売上原価とは?計算方法や製造原価・販売費との違いなどを解説

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売上原価は売上総利益の算出に欠かせない項目のため、正確な計算が求められます。しかし原価計算は方法が複雑な上に売上原価は業界によって異なることから、お困りの方も少なくないのではないでしょうか。

そこで本記事では、営業・バックオフィス・情報システムなど幅広い分野の法人向けSaaSサービスを比較検討できる「PRONIアイミツ」が、売上原価について説明するとともに、計算方法も紹介します。売上原価について詳しく知りたい方は参考にしてください。

売上原価とは

売上原価とは「特定の期中に売れた商品の仕入れや製造にかかった費用」のことです。売上高から売上原価を差し引くことで、売上総利益を算出できます。たとえば、1,000円の傘が100本売れ、1本あたり売上原価が400円だった場合の売上総利益は6万円となります。
なお、売上原価は「実際に売れた商品」に対してのみ適用される点に注意が必要です。また、売上原価の概念や構成要素は業界によって異なるため、しっかりと理解した上で取り組みましょう。

売上原価の計算方法

原価計算基準に則って売上原価を計算する場合は、「売上原価(期首商品棚卸高)+当期商品仕入高-期末商品棚卸高」という計算式を用います。各項目の詳細は以下の通りです。

期首商品棚卸高=期首時点の在庫
期末商品棚卸高=期末時点の在庫
当期商品仕入高=当期に仕入れた金額

期首に1個1,000円で仕入れた商品が20個あり、期中に1個1,000円で50個仕入れ、期末に30個売れ残った場合の売上原価は、以下の計算式で求めます。

期首商品棚卸高2万円+当期商品仕入高5万円-期末商品卸高3万円=4万円

売上原価は特定の期中に売れた商品のみが対象となるため、このように複雑な計算が必要となります。もし計算が難しければ、原価管理システムを活用するというのも1つの手段です。

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売上原価に含まれる費用項目

売上原価には「売上が合った商品の材料費」と「製造部門の人件費」「製造にともなう減価償却費・水道光熱費」が含まれます。ここからは、それぞれの項目について解説します。

売上があった商品の材料費

売上原価の項目としてまずあげられるのは、売れた商品の材料費です。たとえばケーキを製造・販売している場合は、小麦粉や卵、生クリーム、バターなどが材料費にあたります。製造業や建設業では材料費が高額になりがちですが、材料費が少額になるほど多くの利益につなげられる傾向にあります。
また、売上原価は販売した時点で計上するため、同じ期中に生産しても在庫になった製品の原価は含みません。期中に売れ残った商品は原価は資産として計上されるので間違えないようにしましょう。

製造部門の従業員にかかる人件費

製造に携わる従業員の人件費も売上原価に含まれるのが一般的で、「労務費」として扱われます。製造に直接的な関わりはないものの、生産・品質管理や生産技術も製品の品質担保に重要な役割を担うことから、これらを担当する部門の従業員の人件費も労務費として計上します。
売上原価では製造に直接携わる従業員の人件費を「直接労務費」、間接的に製造に関わる従業員の人件費は「間接労務費」に分けて計上するのが基本です。サービス業などでは労務費の占める割合が大きくなる傾向にあります。

製造する際に発生した減価償却費や水道光熱費

製造過程で生まれた水道光熱費も売上原価に含まれます。工場の照明や品質担保に必要な空調代などがこれに該当します。
そのほか、機械の減価償却費も売上原価に含まれる項目です。工場で使用する機械設備は長期間の使用によって資産価値が低下するので、使用期間ごとの資産価値を売上原価として計上します。
売上原価ではこれらの水道光熱費・減価償却費は「経費」と呼ばれ、製造業では高額になる傾向にあります。なお、減価償却費は状況によって「販管費」になることもあるので注意が必要です。

業界ごとに売上原価の意味は異なる

売上原価の持つ意味は業界によって異なるという特徴があります。ここからは、各業界における売上原価の意味や考え方について解説します。

サービス業

形のないものを商品として提供することが多いサービス業における売上原価の特徴は以下の通りです。
・ほかの業種と比べて売上原価の項目が少なく金額も小さい
・人件費が必ずしもサービス提供に結びつくわけではないため販管費として計上される

中でも宿泊業や飲食サービス業ではこの傾向が顕著で、ほかの業界では売上原価が50%を超えるのに対して、宿泊業・飲食サービス業の売上原価は30〜40%(※)ほどです。サービス業の売上原価は、ほかの業界から見ると大きな違いがある点を理解しましょう。

出典:中小企業実態基本調査
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00553010&tstat=000001019842&cycle=7&tclass1=000001151226&tclass2=000001151227&tclass3val=0

情報通信業

情報通信業も機器の設置・メンテナンスなど、人的サービスが多くを占めることから、サービス業の売上原価に近い特徴が見られます。
・商品売買や製造ではなく人的サービスがメイン
・従業員の人件費はがサービス提供と結びついているとは限らないので販管費として計上される場合もある

情報通信業の売上原価は「商品仕入れ原価・材料費」と「労務費」に大きな開きがなく、約55%(※)が一般的な数値のようです。サービス業と同様に販管費が高額になる傾向もあるため、利益を拡大させるためには販管費の管理や改善が大きな課題となるでしょう。

出典:中小企業実態基本調査https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00553010&tstat=000001019842&cycle=7&tclass1=000001151226&tclass2=000001151227&tclass3val=0

