ノーコードツールとは?ローコードとの違いや導入メリットを解説
「システム開発をしたいけどスキルがない」「エンジニアに依頼するとコストがかかる」と悩む現場担当者も多いでしょう。こうした課題を解決する手段として、注目されているのがノーコードツールです。ノーコードツールを使えば、専門的な知識がなくても業務アプリやWebサービスの開発・運用が可能になります。
本記事では、ノーコードツールとローコードツールの違いや、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。導入メリットや選び方のポイントも紹介するので、「自社に合った開発ツールを導入したい」とお考えの現場担当者はぜひ参考にしてください。
- ノーコードツールとは
- ローコードツールとの違い
- ノーコードツールを導入するメリット
- ノーコードツールを導入するデメリット
- ノーコードツールの選び方・比較ポイント
- まとめ:ノーコード開発で業務効率化しよう
ノーコードツールとは
ノーコードツールとは、プログラミングの知識がなくても、アプリケーションやWebサイト、業務ツールなどを開発・構築できるソフトウェアです。専門的な知識が必要なコードを書かずに、ドラッグ&ドロップやテンプレートの選択といった直感的な操作でシステムを作成できるのが特徴です。
これまでシステム開発はプログラミングが必要でしたが、ノーコードツールの登場により、非エンジニアでも素早く低コストで開発が可能になりました。主に、業務改善や業務の自動化、簡易的なWebアプリの構築などで活用されています。
出典:株式会社ITR「ローコード/ノーコード開発市場規模推移および予測」
株式会社ITRによると、ノーコード、ローコード開発市場の2023年度の売上金額は812億2,000万円で、前年度比14.5%増となっています。「現場レベルで業務を効率化したい」「外注せずにアイデアをすぐ形にしたい」といったニーズに応える手段として、ノーコードツールは近年ますます注目を集めています。
ノーコードツールの主な機能
ノーコードツールは、専門的なプログラミング知識がなくてもアプリやサービスを構築・運用できるように、多彩な機能があります。ここでは、代表的な機能をいくつか紹介します。
| 機能 | 概要 |
|---|---|
| ビジュアルエディター | テキストや画像、ボタン、入力フォームなどを画面上に自由に配置 |
| データベースとの連携 | データの登録・更新・検索といった処理を自動化 |
| ワークフローや業務プロセスの自動化 | フォームへの入力をトリガーに、自動でメールを送信したり、クラウドストレージにデータを保存する等 |
| 外部サービスとの連携 | API連携やWebhook連携が可能 |
ビジュアルエディター
ノーコードツールのメインと言える機能が、ドラッグ&ドロップで操作できるビジュアルエディターです。テキストや画像、ボタン、入力フォームなどを画面上に自由に配置でき、デザイン性の高い画面を直感的に作成できます。WebサイトやスマホアプリのUIをコーディングなしで構築できるため、非デザイナーでも扱いやすいのが特徴です。
データベースとの連携
ノーコードツールは、データベースやスプレッドシートと連携して、データの登録・更新・検索といった処理を自動化できます。たとえば、AirtableやGoogle Sheetsを利用して、アプリ内で動的にデータを表示するような使い方が可能です。
ワークフローや業務プロセスの自動化
ノーコードツールには、業務の効率化を支援するためにワークフローの自動化機能も搭載されています。フォームへの入力をトリガーに自動でメールを送信したり、クラウドストレージにデータを保存したりする設定を簡単に実装できます。
外部サービスとの連携
ノーコードツールの中には、外部サービスとの連携機能を持つものもあります。API連携やWebhook機能を通じて、他のクラウドサービスと情報をやり取りしたり、通知を飛ばしたりするなど、柔軟な連携が可能です。
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ローコードツールとの違い
ノーコードツールとよく比較されるのがローコードツールです。どちらも開発工数を削減し、業務効率化を支援するツールですが、主な違いは「どの程度コードを書く必要があるか」という点にあります。
