1on1ツールの選び方|3つのタイプと5つの比較軸を解説
この記事でわかること
- 1on1ツールの3つのタイプと違い
- 1on1ツールの5つの比較軸
- ケース別の選び方の傾向とつまずきやすいポイント
1on1ツールは、1on1の運用支援に特化したものから人事評価と一体になったものまで種類が多く、対応できる範囲や重視する機能がツールごとに異なります。本記事では、自社の状況の整理から比較軸、選定でつまずきやすいポイントまで、1on1ツールを選ぶ流れに沿って解説します。
- 1on1ツールとは
- 1on1ツールの主なタイプと違い
- ツールを選ぶ前に整理しておきたい自社の状況
- 1on1ツールを選ぶ際の5つの比較軸
- ケース別に見る1on1ツールの選び方の傾向
- 1on1ツール選定でつまずきやすいポイント
- 1on1ツールの選び方で失敗しないために
1on1ツールとは
1on1ツールとは、上司と部下が定期的に行う1on1ミーティングについて、日程や話したいテーマ、記録、実施状況をまとめて管理するツールです。1on1の記録は、スプレッドシートやWordなどのファイルでも管理できます。一方、1on1ツールを使えば、記録を1つのツールでまとめて管理できるため、上司ごとに記録する項目や保存先がばらつくのを防ぎやすくなります。
主な機能や導入するメリット、導入前の注意点は、「1on1ツールとは」の記事で解説しています。
1on1ツールの主なタイプと違い
1on1ツールは、大きく3つのタイプに分けられます。ここでは、タイプごとの特徴と向いている会社を紹介します。
| タイプ | 主な機能 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 1on1運用特化型 | テーマ共有・記録・アクション管理 | 1on1の進め方をそろえたい会社 |
| コンディション把握型 | アンケート・サーベイ | 部下の変化を知りたい会社 |
| 人事評価・タレントマネジメント一体型 | 目標・評価と1on1記録の一元管理 | 1on1の記録を評価に生かしたい会社 |
1on1運用特化型
1on1運用特化型は、1on1を進めるための機能に絞ったタイプです。部下が話したいテーマを事前に登録する機能や話題のテンプレート、次回までのアクション管理などを備えたツールがあります。
たとえば、時間をかけてキャリアの話まで行う上司もいれば、業務確認だけで終える上司もいるように、1on1の進め方が上司ごとにばらついている会社に向いています。テンプレートを使えば、上司ごとの進め方のばらつきを抑えやすくなります。
コンディション把握型
コンディション把握型は、アンケートやパルスサーベイ(数問の質問を短い間隔で繰り返す調査)などで部下の状態を確認するタイプです。上司や人事部門は回答から不調の兆しをつかみ、1on1で話すきっかけにできます。たとえば、入社1〜2年目の社員の離職が続いており、退職の申し出がある前に、部下の不調や変化を把握したい会社に向いています。
人事評価・タレントマネジメント一体型
人事評価・タレントマネジメント一体型は、目標や評価、社員情報とあわせて、1on1の記録も管理できるタイプです。目標管理や人事評価、タレントマネジメントのツール(社員の目標や評価、スキルなどをまとめて管理するツール)のうち、1on1の記録機能を備えたものがこのタイプにあたります。たとえば、半期ごとの評価面談で、期中の1on1で話した目標の進み具合を確認したい会社に向いています。
タイプごとのおすすめの製品は、「おすすめの1on1ツール」の記事で紹介しています。
ツールを選ぶ前に整理しておきたい自社の状況
1on1ツールを選ぶ前に、自社の状況を3つの点から整理しておきましょう。ここでは、それぞれの整理の仕方を紹介します。
1on1ツールを使う人数(管理職と部下の内訳)
まず、1on1ツールを使う人数を、「管理職10人・部下90人」のように管理職と部下に分けて数えます。料金の計算に使う人数が、利用者全員か、管理職だけか、部下だけかなど、ツールによって異なるためです。
月あたりの1on1の回数
次に、1on1の頻度と部下の人数から、月あたりの1on1の実施回数を計算します。この回数は上司が毎月ツールに1on1の結果を入力する件数にあたるため、記録の手間をどこまで減らしたいかを判断する目安になります。たとえば、上司が部下10人と毎週1on1を行う場合、1on1は月に約40回、記録も約40件になります。隔週なら約20件です。
1on1ツールと連携させたい既存システム
最後に、既存システムのうち、1on1ツールと連携させたいものを書き出します。対象になるのは、主に次の4種類です。
1on1ツールと連携させたい既存システム
- カレンダー(Googleカレンダー、Outlookなど)
- チャット(Slack、Microsoft Teamsなど)
