生産管理で重要なIE手法とは?メリットも解説【2025年最新版】
現在の生産管理体制を改善し、業務の効率化を図りたいと考える方もいるはずです。ただ、どのように動けばいいか分からないとお悩みの方もいるでしょう。それなら、生産管理の手法のひとつである「IE」を導入してみるのはどうでしょうか。
そこでこの記事では、営業・バックオフィス・情報システムなど、さまざまな分野の法人向けSaaSサービスを比較検討できる「PRONIアイミツ」が、生産管理の手法である「IE」とはどのようなものなのかをご紹介!手法の種類や導入するメリットも解説していきます。
生産管理におけるIEとは何か
IEとは「Industrial Engineering」の略称であり、生産工学という意味を持っています。1900年初頭に、アメリカの技術者・経営者のフレデリックテーラーが提唱した概念で、経営上の問題を工学的な手法を使って合理的に解決していくのが特徴。例えば、工程分析、動作研究、可動分析、時間研究などを実施し、各項目をどのように改善していくのかアプローチします。
根拠にもとづいた課題解決を行うことから、生産管理の効率化や、担当者の負担軽減、管理体制をスムーズにできるといった生産システムを最適化する重要な手法です。
IEの狙い・目的
生産管理でIEを活用する狙いは、次のとおりです。
・業務プロセスを改善、効率化する
・人材を育成する
IEが担うのは、ただ業務を改善するということだけではありません。数値を用いて業務上の課題を抽出し、改善の検討を実施することから、高い専門知識をもつ人材の育成にも効果的です。また生産工程におけるムダはさまざまな部分に潜んでおり、日々ブラッシュアップし、工程管理を洗練しなければなりません。
IEを導入することで、品質と人材育成ができる。すなわち、IEの導入によって生産体制を大きく底上げできるのです。
IEにおいて実施される手法
IEにはさまざまな手法がありますが、そのなかでもよく活用されているが、生産の動きに対する手法の「方法研究」、そして作業時間に対する手法の「作業測定」です。それぞれ生産管理の対象項目が異なるので、実際に行う分析や研究内容を詳しくご紹介します。
方法研究
方法研究とは、生産プロセスのなかで発生する「作業」「工程」「動作」を数値として分析し、改善していく手法のことです。
生産プロセスのなかでキーポイントとなる動きを細かく分類。現場で発生する3M(ムリ・ムダ・ムラ)を早期発見し、改善していくのが特徴です。そこで、方法研究のなかでもキーポイントとなる「工程分析」「動作分析」「運搬分析」について詳しくご紹介します。
工程分析
工程分析では、材料を製品化するまでの作業プロセスを分析。生産に関わる次の4項目が分析対象です。
・加工:材料の加工、部品の組み立てなど
・運搬:人や自動車による運搬のこと
・検査:品質基準を満足しているか
・停滞:生産プロセスで発生する待ち時間
各項目を数値データとして取得することはもちろん、担当者が改善の判断を実施するために「フロープロセスチャート」「アッセンブリーチャート」「経路分析」「フローダイヤグラム」といった図化を行います。従来把握することが難しい要素を見える化できることから、流れ作業の無駄を発見できるのが特徴です。
動作分析
動作分析では、作業プロセスごとに作業者の動きを分析。現在の動きを効率化するため、熟練の作業者の意見などを取り入れつつ、改善を加えていくのが特徴です。
例えば、作業員の「作業中の姿勢」「ものを取る動作」など、細かいアクションを分析していくことによってムダを抽出します。動画撮影などを利用して分析するため、生産プロセスをストップすることなく、長時間作業しても疲れにくいコツや安全かつ効率的に動く方法などを分析可能です。
運搬分析
運搬分析では、材料・製品の移動や運搬の動きを分析。荷物の積み込みや荷下ろしにかかる労力や、移動ルートを数値化・図化して、改善を加えていくのが特徴です。