ノーコードツールはその名の通り、まったくコードを書かずに開発できることを前提としたツールです。主に非エンジニアを対象としており、操作はビジュアルベース。アプリやWebサイトの作成、業務フローの自動化などが、直感的なUIで完結します。現場担当者や事務スタッフでも活用でき、IT部門に依存せず素早い導入が可能です。
一方のローコードツールは、最低限のコーディングによってノーコードツールより高度な開発が可能になるツールです。基本的なUI構築や処理はビジュアル操作で行えますが、細かな制御や複雑な要件に対応するには、JavaScriptやSQLなどのコードを部分的に記述する必要があります。そのため、ある程度の開発スキルがあるエンジニアや情報システム部門が主なユーザーとなります。
| 比較項目 | ノーコードツール | ローコードツール |
|---|---|---|
| コード記述 | 不要 | 部分的に必要 |
| 開発ハードル | 低い | ノーコードより高い(エンジニアが必要) |
| 開発の柔軟性 | 低い | ノーコードより高い |
ノーコードツールを導入するメリット
開発リソースが限られている企業や現場主導で業務改善を進めたい組織にとって、ノーコードツールは即戦力ともいえる存在です。ここでは、ノーコードツールを導入することで得られる主なメリットを5つ紹介します。
開発経験のない担当者でも直感的にコード開発が可能
ノーコードツールは、プログラミングの知識がなくても使えるUI設計や操作性が特徴で、ドラッグ&ドロップや選択式の設定によってアプリや業務フローを簡単に構築できます。IT部門に依頼せず、現場の担当者自身が業務に最適なツールを作成・運用できる点はメリットです。
現場のアイデアを即実行に移せる
現場で生まれた業務改善のアイデアをすぐに形にできるスピード感も、ノーコードツールの魅力です。開発フローを省略できるため、試作(プロトタイピング)や検証を迅速に行うことが可能となり、PDCAサイクルを短期間で回せます。これにより、現場主導での継続的な業務改善が実現しやすくなります。
開発・運用コストの削減
ノーコードツールを導入すれば、エンジニアの工数や外注コストを削減できます。また、既成テンプレートや再利用可能なパーツが豊富に用意されているため、一から設計・構築する必要がなく、初期費用も比較的抑えやすいのもメリットです。さらに、運用も現場で完結できるため、保守・改修にかかる費用も軽減されます。
インフラ構築やセキュリティ設定が不要
多くのノーコードツールはクラウドベースで提供されており、サーバーやネットワークなどのインフラ構築が不要です。セキュリティやバックアップなどの基本機能もツール側で管理されるため、専門知識がなくても安心して利用できます。
既存業務システムとの連携が可能
ノーコードツールには、APIや外部サービスとの連携機能を搭載しているものが多く、既存の業務システムやSaaSツールと柔軟に連携できます。たとえば、Google SheetsやSlack、Salesforceといった外部ツールとリアルタイムにデータをやり取りしたり、自動通知を行ったりすることが可能です。
ノーコードツールを導入するデメリット
ノーコードツールには多くのメリットがありますが、導入にあたっては注意すべき点や制限も存在します。そのため「できること」と「できないこと」の線引きを理解しておくことが重要です。ここでは、ノーコードツールの代表的なデメリットと、それを補うための対策について解説します。
高度なカスタマイズが難しい
ノーコードツールはあらかじめ用意された機能やテンプレートを使う仕組みであるため、複雑な業務要件や独自ロジックへの対応には限界があります。たとえば、細かなレイアウト調整や外部システムとの深い連携が必要な場合には、対応できないことがあります。
ただし、最近では一部のツールで「ローコード機能」や「カスタムスクリプト」が使えるものも増えており、サービス選定次第でカスタマイズ性を高めることも可能です。
特有のソースコードになるため他ツールへの移行が難しい
ノーコードツールで構築したアプリやフローは、そのツール独自の形式・構造になっていることが多く、他のプラットフォームへの移行やエクスポートが難しい場合があります。長期的な利用やツールの乗り換えを考慮する場合には、ベンダーロックイン(特定のベンダーに依存することで乗り換えしづらい状況)のリスクを事前に確認しておく必要があります。