- Web会議(Zoom、Google Meetなど)
- 人事評価・タレントマネジメントのシステム
あわせて、部署によって使っているシステムが異なる場合は、その違いも書き出しておきます。たとえば、本社はOutlook、店舗はGoogleカレンダーのように使い分けていると、どちらか一方のカレンダーとしか連携できないツールの場合、一部の部署では1on1の予定を手動で登録する必要があります。
1on1ツールを選ぶ際の5つの比較軸
1on1ツールの候補は、5つの軸から比較すると違いを整理しやすくなります。それぞれの軸で、確認したいポイントを紹介します。
1on1の記録にかかる手間
1つ目の軸は、1on1の記録にかかる手間です。記録の手間を減らす主な機能は、次のとおりです。
記録の手間を減らす主な機能
- AIによる要約機能
- 話したテーマを選んで入力できるテンプレート機能
- スマートフォンでの入力機能
1件あたりの入力時間の差は小さくても、件数が多いと、上司の作業時間は大きく変わります。たとえば、部下10人と毎週1on1を行う上司の場合、入力時間が1件3分違うと、月約40件で月2時間の差になります。
AIによる要約機能を備えたツールなら、1on1の会話から記録の下書きを作れるため、上司が一から記録を書く手間を減らせます。ただし、要約機能の中には、Web会議の録画や音声をもとに要約するものがあります。対面での1on1が多い場合は、要約機能を使える場面が限られるため、話したテーマを選んで入力できるテンプレート機能など、要約以外の方法で記録の手間を減らせるかも確認しましょう。
既存システムとの連携範囲
2つ目の軸は、既存システムとの連携範囲です。同じ「カレンダー連携」でも、連携してできることはツールによって異なるため、対応しているシステムの種類だけでなく、連携して何ができるかまで比べましょう。
| 連携先 | 確認したいこと |
|---|---|
| カレンダー | 1on1の予定を一括で登録できるか、日程の変更が反映されるか |
| チャット | リマインドの通知から、1on1のテーマを登録できるか |
| Web会議 | 1on1の録画や音声を、AIによる要約に使えるか |
| 人事評価システム | 1on1で話した目標を、評価の画面で確認できるか |
自社の人数で見た月額料金
3つ目の軸は、自社の人数で見た月額料金です。1on1ツールの料金は、1人あたりの単価だけでは比べられません。最低利用人数や月額の最低料金が決まっているツールや、「50名まで定額」のように人数の区切りごとに料金が変わるツールもあるためです。
たとえば、人数の区切りで料金が決まるツールでは、利用者が50人から51人に増えると、次の区切りの料金に上がることがあります。候補を比べる際は、今の人数と、今後増える見込みの人数の両方で月額料金を試算しましょう。
1on1の記録の閲覧範囲
4つ目の軸は、1on1の記録の閲覧範囲です。閲覧範囲の設定方法はツールによって異なり、部下や役職ごとに設定できるツールもあれば、記録の入力欄ごとに分けられるツールもあります。
たとえば、1on1の記録を「キャリアの希望」「業務の悩み」のように話題ごとの入力欄に分けて残すとします。キャリアの希望は人事部門も閲覧できるようにして異動の検討に使い、業務の悩みは上司と部下だけに限る場合は、入力欄ごとに閲覧範囲を設定できるツールが必要です。
導入・定着のサポート範囲
5つ目の軸は、導入・定着のサポート範囲です。導入時の初期設定の支援から、管理職向けの研修や勉強会まで、サポートの内容はツールによって異なります。管理職研修を別に手配する予定がない会社は、研修や勉強会までサポートに含まれるかを重視しましょう。サポートが料金に含まれるのか、別料金のオプションなのかも確認が必要です。
ケース別に見る1on1ツールの選び方の傾向
1on1ツールで重視する機能は、導入の進め方や組織の状況によって変わります。ここでは、代表的な4つのケースごとに選び方の傾向を紹介します。
| ケース | 重視したいこと |
|---|---|
| 人事部門の主導で全社に展開する | 実施率の一覧、権限の一括設定 |
| 一部の部署から小さく始める | 少人数での契約、契約期間 |
| リモートワーク中心のチームで使う | Web会議との連携、AI要約、サーベイ |
| 管理職の1on1の経験にばらつきがある | テンプレートや質問例(運用特化型) |
人事部門の主導で全社に展開する場合
全社に展開する場合は、部署ごと・上司ごとの1on1の実施率を一覧で確認できる機能を重視しましょう。管理職が多いほど、人事担当者が各部署に実施状況を問い合わせて集計する手間が増えます。
