では受注前から生産を開始するので、依頼から納品までの期間を短くできるという特徴があります。在庫が揃っていればすぐに出荷でき、需要とマッチすれば利益の拡大にもつなげられるでしょう。
・汎用的な製品なら在庫を抱えにくい
見込み生産は注文生産(受注生産)と比べると在庫を抱えやすいものの、汎用的な製品であれば材料ロスを削減できます。複数の顧客から発注のある定番製品や大量生産向きの商品を扱っている場合は、スピーディーかつ効率的な生産な可能なので見込み生産を採用してもいいかもしれません。
デメリット
見込生産のデメリットとしては、以下の2つがあげられます。
・余剰在庫を抱える可能性がある
見込生産では今後の需要予測や販売計画をもとに、あらかじめ一定数の製品を生産します。しかし、予測通りに受注できなければ製品を在庫として抱えなければなりません。大量の在庫を抱えるのは負債を抱えるのと同義なので注意が必要です。
・競合が多い
見込生産では在庫過多を防ぐために、汎用性の高い製品を生産するケースが多いです。ただし、競合他社も同様の理由から汎用性に優れた製品を取り扱っていると考えられるため、競合が多いことをあらかじめ理解しておきましょう。製品の品質によっては他社との受注量に開きが生まれることもあります。
注文生産・見込み生産それぞれに違いに合わせた製品
注文生産(受注生産)と見込み生産は、それぞれの形態に適した製品の製造に採用することが重要です。それぞれの生産形態に向いている主な製品を以下に紹介します。
【受注生産向きの製品】
・注文住宅や船など生産量が少ない製品
・寝具や金物などのオーダーメイド製品
・特殊機器をはじめとする生産途中で仕様変更がある製品
【見込み生産向きの製品例】
・自動車や家電など安定受注を見込める製品
・大量生産しやすい衣料品や加工食品
注文生産の事例
近年では食品ロスや商品廃棄などの削減を目的に、注文生産(受注生産)を取り入れる企業が増加傾向にあります。ここからは、注文生産を採用した2社の事例を紹介します。
株式会社ファミリーマート
全国にコンビニエンスストアを展開するファミリーマートでは、2019年から食品ロスの削減を目的に注文生産(受注生産)による季節商品の販売を採用しています。対象商品はうなぎやクリスマスケーキ、おせち、恵方巻などで、2020年からは店舗ごとの独自演出の推進にくわえて「ファミペイ」スマートフォンアプリからの予約にも対応しました。
その結果、同年の「土曜の丑の日」におけるうなぎの販売結果は、注文生産の導入前と比較して廃棄金額が約80%減少と大幅な食品ロス削減に成功。そのほかにも同社では、従来よりもお惣菜の鮮度を保てるパッケージへの切り替え、冷凍食品の充実・売り場拡大などを通じた食品ロス削減に取り組んでいます。
出典:株式会社ファミリーマート
https://www.family.co.jp/company/news_releases/2020/20200824_04.html
株式会社ユナイテッドアローズ
ユナイテッドアローズでは、従来から商品廃棄を大きな課題ととらえ「循環するファッション」を目指して不用品の回収やリサイクル、リユースに取り組んでいます。その一環として2022年にZOZOが開始したファッションブランド向け生産支援プラットフォーム「Made by ZOZO」への参画を決定し、7種の商品の注文生産を始めました。
「Made by ZOZO」は「ZOZOTOWN」のデータと技術の活用によって最短10日で受注商品を発送する生産支援プラットフォームで、ブランド側は在庫を抱えるリスクなく豊富な商品を販売できるのが特徴です。同社では欠品を生まない注文生産を取り入れることで、さらなる顧客満足度向上を図るといいます。
出典:PRTIMES(株式会社ユナイテッドアローズ)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000003197.html
効率的な注文生産・見込み生産にはシステムの活用がおすすめ
長期的に安定した注文生産(受注生産)・見込み生産を継続するためには、効率的な生産管理が欠かせません。しかし、製品の生産・出荷に関するすべての情報を担当者が1人で把握・管理するのは困難なのも事実です。
「最小限のリソースで効率的な生産管理を実現したい」という場合には、製造現場のさまざまな情報を一元管理できる生産管理システムの導入を検討してみることをおすすめします。
注文生産・見込み生産の両方に対応しているシステムはもちろん、注文生産に特化したシステムも各社から提供されています。自社の生産形態や状況に合ったシステムを導入できれば、飛躍的な業務効率化も不可能ではないでしょう。
【まとめ】PRONIアイミツで生産管理システムを比較検討しよう
注文生産(受注生産)と見込み生産にはそれぞれにメリット・デメリットがあり、適している製品も大きく異なります。取り扱っている製品の特性に合った生産形態を採用し、利益拡大を目指しましょう。
また、注文生産・見込み生産における管理業務を効率化させたいのなら、生産管理システムの導入を視野に入れることをおすすめします。
「PRONIアイミツ」では、人気の生産管理システムの比較検討に役立つ幅広い情報を掲載しています。生産管理システムに関心を持ったという方は、ぜひご活用ください。
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