移行性が気になる場合は、データのエクスポート機能や標準APIへの対応状況を事前に確認したり、テクニカルサポートが充実したサービス提供会社を選ぶと安心です。
裏側の処理ロジックが見えにくいため属人化しやすい
ノーコードツールはビジュアル操作が中心である一方、処理の裏側(ロジックや条件分岐など)がブラックボックス化しやすいという課題があります。構築した本人にしか内容がわからず、担当者の退職や異動により、メンテナンスが困難になるケースもあります。
このリスクを避けるには、運用ルールを文書化したり、複数人での共同編集ができるツールを選ぶとよいでしょう。また、テクニカルサポートが手厚いサービスを選べば、属人化のリスクを軽減できます。
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ノーコードツールの選び方・比較ポイント
ノーコードツールは数多くの種類があり、機能や使い勝手、価格帯もさまざまです。そのため、自社に合ったツールを選ぶには、目的や利用シーンを明確にし、複数の観点から比較検討することが重要です。ここでは、選定時に特に押さえておきたい5つのポイントを紹介します。
導入目的に合った機能があるか
ノーコードツールを選定する際は、まず何を実現したいのかを明確にすることが重要です。たとえば、「社内の申請業務を効率化したい」「顧客管理のための簡易データベースを作りたい」「業務フローの自動化を図りたい」といった目的によって、適した機能や操作感は大きく異なります。導入前に現場の課題や改善したい業務内容を洗い出し、ツールに求める要件を整理しておくことが大切です。
コーディングの知識が低くても簡単に操作できるか
ノーコードの最大の強みは、非エンジニアでも使える操作性です。そのため、UIが直感的であるか、ドラッグ&ドロップでの構築が可能かといった、使いやすさの確認は必須です。無料トライアルやデモ動画などを活用して、実際に操作した感触を確かめることをおすすめします。
運用保守のしやすさを確認する
一度ツールを導入した後は、定期的な修正・更新作業や運用管理が必要になります。そのため、主に次にような点をチェックするのがおすすめです。
- 複数人で編集ができるか
- バージョン管理が可能か
- 設定内容をドキュメント化しやすいか
データ容量制限やパフォーマンス上限を確認する
ノーコードツールには、データ量や処理速度に制限が設けられている場合があります。特に、大量のデータを扱う業務や、ユーザーアクセス数が多いアプリケーションを構築する場合には、パフォーマンスの上限や拡張性を事前に確認しておくことが重要です。
料金体系を確認する
| 項目 | ノーコードツール | ローコードツール |
|---|---|---|
| 初期費用 | 無料〜5万円程 | 10万〜100万円以上 (導入支援・設計・PoC含む) |
| 月額料金 | 無料〜3,000円程 (個人/小規模向け) 5,000円〜1万円程 (ビジネスプラン) |
5,000円〜2万円程 (中〜大規模向け) |
ツールによっては、無料プランと有料プランで機能に大きな差がある場合があります。ユーザー数や機能単位で課金されるもの、ストレージ容量に応じた従量課金制など、料金体系も多様です。導入後に予想以上のコストがかからないよう、自社の利用状況に合わせた価格設定かを見極めることが大切です。年間契約や法人向け割引などもあるため、ライセンス形態の柔軟性も比較検討しましょう。
まとめ:ノーコード開発で業務効率化しよう
ノーコードツールは、非エンジニアでも直感的にアプリや業務フローを構築できる手軽さと、現場主導で業務改善を進められるスピード感が魅力です。うまく活用すれば、開発コストの削減や生産性の向上が効果も期待できます。
一方で、カスタマイズの限界やツール間の移行制限といったデメリットもあるため、導入目的や業務内容に合ったツールを選ぶことが成功のカギとなります。操作性やサポート体制、拡張性などの比較ポイントを押さえながら、ノーコード開発で業務効率化しましょう。
しかし、数あるノーコードツールを比較して自社のニーズに合ったものを選ぶのは大変です。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったノーコード・ローコードツールが分かる診断(無料)ができます。
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