また、全社で使うと、異動や組織変更のたびに閲覧権限の設定を直す作業が発生します。たとえば、4月の組織変更で50組の上司と部下の組み合わせが変わる場合、1組ずつ設定し直すと人事担当者の作業が大きく増えます。そのため、部署や役職の単位で権限をまとめて設定できるかも確認しておきましょう。人事評価との連動も考えている場合は、人事評価・タレントマネジメント一体型も候補になります。
一部の部署から小さく始める場合
1つの部署で試してから全社に広げる場合は、少人数で契約できるか、あとから利用人数を増やせるかを確認しましょう。ツールによっては年単位の契約期間が決まっており、試験導入には向かないこともあります。
たとえば、管理職5人・部下30人の部署で3ヶ月試す場合、月単位で契約できるツールであれば、3ヶ月分の費用で別のツールに切り替えられます。一方、年契約が前提のツールでは、途中で解約しても残りの期間の料金がかかる場合があります。
リモートワーク中心のチームで使う場合
リモートワーク中心のチームでは、1on1をWeb会議で行うことが多いため、Web会議ツールとの連携やAIによる要約機能があると便利です。録画や音声から要約できるツールを使えば、上司は1on1の間、メモを取ることより部下の話を聞くことに集中できます。
さらに、リモートワークでは表情や雑談から部下の様子を察しにくいため、コンディション把握型のサーベイ機能を持つツールも検討しましょう。たとえば、チャットでは元気そうに見える部下でも、サーベイで「業務量が多い」と答え続けていれば、次の1on1で仕事の配分を話し合うきっかけになります。
管理職の1on1の経験にばらつきがある場合
1on1に慣れた管理職と、初めて1on1を担当する管理職が混ざっている場合は、話題のテンプレートや質問例を備えた運用特化型が向いています。たとえば、昇格したばかりの管理職でも、「今月いちばん時間を取られた業務は?」のような質問例を見ながら進めれば、何を話せばよいか迷う時間を減らせます。
1on1ツール選定でつまずきやすいポイント
1on1ツールの選定では、比較軸を整理していても、トライアルの進め方や社内の確認でつまずくことがあります。ここでは、よくある3つのケースを解説します。
人事部門だけでトライアルを済ませてしまう
まず、人事担当者だけでトライアルを行い、上司や部下が使う画面を確認しないまま契約してしまうケースです。毎回入力するのは上司と部下のため、契約後に使いにくさが分かると、ツールを替えるのに手間や費用がかかります。
たとえば、人事部門がパソコンで試して問題ないと判断したツールでも、外回りの多い営業部から「スマートフォンで記録を入力しにくい」という声が導入後に上がることがあります。また、部下がテーマを登録する画面が分かりにくければ、テーマが登録されないまま1on1が始まる状態が続きかねません。トライアルやデモがある場合は、上司と部下にも画面を見てもらい、実際の1on1の流れに合うかを確認しておきましょう。
今使っている人事システムに1on1機能があるのを見落とす
次に、すでに使っているタレントマネジメントツールや人事評価システムの1on1機能を確認しないまま、別の1on1ツールを導入してしまうケースです。料金が二重にかかるうえ、目標や評価などの人事の情報と1on1の記録を、別々のシステムで管理することになりかねません。
たとえば、目標は人事評価システムに、1on1の記録は1on1ツールに入力する運用になると、上司は評価の時期に2つのシステムを見比べて、期中に話した内容を探すことになります。部下にとっても、同じ目標を2か所に書く手間が生じます。1on1ツールの導入を検討する部署と人事システムを管理する部署が別の場合は、比較前に既存システムで1on1の記録ができるかを確認しておきましょう。
機能の多さで選んでしまう
最後に、使わない機能まで備えたツールを選んでしまうケースです。不要な機能の分まで費用がかかるうえ、画面の項目も増えます。
たとえば、記録とアクション管理だけを使いたい会社が、サーベイや目標管理、評価まで備えたツールを選ぶと、上司は1on1の記録をどの画面に書けばよいか迷いやすくなります。また、入力欄が多いと、記録のたびに使わない項目を読み飛ばすことになり、1回の入力にかかる時間も延びがちです。自社で使う機能を先に決め、その機能がそろっているかで比べましょう。
1on1ツールの選び方で失敗しないために
1on1ツール選びでは、自社の課題に合うタイプを決め、使う人数や1on1の回数、連携させたい既存システムを書き出したうえで、5つの比較軸で候補を比べることが大切です。
とはいえ、1on1ツールはタイプや料金の計算方法、サポートの範囲がツールごとに異なり、自社に合うものを絞り込むのは簡単ではありません。PRONIアイミツでは、利用人数や重視したい機能などの条件をもとに、自社に合う1on1ツールを無料で診断・相談できます。候補の絞り込みに迷ったら、ぜひご活用ください。
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