運搬分析には「運搬工程分析」「運搬活性分析」「カラ運搬分析」の3種類があり、荷物の移動時間やルート、移動しやすさなどを見ていきます。ルート改善はもちろん、工場内の改装を実施し、より運搬を効率化できる動きを検討。ムダのない運搬体制を作り出します。
作業測定
作業測定とは、生産プロセスの中で発生する作業時間を細かく分析し、改善していく手法のことです。
生産管理のなかで発生する作業時間や作業方法のデータを取得し可視化。スケジュールに対して標準時間を満足できているのかを測定し、ムダな作業を減らしていくのが特徴です。そこで、作業測定のなかでもキーポイントとなる「時間分析」「可動分析」について詳しくご紹介します。
時間分析
時間分析では、作業プロセスに対して目安となる「標準時間」を設定し、実際にかかる時間と比較。作業にかかる具体的な時間を把握することによって、生産管理のスケジュール管理をより具体化できるのが特徴です。
ストップウォッチを使って作業時間を測るほか、作業動作を細かく分解し、1つひとつの動きを標準時間と比較する「PTS法」を用いて時間分析を実施します。
稼働分析
稼働分析では、人・機械がどれだけ稼働しているのかを分析。どのような要素に時間がかかっているのか測定することで、稼働状態を詳細に把握できるのが特徴です。
代表的な手法として「連続観測法」「ワークサンプリング法」「セルフタイムスタディー法」などを活用して、稼働状況を細かく測定。また、実操業時間のなかでも、人や機械が稼働している時間・していない時間を分けます。そこで抽出された稼働していない時間に対して、関連するプロセスとの時間的な余裕などを検討し、無駄な時間を削減可能です。
IEのメリット
生産管理の改善や効率化、そして人材育成に効果を発揮するIEですが、導入することによってどのようなメリットがあるのでしょうか。最後に、業務全体に良い影響を生み出す2つのメリットをご紹介します。IEを導入する前に、チェックしておきましょう。
定量化した情報をわかりやすく客観視できる
IEによる分析・研究・測定を実施することによって、生産管理に「分かりやすさ」を付与できます。従来、見ることが難しい動きや時間を可視化した上で製造の流れを客観視できるようになり、生産ラインのムダを削減できるのがメリットです。
また、客観的にとらえることで、業務プロセスを標準化できます。IEの導入が生産体制の基礎を整備することにもつながるでしょう。
業務の見える化で無駄の発見にもつながる
IEを導入することによって、ヒト・モノ・コトに対する情報をすべてデータ化し、判断材料として利用できます。製造業の生産管理では、製造や検品、運搬、などさまざまな要素を管理する必要があるため、工程に対する課題を抱えやすいのが特徴です。
これに対し、IEで業務プロセスを見える化。自然と無駄な動きが把握できるようになります。時間がかかっている、ムダを感じているという課題を解決するためにも、IEという管理手法を活用してみてはいかがでしょうか。
IE手法には生産管理システムの活用がおすすめ
業務効率化や改善に利用できるIEという管理手法ですが、これを個別に実施するのはかなりの労力が必要です。そこで効率よくIEを導入し、業務全体の改善を図りたいのならIEの手法が搭載された生産管理システムを導入してみてはいかがでしょうか。
生産管理の効率化を図れることはもちろん、本記事で登場した「方法研究」「作業測定」にも活用できます。多品種少量生産の現場にも適用できるので、この機会にぜひ生産管理システムをチェックしてみてください。
まとめ
製造業の生産管理では、生産プロセスのムダが慢性的に発生してしまうのが課題です。なかには、改善を検討しているけど、どのように動き出せばいいか分からないという方もいるでしょう。また、人力での生産管理や分析を行うのは、相当な負担がかかります。そこで、効率的に生産管理の改善を図りたいと考えているなら、この機会にIEの管理手法が搭載された「生産管理システム」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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