小売業

スーパーや百貨店など、多くの商品を仕入れて販売する小売店における売上原価の特徴は以下の通りです。

・小売業の売上原価の大半が「商品仕入原価・材料費」
・店舗の宣伝や事業運営、バックオフィス部門の人件費は労務費ではなく販管費になる


小売業の売上原価はサービス業と製造業・建設業の中間ほどの割合になるのが一般的とされています。仕入れ値が原価率に大きく関わるため、随時見直すことをおすすめします。

製造業

製造業では製品の生産に使った材料にくわえて、製造に携わる従業員の人件費(労務費)や水道光熱費・減価償却費(経費)も売上原価に含めます。製造業における売上原価の特徴は以下の通りです。

・サービス業と比べ売上原価率が高くなる
・特に商品仕入原価・材料費が高くなる


製造業の売上原価は高くなる傾向にあり、中小企業実態基本調査によると約80%(※)にのぼることが判っています。また、製造中の「仕掛品」が多くなるため、一般的な売上原価ではなく「製造原価」が用いられるのが一般的です。売上原価と製造原価の違いについては次章で解説します。

出典:中小企業実態基本調査
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00553010&tstat=000001019842&cycle=7&tclass1=000001151226&tclass2=000001151227&tclass3val=0

建設業

建設業では1件の工事が数年におよぶケースもあるため、年度ごとに区切る一般会計での対応が難しいことも珍しくありません。そうした背景から建設業では「建設業会計」と呼ばれる特殊な会計ルールが用いられており、「完成工事高(売上高)」や「完成工事原価(売上原価)」「完成工事総利益(売上総利益)」といった用語が使われます。
建設業における売上原価は、製造業と同様に高額になりがちなのが一般的です。商品仕入れ原価・材料費が大きな割合を占めるという点も製造業に近いと言えます。また、外注費が非常に高いという特徴があるので、外注費を抑えながら高品質な建設物をつくることが利益追求における課題でしょう。

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売上原価と製造原価の違い

売上原価と製造原価は、概念と目的に大きな違いがあります。売上原価は実際に売れた商品の製造にかかった費用を指すもので、売れ残っている商品は対象外です。一方で製造原価には売れ残った商品の材料費や労務費、経費などが含まれます。
また、売上原価は売上総利益の算出を目的とするのに対して、製造原価はコストの把握・管理を目的に用いられるのが一般的なため、会計で利用される部分も異なります。
ただし「自社で製造しているのか」「仕入れのみで対応しているのか」によっても製造原価の意味は変わるので、状況に応じた使い分けが重要です。

売上原価と販管費の違い

販管費は「販売費及び一般管理費」の略称で、商品・製品の販売にかかった費用を指します。販売費と一般管理費、それぞれの内容は以下の通りです。

・販売費
商品・製品の販売に関連して直接かかる費用のことで、広告宣伝費や販売手数料、荷物運送費などが該当します。
・一般管理費
企業の一般管理にかかる費用で、従業員の給与・賞与や福利厚生日、水道光熱費など多くの項目が該当します。

売上原価は売れた製品の仕入れや生産にかかった費用である一方で、販管費は商品・サービスの提供や企業の管理にかかる費用
だと考えるとよいでしょう。なお、販管費が高額になると利益が減少するため、売上原価と同様に重要な項目だと言えます。

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原価管理を行う方法

原価管理の方法は、Excelを用いる方法と原価管理システムを用いる方法に大きく分かれます。Excelによる管理はソフトに慣れ親しんだ従業員が多いというメリットがある一方で、属人化を招きやすいのがデメリットです。また、さまざまな関数を利用することになるので、会計や原価計算に関する専門的な知識が求められます。
「手作業による原価管理は不安」という場合は、より効率的な管理に役立つ「原価管理システム」の活用がおすすめです。

原価管理システムを導入するメリット

原価管理システムを導入すると、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

迅速な経営判断につながる

原価管理システムは、原価に関する幅広い機能を備えています。具体的には、さまざまな原価を短時間で算出・管理できる原価計算機能、原価に影響する素材や為替などのデータ収集機能、分析・シミュレーション機能などが使用できます。
原価計算に自信のない従業員のサポートはもちろん、データを将来のシミュレーションに活用すればスピーディーな経営判断にも役立てられます。

人件費を抑えることができる

原価管理システムの導入は、人件費の削減にもつながります。たとえば、売上原価の計算や管理方法を知らない従業員が担当者になった場合は、知識を身につける時間が必要です。先輩従業員がサポートする場合には、2人分の人件費を投下することになります。
原価管理システムを導入すれば、初心者であっても簡単に原価計算・管理ができるため、作業時間の大幅削減が可能です。結果として原価の計算や管理にかかっていた人件費の削減にもつながるでしょう。

外部システムとも連携可能

原価管理システムの多くは、外部システムとの連携に対応しています。すでにERPを導入しているのなら、既存ERPと原価管理システムを連携させることで作業工数の削減が可能です。システムごとに手入力の手間がかからなくなり、情報を一元管理できるようになるので業務効率化にも貢献するでしょう。既存システムとの相乗効果を得たいという場合にも、原価管理システムはおすすめと言えます。

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まとめ

本記事では売上原価の概念や計算方法、業界別の売上原価の特徴などを解説してきました。売上原価に含まれる費用は業界によって異なることから、きちんと理解した上で業務に取り組む必要があります。「手作業での売上原価計算・管理は不安」という場合は、原価管理システムの導入を検討してもいいかもしれません。
「PRONIアイミツ」では、原価管理システムの比較検討に役立つ幅広い情報を掲載しています。利用環境・サポート内容や業界別の導入実績などからの検索も可能なので、製品選びにお役立てください。

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